20 / 67
4章。ベオウルフ盗賊団
20話。イヌイヌ族の護衛をする
しおりを挟む
「本日は、お願いしますですワン!」
犬型獣人イヌイヌ族の商人たちが、目をキラキラさせて俺を見上げていた。彼らは俺の腰くらいしか背丈がないため、子供っぽく見える。
モフモフの毛並みと尻尾を持った獣人種族だ。
「こちらこそ、よろしく。しっかり護衛させていただきます」
彼らのリーダーと握手をかわす。
俺は冒険者ギルド【銀翼の鷲】からの依頼で、イヌイヌ族の護衛をすることになった。
彼らは馬車に小麦を満載して、隣の街まで運ぶ。街と街の間は、危険な野盗がばっこしているので、冒険者を雇う必要があるのだ。
【銀翼の鷲】の競合として【神喰らう蛇】がいるが、イヌイヌ族が【銀翼の鷲】を選んだのには理由があった。
「アッシュ様のおかげで、元手なく商売ができて大助かりですワン!」
「ホント、アッシュ様はボクたちの英雄ですワン!」
イヌイヌ族が取り扱う小麦は、俺がスキル【植物王(ドルイドキング)】で生み出したものだ。俺は小麦を出して出して出しまくり、ユーステルムの食糧庫を満杯にしていた。
小麦取り放題のため、イヌイヌ族の懐は一切、痛んでいない。
もはやタダ同然になってしまった小麦だが、食糧難にあえいでいる他の街では大変な需要がある。なるべく多くの街に運んで売るのだそうだ。
「おかげで、大儲けさせていただけますワン!」
「ノーコストの商売、最高ですワン!」
「それはどうも……」
尻尾を千切ればかりに振るイヌイヌ族に、俺は若干、気圧される。
お礼に彼らは、【銀翼の鷲】に護衛依頼を出してくれた訳だ。共存共栄というヤツだな。
「では俺の仲間を紹介します。こっちは獣人のリルです。実は、この娘はいろいろあって社会常識が欠落してまして……
ご迷惑をおかけするかも知れませんが、同じ獣人ということで、大目に見ていただけるとありがたいです」
「イヌイヌ族、リルの眷属。リル、しっかり守る!」
リルもすっかりやる気だ。
神獣フェンリルにとって、犬型モンスターや犬型獣人はすべて眷属(配下の者)という認識らしい。
「これは、かわいらしいお嬢さんですワン。どうか、よろしくお願いしますワン!」
同じ犬型獣人ということで、イヌイヌ族もリルにシンパシーを感じてくれたようだ。幸先が良いな。
「こちらは……信じられないかも知れませんが、エルフ王国アルフヘイムの王女コレットです。この娘も社会常識が欠落してまして……
ご迷惑をおかけするかも知れませんが、どうか大目に見ていただけるとありがたいです」
「コレット・アルフヘイムと申します。よろしくお願いしますね、イヌイヌ族のみなさん」
コレットは礼儀正しくスカートの裾を摘んでお辞儀する。所作から高貴さが、にじみ出ていた。
「ワン!? エルフの王女様ですか、ワン!?」
案の定、イヌイヌ族は度肝を抜かれた。
コレットはエリクサーの調合を行っていたが、あとは密閉状態で3日ほど寝かせれば完成するという。
そこで俺のパーティに合流することになった。冒険者ギルドへの登録もすでに済ませてある。
「はい。ですが、わたくしは国を追われた身です。今は未来のエルフ王となられる、ご主人様にお仕えすることを生き甲斐にしています。どうか特別扱いしないでいただけると、ありがたいです」
「ワン!? 未来のエルフ王!? ご主人様というのはアッシュ様のことですかワン!?」
「はい、もちろんです。偉大なる世界樹のマスターであるご主人様にお仕えし、その血を後世に残すことこそ、エルフの王女としてのわたくしの神聖なる使命です。
その使命に全力を尽くすことこそ、わたくしの喜びです!」
コレットが熱ぽっく語る。
「うん? と、ということは、アッシュ様はコレット王女と結婚するんですかワン!?」
「あーっ……この娘の発言には、多分に妄想や思い込みが入っているので、真に受けないでいただけると、ありがたいです」
イヌイヌ族たちに釘を刺しておく。
他の街で、変な噂をばらまかれたりしたら困るからな。
「妄想? そんなことはありません。男女が同じ部屋で寝ると、子供を授かると聞きました。であれば、もうわたくしはご主人様の子を身籠っているかも知れませんね!」
「ワン!? これはビッグニュースです、ワン!」
「おぃいいい!? いや、だから! 他人の前で、そういった発言は謹んでくれ!」
俺は絶叫した。
「……何故でしょうか? 世界樹のマスターの血を取り込むことはエルフ族の悲願。とてもおめでたいことだと思うのですが? わたくしもちょっと恥ずかしいですが、おめでたいことはみんなに広めた方が良いかと?」
コレットは小首を傾げている。
「俺たちはそういう関係になっていないから! 身籠っているとか絶対に無いから、困るんだよ!」
確かにコレットとミリアとリルと、毎晩、同じ寝室を使うハメになっているが……
俺は【植物王(ドルイドキング)】で喚び出したネムネム草を使って、コレットたちを先に眠らせ、危険を回避していた。
間違いを犯す気は絶対にない。
「こ、こここ、今夜も一緒に寝ましょうね、ご主人様!」
ぽっと頬を赤らめて、コレットが告げる。
「うん、うん。リルもあるじ様と、毎日、一緒に寝れて楽しい」
「ぶぅっ!? リル!?」
「あんな、かわいい娘たちと一緒に寝ているだと?」
たまたま通りかかった【神喰らう蛇】所属の冒険者が、俺に嫉妬のこもった目を向けてきた。
この前のトラブルから、ずっと【神喰らう蛇】の連中には目の敵にされているので、かんべんして欲しい。
「チッ、いい気なもんだぜ、元一番隊隊長様はよ」
彼らは俺を遠巻きに睨みつけてるだけで、絡んで来ようとはしなかった。
なら、俺も気にしないようにしよう。
「それよりあるじ様、お腹空いた!」
俺は思わず脱力する。
このふたりの少女に常識を教えるのは骨が折れそうだ。
リルは満腹にさえなってくれれば、大人しくなるのでまだ扱いやすいが……
コレットのセクハラには、毎回、寿命が縮まる思いだ。
「はぁ~、わかった。とりあえず、スイカでも食べいてくれ」
「わぁ!?」
大きなスイカを【植物王(ドルイドキング)】で出現させる。リルは大喜びで、スイカをふたつに割って食べ出した。
「おいしい! おいしいッ! あるじ様、大好き!」
「な、何も無いところから食べ物を生み出す。やっぱり神がかったスキルですワン。アッシュ様が一番非常識な感じがしますワン!」
イヌイヌ族が感嘆の声を上げた。
犬型獣人イヌイヌ族の商人たちが、目をキラキラさせて俺を見上げていた。彼らは俺の腰くらいしか背丈がないため、子供っぽく見える。
モフモフの毛並みと尻尾を持った獣人種族だ。
「こちらこそ、よろしく。しっかり護衛させていただきます」
彼らのリーダーと握手をかわす。
俺は冒険者ギルド【銀翼の鷲】からの依頼で、イヌイヌ族の護衛をすることになった。
彼らは馬車に小麦を満載して、隣の街まで運ぶ。街と街の間は、危険な野盗がばっこしているので、冒険者を雇う必要があるのだ。
【銀翼の鷲】の競合として【神喰らう蛇】がいるが、イヌイヌ族が【銀翼の鷲】を選んだのには理由があった。
「アッシュ様のおかげで、元手なく商売ができて大助かりですワン!」
「ホント、アッシュ様はボクたちの英雄ですワン!」
イヌイヌ族が取り扱う小麦は、俺がスキル【植物王(ドルイドキング)】で生み出したものだ。俺は小麦を出して出して出しまくり、ユーステルムの食糧庫を満杯にしていた。
小麦取り放題のため、イヌイヌ族の懐は一切、痛んでいない。
もはやタダ同然になってしまった小麦だが、食糧難にあえいでいる他の街では大変な需要がある。なるべく多くの街に運んで売るのだそうだ。
「おかげで、大儲けさせていただけますワン!」
「ノーコストの商売、最高ですワン!」
「それはどうも……」
尻尾を千切ればかりに振るイヌイヌ族に、俺は若干、気圧される。
お礼に彼らは、【銀翼の鷲】に護衛依頼を出してくれた訳だ。共存共栄というヤツだな。
「では俺の仲間を紹介します。こっちは獣人のリルです。実は、この娘はいろいろあって社会常識が欠落してまして……
ご迷惑をおかけするかも知れませんが、同じ獣人ということで、大目に見ていただけるとありがたいです」
「イヌイヌ族、リルの眷属。リル、しっかり守る!」
リルもすっかりやる気だ。
神獣フェンリルにとって、犬型モンスターや犬型獣人はすべて眷属(配下の者)という認識らしい。
「これは、かわいらしいお嬢さんですワン。どうか、よろしくお願いしますワン!」
同じ犬型獣人ということで、イヌイヌ族もリルにシンパシーを感じてくれたようだ。幸先が良いな。
「こちらは……信じられないかも知れませんが、エルフ王国アルフヘイムの王女コレットです。この娘も社会常識が欠落してまして……
ご迷惑をおかけするかも知れませんが、どうか大目に見ていただけるとありがたいです」
「コレット・アルフヘイムと申します。よろしくお願いしますね、イヌイヌ族のみなさん」
コレットは礼儀正しくスカートの裾を摘んでお辞儀する。所作から高貴さが、にじみ出ていた。
「ワン!? エルフの王女様ですか、ワン!?」
案の定、イヌイヌ族は度肝を抜かれた。
コレットはエリクサーの調合を行っていたが、あとは密閉状態で3日ほど寝かせれば完成するという。
そこで俺のパーティに合流することになった。冒険者ギルドへの登録もすでに済ませてある。
「はい。ですが、わたくしは国を追われた身です。今は未来のエルフ王となられる、ご主人様にお仕えすることを生き甲斐にしています。どうか特別扱いしないでいただけると、ありがたいです」
「ワン!? 未来のエルフ王!? ご主人様というのはアッシュ様のことですかワン!?」
「はい、もちろんです。偉大なる世界樹のマスターであるご主人様にお仕えし、その血を後世に残すことこそ、エルフの王女としてのわたくしの神聖なる使命です。
その使命に全力を尽くすことこそ、わたくしの喜びです!」
コレットが熱ぽっく語る。
「うん? と、ということは、アッシュ様はコレット王女と結婚するんですかワン!?」
「あーっ……この娘の発言には、多分に妄想や思い込みが入っているので、真に受けないでいただけると、ありがたいです」
イヌイヌ族たちに釘を刺しておく。
他の街で、変な噂をばらまかれたりしたら困るからな。
「妄想? そんなことはありません。男女が同じ部屋で寝ると、子供を授かると聞きました。であれば、もうわたくしはご主人様の子を身籠っているかも知れませんね!」
「ワン!? これはビッグニュースです、ワン!」
「おぃいいい!? いや、だから! 他人の前で、そういった発言は謹んでくれ!」
俺は絶叫した。
「……何故でしょうか? 世界樹のマスターの血を取り込むことはエルフ族の悲願。とてもおめでたいことだと思うのですが? わたくしもちょっと恥ずかしいですが、おめでたいことはみんなに広めた方が良いかと?」
コレットは小首を傾げている。
「俺たちはそういう関係になっていないから! 身籠っているとか絶対に無いから、困るんだよ!」
確かにコレットとミリアとリルと、毎晩、同じ寝室を使うハメになっているが……
俺は【植物王(ドルイドキング)】で喚び出したネムネム草を使って、コレットたちを先に眠らせ、危険を回避していた。
間違いを犯す気は絶対にない。
「こ、こここ、今夜も一緒に寝ましょうね、ご主人様!」
ぽっと頬を赤らめて、コレットが告げる。
「うん、うん。リルもあるじ様と、毎日、一緒に寝れて楽しい」
「ぶぅっ!? リル!?」
「あんな、かわいい娘たちと一緒に寝ているだと?」
たまたま通りかかった【神喰らう蛇】所属の冒険者が、俺に嫉妬のこもった目を向けてきた。
この前のトラブルから、ずっと【神喰らう蛇】の連中には目の敵にされているので、かんべんして欲しい。
「チッ、いい気なもんだぜ、元一番隊隊長様はよ」
彼らは俺を遠巻きに睨みつけてるだけで、絡んで来ようとはしなかった。
なら、俺も気にしないようにしよう。
「それよりあるじ様、お腹空いた!」
俺は思わず脱力する。
このふたりの少女に常識を教えるのは骨が折れそうだ。
リルは満腹にさえなってくれれば、大人しくなるのでまだ扱いやすいが……
コレットのセクハラには、毎回、寿命が縮まる思いだ。
「はぁ~、わかった。とりあえず、スイカでも食べいてくれ」
「わぁ!?」
大きなスイカを【植物王(ドルイドキング)】で出現させる。リルは大喜びで、スイカをふたつに割って食べ出した。
「おいしい! おいしいッ! あるじ様、大好き!」
「な、何も無いところから食べ物を生み出す。やっぱり神がかったスキルですワン。アッシュ様が一番非常識な感じがしますワン!」
イヌイヌ族が感嘆の声を上げた。
11
あなたにおすすめの小説
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。
あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」
長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。
だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。
困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。
長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。
それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。
その活躍は、まさに万能!
死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。
一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。
大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。
その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。
かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。
目次
連載中 全21話
2021年2月17日 23:39 更新
ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです
一色孝太郎
ファンタジー
前世でとあるソシャゲのガチャに全ツッパして人生が終わった記憶を持つ 13 歳の少年ディーノは、今世でもハズレギフト『ガチャ』を授かる。ガチャなんかもう引くもんか! そう決意するも結局はガチャの誘惑には勝てず……。
これはガチャの妖精と共に運を天に任せて成り上がりを目指す男の物語である。
※作中のガチャは実際のガチャ同様の確率テーブルを作り、一発勝負でランダムに抽選をさせています。そのため、ガチャの結果によって物語の未来は変化します
※本作品は他サイト様でも同時掲載しております
※2020/12/26 タイトルを変更しました(旧題:ガチャに人生全ツッパ)
※2020/12/26 あらすじをシンプルにしました
【完結】魅了の魔法にかけられて全てを失った俺は、最強の魔法剣士になり時を巻き戻す
金峯蓮華
ファンタジー
戦に負け、国が滅び、俺ひとりだけ生き残った。愛する女を失い、俺は死に場所を求め、傭兵となり各地を漂っていた。そんな時、ある男に声をかけられた。
「よぉ、にいちゃん。お前、魅了魔法がかかってるぜ。それも強烈に強いヤツだ。解いてやろうか?」
魅了魔法? なんだそれは?
その男との出会いが俺の人生を変えた。俺は時間をもどし、未来を変える。
R15は死のシーンがあるための保険です。
独自の異世界の物語です。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる