可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

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___契約の日___

みんなで妖精の森へ行くと、ドライアド・フェンリル・ハーピー・イフリートの周りには沢山精霊が飛んでいた。

『いらっしゃい。待ってたわ。』
『とうとう、この日が来たんですね。』
『わーい、楽しみ~。』
『待ってたよ。』

「待たせたね。じゃあ、それぞれの相手の前へ行こうか。」

ベリルはフェンリル、ロードはイフリート、そして俺はハーピーの前に行く。
まずは俺達が先に契約の儀式を交わし、ジルコン・オニキス・ガーネットは次に行うことになった。
俺は先にハーピーとの契約だ。

『では…こちらへ…』


___……シャラララララ……___



精霊達が歓喜の歌と光で俺達を歓迎し始めた。


『さぁ、これより…人間との契約を行います。立ち会いは私、精霊の森の管理を任されておりますドライアドが仕切らせて頂きます。では…ベリル、ロードライト、ヘリオドール…前へ。』

ドライアドが俺達の愛称ではなくちゃんとした名前で呼ぶ。
契約の時は愛称だとダメだそうだ。

『では…ベリル、フェンリルは貴方への忠誠を誓います。その証である名を…お与え下さい。』

頭を垂れるフェンリルの額にベリルが自分の手をかざす。

「……お前は…スノウ…『雪』と言う意味だ。俺も同じ氷の魔術が得意だ。共に成長しような。」

「承知致しました…我が主…」

ベリルの手の平とスノウの額の間に魔法陣が浮かぶ。
氷のような…濃い水色で光る陣…周りが少しヒヤッとした。
すぐに魔法陣は消えたが、その後キラキラとスノウの周りを光が包み…現れたのは…

……イケメン執事がいました……

「我が主…何なりとご命令を……」

うわぁっ、カッコイイ‼︎!

「………元に戻れ。」
「えっ、何で⁈カッコイイのに!」

「だからだ。」

「…畏まりました。」

___ポゥン___

『人型が必要な時はいつでもお申し付け下さい。この日のために、特別に里で教育を受けてまいりましたから。』

『では、次はロードライト、イフリート…貴方達は仮の契約のままでしたね。それでは…手を繋いで…そう…魔力をイフリートからロードライトへ注ぎ、循環させてイフリートへ戻して下さい。契約する魔力量が十分であることを証明する儀式も兼ねています。では…始めて下さい。』

ロードとイフリートが手を繋いで魔力を循環させると、2人の立っている場所を中心に赤い魔法陣が現れた。

「きゃっ!」
「ガーネット、危ないっ!」

ジルコンがロードの近くにいたガーネットを自分の方へ引き寄せる。
魔法陣が思ったより大きくて、俺達も少し離れた。

「…くっ…」

『…ごめ…ん…結構キツイ…ね…』

『貴方達の魔力が強いせいね…では、契約を急ぎましょう。ロード、イフリートは貴方との契約を望みます。証明である名を…もう一度魔力を込めて言って下さい。』

「お前は…リィト…俺達の幼馴染…大切なリィトだよ…忘れててごめん…これからよろしくな…くぅっ!」

『……ぅっ…くっ…承知した…共に…成長しよう…』

___ボッ!___

「あぁっ!」
『ぐぅっっ!』

「ロードッ!」
「駄目だっ!」

2人の周りに炎が巻き起こり、ガーネットが助けようとしたがジルコンとドライアドが動きを止めた。

『大丈夫、2人は魔力に反応しているだけです。この炎は聖なるものだから。』

___シュゥゥゥ…___

ドライアドの言う通り、すぐに炎は消えた。

「ハァ…ハァ…結構辛かったな…」
『…確かに…』

2人には少し休ませて…次は…俺だ…

『ヘリオドール…お待たせしました。では、ハーピー…』

『は~い!リオ、手に乗せて♪』

「あ、うん。」

俺は両手で器のような形をとり、パーピーを留まらせた。

『それでは…ハーピーは貴方と共に生きたいと天界に赦しを得てここに参りました。貴方との人生を共にする為に名前をもらい…貴方に加護を与えます。ヘリオドール、ハーピーの名を…お納め下さい。』

「うん…」

___パァ…___

俺の足元に銀色に輝く魔法陣が現れ、優しい風が俺とハーピーを包んだ。

「君の名前は…バニラ…うん、バニラだ。羽根に顔を埋めると甘く良い香りがするし…それに…おい…」

『おい…?何?』

___パァアアアア…___

しまった!つい、美味しそうって言いそうになっちゃった!

光に包まれて現れたのは…
金髪のツインテールの小さな女の子。
わぁぁぁ…本当に…天使っ!

「あれ?私…こんなに小さかったっけ?」

『ウフフ、それはリオの影響ですね。魔力が少し足りなくてハーピ…いえ、バニラの天界での姿にはなれなかったのかも。ハーピーは天界から赦しを得ているから契約出来ますが、元の姿はリオの成長次第ですね。』

「そっか…じゃぁ。」

___ポゥン___

『こっちで良いかなぁ。子どもって、人間の世界じゃ行動が限られちゃうもん。』

バニラが元のインコに戻ってしまった。
何か勿体無い。

『それでは、精霊達との契約は一気に出来ますのでこちらへ来て下さい。』

オニキスとジルコン、俺とガーネットがドライアドの前につく。

『ジルコン、貴方は私となので最後にしましょう。まずは…3人ね。では…』

___サァァァ…___

ドライアドが後ろの木を触ると1本の杖が出てきて、上へ上げると木が騒ぎ始めた。

『さぁ…精霊達、貴方達の出番よ。この子達と契約したい者は、前に出てらっしゃい。』

クルクルと回りながら精霊達が集まってくる。

『では、精霊の森を管理するドライアドの名において、この者達との契約を執り行う。』

___パァアアアア!___

さっきよりも強い緑の光が辺りを包み、俺達の足元に魔法陣が浮かんだ。

『さぁ、テンポ良く行くわよ!オニキスとヘリオドール、貴方達には風の精霊。ガーネットには…水の精霊ね。』

オニキスの前には力強い風を感じる光、俺の前には優しい風を感じる光が灯り、ガーネットには煌めいた水が螺旋状に身体を包む。

『貴方達、この子達に親愛を込めて名前を付けてちょうだいね。』

精霊との契約は天界や魔獣達と違って言葉使いも軽いから、厳か…ではなくテーマパークのような楽しい感じで契約が進んだ。

『はいっ、オニキス!』

「…えっと…ジン…で…」

『ジンね。』

___パァ…___

『じゃぁ、ガーネット!』

「アクアが良いわ♪」

___パァ…___

『最後にっ…ヘリオドール!』

「フィー…かなっ。」

___パァ…___

それぞれ光って、力を付けて光だった精霊から妖精へと姿を変える。
オニキスの妖精…小さいのに結構ムキムキなんだけど⁈
明らかに力の差を感じる。
ガーネットのアクアは水色のドレスが似合ってる綺麗な妖精に変わっていた。

『…では…ジルコン…私との契約よ…私に名を、付けてちょうだい。』

魔法陣が濃く光る。

「ヴェルディ…で、どうかな?」

『…長いわね。』

「ドライアドも大概だろ?」

『ウフフ、冗談よ。嬉しいわ。ヴェルディ…私の名は…ヴェルディね。』

___パァアア…___

光から現れたのは綺麗な緑色の髪に緑色の瞳。透けるような白い肌。
うん、イメージ通りだ。

『素敵な名前をありがとう、ジルコン。』

「あれ、人の姿なのに頭に響く。」

『それは私がこの森の管理者だからかしら。屋敷で人間と話す時はちゃんとするわよ。』

魔法陣は消えていったが、精霊の祭りはこれからが本番。
満月の光に照らされて、妖精の庭もたくさんの精霊達が遊んでいた。

『さぁ、可愛い精霊達。今宵は1番月の光も強い日よ。存分に魔力を蓄えて頂戴!』

___サァァァァアアアッ!___

木々が歌うように揺れ、妖精の粉が中に舞う。
今まで見せなかった妖精達が集まり、踊り出した。

「フフッ、兄様も一緒に踊りましょうよ!」

音楽の妖精が草や木の楽器を持ってきて音楽を奏でる。
俺達はその日は遅くまで踊り明かしていた。
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