パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん

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2章。バフ・マスター、Lv5覚醒

33話。スキルが覚醒!Lv5ボーナスを獲得

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 黒衣の騎士から、空気が重たくなる程の威圧感を覚えた。

 僕の渾身の一撃を簡単に弾いたことからも、相当な剣士であることがうかがえる。
 だがティファを守るためにも、引き下がれない。

「ぐうっ!?」

 一瞬、相手の姿が揺らめいたと思うと、目にも止まらない斬撃を放ってきた。

 僕は必死に剣で受け止める。あまりの怪力に、腕がしびれた。
 さらに連続で斬り込まれ、捌ききれずに肩を切られてしまう。

「嘘でしょ、アベル!?」

 リディアが悲鳴を上げる。

 僕の防御力は6941に達していたが、攻撃を無効化できずに、鮮血が飛んだ。
 痛みを歯を食いしばって耐える。

「僕のことはいいから、ティファの治療を頼む!」

 付け焼き刃ではあるが、父上直伝の上段斬りを放つ。
 黒衣の騎士は、それを難なく受け流して、さらに剣を打ち下ろしてきた。

「なぁっ!?」

 まるで、そう来ることが事前に分かっていたような動きだ。
 かわそうとするが、間に合わずに足を浅く斬られた。

 僕の敏捷性は5660。筋肉は8732と驚異的な能力値になっていたが、剣術そのものは、まだ初心者レベルだ。
 
 相手は僕に近いステータスだと考えられる上に、剣技も超一流だった。
 おのずと防戦に一方になる。

「……そ、その方と戦ってはいけません。アベル様!」

 ティファが息も絶え絶えに叫んだ。彼女はリディアから回復魔法をかけてもらっている。
 なんだ? 黒衣の騎士はティファの知り合いか?

 そう言えば、ヤツの動きは父上に酷似している。
 
「また、お会いしましたね。アーデルハイドの次期国王陛下。招待したつもりはないど、歓迎しますわ」

 アンジェラが優雅に一礼する。

「すごい能力値に目を奪われていたけれど、あなたは剣も魔法も初心者の域なのよね。
 才能はあるようだけど……まだ理想の騎士には程遠いわね」

 それは自分でもわかっていた。
 同格の敵を相手にすれば、技量の差を嫌でも実感させられる。

「うぉおおおおっ!」
 
 前に出て黒衣の騎士を力で押し返す。
 とにかく、リディアがティファを治療する時間を稼がねばならない。

 ティファとリディアには、絶対に近寄らせない。

「こちらの刺客をかわして来るなんて驚いたけど。王女が自ら敵の前に出向くなんて、リディア……あなたは王女失格よ」

「あ、あなただって、似たようなモノじゃない!」

「そうですよ。どうしてあなたまで来たんですか、リディア様!」

「どうしてって。ティファが心配だからに決まっているでしょう。聖女は死霊使い(ネクロマンサー)の天敵だし。
 ああっ、もう! とにかく黙って治療を受けなさい」

 本当はリディアは王宮に残して来るつもりだったが、絶対についてくると言い張って聞かなかった。
 時間が無かったこともあり、仕方なく同行してもらったのだ。

「リディア、私たちは似た者同士と言いたいところだど。私はあなたみたいな偽善者は嫌いなの。
 【轟雷(テンペスト)】!」

 アンジェラが魔法を唱えると、天空より雷の柱が降り注いだ。
 あまりの高電圧にプラズマ化し、墓地を白く染め上げる。

「させるかぁ!」

 僕はティファとリディアの上に覆いかぶさり、身をていして雷を防ぐ。

「ぐぅううっ!?」

「きゃああ! ア、アベル!?」

 僕の魔法防御力は6000を超えていたが、アンジェラの魔法に激しい痛みを受ける。

 すぐさま起き上がり、剣を叩きつけてきた黒衣の騎士を力任せに押し返す。
 パワー勝負なら、まだなんとかなる。

「ふんっ、ぶざまね。あなたには失望よアベル」

 アンジェラが嘲笑するが、ぶざまでも何でも構わない。ティファとリディアを守り抜くんだ。

 騎士の戦いは、守りたい誰かを守り抜けば勝ちだ。そう父上から教わった。

「アベル! ティファは全身のあちこちが骨折していて……動けるようになるまで、時間がかかりそうよ!」

 全身のあちこちが骨折だって?
 こいつら。僕の大事な家族を。ティファをなぶりものにしたな。

「わかった! なんとか時間を稼ぐ」
 
 怒りに任せて剣を振るう。
 だが、そのことごとくが弾かれ、逆に僕の身体に裂傷が増えていく。

「……だ、ダメです。私のことは放って、逃げてください」

 ティファが、か細い声でそんなことを言ってくる。

「そんなことができる訳がないだろう!」

 僕は叫ぶが、押し切られるのは時間の問題だ。
 くそぅ。このままではティファとリディアを守りきることができない。

 バフ・マスターでもっと力を強化することができたら……!
 僕が自分の無力さに歯噛みした時、無機質な声が頭に響いた。

『経験値をスキル熟練度に変換することで、スキルレベルをアップさせることができます。実行しますか?』

 これはレベルアップなどの時に聞こえてくる世界の声、システムボイスだ。

 なんだ?
 実行すると、どうなるだ?

『レベルはダウンしますが、バフ・マスターの新たな力が解放されます』

 新たな力だって……?
 よし、頼む。やってくれ!

 何が何だかわからないまま、僕はバフ・マスターの新たな力が解放させることに決めた。

―――――――

スキル熟練度を獲得。スキルレベルがアップしました!
Lv5ボーナスが解放!

名 前:アベル・ベオルブ

レベル:19(2レベル、DOWN!)


スキル:【バフ・マスター】Lv5(UP!)

Lv2ボーナス: 効果人数最大3000人

Lv3ボーナス: 全ステータス10倍アップ

Lv4ボーナス: スキル発動中の行動制限なし

Lv5ボーナス: 【スキル強化バフ】。ふたりまで他人のスキルをグレードアップできます(NEW!)

Lv6ボーナス: ???

―――――――

 前代未聞の力が解放された瞬間だった。
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