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―― 魔術師の場合02
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――数ヶ月後。
最初は、小さな煌めきの欠片だった。
見た事もないオーラの欠片が、城の彼方此方に残っていた。
キラキラと輝くそれは、生まれて此の方感じた事も無い程の美しさで、僕は残った残像を両手で包み込んだ。
(いったい……これは、何?)
日に日に、輝きが増すオーラの欠片の残像。
忙しい仕事の合間を縫って、オーラの正体を探る。
下働きがいる洗濯場に、そのオーラの欠片がそこら中に溢れていた。
近くに居た者に問いただすと、ここの持ち場は、あの少女――ナオだという。
(まさか)
僕は魔術を使い、ナオいる場所を捜す。
そして、今は誰も使わない外にある…食物庫の裏……馬車の中にナオが居る事を知り、急いで駆け付けた。
そこに現れたのは……見た事もない光の結晶の集合体。
しかし、微かに残っているナオのオーラで、その集合体がナオという事が分かった。
僕の体は歓喜で震える。
(嗚呼、ナオ!! いえ、ナオ様! 貴女様は)
しかし、すぐさま、煌めく彼女の後ろに欲望に塗れた禍々しいオーラが纏わり付いているのに気付く!
なんという、
なんという、
なんという!!
――――赦されない。
青い炎が、食物庫周辺を包んだ。
気を失われたナオ様を、僕の部屋で匿う。
誰にも、彼女に触れて欲しくなかった。
それに、ナオ様に与えられている部屋は粗末で、あんな所に居て頂くわけにはいかなかった。
ナオ様を攫おうとした人物はアイリ付きの神官だった。
彼も魔力が強く(僕にとっては運悪く)僕よりも先にナオ様の光にあてられたのだろう。
僕は感情のままに食物庫を燃やしてしまったので、隠蔽は難しい。
渋々、王子に事故の報告する事となった。
その時、王子の元には、騎士、宰相、アイリが居た。
アイリは震えて王子に抱きつき「もしかして、私の代わりでは」と三文芝居を繰り広げる。
絶好の観客である王子と騎士は、アイリに危険がなかった事に安堵し、アイリへの警備強化の話をしていた。
宰相は何かを考えているようで発言は控えていたが……ここにいる誰もナオ様の心配はしていなかった。
騎士と食物庫のあった場所へ向かい、現場検証を行った。
単細胞な騎士は、僕の言った事を何も疑わずにアイリの無事だけを神へ感謝をしていた。
そんな騎士を心中馬鹿にしていたら、微かに残っていた例の神官の残骸に気付く。
(忌々しい)
直様、握り潰し全ての神官の欠片をこの世から消した。
その時、僕が言った言葉に騎士は首を傾げていた。
ナオ様を、こんな所に置いては置けない。
誰にも言わず、代々召喚に携わってきた魔術師だけが知る、森深い神殿にお連れした。
城にナオ様が居なくなっても、気にする者はいないだろう。
宰相だけが何かを勘付き懸命に捜そうとしていたので、用心の為に追跡が出来ないように魔術で神殿に防波堤を作る。
なぜかこの頃になると、アイリの周りのオーラの色が狂い始めたがどうでもいいことだ。
僕は怪しまれないように日中は城で過ごし、夜半過ぎに神殿で過ごした。
気が付かれたナオ様は神殿に大層驚かれたが、すぐに馴染まれた。
それに僕は安心する。
日に日に輝きを増すナオ様。
幸せな日々。
貴女様の側にいられるだけで、僕の世界は光に満ちている。
運命の3日目。
神がナオ様を選ばぬよう――僕は祈った。
最初は、小さな煌めきの欠片だった。
見た事もないオーラの欠片が、城の彼方此方に残っていた。
キラキラと輝くそれは、生まれて此の方感じた事も無い程の美しさで、僕は残った残像を両手で包み込んだ。
(いったい……これは、何?)
日に日に、輝きが増すオーラの欠片の残像。
忙しい仕事の合間を縫って、オーラの正体を探る。
下働きがいる洗濯場に、そのオーラの欠片がそこら中に溢れていた。
近くに居た者に問いただすと、ここの持ち場は、あの少女――ナオだという。
(まさか)
僕は魔術を使い、ナオいる場所を捜す。
そして、今は誰も使わない外にある…食物庫の裏……馬車の中にナオが居る事を知り、急いで駆け付けた。
そこに現れたのは……見た事もない光の結晶の集合体。
しかし、微かに残っているナオのオーラで、その集合体がナオという事が分かった。
僕の体は歓喜で震える。
(嗚呼、ナオ!! いえ、ナオ様! 貴女様は)
しかし、すぐさま、煌めく彼女の後ろに欲望に塗れた禍々しいオーラが纏わり付いているのに気付く!
なんという、
なんという、
なんという!!
――――赦されない。
青い炎が、食物庫周辺を包んだ。
気を失われたナオ様を、僕の部屋で匿う。
誰にも、彼女に触れて欲しくなかった。
それに、ナオ様に与えられている部屋は粗末で、あんな所に居て頂くわけにはいかなかった。
ナオ様を攫おうとした人物はアイリ付きの神官だった。
彼も魔力が強く(僕にとっては運悪く)僕よりも先にナオ様の光にあてられたのだろう。
僕は感情のままに食物庫を燃やしてしまったので、隠蔽は難しい。
渋々、王子に事故の報告する事となった。
その時、王子の元には、騎士、宰相、アイリが居た。
アイリは震えて王子に抱きつき「もしかして、私の代わりでは」と三文芝居を繰り広げる。
絶好の観客である王子と騎士は、アイリに危険がなかった事に安堵し、アイリへの警備強化の話をしていた。
宰相は何かを考えているようで発言は控えていたが……ここにいる誰もナオ様の心配はしていなかった。
騎士と食物庫のあった場所へ向かい、現場検証を行った。
単細胞な騎士は、僕の言った事を何も疑わずにアイリの無事だけを神へ感謝をしていた。
そんな騎士を心中馬鹿にしていたら、微かに残っていた例の神官の残骸に気付く。
(忌々しい)
直様、握り潰し全ての神官の欠片をこの世から消した。
その時、僕が言った言葉に騎士は首を傾げていた。
ナオ様を、こんな所に置いては置けない。
誰にも言わず、代々召喚に携わってきた魔術師だけが知る、森深い神殿にお連れした。
城にナオ様が居なくなっても、気にする者はいないだろう。
宰相だけが何かを勘付き懸命に捜そうとしていたので、用心の為に追跡が出来ないように魔術で神殿に防波堤を作る。
なぜかこの頃になると、アイリの周りのオーラの色が狂い始めたがどうでもいいことだ。
僕は怪しまれないように日中は城で過ごし、夜半過ぎに神殿で過ごした。
気が付かれたナオ様は神殿に大層驚かれたが、すぐに馴染まれた。
それに僕は安心する。
日に日に輝きを増すナオ様。
幸せな日々。
貴女様の側にいられるだけで、僕の世界は光に満ちている。
運命の3日目。
神がナオ様を選ばぬよう――僕は祈った。
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