推しに婚約破棄されたとしても可愛いので許す

まと

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「ランデル、それって…」

「失礼致します。ランデル殿下、レオノールお嬢様、陛下がお呼びでございます」

「分かった」

「はっ、はい!」

ランデルの侍従から声がかかる。
どうやらだいたいの話はついたみたいね。

ちらりとランデルの顔を見る。
やっぱり、どう考えてもレオノールに対して良い感情は持ってないよね。

ゲームの中でも、時折キャラクターの幼い頃のシーンが出てくるけど、子供の頃からワガママで生意気で偉そうだったレオノールだもの。

まあ、それでも都合は良い。
今回、レオノールからこの婚約話は無かったことにして欲しいと願い出ている訳だけど、王家からしたら不敬に近い事なのかもしれない。

それでもランデルからしたら、レオノールなんかと結婚しなくても良いんだもの。だからランデルは喜んで私の意見に合意してくれるはず。

この先マリローズと恋に落ちて、レオノールに邪魔されないこの世界で幸せになるんだから。

さすがに、推しに嫌われるのは辛いから友人としては仲良くして欲しいけどね。


「ランデル!心配しなくていいからね?」

「…?」

「私がランデルを幸せに導いてみせるからね」

「…そうなの?」

「ふふっそうよ」

「君も幸せ?」

「もちろんよ。ランデルの幸せが私の幸せだもの」

「…」

ランデルの陶器のような白い肌が、少しだけピンク色に染まる。

やだ!ランデルったら!照れてるの??もうっ!!

「ランデル可愛い!!」

きゅんが止まらず、ランデルをぎゅっと抱き締めた。何て可愛いのだろう?そして匂いまで少し甘くて良い香りなんて!!
ああ、変態でごめんなさい!!!

「レオノール…」

ランデルも、背中に手を回して抱き締めてくれる。

もう、死んでもいいかなあ。

いやいや、私は友人ポジションでランデル×マリローズの幸せを見守りつつ、オブライト家を立派に切り盛りしていかないといけないんだから!




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