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ユキと千夜 気に食わないけど実力は認めてるケンカップル
片方がもう片方をエスコートするまで出れない部屋
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「今度は部屋に何もないね」
「ここで何をしろっていうんだろうね」
机も椅子もないただの空間だ。
今度は何をさせられるのだろうか。
「カードあった。ええっと『片方がもう片方をエスコートしないと出れない部屋』だってさ。私がエスコートしてあげるよ」
「どうして。僕がするよ」
「千夜。エスコートの仕方わかるの?」
「……多分」
正直やったことない。というかほとんどみたこともない。
できるかはわからない。
でも、エスコートされるよりはエスコートするほうがいい。
「多分って。まあやってみる? できるか知らないけど」
めっちゃ見下されている。
腹立つ。
めっちゃ腹立つ。
「やってみせるよ」
ユキの左側に立ち、右手を出す。
「お手をどうぞ。お嬢様」
「あら、ありがとう」
そっと手を重ねられた。
無駄に所作が綺麗だ。
ユキの手を握ったままゆっくりと歩き出す。
ユキは静かに半歩後ろをついてくる。
良いとこのお嬢様みたいに見える。慣れてるっぽい。
扉は目と鼻の先にあるはずなのに、妙に遠く感じた。
ユキを引っ張らないよう、それでいて遅くなりすぎないよう気をつけて歩く。
最後に扉を開いて先に進むよう手で促す。
「ありがとう」
「どういたしまして」
ユキの後から自分も入って完了だ。
終わってみるとビックリするくらい疲れていた。
「まあ良かったんじゃない?」
「上から目線だね」
「だってお嬢様だから」
もしユキがお嬢様なら、ユキの付き人にだけはなりたくない。
文句が多そうだ。
「ここで何をしろっていうんだろうね」
机も椅子もないただの空間だ。
今度は何をさせられるのだろうか。
「カードあった。ええっと『片方がもう片方をエスコートしないと出れない部屋』だってさ。私がエスコートしてあげるよ」
「どうして。僕がするよ」
「千夜。エスコートの仕方わかるの?」
「……多分」
正直やったことない。というかほとんどみたこともない。
できるかはわからない。
でも、エスコートされるよりはエスコートするほうがいい。
「多分って。まあやってみる? できるか知らないけど」
めっちゃ見下されている。
腹立つ。
めっちゃ腹立つ。
「やってみせるよ」
ユキの左側に立ち、右手を出す。
「お手をどうぞ。お嬢様」
「あら、ありがとう」
そっと手を重ねられた。
無駄に所作が綺麗だ。
ユキの手を握ったままゆっくりと歩き出す。
ユキは静かに半歩後ろをついてくる。
良いとこのお嬢様みたいに見える。慣れてるっぽい。
扉は目と鼻の先にあるはずなのに、妙に遠く感じた。
ユキを引っ張らないよう、それでいて遅くなりすぎないよう気をつけて歩く。
最後に扉を開いて先に進むよう手で促す。
「ありがとう」
「どういたしまして」
ユキの後から自分も入って完了だ。
終わってみるとビックリするくらい疲れていた。
「まあ良かったんじゃない?」
「上から目線だね」
「だってお嬢様だから」
もしユキがお嬢様なら、ユキの付き人にだけはなりたくない。
文句が多そうだ。
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