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第3章 空白の時間
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バイクについていくと、それほど走らずに駐車場に入り、エンジンが止まる。顔を見合わせてから、浅井も車のエンジンを切るのを確かめ、翔は車から降りた。
既にバイクを降りて待っている弓削が、車の方に目を向ける。
「あんたも来い」
顎でしゃくりながら言うと、返事も聞かずに駐車場の先のアパートに足を向ける。
外階段で2階に上がり、ついてきているかも大して確かめないまま部屋に入っていくのを翔は追いかけた。
なんでこいつの言うとおりに
そう思うけれど、体は勝手に動く。この男が言ったことも気になった。
そして、こいつは確実に、花音のこれまでを知っている。
「それ、好きなのから見てろ」
モニターや機材をセットして、映像を見せようとした弓削は、玄関のチャイムが鳴るのに舌打ちをしてそう言い置いて出て行く。
好きなの、と言われても、どれがなんだか、そもそもがなんなのかも分からない。
それほど広くない部屋は、この機材と大量のテープに場所を取られ、それでもこぎれいに片付いている。
玄関からの声に、翔はテープから顔を上げて振り返った。
「どうしたんだ」
「弓削さんに持っていってって、頼まれたんですよ」
聞いたことのない、女性の声。
「咲恵さんに?」
「使うかどうかは、弓削さんに任せるって。隼人から」
その名前に、思わず腰を上げた。それで人の気配に気づいたのか、玄関の方から覗く気配がある。
「…弓削さんのお仕事の関係です?来てるって噂は聞いたけど」
「まあ、そんなとこだ」
適当な返事をしながら、弓削は手に持った何かをめくっている。咲恵、と呼ばれた人は、翔が誰かすぐに分かったようだが、ふぅん、と頷いてそれきりだった。弓削の仕事が絡んでいるのなら、騒ぐところではないと心得ているかのように。
「じゃあ帰りますね」
「本当にこれだけで来たのか」
「しかも、わたしには絶対に見るなって言うんですよ、まったく」
そう言いながら帰ろうとした人を、弓削が呼び止め、そして言い淀むのを不思議なものを眺めるように翔は見ていた。
「どうしました?」
「…今日は、どうだった?」
「仕事は、ちゃんとしてますよ。でも…あんな風に、隠せないほどのを見るのは、わたしも初めてです。ゆげさん、見た目怖いけど、優しいですよねー」
2人の会話の意味が分からなくて、そして、彼女は「うちで旦那と子どもが待ってるんで」と、あっさりと帰って行く。
視線を感じていただろうに、部屋に戻ってきた弓削はまだ何も見ていない翔に感情のこもらない目を向ける。
そして、無言で勝手にセットして流れ始めた映像に、翔は息を呑んだ。
『また、撮ってるんですか?』
困惑顔は、花音。今日見た時に、最後に家で見た時と、その日帰れば当たり前にまた会うものと思って別れた時と全く変わっていなかった。自分にだけ時間が流れたのかと思うほどに。だがきっとこれは、別れて少し後。そう思うのは、一緒に映っている隼人が、あの頃の姿だから。あの年頃の子が全く変わらないということは考えられない。
『これが俺の目だとでも思って、慣れてくれ』
『えー』
不満そうに言いながらも、その言い草が面白かったのかくすくすと笑っている花音。
『将来、子どもに見せられるぞ。ありがたいだろう』
『そんなの、自分の家族にやってくださいよ』
『俺の家族なぁ…』
『奥さん、いるんですよね?』
花音が示している先には、きっと結婚指輪でもあるのだろう。
『今の俺の仕事が気に入らないらしくて、な』
画面の中で小首を傾げる様子に見入っていたのに気づき、翔は体を引いて座り直した。
それを、淡々と弓削は眺める。
あの日から、弓削が撮りためたもの。弓削が撮れない時は、土師や速水、仙崎や、地元の、先程の咲恵たちなどが、撮るようになっていた。
『今度、会わせてくださいね?』
画面の中の花音の言葉どおり、この少し後で弓削の妻、雪乃と会った花音は、弓削が理解していなかった彼女の気持ちを教えてくれた。花音のことで何かあるのに黙って花音のところに行かなかったようなことが、後で雪乃に知られたらしばらく家に入れてももらえないレベルで、その後雪乃は花音をかわいがっている。
そうしていると、ポケットの中でスマホが振動する。電話の相手を見て、弓削は苦笑いになった。
放っておいても、勝手にテープを変えながら見て行くだろうと翔を放置して電話に出る。扉は薄いが、あれだけ真剣に見ていたら気づきもしないだろう。
「なんだ?」
『なんだ、じゃないですよ。なに、やってるんですか』
「そこにいる人使いの荒い副社長に聞いてないのか?」
『説教、って』
ぶはっ、と吹いてしまった。まあ、たしかにその通りだ。
確かに、この男の預かり知らないところで、すべては起きたかもしれない。身勝手で傲慢な女が花音を傷つけたのも、花音が出ていったのも。
その一連の中に、自分が当時やってしまった仕事の結果もあったことが、弓削の心にずっと引っかかっている。いや、引っかかりそうになると、花音に笑いながら引き抜かれる。むしろ、仕事のことを言うのならいくらでも書ける記事を見事に握りつぶしたのだから、仕事、してないですよね、と。
だが、この男は、花音を探すのをあっという間に諦めた。あまりにも呆気ないほどに。
そのくせ、花音を縛りつけるように婚姻届だけを出した。探しもせず、けれど、執着だけはして。
「少なくとも、今日は安心して寝てろ」
『そういうことを聞きたいんじゃなくて。ねえ、その人、わたしのわがままの被害者なんだから。おかしなこと、しないでくださいよ?』
被害者なわけがない。嬉々として受け入れた状況だったのは、見ていても、その後誰かから話を聞いてもすぐに分かった。そう思っているのは、花音だけ。
「わかってるさ」
そう言って、それ以上何か言われる前に、おやすみ、と、電話を切った。
戻ると、ちょうど花音が離婚届を書いているところだった。ということは、撮影は…そう思って弓削はにやり、と笑う。
『これ、送っておけば、いつでも高嶺さん、自由になれるでしょ?』
封筒に入れながら、寂しそうな微笑みで言う花音に、撮影者のため息が重なる。
『かえって怒らせるか、へそ曲げさせるだけだぞ』
「この声っ」
思わず声を上げた翔に、さすがに分かるものなのか、と弓削は様子を観察した。撮影していたのは、翔の弟、尚だ。翔の弟妹は、きっちり、花音を見つけ出した。子連れで仕事もしていて、そうそうきれいに姿をくらますことができるわけもない。
『あ、わたしのこと話したり、いきなり連れてきたりしたら』
『分かってるって。しないって。だいいち、そんなもん自分で探して見つけりゃいいんだ』
苛立つ声に、くすくすとやわらかく花音は笑う
が、不意にその顔が固まり、じっと一点を見つめる。
画面が動き、映ったのは、テレビ。テレビに映っているのは、何かのバラエティに宣伝のために出ているらしい、翔。
『カメラ、とめて?』
花音の声が揺れる。
かたん、と画面が斜めになった。後で聞いたら、わざとではなく、偶然だったらしい。とめたつもりが、止まっていなかった、撮影されてしまった映像。
本当は、離婚届のところも花音は撮らせたくなかったようだが、あまりにも四六時中誰かがカメラを向けているから、この頃には本当にそれが「その人の目」だと思うようにしたようで、諦めに似た気にしない境地になっている。
歪に切り取られた画面は、花音の後ろ姿と、テレビがなんとなく映っている。
花音の背中に、抱きつく小さな体。
『隼人?』
『かけるくん、いるね』
『そうだね。…笑ってないね、この顔』
震える声。
知らず、翔は身を乗り出し、拳を握り込んでいた。
一緒にいる頃も、そうだった。「笑った顔」を作って、でも、笑っていない、と花音はそれを絶対と言っていいほどに見分ける。バラエティなんだから、本当に笑っていてもいいだろうに。「翔自身が」笑う場面で、翔は笑っていない。演じている役柄が笑っているところは、「その役の人がちゃんと笑っている、どんな気持ちでの笑顔なのか」を、こんな風?と、楽しそうに問いかけることもあった。
不意に、画面を何か大きなものが横切り、花音と隼人にすり寄る。
その姿に、翔は愕然とした。
(レンまでっ)
だがそれよりも。
花音の背中を抱きしめているのは、小さな隼人で。寄り添っているのは、レンで。
そして不意に伸びてきた手が、少し雑に、花音の頭をかき回した。あれは、尚の手。
『少し、笑うようになったかなぁって、思ってたんだけどなぁ』
『おうちでは、わらってたよ?』
『じゃあ、わたしがまた、笑えないわがままを吹っかけちゃったからかなぁ…』
困ったような顔で、花音は隼人を振り返って、ぎゅっと抱きしめていた。
既にバイクを降りて待っている弓削が、車の方に目を向ける。
「あんたも来い」
顎でしゃくりながら言うと、返事も聞かずに駐車場の先のアパートに足を向ける。
外階段で2階に上がり、ついてきているかも大して確かめないまま部屋に入っていくのを翔は追いかけた。
なんでこいつの言うとおりに
そう思うけれど、体は勝手に動く。この男が言ったことも気になった。
そして、こいつは確実に、花音のこれまでを知っている。
「それ、好きなのから見てろ」
モニターや機材をセットして、映像を見せようとした弓削は、玄関のチャイムが鳴るのに舌打ちをしてそう言い置いて出て行く。
好きなの、と言われても、どれがなんだか、そもそもがなんなのかも分からない。
それほど広くない部屋は、この機材と大量のテープに場所を取られ、それでもこぎれいに片付いている。
玄関からの声に、翔はテープから顔を上げて振り返った。
「どうしたんだ」
「弓削さんに持っていってって、頼まれたんですよ」
聞いたことのない、女性の声。
「咲恵さんに?」
「使うかどうかは、弓削さんに任せるって。隼人から」
その名前に、思わず腰を上げた。それで人の気配に気づいたのか、玄関の方から覗く気配がある。
「…弓削さんのお仕事の関係です?来てるって噂は聞いたけど」
「まあ、そんなとこだ」
適当な返事をしながら、弓削は手に持った何かをめくっている。咲恵、と呼ばれた人は、翔が誰かすぐに分かったようだが、ふぅん、と頷いてそれきりだった。弓削の仕事が絡んでいるのなら、騒ぐところではないと心得ているかのように。
「じゃあ帰りますね」
「本当にこれだけで来たのか」
「しかも、わたしには絶対に見るなって言うんですよ、まったく」
そう言いながら帰ろうとした人を、弓削が呼び止め、そして言い淀むのを不思議なものを眺めるように翔は見ていた。
「どうしました?」
「…今日は、どうだった?」
「仕事は、ちゃんとしてますよ。でも…あんな風に、隠せないほどのを見るのは、わたしも初めてです。ゆげさん、見た目怖いけど、優しいですよねー」
2人の会話の意味が分からなくて、そして、彼女は「うちで旦那と子どもが待ってるんで」と、あっさりと帰って行く。
視線を感じていただろうに、部屋に戻ってきた弓削はまだ何も見ていない翔に感情のこもらない目を向ける。
そして、無言で勝手にセットして流れ始めた映像に、翔は息を呑んだ。
『また、撮ってるんですか?』
困惑顔は、花音。今日見た時に、最後に家で見た時と、その日帰れば当たり前にまた会うものと思って別れた時と全く変わっていなかった。自分にだけ時間が流れたのかと思うほどに。だがきっとこれは、別れて少し後。そう思うのは、一緒に映っている隼人が、あの頃の姿だから。あの年頃の子が全く変わらないということは考えられない。
『これが俺の目だとでも思って、慣れてくれ』
『えー』
不満そうに言いながらも、その言い草が面白かったのかくすくすと笑っている花音。
『将来、子どもに見せられるぞ。ありがたいだろう』
『そんなの、自分の家族にやってくださいよ』
『俺の家族なぁ…』
『奥さん、いるんですよね?』
花音が示している先には、きっと結婚指輪でもあるのだろう。
『今の俺の仕事が気に入らないらしくて、な』
画面の中で小首を傾げる様子に見入っていたのに気づき、翔は体を引いて座り直した。
それを、淡々と弓削は眺める。
あの日から、弓削が撮りためたもの。弓削が撮れない時は、土師や速水、仙崎や、地元の、先程の咲恵たちなどが、撮るようになっていた。
『今度、会わせてくださいね?』
画面の中の花音の言葉どおり、この少し後で弓削の妻、雪乃と会った花音は、弓削が理解していなかった彼女の気持ちを教えてくれた。花音のことで何かあるのに黙って花音のところに行かなかったようなことが、後で雪乃に知られたらしばらく家に入れてももらえないレベルで、その後雪乃は花音をかわいがっている。
そうしていると、ポケットの中でスマホが振動する。電話の相手を見て、弓削は苦笑いになった。
放っておいても、勝手にテープを変えながら見て行くだろうと翔を放置して電話に出る。扉は薄いが、あれだけ真剣に見ていたら気づきもしないだろう。
「なんだ?」
『なんだ、じゃないですよ。なに、やってるんですか』
「そこにいる人使いの荒い副社長に聞いてないのか?」
『説教、って』
ぶはっ、と吹いてしまった。まあ、たしかにその通りだ。
確かに、この男の預かり知らないところで、すべては起きたかもしれない。身勝手で傲慢な女が花音を傷つけたのも、花音が出ていったのも。
その一連の中に、自分が当時やってしまった仕事の結果もあったことが、弓削の心にずっと引っかかっている。いや、引っかかりそうになると、花音に笑いながら引き抜かれる。むしろ、仕事のことを言うのならいくらでも書ける記事を見事に握りつぶしたのだから、仕事、してないですよね、と。
だが、この男は、花音を探すのをあっという間に諦めた。あまりにも呆気ないほどに。
そのくせ、花音を縛りつけるように婚姻届だけを出した。探しもせず、けれど、執着だけはして。
「少なくとも、今日は安心して寝てろ」
『そういうことを聞きたいんじゃなくて。ねえ、その人、わたしのわがままの被害者なんだから。おかしなこと、しないでくださいよ?』
被害者なわけがない。嬉々として受け入れた状況だったのは、見ていても、その後誰かから話を聞いてもすぐに分かった。そう思っているのは、花音だけ。
「わかってるさ」
そう言って、それ以上何か言われる前に、おやすみ、と、電話を切った。
戻ると、ちょうど花音が離婚届を書いているところだった。ということは、撮影は…そう思って弓削はにやり、と笑う。
『これ、送っておけば、いつでも高嶺さん、自由になれるでしょ?』
封筒に入れながら、寂しそうな微笑みで言う花音に、撮影者のため息が重なる。
『かえって怒らせるか、へそ曲げさせるだけだぞ』
「この声っ」
思わず声を上げた翔に、さすがに分かるものなのか、と弓削は様子を観察した。撮影していたのは、翔の弟、尚だ。翔の弟妹は、きっちり、花音を見つけ出した。子連れで仕事もしていて、そうそうきれいに姿をくらますことができるわけもない。
『あ、わたしのこと話したり、いきなり連れてきたりしたら』
『分かってるって。しないって。だいいち、そんなもん自分で探して見つけりゃいいんだ』
苛立つ声に、くすくすとやわらかく花音は笑う
が、不意にその顔が固まり、じっと一点を見つめる。
画面が動き、映ったのは、テレビ。テレビに映っているのは、何かのバラエティに宣伝のために出ているらしい、翔。
『カメラ、とめて?』
花音の声が揺れる。
かたん、と画面が斜めになった。後で聞いたら、わざとではなく、偶然だったらしい。とめたつもりが、止まっていなかった、撮影されてしまった映像。
本当は、離婚届のところも花音は撮らせたくなかったようだが、あまりにも四六時中誰かがカメラを向けているから、この頃には本当にそれが「その人の目」だと思うようにしたようで、諦めに似た気にしない境地になっている。
歪に切り取られた画面は、花音の後ろ姿と、テレビがなんとなく映っている。
花音の背中に、抱きつく小さな体。
『隼人?』
『かけるくん、いるね』
『そうだね。…笑ってないね、この顔』
震える声。
知らず、翔は身を乗り出し、拳を握り込んでいた。
一緒にいる頃も、そうだった。「笑った顔」を作って、でも、笑っていない、と花音はそれを絶対と言っていいほどに見分ける。バラエティなんだから、本当に笑っていてもいいだろうに。「翔自身が」笑う場面で、翔は笑っていない。演じている役柄が笑っているところは、「その役の人がちゃんと笑っている、どんな気持ちでの笑顔なのか」を、こんな風?と、楽しそうに問いかけることもあった。
不意に、画面を何か大きなものが横切り、花音と隼人にすり寄る。
その姿に、翔は愕然とした。
(レンまでっ)
だがそれよりも。
花音の背中を抱きしめているのは、小さな隼人で。寄り添っているのは、レンで。
そして不意に伸びてきた手が、少し雑に、花音の頭をかき回した。あれは、尚の手。
『少し、笑うようになったかなぁって、思ってたんだけどなぁ』
『おうちでは、わらってたよ?』
『じゃあ、わたしがまた、笑えないわがままを吹っかけちゃったからかなぁ…』
困ったような顔で、花音は隼人を振り返って、ぎゅっと抱きしめていた。
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