31 / 37
蒼き臨界の果てに
31
しおりを挟む【それで話を戻すとね】
【彼女は話を戻そうとするが、
相変わらずその恥ずかしさは、
同時に僕に伝わっていた】
【イルカの翻訳なんだけど、
初期の開発ではもちろん
イルカの話している言葉は解らなかった。
発している音波はわかってもね。
そこで、
まだ言葉を知らない子供のイルカを使って
人間の言葉をイルカの発する音波に合わせ
教え込んだの。
この音波はうれしい。
この音波はお腹すいたと言った風に。
人語をイルカ語として教えたの。
そして群れに戻した子供イルカは!
本来の仲間の言葉を覚える。
そのイルカは人語とイルカ語のわかる
通訳者になるの。
そうして通訳が出来るようになったのが
ピーピーとキーキー 】
【それは不思議な話だった。
僕の知る世界では、
そんな技術はまだ発見されてない処《どころ》か、
そんな試みさえされてないのだから。
オーバーテクノロジー
明らかに彼女の所属する組識は、
時代の最先端をいっている 】
【アレフ、それが私の所属する組識。
でもね、そんな事はどうでもいいの。
ただイルカと仲良く出来れば。
それで翻訳を進めていた時に、
人語とイルカ語の決定的な齟齬に
いきあたったの。
イルカはその言葉で、
海底の地形やその物の形や、
材質まで語っていたの。
これを人間の言葉で説明するのは、
不可能に近かったのよ。
人間の言葉はイルカの言葉より、
圧倒的に劣っていたのよ 】
【さすがイルカを神と崇拝する彼女の言葉。
そこには悔しさより嬉しさで溢れていた】
【そこでこのソールリンクが、
新たに開発される事になったの。
言葉じゃなく感情を、
ダイレクトに直接伝える装置がね。
まだ実験段階で、
人間同士の通信には成功してるけど、
イルカとの交信はまだまだこれからよ 】
【そこでふと疑問がわいた。
アクアボイジャーでも片言ではあるが、
イルカと話せていたはずじゃ・・・
その疑問を口にするまでもなく、
彼女はすぐに答えてくれた 】
【確かに子供の時に人語を教えた、
ピーピーとキーキーとは会話できるわ。
でも他のイルカとの会話になると難しいの。
だって人の言葉はその物の形や材質、
その位置情報まで伝えたりしないもの。
ピーピー達が翻訳してくれても、
うまく伝わらないのよ 】
【逆に言えば、ピーピーとキーキーは、
人の理解できる部分だけを抜き出して
話してくれている 】
【イルカに理解できるように話していたと
思っていた自分が、
逆にイルカに考慮されていた。
それこそが人間の傲慢なのだと、
思い知らされた。
万物の霊長だとおごった人間は、
他の生物は人間より知能が低いと、
下等だと蔑んでいる。
思慮の欠如。
それこそが傲慢無知。
他者の権利を虐げる暴虐の徒。
他の者を踏みにじる悪の因子。
人の業なのだと 】
0
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
“熟年恋愛”物語
山田森湖
恋愛
妻を亡くし、独りで過ごす日々に慣れつつあった 圭介(56)。
子育てを終え、長く封じ込めていた“自分の時間”をようやく取り戻した 佳奈美(54)。
どちらも、恋を求めていたわけではない。
ただ——「誰かと話したい」「同じ時間を共有したい」、
そんな小さな願いが胸に生まれた夜。
ふたりは、50代以上限定の交流イベント“シングルナイト”で出会う。
最初の一言は、たった「こんばんは」。
それだけなのに、どこか懐かしいような安心感が、お互いの心に灯った。
週末の夜に交わした小さな会話は、
やがて食事の誘いへ、
そして“誰にも言えない本音”を語り合える関係へと変わっていく。
過去の傷、家族の距離、仕事を終えた後の空虚——
人生の後半戦だからこそ抱える孤独や不安を共有しながら、
ふたりはゆっくりと心の距離を縮めていく。
恋に臆病になった大人たちが、
無理をせず、飾らず、素のままの自分で惹かれ合う——
そんな“優しい恋”の物語。
もう恋なんてしないと思っていた。
でも、あの夜、確かに何かが始まった。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる