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―― アイリの場合02
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山田さんは、仕事を順調にしているみたい。
でも、困る。宰相もあの日言ってたけど……もしも、山田さんが“花嫁”だった場合、アイリの場所がなくなるじゃない。
引き立て役には充分役にたってもらっているけど念には念をね?
って事で、ちょこちょこっと、山田さんがしていた仕事の邪魔をしていたの。
洗った洗濯物をひっくり返してみたり。剥いた野菜をドブに捨てたり。
どんどん山田さんの評判が下がる度に、アイリがフォローにまわってアイリの評判はうなぎのぼり。
「アイリ様は、女神様のようです」って。いやだ。もっと言って?
そんな中、事件が起こったの!
山田さんが、神官の人に攫われそうになったんだって! 神官の中でも超イケメンの人! マジビックリ。
贔屓にしてあげてた人なのに。なんなの? わけわかんない。ひょっとして、アイリと山田さんを間違えたとか。まさかね。アイリと山田さんとじゃ、月とスッポンだもん。
みんな騒然としているから、一応アイリも心配している振りをしないと。って事で、やっぱり十八番の“嘘泣き”。子うさぎちゃんの様に、プルプル身体を震わせて王子に抱きついちゃった。 王子は肩を抱いて心配してくれるし、騎士は私の前に膝まづいて「アイリ様は、私が命をかけてお守りします」って。きゃーーーー! やっぱり、この世界、私の為にまわっているんだって確証した瞬間。
事件は、あの冴えない魔術師が片付けたみたいだけど、人は見かけによらないのね。
それからしばらくして、山田さんがお城からいなくなったんだって。仕事も勝手に辞めて、お城を出るなんて、無責任だよね。流石の私も呆れて、知らないフリをしちゃった。
1年が経って、試練の3日間の7日前。
王子と騎士が、10日間、なんでか知らないけど、お城を離れるんだって。試練が終わる3日目の朝に帰って来るみたいだけど……「4日目に、お前をもらうぞ」って、王子から熱い瞳で見つめられちゃって、ドキドキしちゃた。でも、後ろで騎士が辛そうに顔を歪ませていたから、可哀想って思っちゃって、アイリは、1人しかいないけど、みんなのアイリだから大丈夫だよ? 王子と結婚しても、相手してあげるからね?
王子と騎士がいなくなったので、なんだか伸び伸びできちゃった!
なんだかんだであの2人って嫉妬深いから、面倒だったのよね。
仲の良い神官や遊びに来る貴族の男の子達と色々羽を伸ばして、開・放・的!
宰相が、時々、こっちを睨んでいたけど……嫉妬かしら?
もぉ、仲間入りたいならいれてあげるのに。素直じゃないな。
試練の3日間がきちゃった。
祭壇の上に居ないといけないみたいだけど、3日間なんて無理無理。
学校の授業だって、ジッとしていられなかったんだよ?
どうせ、神様なんていないんだろうし(流石に、一緒に祭壇には来てくれなかったんだけど)アイリの取り巻きの貴族の男の子たちからの差し入れを、もぐもぐ食べながら待っていたの。
祭壇がお菓子のクズまみれになっちゃったけど、一年間、すごーく頑張ったんだもん。
これくらいいいよね?
やっと、終わったー!!
超、運動不足。軽い伸びをして祭壇から降りて……やっと、待ちに待った“4日目の朝”が来たの。
やっぱり、神様なんて降りてこなかった。
(アイリだから、もしも? って思ったけど、やっぱりヒロインは王子様と結婚しなきゃね!)
王子たちが迎えに来る時をずっと待っていたのに、昼過ぎになっても誰も迎えに来ない!
もう! 信じられない!
怒りながらも、王宮へ向かったの。
神官たちが何か言っているけど、私はもうすぐ、お后様になるんだから!! 失礼しちゃう。
主人公を放って置く酷い人たちに何か言いたくて、人集りができている森の入口近くまで馬車を走らせて、行ってみたのはいいんだけど…。
かえってきたのは、アイリに対して冷たい目線。
なんで?
どうして?
アイリをそんな目で見るの?
この物語の主人公はアイリなんだよ?
でも、困る。宰相もあの日言ってたけど……もしも、山田さんが“花嫁”だった場合、アイリの場所がなくなるじゃない。
引き立て役には充分役にたってもらっているけど念には念をね?
って事で、ちょこちょこっと、山田さんがしていた仕事の邪魔をしていたの。
洗った洗濯物をひっくり返してみたり。剥いた野菜をドブに捨てたり。
どんどん山田さんの評判が下がる度に、アイリがフォローにまわってアイリの評判はうなぎのぼり。
「アイリ様は、女神様のようです」って。いやだ。もっと言って?
そんな中、事件が起こったの!
山田さんが、神官の人に攫われそうになったんだって! 神官の中でも超イケメンの人! マジビックリ。
贔屓にしてあげてた人なのに。なんなの? わけわかんない。ひょっとして、アイリと山田さんを間違えたとか。まさかね。アイリと山田さんとじゃ、月とスッポンだもん。
みんな騒然としているから、一応アイリも心配している振りをしないと。って事で、やっぱり十八番の“嘘泣き”。子うさぎちゃんの様に、プルプル身体を震わせて王子に抱きついちゃった。 王子は肩を抱いて心配してくれるし、騎士は私の前に膝まづいて「アイリ様は、私が命をかけてお守りします」って。きゃーーーー! やっぱり、この世界、私の為にまわっているんだって確証した瞬間。
事件は、あの冴えない魔術師が片付けたみたいだけど、人は見かけによらないのね。
それからしばらくして、山田さんがお城からいなくなったんだって。仕事も勝手に辞めて、お城を出るなんて、無責任だよね。流石の私も呆れて、知らないフリをしちゃった。
1年が経って、試練の3日間の7日前。
王子と騎士が、10日間、なんでか知らないけど、お城を離れるんだって。試練が終わる3日目の朝に帰って来るみたいだけど……「4日目に、お前をもらうぞ」って、王子から熱い瞳で見つめられちゃって、ドキドキしちゃた。でも、後ろで騎士が辛そうに顔を歪ませていたから、可哀想って思っちゃって、アイリは、1人しかいないけど、みんなのアイリだから大丈夫だよ? 王子と結婚しても、相手してあげるからね?
王子と騎士がいなくなったので、なんだか伸び伸びできちゃった!
なんだかんだであの2人って嫉妬深いから、面倒だったのよね。
仲の良い神官や遊びに来る貴族の男の子達と色々羽を伸ばして、開・放・的!
宰相が、時々、こっちを睨んでいたけど……嫉妬かしら?
もぉ、仲間入りたいならいれてあげるのに。素直じゃないな。
試練の3日間がきちゃった。
祭壇の上に居ないといけないみたいだけど、3日間なんて無理無理。
学校の授業だって、ジッとしていられなかったんだよ?
どうせ、神様なんていないんだろうし(流石に、一緒に祭壇には来てくれなかったんだけど)アイリの取り巻きの貴族の男の子たちからの差し入れを、もぐもぐ食べながら待っていたの。
祭壇がお菓子のクズまみれになっちゃったけど、一年間、すごーく頑張ったんだもん。
これくらいいいよね?
やっと、終わったー!!
超、運動不足。軽い伸びをして祭壇から降りて……やっと、待ちに待った“4日目の朝”が来たの。
やっぱり、神様なんて降りてこなかった。
(アイリだから、もしも? って思ったけど、やっぱりヒロインは王子様と結婚しなきゃね!)
王子たちが迎えに来る時をずっと待っていたのに、昼過ぎになっても誰も迎えに来ない!
もう! 信じられない!
怒りながらも、王宮へ向かったの。
神官たちが何か言っているけど、私はもうすぐ、お后様になるんだから!! 失礼しちゃう。
主人公を放って置く酷い人たちに何か言いたくて、人集りができている森の入口近くまで馬車を走らせて、行ってみたのはいいんだけど…。
かえってきたのは、アイリに対して冷たい目線。
なんで?
どうして?
アイリをそんな目で見るの?
この物語の主人公はアイリなんだよ?
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