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【16歳】

【16歳】25

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屋敷に着いてからすぐにクロバイとカヤに俺の部屋に来てもらい、ライが転生者であることを伝えた

「……と、言うわけだ。それで…」

話を続けようとした所でクロバイに止められた。

「シオン様、これ以上のお話は別の場所でしましょう。」


………てな訳で………

再びやってきました精霊の森。
精霊王を生む樹の下で説明しました。

「…で、アゼリアにバレたと…」

「人聞きの悪い。だって言わなきゃややこしい事になりそうだったし。」

「…ハァ…俺が行けば良かった……」

クロバイは精霊王の姿に、カヤは俺とクロバイしかいないので2人共言葉遣いに敬語は無い。

「でも、細かい事は言ってないよ?2人だって俺を召喚した事くらいしか知らないだろ?」

「「…まぁ…」」

「後輩…ねぇ…シオンの事好きだったんでしょ?」

「いや、アイツ枯れ専で今の俺は友達だそうだ。心配する必要もないだろ?」

…クロバイの事は黙っとこ。
この世界が俺の世界ではゲームである事はまだ話さないでおいた。
だってクロバイは裏ルートのキャラだと言うならカヤも何かの攻略対象になるかもしれないし、何が起こるか分からない。
オークは…やっぱり蚊帳の外では難しいだろうから転生者だと伝える事にした。


「俺が伝えるから…」


オークに翌日精霊の森に来てもらった。

「ゴメン…忙しい時に。」

「いや、お前の頼みだし…どうした?精霊王とカヤも揃って…」

「…あのな…」

……騙していた訳じゃないんだけど…うぅ……言い辛い……

よしっ!言うぞ‼ 

「あのな、実は俺…お前に言ってなかった事があるんだ!」

「⁉婚約してくれるとか⁉」
「それはない。」

「…即答だな。…じゃぁ…婚約…破棄か…?」
「まだ候補で、婚約してねぇだろ。違うよ。」

「…⁉もしかしてカヤと一緒になるとかか⁉」
「それ本当ですか⁉シオン様‼」
「カヤッ、キラキラすんな!オーク、それも違うわっ‼」

「じゃぁ…」
「え~いっ!どれも違う‼俺、転生者なのっ‼」

あ、言っちゃった☆

「転生者⁉………シオンが⁉」

やっぱり王子だもんな、ちゃんと文献読んでる証拠だけど…やっぱりショックかぁ…

「スゲェ……俺の婚約者は「候補な」転生者かぁ…」

ん?何か様子が違う。

「俺、本で転生者の文献を読んで憧れていたんだよな。それがこんな近くに…」

すっごく嬉しそうだな。

「実はライも…なんだよね…」

「⁉アイツも⁉」

「俺と同じ場所で同じ仕事をしてたんだよ。」

俺の事好きだったのは黙っとこ。

「詳しい話は今度じっくり聞かせてくれ!……そうか……それであんなにもシオンに近付いてたのか。」

「いや…お互い転生者と知ったのは昨日だ。」

「……アイツ……今もシオンの事好きじゃないのか?」

「それはない。本人からも聞いてるし。だから安心してくれ。」

ん?顔が納得してねぇな。

「……カヤ……お前、どう思うんだ…?」

「……こんな可愛らしい人だ……無いわけがないだろう…」

お前ら真面目な顔してなに冗談言ってんだ。

「可愛い言うな。ってか、本当に無いから。」

「いや、同じ世界から来たなら…こんなに可愛らしく閨じゃ驚くほど妖しく乱れるシオン様の魅力を知らないはずないじゃないですか!」

「そうだな!見た目こんななのに喘ぐ声がエロいのを知らないはずはねぇ‼」

「ギャァァァァァ!お前ら何てこと言ってんだよっ‼恥ずかしすぎるわぁぁぁっ!」

お前らウンウン頷きながらクロバイに何てこと聞かすんだよぉっ!

「……2人も…そこまで……」

あぁ…クロバイ…すんません……眉間に皺を寄せながら話を止めてくれたよ。

「シオンの愛らしさは……よく分かった…その…ライという少年はこちらに来た事は無かったな。」

「うん、普段寮暮らしだし冬休みは家で色々用事があるみたいだし……クロバイにも機会があれば紹介するよ。」

2年に上がったらな…
さぁ、話も終わったし執務室へ戻ろうか!…と、思っていたら

「カヤ、オーク様、このあと少しシオン様と話があるから先に戻ってくれ。」

…と、有無を言わさずクロバイは2人執務室へ戻した。

「…すまないな…」

「…いや…こちらこそ…」

息子の閨事情なんて聞かせたくなかったよ……

「実はな、年明けなんだが…」

「ん?」

「また2人に夢を見せようと思うんだが…」

………見せようと思うんだが?………

「あちらの世界では『初夢』と言うものがあるそうだな。……運命の紐を引くなら2人の閨の相性も必要だろう?」

「……まぁ……確かにそうだけど…でも今のでも十分分かるんじゃないかと…」

「答えはまだ出てないんだろう?なら…次の夢は少し趣向を変えよう。」

クロバイさん………何言ってんの?
それって…

「『初夢』の『初』を取り…夢では全くの未経験の身体で閨をしてみようか。」

「はぁ⁉それって後ろ慣らす所からやれってか⁉」

「それを聞いた2人がどうするか…人柄も出るんじゃないか?」

「……まぁ……そうなるの……か…?」

上手く言いくるめられてる気がする……そしてやっぱり楽しんでるよなぁ。

「屋敷の精霊の樹には話を付けておく。年明けは身体を動ける様にハーブティは用意しておこう。」

「これ…強制?」

「いやなら現実に体験しようか?なに…魔法を掛けたら「いえっ!夢が良いですっっ‼」」

この人なら本気でやりかねん。

年末の花火も見たいけどなぁ…
2人で一緒に……

暗い場所で俺を好きだという男達…


………身の危険を感じる………


俺は身体をブルリと震わせ、年末の花火を諦めた。
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