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2章。聖教会との対決。時の聖女
13話。聖者ヨハン、アークデーモンに殴り飛ばされる
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【聖者ヨハン視点】
コレットには逃げられましたが、慌てることはありません。
このような事態も考慮して、街道にも配下を配置してあります。
「3人の娘が宿屋から逃亡しました。うちひとりが聖女様です。全員、早々に確保しなさい」
私は通信魔法の媒介となる水晶玉を取り出して、街道の配下に指示を出しました。
彼らは全員、馬に乗っているため、例え【時の聖女】と言えど、この包囲網から逃れるのは不可能です。
くくくっ、しょせんは小娘の浅知恵ですね。
『ハッ! 聖者ヨハン様、すでにこちらでも逃亡者を発見して、確保に乗り出しています。ただ、ひとり、街道から外れて山に入った娘がおります。見失わないように、全力で追跡中です!』
「なに? おそらく、その娘が聖女コレット様です! 私もそちらに向かいます!」
真夜中に、魔物の出る山道に入ろうとするなど、危険極まりない自殺行為です。そうまでして我々を振り切ろうとするなら、その娘は【時の聖女】だと断定して間違いありません。
「ちっ……もし夜の山で見失ったら、厄介ですね」
馬にまたがりながら、私は舌打ちしました。
「万が一、聖女様が魔物に襲われて怪我でもされたら一大事です! 命に代えても保護しなさい!」
その時、腰袋に入れた水晶玉が光を放ち、配下の声が聞こえてきました。
街道を逃げた2人の娘は、確保できたとのこと。いずれの娘も【光の紋章】は持っていない。やはり、ハズレです。
「全員、山に入った聖女様を追うのです!」
通信を送りつつ、木々の生い茂る鬱蒼した山に入ります。
この急斜面、しかもこうまで木々が密集していると、馬での追跡は困難です。
まさか、小娘ひとりにこうまで手こずらされるとは……
『時の聖女様を発見しました!』
「おおっ! よくやりました!」
配下から喜ばしい報告が届きました。
コレットには、まだ何か考えがあるかとも思いましたが、さすがに買いかぶり過ぎでしたね。
私は馬を降りて、ランタンの光が見えている方向に走ります。
「あなた方は、聖堂騎士団ですか? 私はヴァルム侯爵家の長女コレット・ヴァルムです。罪も無い人たちに対する悪逆非道なる振る舞い、恥を知りなさい!」
凛とした少女の美声が響きました。
聖堂騎士たちはコレットに触れるのをはばかり、包囲した状態で、ひざまずいています。
「おっ、おおおっ……誠に申し訳ありません。聖女様!」
コレットの右手に燦然と輝く【光の紋章】。
砂金のような金髪をなびかせる凛然たる姿は、まさに聖女の貫禄ですね。
ヴァルム侯爵家は、さすがに聖女を何人も輩出してきた名門だけあります。教育が行き届いていらっしゃる。
「これは、ご無礼をいたしました、聖女コレット様。私は聖者ヨハン。敬虔なる神の下僕です」
私も、その場にうやうやしく膝を付きます。
聖女は聖者よりも上位の存在。勇者と並ぶ、この世界にたったひとりしか生まれない最上級の光属性クラスです。
皆の手前、敬意を払う必要がありますからね。
「……聖者ヨハン」
コレットの顔に、一瞬、軽蔑ともとれる色が走りました。
はて……? 彼女とは初対面のハズですが、快く思われていない?
ついつい楽しくて、聖堂騎士団を率いて魔女狩りなどやってしまい、多少の悪評が広まってしまったためでしょうか?
闇属性クラスの者など人間ではないというのに、嘆かわしいことです。ちょっと無実の罪を着せて【魔女】クラスの娘たちを、責め殺しただけじゃないですか?
「これも人々を救済する神聖なる任務のためです。平にご容赦のほどを……」
「宿屋に押し入り、人を斬ったり、廃人にすることが、人々の救済とおっしゃるのですか?」
コレットは厳しい目を向けてきます。
「はい。パニックを招く故に、非公開にしておりましたが……恐るべき魔王が誕生したことが、私の【預言】にて確定しております。魔王の狙いは、聖王国の壊滅です。聖女コレット様には、一刻も早く王城に来ていただき、聖王都を大結界にして守護して頂きたいのです」
私は完璧な礼節をもって告げました。
「……それなら、安心してください。魔王の誕生は、真の勇者カイによって阻止されました。今後、聖王国が魔王の脅威にされされることはありません」
「はっ……?」
「そして、私とカイは婚約を──結婚の約束をしているんです」
誇らしげなコレットに、私は呆気に取られました。
魔王の誕生が阻止された?
何を根拠に、そのようなことを言っているのか、まるでわかりません。
話に出てくるカイとは、コレットの婚約者であるカイ・オースティンのことだと思いますが……
「もうこの世界には、【勇者】も【聖女】も必要ありません。私はこの国を去って、カイと二人でひっそりと暮らしたいと思います。どうか、放っておいていただけませんか?」
「……カイは【勇者】ではなく、【黒魔術師】のクラスを授かり、父親に反逆。自分の屋敷に放火したと聞きましたが?」
「放火ッ!? カイが……?」
コレットは信じられないといった表情になりました。
「ああっ。でも、きっと魔王誕生を阻止するために、必要なことだったのだと思います。カイは理由もなく、そんなことをする人じゃないもの」
しかし、コレットは、すぐに自分で答えを見つけて、納得してしまいました。
どうやら、カイのことを信頼しきっているようです。
「ヨハン殿。あなたの【預言】では、今日、魔王が誕生し、3日以内に聖王国の民の半分近くが殺されると、出ていませんでしたか? しかし、夜になってもそのような兆候が無いなら、きっとカイがやってくれたんです」
「はぁッ? 今、なんとおっしゃいましたか……?」
私は驚愕しました。
確かに、今日、魔王が誕生し、大勢の人間が殺されると預言には出ていました。
ですが【時の聖女】の確保の方が優先度が高く、魔王など捨て置いて、逃げたコレットを追跡してきたのです。
「本来なら、魔王が誕生し、大勢の人々が犠牲になっていたと。でも、カイが……」
私はコレットの話を遮って、重要なポイントを聞き返しました。
「何を根拠に、魔王の誕生が『今日』だと断定を? まさか【時の聖女】には、私と同じような【預言】のスキルが備わっているのですか?」
コレットは目を瞬きました。
少し考えた後に、彼女は口を開きます。
「……これは、カイから聞いた話です。信じられないかも知れませんが、カイは5年後の未来からやってきたんです。そして、この国を襲う悲劇を回避し、大勢の人々を救ってくれたんです。彼こそ、まさに真の英雄です!」
「なにぃ……?」
私は絶句しました。
ま、まさか、カイ・オースティンは2週目の世界に入っているのですか……?
カイとコレットが親密な関係であるなら、コレットの【時の聖女】の力で、カイが過去に戻れても不思議ではありません。
「ですから、ヨハン殿。あなた方が心配するようなことは起きません。傷つけた人たちに謝罪して、どうか帰っていただけませんか?」
「クハハハハハッ! なるほど、なるほど! これで、2週目の世界に確実に行けることが証明されましたね!」
私の全身に歓喜がみなぎりました。
「えっ……?」
「2週目に入ったカイ・オースティンは、恐るべき脅威ですが……あなたがたは実に仲睦まじいようだ。ならば、聖女コレット様、あなたを人質にしてしまえば、カイは手出しはできませんよね? 聖堂騎士団、コレット様を拘束するのです!」
「ハッ! ご無礼いたします!」
聖堂騎士たちが、コレットの両脇をガッチリ掴みました。
「い、痛い!? ……なっ、何をするのですか?」
「くくくっ、計画に何の変更もありません。あなたを王城にお連れして、魔王に対抗するための大結界を張っていただきます」
「なっ……? 何を言って? もう魔王は存在しないと、申し上げたではありませんか?」
コレットは必死に身をよじりながら、戸惑った顔を浮かべます。
「違います。父親に反逆し、聖女コレット様をたぶからした邪悪なるカイ・オースティン。ヤツこそ、この聖王国に……いや、世界に仇なす魔王です!」
「はぁッ?」
聖女を拘束するには、大義名分が必要ですからね。
本来の魔王がいなくなったのであれば、新たな魔王をでっち上げれば良いだけです。
聖者であるこの私が、黒と言えば白い物も黒となるのです。
それに2週目に入るための具体的な方法も、まだ判明していません。もしかすると、カイはそのための何らかの特殊なアイテムを所持している可能性もあります。
殺して所持品を奪い取れば、それだけで私の望みが叶う可能性も……
くくくっ、これはツキが向いてきたかもですよ。
「そして、その魔王と、こともあろうに結婚するですと? 聖女様ともあろうお方が、そんなことが許されると、思っているのですか!? コレット様にはキツイ教育が必要なようですね。」
「なっ、ななななな、何を……?」
「ご安心ください。あなたの自由意思の一部に制限をかけるだけです。【時の聖女】と言ってもまだ低レベル。私の精神干渉魔法を跳ね除けることはできないでしょう。私の支配下に入っていただきますよ、コレット様?」
その時、コレットの目が決意に満ちたモノに変わりました。
「……そうですか、わかりました。話し合いで解決できればと思ったのですが。カイの言っていたことは、やはり本当だったのですね。聖教会は、腐敗していると。人類の守護者たり得ないと」
コレットの影から、巨大な黒い怪物が飛び出してきました。
「控えよ下郎! このお方を傷つけることは許さん!」
「なにぃいいいい!?」
まさか上位悪魔アークデーモン!?
「げはぁああああッ!?」
アークデーモンに殴り飛ばされて、私は大木に叩きつけられました。
驚愕と激痛に息が止まります。
「ヨ、ヨハン様ぁ!?」
コレットを捕らえていた聖堂騎士が、アークデーモンによって、なぎ倒されました。
人間とは比較にならない、圧倒的なパワーです。
「私が山に逃げ込んだのは、ここでなら無関係な人を巻き込むことなく、全力で戦えるからです。聖者ヨハン、私利私欲のために、この国に無用な争いを起こし、2週目の世界に行こうとしているのなら、絶対に許しません。聖女の名にかけて、断罪します」
私を睨みつけるのは、覚悟を決めた時の聖女でした。
コレットには逃げられましたが、慌てることはありません。
このような事態も考慮して、街道にも配下を配置してあります。
「3人の娘が宿屋から逃亡しました。うちひとりが聖女様です。全員、早々に確保しなさい」
私は通信魔法の媒介となる水晶玉を取り出して、街道の配下に指示を出しました。
彼らは全員、馬に乗っているため、例え【時の聖女】と言えど、この包囲網から逃れるのは不可能です。
くくくっ、しょせんは小娘の浅知恵ですね。
『ハッ! 聖者ヨハン様、すでにこちらでも逃亡者を発見して、確保に乗り出しています。ただ、ひとり、街道から外れて山に入った娘がおります。見失わないように、全力で追跡中です!』
「なに? おそらく、その娘が聖女コレット様です! 私もそちらに向かいます!」
真夜中に、魔物の出る山道に入ろうとするなど、危険極まりない自殺行為です。そうまでして我々を振り切ろうとするなら、その娘は【時の聖女】だと断定して間違いありません。
「ちっ……もし夜の山で見失ったら、厄介ですね」
馬にまたがりながら、私は舌打ちしました。
「万が一、聖女様が魔物に襲われて怪我でもされたら一大事です! 命に代えても保護しなさい!」
その時、腰袋に入れた水晶玉が光を放ち、配下の声が聞こえてきました。
街道を逃げた2人の娘は、確保できたとのこと。いずれの娘も【光の紋章】は持っていない。やはり、ハズレです。
「全員、山に入った聖女様を追うのです!」
通信を送りつつ、木々の生い茂る鬱蒼した山に入ります。
この急斜面、しかもこうまで木々が密集していると、馬での追跡は困難です。
まさか、小娘ひとりにこうまで手こずらされるとは……
『時の聖女様を発見しました!』
「おおっ! よくやりました!」
配下から喜ばしい報告が届きました。
コレットには、まだ何か考えがあるかとも思いましたが、さすがに買いかぶり過ぎでしたね。
私は馬を降りて、ランタンの光が見えている方向に走ります。
「あなた方は、聖堂騎士団ですか? 私はヴァルム侯爵家の長女コレット・ヴァルムです。罪も無い人たちに対する悪逆非道なる振る舞い、恥を知りなさい!」
凛とした少女の美声が響きました。
聖堂騎士たちはコレットに触れるのをはばかり、包囲した状態で、ひざまずいています。
「おっ、おおおっ……誠に申し訳ありません。聖女様!」
コレットの右手に燦然と輝く【光の紋章】。
砂金のような金髪をなびかせる凛然たる姿は、まさに聖女の貫禄ですね。
ヴァルム侯爵家は、さすがに聖女を何人も輩出してきた名門だけあります。教育が行き届いていらっしゃる。
「これは、ご無礼をいたしました、聖女コレット様。私は聖者ヨハン。敬虔なる神の下僕です」
私も、その場にうやうやしく膝を付きます。
聖女は聖者よりも上位の存在。勇者と並ぶ、この世界にたったひとりしか生まれない最上級の光属性クラスです。
皆の手前、敬意を払う必要がありますからね。
「……聖者ヨハン」
コレットの顔に、一瞬、軽蔑ともとれる色が走りました。
はて……? 彼女とは初対面のハズですが、快く思われていない?
ついつい楽しくて、聖堂騎士団を率いて魔女狩りなどやってしまい、多少の悪評が広まってしまったためでしょうか?
闇属性クラスの者など人間ではないというのに、嘆かわしいことです。ちょっと無実の罪を着せて【魔女】クラスの娘たちを、責め殺しただけじゃないですか?
「これも人々を救済する神聖なる任務のためです。平にご容赦のほどを……」
「宿屋に押し入り、人を斬ったり、廃人にすることが、人々の救済とおっしゃるのですか?」
コレットは厳しい目を向けてきます。
「はい。パニックを招く故に、非公開にしておりましたが……恐るべき魔王が誕生したことが、私の【預言】にて確定しております。魔王の狙いは、聖王国の壊滅です。聖女コレット様には、一刻も早く王城に来ていただき、聖王都を大結界にして守護して頂きたいのです」
私は完璧な礼節をもって告げました。
「……それなら、安心してください。魔王の誕生は、真の勇者カイによって阻止されました。今後、聖王国が魔王の脅威にされされることはありません」
「はっ……?」
「そして、私とカイは婚約を──結婚の約束をしているんです」
誇らしげなコレットに、私は呆気に取られました。
魔王の誕生が阻止された?
何を根拠に、そのようなことを言っているのか、まるでわかりません。
話に出てくるカイとは、コレットの婚約者であるカイ・オースティンのことだと思いますが……
「もうこの世界には、【勇者】も【聖女】も必要ありません。私はこの国を去って、カイと二人でひっそりと暮らしたいと思います。どうか、放っておいていただけませんか?」
「……カイは【勇者】ではなく、【黒魔術師】のクラスを授かり、父親に反逆。自分の屋敷に放火したと聞きましたが?」
「放火ッ!? カイが……?」
コレットは信じられないといった表情になりました。
「ああっ。でも、きっと魔王誕生を阻止するために、必要なことだったのだと思います。カイは理由もなく、そんなことをする人じゃないもの」
しかし、コレットは、すぐに自分で答えを見つけて、納得してしまいました。
どうやら、カイのことを信頼しきっているようです。
「ヨハン殿。あなたの【預言】では、今日、魔王が誕生し、3日以内に聖王国の民の半分近くが殺されると、出ていませんでしたか? しかし、夜になってもそのような兆候が無いなら、きっとカイがやってくれたんです」
「はぁッ? 今、なんとおっしゃいましたか……?」
私は驚愕しました。
確かに、今日、魔王が誕生し、大勢の人間が殺されると預言には出ていました。
ですが【時の聖女】の確保の方が優先度が高く、魔王など捨て置いて、逃げたコレットを追跡してきたのです。
「本来なら、魔王が誕生し、大勢の人々が犠牲になっていたと。でも、カイが……」
私はコレットの話を遮って、重要なポイントを聞き返しました。
「何を根拠に、魔王の誕生が『今日』だと断定を? まさか【時の聖女】には、私と同じような【預言】のスキルが備わっているのですか?」
コレットは目を瞬きました。
少し考えた後に、彼女は口を開きます。
「……これは、カイから聞いた話です。信じられないかも知れませんが、カイは5年後の未来からやってきたんです。そして、この国を襲う悲劇を回避し、大勢の人々を救ってくれたんです。彼こそ、まさに真の英雄です!」
「なにぃ……?」
私は絶句しました。
ま、まさか、カイ・オースティンは2週目の世界に入っているのですか……?
カイとコレットが親密な関係であるなら、コレットの【時の聖女】の力で、カイが過去に戻れても不思議ではありません。
「ですから、ヨハン殿。あなた方が心配するようなことは起きません。傷つけた人たちに謝罪して、どうか帰っていただけませんか?」
「クハハハハハッ! なるほど、なるほど! これで、2週目の世界に確実に行けることが証明されましたね!」
私の全身に歓喜がみなぎりました。
「えっ……?」
「2週目に入ったカイ・オースティンは、恐るべき脅威ですが……あなたがたは実に仲睦まじいようだ。ならば、聖女コレット様、あなたを人質にしてしまえば、カイは手出しはできませんよね? 聖堂騎士団、コレット様を拘束するのです!」
「ハッ! ご無礼いたします!」
聖堂騎士たちが、コレットの両脇をガッチリ掴みました。
「い、痛い!? ……なっ、何をするのですか?」
「くくくっ、計画に何の変更もありません。あなたを王城にお連れして、魔王に対抗するための大結界を張っていただきます」
「なっ……? 何を言って? もう魔王は存在しないと、申し上げたではありませんか?」
コレットは必死に身をよじりながら、戸惑った顔を浮かべます。
「違います。父親に反逆し、聖女コレット様をたぶからした邪悪なるカイ・オースティン。ヤツこそ、この聖王国に……いや、世界に仇なす魔王です!」
「はぁッ?」
聖女を拘束するには、大義名分が必要ですからね。
本来の魔王がいなくなったのであれば、新たな魔王をでっち上げれば良いだけです。
聖者であるこの私が、黒と言えば白い物も黒となるのです。
それに2週目に入るための具体的な方法も、まだ判明していません。もしかすると、カイはそのための何らかの特殊なアイテムを所持している可能性もあります。
殺して所持品を奪い取れば、それだけで私の望みが叶う可能性も……
くくくっ、これはツキが向いてきたかもですよ。
「そして、その魔王と、こともあろうに結婚するですと? 聖女様ともあろうお方が、そんなことが許されると、思っているのですか!? コレット様にはキツイ教育が必要なようですね。」
「なっ、ななななな、何を……?」
「ご安心ください。あなたの自由意思の一部に制限をかけるだけです。【時の聖女】と言ってもまだ低レベル。私の精神干渉魔法を跳ね除けることはできないでしょう。私の支配下に入っていただきますよ、コレット様?」
その時、コレットの目が決意に満ちたモノに変わりました。
「……そうですか、わかりました。話し合いで解決できればと思ったのですが。カイの言っていたことは、やはり本当だったのですね。聖教会は、腐敗していると。人類の守護者たり得ないと」
コレットの影から、巨大な黒い怪物が飛び出してきました。
「控えよ下郎! このお方を傷つけることは許さん!」
「なにぃいいいい!?」
まさか上位悪魔アークデーモン!?
「げはぁああああッ!?」
アークデーモンに殴り飛ばされて、私は大木に叩きつけられました。
驚愕と激痛に息が止まります。
「ヨ、ヨハン様ぁ!?」
コレットを捕らえていた聖堂騎士が、アークデーモンによって、なぎ倒されました。
人間とは比較にならない、圧倒的なパワーです。
「私が山に逃げ込んだのは、ここでなら無関係な人を巻き込むことなく、全力で戦えるからです。聖者ヨハン、私利私欲のために、この国に無用な争いを起こし、2週目の世界に行こうとしているのなら、絶対に許しません。聖女の名にかけて、断罪します」
私を睨みつけるのは、覚悟を決めた時の聖女でした。
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