パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん

文字の大きさ
50 / 70
3章。バフ・マスター、Lv6覚醒

50話。アンジェラ王女の三騎士が一。ドラゴンゾンビ

しおりを挟む
 総大将が討たれたことで、敵軍に動揺が広がっていく。

 アンジェラが何か仕掛けてくることを警戒していたが、結局、何も無かった。
 彼女はやはりフォルガナ軍には、いなかったらしい。

「ティファ! 合図を送れ。フォルガナ軍の掃討は、後続の軍に任せる」

「はっ!」

 僕たちの後続には、アーデルハイド軍2万が控えていた。
 彼らに攻撃を指示するための狼煙を上げさせる。

 アンジェラがフォルガナ軍にいないことが分かれば、あとは数で攻めるだけだ。
 敵軍は指揮官を失って、混乱状態だ。これなら魔法で劣るアーデルハイド軍でも、楽に勝てるだろう。

「くそぉおおっ! 致し方ない。全軍退却! アレを使うぞ!」

「化け物姫のアレをここで解放するつもりですか!?」

「そうだ。アーデルハイドの次期国王は、何としてもここで討ち取れという陛下のご命令だ! 死にたくなかったら、全力で離脱しろ!」

 なんだ……?
 不穏な空気を感じ、僕はバフ・マスターの強化をルーンナイツ全員の軍馬にかけた。
 
 化け物姫というのは、おそらくアンジェラのことだろう。
 やはり、何か罠を張っていたらしい。場合によっては、すぐに部下たちを退避させねばならない。

ドォオオオオン!

 その時、爆音と共に、戦場のど真ん中に黒い竜の姿が浮かび上がった。

「ま、まさか……ドラゴンゾンビか!?」

 巨体から溢れ出す、魂を押し潰すかのような威圧感。強烈な臭気を放つそれは、最強最悪のアンデッド、ドラゴンゾンビだ。

 しかも、前に僕が倒したドラゴンより、はるかに大きかった。

「おおおおおっ! 巻き添えを喰らうぞ! 全軍退却!」

 フォルガナ軍が我先へと逃げ出していく。
 自分たちが召喚した魔物に恐怖を感じているようだ。

「ルーンナイツ、ブラックナイツも退却だ! ティファ、イブ! 僕たちだけで、ドラゴンゾンビの相手をするぞ!」

「はい!」

「了解……すごい怪獣」

 退却の命令を下した直後、ドラゴンゾンビがブレスを吐いた。
 それは触れる物すべてを溶かすアシッドブレス(強酸の息)だ。
 
「退け退け!」
 
 ケタ外れの速度で、僕の配下の両騎士団が離脱していく。間一髪、彼らはブレスの有効射程距離より逃れた。

「くぅううう!? すごい圧です!」

 ティファが僕とイブの頭上に魔法障壁を展開し、アシッドブレスを防ぐ。

「ひぃぐおおお!?」

「なぜ、我々にまで!?」

 アシッドブレスは、なんとフォルガナの騎馬隊にも浴びせられた。彼らはあっという間に蒸発した。

 フォルガナ兵たちがいた場所より水蒸気のようなモヤが上がり、それは苦悶の表情を浮かべる人の形となる。

 死んだフォルガナ兵たちがアンデッドモンスター【幽霊(レイス)】と化したのだ。

「クスッ。またお会いしましたね。アーデルハイドの次期国王陛下。夜会には、まだ早い時間ですが、おもてなしの準備はできていますわ」

 ドラゴンゾンビより、かわいらしいアンジェラの声が響いてくる。
 アンジェラの姿は見えない。声だけを配下を通して、ここに届けているようだ。

「まさか自軍の兵をアンデッドに変えてしまうなんてっ……!」

「これは、噂以上にイカれた姫君」

 下馬したティファとイブが剣を構える。
 僕も馬より飛び降りる。ドラゴンゾンビ相手に馬が怯えてしまっていた。

「剣聖イブ様のお噂もかねがね。物理攻撃しかできない、あなたにとって【幽霊(レイス)】は天敵でしょう?」 

 【幽霊(レイス)】たちが、笑い声を上げながら炎の魔法を放って来る。
 元がフォルガナ兵だけあって、魔法攻撃が得意らしい。
 
「イブ対策のアンデッドという訳か!」

 僕は炎の魔法をかわしながら、ドラゴンゾンビに向かって突っ込んだ。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

冤罪で断罪されたら、魔王の娘に生まれ変わりました〜今度はやりたい放題します

みおな
ファンタジー
 王国の公爵令嬢として、王太子殿下の婚約者として、私なりに頑張っていたつもりでした。  それなのに、聖女とやらに公爵令嬢の座も婚約者の座も奪われて、冤罪で処刑されました。  死んだはずの私が目覚めたのは・・・

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

処理中です...