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1 順応しましょう
話をしよう 1
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とにかく、言葉が通じてよかった、と思いながら栞里はヴィルには座っていてもらい、食事の仕上げをしていく。味付けや食材など、口に合うかがひたすら不安だ。
ヴィルの前には箸とフォーク、スプーンにナイフ、と、一通りを置いてから、銘々皿に盛った食事を置いていく。大皿だと、さすがに抵抗ありそうだし。
ヴィルは目の前に並べられていくものをじっと見つめる。わかるもの、わからないもの。とりあえず、日本の細長い棒が、謎だった。両手に一本ずつ持って矯めつ眇めつしていれば、くす、と笑う声が聞こえて顔を上げる。
「使いやすいもので食べてください。お口に合うかわからないですけど」
シルバーのスプーンが既に置かれていたのに、目の前に湯気を立てている汁気の多いものには木の匙がさらに添えられている。
栞里が並べた料理は、雑炊と作り置きしてあった肉じゃが、レンジを使って蒸した温野菜のサラダの上にポテトサラダと焼いたブロックベーコン、豚肉のスライスを乗せただけ。もともと、雑炊を提供して終わりの予定だったから、これが精一杯だった。
いただきます、と手を合わせる栞里をヴィルは眺め、それから器用に二本の棒で綺麗に食事をしていくのを眺める。使っている道具は見慣れないけれど、その食事姿は綺麗だった。良い育ちなのだろうな、と思いながら、見様見真似でその道具を使おうとするが、挟んで持ち上げるというその作業ができない。
顔をしかめるのを眺め、栞里は無理しないでください、と他のもので使えるものがないか尋ねる。他のものは、使えると言えば、じゃあ、とやんわりと手にしていたものを取り去られる。
「食事に、無用なストレスですよ」
と思いがけなく屈託ない笑顔で言われ、遠慮なく、目の前に残ったカトラリーで食事をする。
栞里もその姿を見て、ほう、とため息が出そうになった。その食べる所作さえも美しい様子は、どこかの貴族のようで。もう、ため息しか出ない。
見たことのない食事を果敢に口に入れてくれる様子は、嬉しい限りだ。一口入れた後の表情を見て、ほっとした。とりあえず、口に合わない、ということはなかったようだから。
「うまいな」
雑炊を口に含んで、なんだかつい、という様子でもれた声に、栞里の顔が綻ぶ。
おそらく食事文化は全く違うだろうけれど、味付けの好みがきっと、栞里の好みに近かったのだろうな、とほっとした。この先も食事は大丈夫そうだ、と思って、この先って何、と自分の中で自分に突っ込む。
「シオリ?」
百面相をしているのを微笑ましくしばらく眺めていたヴィルは、やんわりと声をかけて意識を引き戻してやる。
見た目はもちろん、声が良すぎて栞里は悶絶しそうになる。それをしたらそれでなくても怪しいことこの上ないのに、やばい、と持ち堪え、少し目を逸らして気を持ち直してから、改めて目を戻す。
が、そこにいる相手が変わるわけではない。
一番栞里が聞きたいことは、どこからどうやって来たのか、なのだけれど、それを聞きたいのはヴィルも一緒だろうなとは推測ができた。
あらかた食事を終えたところで食器を下げて、ヴィルの前に日本茶の茶葉と、紅茶の茶葉、それにコーヒー豆を出して、どれを飲みたいか聞く。それを薫っている様子を見る限り、どれも嫌な匂いではないようだ、と思いながら、自分用に烏龍茶の茶葉をころころと出す。
「それは?」
と、不意に至近距離からの低い声に速すぎるほどの勢いで振り返る。
興味深げに栞里の手元を見下ろす顔はなんだか機嫌が良い。
「わたしが飲もうと思って。好みがあるかな、と並べなかったんですけど」
「それがいい」
にっこりと、しかもとても近い距離で微笑まれる。
「緑色のは嗅いだことのない香りだが、爽やかな良い香りだった。飲んでみたい。他のは馴染みのある香りだった。どちらも良い茶葉と良い豆だな」
意識しない意識しない。意識は手元。と、自分に暗示をかけながら、自動応答機能のようにヴィルに返事をする。
「じゃあ、朝食は緑茶にしましょう。ヴィルさんの分も入れますから、座っていてください」
かちゃかちゃと、少し音が高くなる。
ヴィルは、自分が声をかけた途端に濃くなった、栞里の香りを吸い込む。緊張したのだろうか。甘くて心地よく、安らぐ香り。そして、その手元にある茶葉も、上質な良い香りがする。
出された食事もどれも初めて口にする味だったが、美味しく、体内から癒されていくようだった。
「朝までいていいのか」
何気ない栞里の言葉に、思わず聞き返しながらそんなことを思っていたのだけれど、不思議そうな目を向けられてめんくらう。
「放り出すなら、拾いません。行く先が見つかるか、帰れるかするまで、いて構いませんよ。もちろん、ヴィルさんが嫌でなければ、ですけど」
「ヴィル」
「え?」
「ヴィル、と呼んでくれ。あと、普通に話してくれ。突き放されているような気になる」
「…」
表情変わらないですけど、耳と尻尾がしょげきっている。これは逆らえないやつだ、と、栞里はこの人ずるい、と顔を手元に戻しながら口を引き結ぶ。
あんな。あんな逆らえない武器持ってるなんて、反則にも程がある。できることならまた、あの大きな獣になってもらって、もふもふ抱きつきたい衝動はあるのだが、中身がこの人と一緒だと確認してしまった今となっては、それも悩ましいことに思い至ってしまう。
栞里が丁寧にいれた烏龍茶を口に含み、ヴィルは目を見開いた。独特の、けれど心地よい香りが鼻に抜け、後味は甘くまろやかで。
「もしかして、自分用のものだったか?ねだって悪かったか?」
「そんなケチなことしませんっ」
思わず聞いてしまえば、食い気味に強い反論が返ってくる。
「慣れない人は、利尿作用とか、眠気が覚めたりとか、まあ、あります…あるからと思っただけで」
途中の訴えるような目と耳に言い直して、栞里は目を逸らす。なんだか嬉しそうに飲みながら、その後ろでばふばふと尻尾が振られているのを見ると、完敗だ、と遠い目になった。
この人はどうしてこんなに警戒心もなく、自分の言うことを信じて、提供されたものを口に入れてくれるのだろう。剣とあれほど気にしていたことを思えば、こんな平和ボケしたような国にいたわけではないのだろうと想像はできて。それであれば、意識のない自分が運び込まれた家にいる女なんて怪しいことこの上ないし、しかも全裸に剥かれているは意識がない時に触りまくられているわって、そう考えて、変質者まっしぐらだなぁ、とため息をついた。
そのため息をどう受け取ったのか、ヴィルの尻尾がぴたりと止まる。
「すまん」
「え?」
「おいてもらえると聞いて、喜んでしまったが、甘えすぎた。見たところ、シオリ1人で住んでいるのだろう?俺が居つくわけにも、いかないだろう。できるだけ早く、帰り方を見つけるようにする。それまで、不埒なことはしない」
「は?あ、いや。むしろ不埒なことしてすみません」
思わず口をついて出た謝罪に、ヴィルの方がは?と聞き返す。
しまった、という顔をしてから、諦めたように白状する栞里の言葉を聞いて、ヴィルは片手で目を覆ってうなだれた。耳が伏せているのを見て、やっぱりまずかったか、と栞里はどう謝罪したものかと困惑を深め。
「シオリは、そんなに毛並みが気に入ったのか」
恥ずかしそうに聞かれる。いやまあそれはそうだろう。お触り好きなのか、と聞いているのと同義だ。
だがここまできたら、正直に言っておいた方が、この先の無意識の行動が出た時に理解してもらえる可能性が高い。身の危険を感じて姿を眩ます可能性はもっと高いけれど、覚悟を決めようとして、栞里は息を吸い込み。
吐き出した。だめだ、と自分を励まして、シルバーブルーの綺麗な目から目を逸らして、やっと小さな声で、言った。
「好き…です」
「っ」
「大好きです…」
ヴィルの前には箸とフォーク、スプーンにナイフ、と、一通りを置いてから、銘々皿に盛った食事を置いていく。大皿だと、さすがに抵抗ありそうだし。
ヴィルは目の前に並べられていくものをじっと見つめる。わかるもの、わからないもの。とりあえず、日本の細長い棒が、謎だった。両手に一本ずつ持って矯めつ眇めつしていれば、くす、と笑う声が聞こえて顔を上げる。
「使いやすいもので食べてください。お口に合うかわからないですけど」
シルバーのスプーンが既に置かれていたのに、目の前に湯気を立てている汁気の多いものには木の匙がさらに添えられている。
栞里が並べた料理は、雑炊と作り置きしてあった肉じゃが、レンジを使って蒸した温野菜のサラダの上にポテトサラダと焼いたブロックベーコン、豚肉のスライスを乗せただけ。もともと、雑炊を提供して終わりの予定だったから、これが精一杯だった。
いただきます、と手を合わせる栞里をヴィルは眺め、それから器用に二本の棒で綺麗に食事をしていくのを眺める。使っている道具は見慣れないけれど、その食事姿は綺麗だった。良い育ちなのだろうな、と思いながら、見様見真似でその道具を使おうとするが、挟んで持ち上げるというその作業ができない。
顔をしかめるのを眺め、栞里は無理しないでください、と他のもので使えるものがないか尋ねる。他のものは、使えると言えば、じゃあ、とやんわりと手にしていたものを取り去られる。
「食事に、無用なストレスですよ」
と思いがけなく屈託ない笑顔で言われ、遠慮なく、目の前に残ったカトラリーで食事をする。
栞里もその姿を見て、ほう、とため息が出そうになった。その食べる所作さえも美しい様子は、どこかの貴族のようで。もう、ため息しか出ない。
見たことのない食事を果敢に口に入れてくれる様子は、嬉しい限りだ。一口入れた後の表情を見て、ほっとした。とりあえず、口に合わない、ということはなかったようだから。
「うまいな」
雑炊を口に含んで、なんだかつい、という様子でもれた声に、栞里の顔が綻ぶ。
おそらく食事文化は全く違うだろうけれど、味付けの好みがきっと、栞里の好みに近かったのだろうな、とほっとした。この先も食事は大丈夫そうだ、と思って、この先って何、と自分の中で自分に突っ込む。
「シオリ?」
百面相をしているのを微笑ましくしばらく眺めていたヴィルは、やんわりと声をかけて意識を引き戻してやる。
見た目はもちろん、声が良すぎて栞里は悶絶しそうになる。それをしたらそれでなくても怪しいことこの上ないのに、やばい、と持ち堪え、少し目を逸らして気を持ち直してから、改めて目を戻す。
が、そこにいる相手が変わるわけではない。
一番栞里が聞きたいことは、どこからどうやって来たのか、なのだけれど、それを聞きたいのはヴィルも一緒だろうなとは推測ができた。
あらかた食事を終えたところで食器を下げて、ヴィルの前に日本茶の茶葉と、紅茶の茶葉、それにコーヒー豆を出して、どれを飲みたいか聞く。それを薫っている様子を見る限り、どれも嫌な匂いではないようだ、と思いながら、自分用に烏龍茶の茶葉をころころと出す。
「それは?」
と、不意に至近距離からの低い声に速すぎるほどの勢いで振り返る。
興味深げに栞里の手元を見下ろす顔はなんだか機嫌が良い。
「わたしが飲もうと思って。好みがあるかな、と並べなかったんですけど」
「それがいい」
にっこりと、しかもとても近い距離で微笑まれる。
「緑色のは嗅いだことのない香りだが、爽やかな良い香りだった。飲んでみたい。他のは馴染みのある香りだった。どちらも良い茶葉と良い豆だな」
意識しない意識しない。意識は手元。と、自分に暗示をかけながら、自動応答機能のようにヴィルに返事をする。
「じゃあ、朝食は緑茶にしましょう。ヴィルさんの分も入れますから、座っていてください」
かちゃかちゃと、少し音が高くなる。
ヴィルは、自分が声をかけた途端に濃くなった、栞里の香りを吸い込む。緊張したのだろうか。甘くて心地よく、安らぐ香り。そして、その手元にある茶葉も、上質な良い香りがする。
出された食事もどれも初めて口にする味だったが、美味しく、体内から癒されていくようだった。
「朝までいていいのか」
何気ない栞里の言葉に、思わず聞き返しながらそんなことを思っていたのだけれど、不思議そうな目を向けられてめんくらう。
「放り出すなら、拾いません。行く先が見つかるか、帰れるかするまで、いて構いませんよ。もちろん、ヴィルさんが嫌でなければ、ですけど」
「ヴィル」
「え?」
「ヴィル、と呼んでくれ。あと、普通に話してくれ。突き放されているような気になる」
「…」
表情変わらないですけど、耳と尻尾がしょげきっている。これは逆らえないやつだ、と、栞里はこの人ずるい、と顔を手元に戻しながら口を引き結ぶ。
あんな。あんな逆らえない武器持ってるなんて、反則にも程がある。できることならまた、あの大きな獣になってもらって、もふもふ抱きつきたい衝動はあるのだが、中身がこの人と一緒だと確認してしまった今となっては、それも悩ましいことに思い至ってしまう。
栞里が丁寧にいれた烏龍茶を口に含み、ヴィルは目を見開いた。独特の、けれど心地よい香りが鼻に抜け、後味は甘くまろやかで。
「もしかして、自分用のものだったか?ねだって悪かったか?」
「そんなケチなことしませんっ」
思わず聞いてしまえば、食い気味に強い反論が返ってくる。
「慣れない人は、利尿作用とか、眠気が覚めたりとか、まあ、あります…あるからと思っただけで」
途中の訴えるような目と耳に言い直して、栞里は目を逸らす。なんだか嬉しそうに飲みながら、その後ろでばふばふと尻尾が振られているのを見ると、完敗だ、と遠い目になった。
この人はどうしてこんなに警戒心もなく、自分の言うことを信じて、提供されたものを口に入れてくれるのだろう。剣とあれほど気にしていたことを思えば、こんな平和ボケしたような国にいたわけではないのだろうと想像はできて。それであれば、意識のない自分が運び込まれた家にいる女なんて怪しいことこの上ないし、しかも全裸に剥かれているは意識がない時に触りまくられているわって、そう考えて、変質者まっしぐらだなぁ、とため息をついた。
そのため息をどう受け取ったのか、ヴィルの尻尾がぴたりと止まる。
「すまん」
「え?」
「おいてもらえると聞いて、喜んでしまったが、甘えすぎた。見たところ、シオリ1人で住んでいるのだろう?俺が居つくわけにも、いかないだろう。できるだけ早く、帰り方を見つけるようにする。それまで、不埒なことはしない」
「は?あ、いや。むしろ不埒なことしてすみません」
思わず口をついて出た謝罪に、ヴィルの方がは?と聞き返す。
しまった、という顔をしてから、諦めたように白状する栞里の言葉を聞いて、ヴィルは片手で目を覆ってうなだれた。耳が伏せているのを見て、やっぱりまずかったか、と栞里はどう謝罪したものかと困惑を深め。
「シオリは、そんなに毛並みが気に入ったのか」
恥ずかしそうに聞かれる。いやまあそれはそうだろう。お触り好きなのか、と聞いているのと同義だ。
だがここまできたら、正直に言っておいた方が、この先の無意識の行動が出た時に理解してもらえる可能性が高い。身の危険を感じて姿を眩ます可能性はもっと高いけれど、覚悟を決めようとして、栞里は息を吸い込み。
吐き出した。だめだ、と自分を励まして、シルバーブルーの綺麗な目から目を逸らして、やっと小さな声で、言った。
「好き…です」
「っ」
「大好きです…」
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