18 / 67
4章。ベオウルフ盗賊団
18話。闘神ガイン、息子と戦うことを決意する
しおりを挟む
「何、ギルド潰しに失敗しただと?」
闘神ガインは、4番隊隊長ギルバートからの報告に不機嫌そうな声を出した。ここは冒険者ギルド【神喰らう蛇】の本部である。
ガインの前に置かれた巨大水晶玉に、ギルバートの顔が映し出されていた。これは遠方との通信を可能にする通信魔導器だ。
「申し訳ございません。若に邪魔されまして。いやはや、外れスキル持ちだと、若を追放なさったのは、いささか早計だったと言わざるを得ないかと」
「ふんッ。貴様の4番隊がたるんでおるのではないか?」
「それはありません。すぐに動かせる中では、手練を用意しましたよ」
「それで、アッシュが神獣フェンリルを連れているというのは、本当だったのか?
もし事実だとすれば【神喰らう蛇】の名に泥を塗る行為だ。受けた依頼は必ず達成する。どんな敵だろうと殲滅するが、我らの誇りだからな」
闘神ガインは手にしたリンゴを握りつぶした。
彼の目の前のテーブルには、客人をもてなすために、色とりどりのフルーツや焼き菓子が盛られていた。
「それについては、未だ調査中です。ですが、若は獣人の少女と冒険者登録をしたようです。その娘が、情報にあったようにフェンリルが擬態した姿ではないかと見ています」
「仕掛けてはみなかったのか?」
相手がどれ程の力を持っているかは、一度でも刃を交えてみればわかる。
「無茶をおっしゃらないでください。そうとは知らず領主ミリア・ユーステルム殿にまで、部下が喧嘩を売ってしまいましてね。あの場で退かなくては、ユーステルムでの活動ができなくなるところでしたよ」
ギルバートは溜め息をついた。
「さすが【神喰らう蛇】は、仕事が早くて助かりますわ」
ガインの向かいに座った妖艶な女ディアドラが満足そうに微笑んだ。美女など見飽きているガインにとっても感嘆せざるをえない美貌の持ち主である。
「しかし、ご子息は、我がエルフ王国アルフヘイムの至宝【世界樹の剣】を盗み出した大罪人。一日でも早く取り戻していただかなくては困りますわ。無論、神獣フェンリルも討伐なさってください」
ディアドラが鋭い目つきとなる。
「前金で、純金1トンもの報酬をもらったのだ。依頼は必ずやり遂げる。例え、相手が何者であろうとな」
闘神ガインがユーステルムに急遽、支部を出すように指示したのは、調査のためだ。
ディアドラがもたらした情報と依頼内容は、驚くべきモノだった。
まだアッシュを追放して一週間と経っていない。その間に、アッシュは【世界樹の剣】を手に入れ、どうやってか知らないが神獣フェンリルを支配下に入れ、エルフ王国の内紛に首を突っ込み、王女を連れ回しているという。
まずは、真偽を確かめる必要があった。
アッシュはユーステルムに滞在しているらしい。ならユーステルムの冒険者ギルド【銀翼の鷲】に身を置く可能性が高い。
そこで【銀翼の鷲】とトラブルをワザと起こして、現在のアッシュの力を計ろうとした。
情報によれば、アッシュはテイムされたグリフォンの軍団をひとりで撃退したという。これは信じ難い偉業だった。
そんなことが、今のヤツに可能だとしたら、【世界樹の剣】を使いこなしているとしか思えない。
「ああっ! 良かったですわ。それと、ルシタニア王国侵攻のために、【神喰らう蛇】の4番隊をお貸しいただけると、さらに助かるのですけどね」
「悪いが我らはルシタニア王国に雇われている身でな。エルフに味方してやることはできんな」
ガインは素っ気なく突っぱねた。
しかし、すぐに前言を翻す。
「もっとも、それも金次第であるがな。条件として、追加で純金5トンだ。ルシタニア王国がそれ以上の金を積んできたら、その時点で、俺たちはアチラ側につく。それで構わんか?」
「わかりました。すぐに用意させていただきますわ」
ディアドラは何ら気負うことなく承諾した。
「ほう」
ガインは感嘆すると同時に、警戒心を抱く。
この女は、一昨日の晩、空間転移の魔法を使って、突然【神喰らう蛇】の本部にやって来た。その際、1トンの純金を手土産にして、ガインに直接依頼をするという横紙破りをした。
転移魔法を使えるのは、この世界でも一握りの者だけだ。その上、この資金力となると得体が知れない。
一体、何者だ? これほどの魔法使いがいれば、名が売れているハズだが……
これは部下を使って調べてみる必要があるだろう。
「気前の良いことだな。だが、あまり表立って協力はできんぞ? エルフに肩入れしたなどと評判が立つと、今後のビジネスに響くからな。
素性を隠しての要人暗殺。してやれるのはその程度のことだが、構わんか?」
「ふふふっ、かの【千の顔を持つ死神】ギルバート様にご助力いただけると、解釈してよろしいでしょうか?
ええっ、敵指揮官を消してもらえれば、この上なく、ありがたいですわ。例えば、私たちの部隊が侵攻したと同時に、ユーステルムの領主ミリア様を討っていただくとか」
ディアドラは笑みを浮かべた。
「命令とあれば、誰でも消しますが。ボーナスは奮発していただけると、ありがたいですね。
警戒態勢にある領主を消せなど、無茶振りも良いところですよ」
ギルバートは呆れ顔になりつつ、どこか楽しそうだった。
ギルバートは暗殺組織から足を洗ったが、それは暗殺が嫌いだからではない。闘神ガインの元でなら、よりスリリングが人生が楽しめると思ったからだ。
そのため、今でも暗殺の仕事をすることがあった。
「ボーナスというと、アッシュを俺の後継者に戻せという話か? それについては、よく見極めた上で判断するとしよう」
ギルバートは昔からアッシュに肩入れしていた。ギルバートは弟ゼノスにも同じように剣技を教えていたが、アッシュの方が暗殺者としての才能があると見ているようだった。
だが、ガインの理想とする強さとは、暗殺のような騙し討ちではなく、伝説の神獣を真っ向から撃破できるような圧倒的攻撃力だ。
その能力がないなら、【神喰らう蛇】のトップなど務まらない。
「それと、もうひとつ。私たちの侵攻に対して、中立であっていただきたいのですが、よろしいですか?」
「中立とは? 具体的には?」
ガインは意味が分からず問い返した。
「エルフの主力部隊は、テイムしたモンスター軍団です。私たちのモンスターがルシタニア王国の街や兵を襲っていても、見て見ぬ振りをしていただきたいのですわ」
冒険者ギルドの仕事は魔物退治が主だ。
モンスターが街を襲っていれば、当然、討伐して欲しいという依頼が来るだろう。
「フンッ! なんほどな。それなら、そのモンスターどもが貴様らの兵であることがわかるような目印をつけておけ。
冒険者ギルドは国家から独立した組織だ。国家間の争いには関与しないのが、古くからの習わしだ。俺たちは、その大義名分を使って、不介入を貫くとしよう。それで良いか?」
もっとも最初に伝えたようにルシタニア王国が、ディアドラよりも金を積んできたら、魔物から人々を守るのが冒険者の務めだと言って、鞍替えするつもりだ。
ルシタニア王国とディアドラ、両方からできるだけ利益をむしり取る。それが闘神ガインのやり方だった。
「ありがたい、お申し出。感謝いたしますわ。それでは、よろしくお願いいたします、闘神ガイン様」
ディアドラは笑み浮かべると、その場から幻のように消え去った。
闘神ガインは、4番隊隊長ギルバートからの報告に不機嫌そうな声を出した。ここは冒険者ギルド【神喰らう蛇】の本部である。
ガインの前に置かれた巨大水晶玉に、ギルバートの顔が映し出されていた。これは遠方との通信を可能にする通信魔導器だ。
「申し訳ございません。若に邪魔されまして。いやはや、外れスキル持ちだと、若を追放なさったのは、いささか早計だったと言わざるを得ないかと」
「ふんッ。貴様の4番隊がたるんでおるのではないか?」
「それはありません。すぐに動かせる中では、手練を用意しましたよ」
「それで、アッシュが神獣フェンリルを連れているというのは、本当だったのか?
もし事実だとすれば【神喰らう蛇】の名に泥を塗る行為だ。受けた依頼は必ず達成する。どんな敵だろうと殲滅するが、我らの誇りだからな」
闘神ガインは手にしたリンゴを握りつぶした。
彼の目の前のテーブルには、客人をもてなすために、色とりどりのフルーツや焼き菓子が盛られていた。
「それについては、未だ調査中です。ですが、若は獣人の少女と冒険者登録をしたようです。その娘が、情報にあったようにフェンリルが擬態した姿ではないかと見ています」
「仕掛けてはみなかったのか?」
相手がどれ程の力を持っているかは、一度でも刃を交えてみればわかる。
「無茶をおっしゃらないでください。そうとは知らず領主ミリア・ユーステルム殿にまで、部下が喧嘩を売ってしまいましてね。あの場で退かなくては、ユーステルムでの活動ができなくなるところでしたよ」
ギルバートは溜め息をついた。
「さすが【神喰らう蛇】は、仕事が早くて助かりますわ」
ガインの向かいに座った妖艶な女ディアドラが満足そうに微笑んだ。美女など見飽きているガインにとっても感嘆せざるをえない美貌の持ち主である。
「しかし、ご子息は、我がエルフ王国アルフヘイムの至宝【世界樹の剣】を盗み出した大罪人。一日でも早く取り戻していただかなくては困りますわ。無論、神獣フェンリルも討伐なさってください」
ディアドラが鋭い目つきとなる。
「前金で、純金1トンもの報酬をもらったのだ。依頼は必ずやり遂げる。例え、相手が何者であろうとな」
闘神ガインがユーステルムに急遽、支部を出すように指示したのは、調査のためだ。
ディアドラがもたらした情報と依頼内容は、驚くべきモノだった。
まだアッシュを追放して一週間と経っていない。その間に、アッシュは【世界樹の剣】を手に入れ、どうやってか知らないが神獣フェンリルを支配下に入れ、エルフ王国の内紛に首を突っ込み、王女を連れ回しているという。
まずは、真偽を確かめる必要があった。
アッシュはユーステルムに滞在しているらしい。ならユーステルムの冒険者ギルド【銀翼の鷲】に身を置く可能性が高い。
そこで【銀翼の鷲】とトラブルをワザと起こして、現在のアッシュの力を計ろうとした。
情報によれば、アッシュはテイムされたグリフォンの軍団をひとりで撃退したという。これは信じ難い偉業だった。
そんなことが、今のヤツに可能だとしたら、【世界樹の剣】を使いこなしているとしか思えない。
「ああっ! 良かったですわ。それと、ルシタニア王国侵攻のために、【神喰らう蛇】の4番隊をお貸しいただけると、さらに助かるのですけどね」
「悪いが我らはルシタニア王国に雇われている身でな。エルフに味方してやることはできんな」
ガインは素っ気なく突っぱねた。
しかし、すぐに前言を翻す。
「もっとも、それも金次第であるがな。条件として、追加で純金5トンだ。ルシタニア王国がそれ以上の金を積んできたら、その時点で、俺たちはアチラ側につく。それで構わんか?」
「わかりました。すぐに用意させていただきますわ」
ディアドラは何ら気負うことなく承諾した。
「ほう」
ガインは感嘆すると同時に、警戒心を抱く。
この女は、一昨日の晩、空間転移の魔法を使って、突然【神喰らう蛇】の本部にやって来た。その際、1トンの純金を手土産にして、ガインに直接依頼をするという横紙破りをした。
転移魔法を使えるのは、この世界でも一握りの者だけだ。その上、この資金力となると得体が知れない。
一体、何者だ? これほどの魔法使いがいれば、名が売れているハズだが……
これは部下を使って調べてみる必要があるだろう。
「気前の良いことだな。だが、あまり表立って協力はできんぞ? エルフに肩入れしたなどと評判が立つと、今後のビジネスに響くからな。
素性を隠しての要人暗殺。してやれるのはその程度のことだが、構わんか?」
「ふふふっ、かの【千の顔を持つ死神】ギルバート様にご助力いただけると、解釈してよろしいでしょうか?
ええっ、敵指揮官を消してもらえれば、この上なく、ありがたいですわ。例えば、私たちの部隊が侵攻したと同時に、ユーステルムの領主ミリア様を討っていただくとか」
ディアドラは笑みを浮かべた。
「命令とあれば、誰でも消しますが。ボーナスは奮発していただけると、ありがたいですね。
警戒態勢にある領主を消せなど、無茶振りも良いところですよ」
ギルバートは呆れ顔になりつつ、どこか楽しそうだった。
ギルバートは暗殺組織から足を洗ったが、それは暗殺が嫌いだからではない。闘神ガインの元でなら、よりスリリングが人生が楽しめると思ったからだ。
そのため、今でも暗殺の仕事をすることがあった。
「ボーナスというと、アッシュを俺の後継者に戻せという話か? それについては、よく見極めた上で判断するとしよう」
ギルバートは昔からアッシュに肩入れしていた。ギルバートは弟ゼノスにも同じように剣技を教えていたが、アッシュの方が暗殺者としての才能があると見ているようだった。
だが、ガインの理想とする強さとは、暗殺のような騙し討ちではなく、伝説の神獣を真っ向から撃破できるような圧倒的攻撃力だ。
その能力がないなら、【神喰らう蛇】のトップなど務まらない。
「それと、もうひとつ。私たちの侵攻に対して、中立であっていただきたいのですが、よろしいですか?」
「中立とは? 具体的には?」
ガインは意味が分からず問い返した。
「エルフの主力部隊は、テイムしたモンスター軍団です。私たちのモンスターがルシタニア王国の街や兵を襲っていても、見て見ぬ振りをしていただきたいのですわ」
冒険者ギルドの仕事は魔物退治が主だ。
モンスターが街を襲っていれば、当然、討伐して欲しいという依頼が来るだろう。
「フンッ! なんほどな。それなら、そのモンスターどもが貴様らの兵であることがわかるような目印をつけておけ。
冒険者ギルドは国家から独立した組織だ。国家間の争いには関与しないのが、古くからの習わしだ。俺たちは、その大義名分を使って、不介入を貫くとしよう。それで良いか?」
もっとも最初に伝えたようにルシタニア王国が、ディアドラよりも金を積んできたら、魔物から人々を守るのが冒険者の務めだと言って、鞍替えするつもりだ。
ルシタニア王国とディアドラ、両方からできるだけ利益をむしり取る。それが闘神ガインのやり方だった。
「ありがたい、お申し出。感謝いたしますわ。それでは、よろしくお願いいたします、闘神ガイン様」
ディアドラは笑み浮かべると、その場から幻のように消え去った。
11
あなたにおすすめの小説
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる