パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん

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2章。バフ・マスター、Lv5覚醒

34話。バフ・マスター、聖女を大聖女にグレードアップさせる

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 バフ・マスターのLv5ボーナス。『スキル強化バフ』。ふたりまで他人のスキルをグレードアップできるだって?

 そうだ。これを使ってリディアの【聖女】をグレードアップさせれば、回復魔法の効果をアップできるかも知れない。

 大怪我をしたティファを救うことができるハズだ。

『スキル強化バフを使うには、対象のスキルを指定してください』

「リディアの【聖女】を強化する!」
 
「ひゃああっ!? な、なにぃ……? 身体が急に熱くなって」

 リディアが驚きの声を上げる。

『リディアの【聖女】のスキルを強化。【大聖女】へとグレードアップしました!
 【大聖女】は神聖魔法と回復魔法の効果を3倍に高めるスキルです』

 魔法効果が3倍だって? これはとんでもない力だ。

「リディア! バフ・マスターでスキルを【大聖女】にグレードアップさせた! どうだ? 回復魔法の効果が上がっていないか!?」

 僕は黒衣の騎士の剣撃を受け止めながら、尋ねる。

「【大聖女】ですって!? よくわからないけど、試してみるわ。アベル!」

 リディアの手の平から溢れ出た輝きが、ティファを包んだ。
 その輝きは今までの比ではないほど、まぶしかった。

「あっ。あれっ、痛くありません……」

 背後を見やると、ティファが目を瞬いて自分の身体を見下ろしていた。
 ティファは戸惑いながら立ち上がる。

「傷が治った。こんな短時間に……!」

「すごいわアベル。スキル強化バフなんて聞いたことも無い力よ!」

「なに? こんな回復速度は有り得ない……【大聖女】ですって?」

 次の魔法を放とうとしていたアンジェラの手が止まった。
 それをチャンスと見たのか、ティファが叫ぶ。

「リディア様。感心していないで、アベル様の傷の回復も!」

「そ、そうだったわね!」

 背中から、回復魔法の光が浴びせられ、僕の全身をむしばんでいた痛みが消えていく。
 まさに反則技だ。

「そんなっ!?」

 アンジェラが驚愕の声を発する。

「あなたが、もし本当に【大聖女】になったのだとしたら……何が何でもここで消えてもらうわ」

 ずん、と大気が震えた。
 アンジェラの身体から、どす黒い魔力が波動となって周囲に放たれる。

 気温が一気に低下したような寒気を感じた。何かとてつもない魔法を放つつもりらしい。

「リディア! 僕に防御魔法をっ!」
 
「【破滅の火(メギド・フレイム)】!」

 轟音と共に、アンジェラの手より黒い炎の本流が放たれる。

「【聖盾(ホーリー・シールド)】!」

 僕がリディアの前に立つと同時に、僕の全身を神聖な輝きが覆う。

 これは魔法防御力を高める魔法だ。

 黒い炎は僕に直撃したが、四散して消えた。

「……なっ。今ので消し炭にならない、ですって?」

 僕の身体は火傷でヒドイ有り様になっていたが、なんとか耐えきった。

 痛みによろめくが、すぐさまリディアから回復魔法の光が飛ぶ。
 負ったダメージが、嘘のように癒えていく。

「これが【大聖女】の力! すごいわ。桁違いに魔法が強くなっている。くぅうううっ、私とアベルの愛の結晶ね」

 リディアは、嬉しそうにガッツポーズを決めた。
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