40 / 46
4章。聖王都の攻略
40話。聖者ヨハン、アンデッドとなって滅びる
しおりを挟む
「嫌だぁあああ、死にたくない! 私は2週目の世界にぃいいいい!」
ヨハンは最後の力を振り絞って、身を焼く魔剣の黒炎に抗っていた。さすがは最高レベルに近い聖者だな。
「お前を2週目の世界に連れて行ってやる約束だったな」
俺は燃え尽きようとするヨハンの顔に手を触れた。
コイツには最後に役に立ってもらうつもりだ。
『【イヴィル・ポイント】1000を消費して、スキル【高速詠唱】を修得しました!
魔法の発動を高速化するスキルです。極大魔法の詠唱も一工程で完了させます』
「【イヴィル・デッド】!」
これは人間を生きたまま不死の魔物に転生させる魔法だ。本来なら、長大な詠唱が必要となるのだが、スキル【高速詠唱】のおかげで、魔法名を唱えるだけで発動できた。
俺から注ぎ込まれた闇の波動が、ヨハンの肉体を組み換え、まったく別の存在へと構築し直していく。
「ぎゃああああッ! 痛い、痛い! 貴様、何ぉおおおお!?」
ヨハンは黒炎に焼かれたまま死ねない身体となった。
炎に強い耐性のある最上級アンデッド【ダーク・フレイム】に転生したのだ。
「望み通り、新しい人生を……2週目の新たな世界を歩ませてやったぞ」
「炎、炎が消えなぃいいいい!? ひぎゃあああああ! 殺せぇ! 殺してぇええ!」
「カイ、何を……?」
コレットが俺の行動をいぶかしむ。
俺は彼女を手で制した。
「ヨハン、【レベル・ブースター】の製造、研究に携わっている人間と施設をすべて教えろ。そうすれば、楽にしてやる」
5年後の世界では、【レベル・ブースター】はより進化し、レベル900まで上昇させられる代物になっていた。
だが、肉体が崩壊する副作用は克服できず、魔王軍に対抗するための使い捨ての戦士に使われていた。
人の生命をもてあそぶ邪悪な研究……
なにより、こんな物を量産されては、俺とコレットが幸せに生きるための障害となりうる。
聖教会の魔法薬の研究を、完全にぶち壊す必要があった。
「あれは教皇が直接指揮を取っている計画だぁあああッ! 私も詳細は知らない! 知らないんだぁああああッ!」
「なにぃ……?」
【レベル・ブースター】は魔王への切り札だと思っていたが……
聖教会の幹部であるヨハンが、詳細を知らないだと?
「教皇は勇者を超える究極の戦士を造り出すための研究だと言っていた! だが、それ以上のことは……何を原材料としているのかも。誰が研究しているのかも、わからないッッッ!」
「そうか。お前は教皇から、信用されてはいなかったんだな」
俺は暴れるヨハンの頭を掴むと、窓から投げ捨てた。
もうコイツには用はない。
アンデッド殺しの専門家たちに、後始末を任せるとしよう。
「ひぎゃああああッ!」
ヨハンが落ちた先は、中庭に増設された聖堂騎士団の詰め所の天幕だった。
「ア、アンデッドが降って来たぞぉおお!」
「早く、光魔法で浄化しろ!」
「待て、貴様らぁあああ! この私は聖者ヨハン……ッ!」
ヨハンは配下の聖堂騎士たちによって、徹底的に蹂躙された。
アンデッドに効果てきめんの光魔法を四方八方から浴びせられて、悲鳴を上げる。
「聖者を騙るとは不遜なる化け物め! 消え去れぇえええ!」
「邪悪なる者に生きる資格なし!」
「ぎゃああああッ!」
ヨハンの断末魔の叫びが轟く。
奴隷のごとく扱っていた聖堂騎士たちによって、ヨハンはこの世から跡形もなく消滅させられた。
それにしても、「邪悪なる者に生きる資格なし!」とは。皮肉にもヨハンが魔女狩りをする時の常套文句だったな。
『聖者ヨハンを倒し、聖女コレットを奪いました。おめでとうございます。【イヴィル・ポイント】5000を獲得しました!』
==================
名前 :カイ=オースティン
クラス:黒魔術師(ダーク・スター)
レベル:999
スキル:【魔剣召喚】。【従魔の契約】。【アイテム鑑定】。【闇属性強化Lv10】【MPドレインLv5】
【死神の手】【MPアップLv20】【斬撃強化Lv50】【ハッキング】【鑑定偽装】【高速詠唱】
==================
ヨハンは最後の力を振り絞って、身を焼く魔剣の黒炎に抗っていた。さすがは最高レベルに近い聖者だな。
「お前を2週目の世界に連れて行ってやる約束だったな」
俺は燃え尽きようとするヨハンの顔に手を触れた。
コイツには最後に役に立ってもらうつもりだ。
『【イヴィル・ポイント】1000を消費して、スキル【高速詠唱】を修得しました!
魔法の発動を高速化するスキルです。極大魔法の詠唱も一工程で完了させます』
「【イヴィル・デッド】!」
これは人間を生きたまま不死の魔物に転生させる魔法だ。本来なら、長大な詠唱が必要となるのだが、スキル【高速詠唱】のおかげで、魔法名を唱えるだけで発動できた。
俺から注ぎ込まれた闇の波動が、ヨハンの肉体を組み換え、まったく別の存在へと構築し直していく。
「ぎゃああああッ! 痛い、痛い! 貴様、何ぉおおおお!?」
ヨハンは黒炎に焼かれたまま死ねない身体となった。
炎に強い耐性のある最上級アンデッド【ダーク・フレイム】に転生したのだ。
「望み通り、新しい人生を……2週目の新たな世界を歩ませてやったぞ」
「炎、炎が消えなぃいいいい!? ひぎゃあああああ! 殺せぇ! 殺してぇええ!」
「カイ、何を……?」
コレットが俺の行動をいぶかしむ。
俺は彼女を手で制した。
「ヨハン、【レベル・ブースター】の製造、研究に携わっている人間と施設をすべて教えろ。そうすれば、楽にしてやる」
5年後の世界では、【レベル・ブースター】はより進化し、レベル900まで上昇させられる代物になっていた。
だが、肉体が崩壊する副作用は克服できず、魔王軍に対抗するための使い捨ての戦士に使われていた。
人の生命をもてあそぶ邪悪な研究……
なにより、こんな物を量産されては、俺とコレットが幸せに生きるための障害となりうる。
聖教会の魔法薬の研究を、完全にぶち壊す必要があった。
「あれは教皇が直接指揮を取っている計画だぁあああッ! 私も詳細は知らない! 知らないんだぁああああッ!」
「なにぃ……?」
【レベル・ブースター】は魔王への切り札だと思っていたが……
聖教会の幹部であるヨハンが、詳細を知らないだと?
「教皇は勇者を超える究極の戦士を造り出すための研究だと言っていた! だが、それ以上のことは……何を原材料としているのかも。誰が研究しているのかも、わからないッッッ!」
「そうか。お前は教皇から、信用されてはいなかったんだな」
俺は暴れるヨハンの頭を掴むと、窓から投げ捨てた。
もうコイツには用はない。
アンデッド殺しの専門家たちに、後始末を任せるとしよう。
「ひぎゃああああッ!」
ヨハンが落ちた先は、中庭に増設された聖堂騎士団の詰め所の天幕だった。
「ア、アンデッドが降って来たぞぉおお!」
「早く、光魔法で浄化しろ!」
「待て、貴様らぁあああ! この私は聖者ヨハン……ッ!」
ヨハンは配下の聖堂騎士たちによって、徹底的に蹂躙された。
アンデッドに効果てきめんの光魔法を四方八方から浴びせられて、悲鳴を上げる。
「聖者を騙るとは不遜なる化け物め! 消え去れぇえええ!」
「邪悪なる者に生きる資格なし!」
「ぎゃああああッ!」
ヨハンの断末魔の叫びが轟く。
奴隷のごとく扱っていた聖堂騎士たちによって、ヨハンはこの世から跡形もなく消滅させられた。
それにしても、「邪悪なる者に生きる資格なし!」とは。皮肉にもヨハンが魔女狩りをする時の常套文句だったな。
『聖者ヨハンを倒し、聖女コレットを奪いました。おめでとうございます。【イヴィル・ポイント】5000を獲得しました!』
==================
名前 :カイ=オースティン
クラス:黒魔術師(ダーク・スター)
レベル:999
スキル:【魔剣召喚】。【従魔の契約】。【アイテム鑑定】。【闇属性強化Lv10】【MPドレインLv5】
【死神の手】【MPアップLv20】【斬撃強化Lv50】【ハッキング】【鑑定偽装】【高速詠唱】
==================
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~
仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。 そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。
しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。
ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。
武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」 登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。
これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる