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しおりを挟む「…それ、どちらにしてもよくないイメージじゃない」
「左様でございますね。ですがアデリナお嬢様がおっしゃるご自分のイメージ像とは全く別物です」
「でも、だとしたらなぜ?根暗の引きこもりだって公爵家の妻としては相応しくないでしょう?」
「引きこもり…。さあ、それは公爵家…スタンリー様のお心がお決めになる事なので…」
「…………つぅぅうっ…」
なんで?婚約者といえどほとんど会う機会のなかった私達。
わざわざ我が家まで来たからには、相当重要な話しを持ってきたのだと思った。
そう、それは婚約破棄。
それにタイミング的にもおかしくなかった。
噂があったのだ。
スタンリー様とカミラ様の噂が。
カミラ様は伯爵家の一人娘で、性格良し
気立て良し、頭良しの三拍子揃った素晴らしい女性で、ファンも多い。
そんなカミラ様とスタンリー様はとても仲が良い。 一応婚約者である私なんかよりも逢瀬を交わし、愛を育んでいると言う。
私は根暗のひきこもり(さっき知った)だが、雇いの情報屋がいるので、この情報はほぼ100%間違いないだろう。
こうなったら一度、ちゃんと腰を据えて話し合った方がいいようね。
「マーヤ、明日公爵家に行く段取りをとってちょうだい」
「はあ」
呆れた声で返事をするマーヤを背に、私は心に誓う。
とにかく私は公爵家になどお嫁に行かない。
小さな頃に勝手に婚約者を決められ、しかもその相手があの天下のスタンリー様だと知った時は、子供ながらに驚き嘆き寝込んだ。
なによっ!悪役令嬢になれば、大抵婚約破棄されるとお嬢様達シリーズに書いてあったのに!!!
悪役になりきれてなかっただなんて…。
せめて中流、いや贅沢は言わないので下流貴族の旦那様と平凡にのほほんと暮らすのが私の夢。
公爵家…?階級が強すぎる!むり!重い!私には何もできん!
スタンリー様…?見た目が強すぎる!…性格はよく知らないけど裏表激しそう!
とにかく、この結婚は何としてでも阻止せねば!!!
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