可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

文字の大きさ
66 / 105

65

しおりを挟む
ガーネットはラリマーのマッサージの施術を受けている最中に寝てしまったため、精霊の森へは明日行くことになった。

「…で……本当に…最後までその………あの……」

ガーネット抜きの夕食となったので、俺は意を決してロードに聞いてみた。
あぁぁ…ガーネットいないのに…恥ずかしくて…聞けないっ!

「………抱いたのか…?」
「わぁあっ!ジルコンッ‼︎それ、給仕してるフォークだよね⁈ちゃんとテーブルに置いてっっ‼︎」

暗い瞳を宿したジルコンが後ろからロードの首にフォークを突き立てた。
これっ、王宮じゃなくても捕まるからっ‼︎

「アハハ。ジルコン、お父さんだね。」
「凄いな…やっぱりモルダ様に認められただけはある…」

いやいや、そこの2人!仕えてる人の息子で、殿下のピンチだよ⁈
何、悠長に微笑ましく見てるのかな⁈

「フッ…大丈夫…ちゃんと避に……」

___プツ…___

「………言葉に気を付けます………」

「よろしい…」

フォークの先が首に少し食い込んで、ヒヤッとしたよっ。

「殿下はちゃんとお約束通り、学園入学まで待ってたんですよ?閨教育も問題が無いと報告を受けております。それに、何かあったら、王妃から直々に裁きを任されておりますからご安心を。」
「そうですよ~、アフターケアもバッチリです!」

真面目な顔して怖いことを聞いた気もする……

「何にせよ、ガーネット嬢は今ではダイヤ様やモルダ様にも寵愛されております。ガーネット嬢が嫁がれた時には私達のどちらかが専属に着く予定です。」

「まぁ…ガーネット嬢が嫌がらなければ…なんですけどね。」

「…下級貴族だから?」

「…まぁ…それもありますが…」

「それはないと思うけど。」

俺達は特に自分が高貴だから…とかの教育は受けていない。どちらかと言えば『色々な人から学べ』だ。
王族なら王族の、城下の一般市民なら一般市民の…色々な環境で育ち、考え方の違う人達と交流して見聞を広めるべきと言われている。
まぁ…自分が下級貴族で上級貴族に話しかけるのは難しかっただろう。
でも、逆に今のこの立場から下級貴族に「だから話そ♪」って言っても、嫌味に聞こえる場合もある。
1番良いのは学園や訓練で交流を繋いでいく事だ。
同じ目標に向かって、同じタイミングで学んでいくのは共感もあり、団結も生まれて隔たりは少ない。

「本人が良くても周りが許さない場合もありますからねぇ。」

多分、ラリマーやタイガ達は王妃の専属になる時に経験している。

「でも、本人次第だろ?」

きっとガーネットは王や王妃の様に周りに文句は言わせないだろう。

「だと良いのですが。」

ラリマーやタイガは2人共騎士らしい雰囲気を持つことも出来る。
公に立つモルダ様の後ろに控える2人は凛々しかったし、何よりラリマーの本来の性格を知ったのは最近だ。
…タイガもラリマーの相手が出来るんだから良い勝負だろう。

「では、お前達の妖精の庭にやってきた妖精達の話を聞こうか。ジルコン、ここからはラリマーとタイガに給仕を任せる。お前も座ってくれ。」

ある程度食事が済んだ所でロードが話を切り出した。
デザートも食後の飲み物も出ているから、ジルコンの給仕が落ち着くのを待ってたんだろう。
ロードに言われて、当たり前の様に2人が食事を片付け始めた。
……軽装だけど…騎士が片付けてる…変な感じだ。

俺は、自分の妖精の庭にハーピーがいたのを話した。
ロードは驚いていたけど、ジルコンのドライアドについては特に驚かなかったことに驚いた。

「まぁ…ジルコンだしなぁ…」

どういう感想だよ。

「…で、ハーピーとドライアドがお前に会いたがってるヤツがいるって話してたぞ?あの森に小さい頃、遊びに行ってたのか?」

「……小さい頃?」

「俺もその話を聞いたんだが…覚えてなくて…お前、覚えてるか?」

ロードが腕を組んでしばらく考えていると、思い出したと顔を上げた。

「あ、アイツかも!」

話を聞くと小さな頃に道に迷った、自分達より少し小さな子どもと出会ったそうだ。
すぐに親の声がしたのか、別の方へ行ったそうだが、次の日から遊びに来て、別荘へ来た時にはしばらく一緒に遊んでいたらしい。

「…でも、ここ数年は森に深くは入ってなかったからなぁ。」

「俺も留学の準備でこっちに来れない事が増えたしな。」

「名前…何だっけ?」

「ん~………忘れた…」

どうやら、会わせたい人はその子なのかな?

「オニキスも作ったのか?」

「あぁ…ドライアドに言われて…」

「で、何かいたのか?」

「あぁ。」

いたんだ!

「風の精霊だ。」

「契約は俺達と同じで良いそうだ。少し力が強そうだから、オニキスと契約したら妖精に実体化するかもな。」

何だかんだとみんな1体ずつ付いてんだな。
じゃぁ、ガーネットも妖精の庭を作ったらいけるかも。
俺達はその晩は妖精の庭を確認せずにそのまま寝る事にした。


___翌朝___


___コンコン バァンッ!___

「兄様!おはようっ‼︎」

「ひゃぁあっ!」
「…何だぁ…?」

ノックと開ける間が短いっ!
俺は昨日もベリルに抱かれて裸だったのを思い出し、一気にシーツを首まで隠した。

「兄様っ!あ、ベリルもおはよっ。ロードから聞いたわっ!ハーピーと契約するんですって⁈ズルい!私も契約したいわ‼︎」

「分かった…分かったから取り敢えず落ち着いて!」

「おはよう、ガーネット嬢…取り敢えず…朝食は必ず食べるから…食堂で待っててくれるかな?」

「えぇ、分かったわ!兄様、今日は襟のついたシャツでいらっしゃいね!じゃぁ、後でねぇ~!」

……カァァァ……

爽やかに人の首の痕を指摘して去っていくガーネット…きっと、ラリマーの施術のお陰だね。
外では大人な部分があり、家では無邪気さが残る妹ガーネット。
ガーネット、バッチリ首元隠してる☆偉いね!

……妹の方が…大人でした…
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?

米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。 ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。 隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。 「愛してるよ、私のユリタン」 そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。 “最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。 成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。 怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか? ……え、違う?

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

【完結】お義父さんが、だいすきです

  *  ゆるゆ
BL
闇の髪に闇の瞳で、悪魔の子と生まれてすぐ捨てられた僕を拾ってくれたのは、月の精霊でした。 種族が違っても、僕は、おとうさんが、だいすきです。 ぜったいハッピーエンド保証な本編、おまけのお話、完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! トェルとリィフェルの動画つくりました!  インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのWebサイトから、どちらにも飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

処理中です...