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第四話 朝ごはん
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「じゃあ今度こそ朝食作りに行くよ。君はどうする? こっちで寝てても良いし、もう目が覚めちゃったならリビング来て待っててくれてもいいし」
「リビング行く」
「オーケー」
オーナーさん改め理玖さんに続いて寝室を出る。
もう一つある部屋は元同居人さんの部屋だろうか。
一部屋だけ扉に鍵があり、少し違和感がある。鍵がかかっているかはわからないが、あまり触れない方が良い気がした。
「何か気になることでもあった?」
「何でもない」
「そ? まあ何かあったら何でも教えて。君が逃げない限り、君はここで暮らすんだから」
今のところ逃げるつもりはないが、そっちこそ捨てるつもりはないのだろうかと思ってしまう。
渚のように、一度捨てられた身だと。余計に。
「またソファーで待ってて」
「手伝う」
「いや、いい。君に食べさせるものは全て僕が確認して、僕が料理したいんだ」
やっぱり変な趣味をしている。
どうして食事一つにそこまでこだわるのだろう。
否定する気は無いが、全くもって理解はできない。
「じゃあ待ってる」
「ありがと」
頭を撫でられ、肩を押されてソファーに連れて行かれる。
待っていろとは言われたが、特にすることもなく手持ち無沙汰だ。
時間を潰そうにも、スマホは持っていない。それにこの部屋にはテレビもない。
久々にゆっくり寝たおかげですっかり目も覚めてしまっている。
他にできることもないので理玖さんの様子を眺める。
寝巻きのスウェットパンツとTシャツ姿のまま料理をしている。
長めの髪を邪魔にならないようお団子にまとめているのは簪だろうか。
髪の間から見える銀色の飾りが暖色の照明に当てられ煌めいている。
理玖さんは手際良く料理を進めていく。
水の入った鍋に大きな乾燥昆布が入れられ、IHのコンロで火にかけられる。
味噌汁を作ってくれているのだろう。
出汁をとっている間にボウルを出してきて卵を割り入れ、かき混ぜる。
「卵焼き、甘いのとしょっぱいの、どっちが良い?」
どうやら卵焼きを作るらしい。ちゃんと巻けるのだろうか。
そして希望を聞かれたが、あいにく渚は甘い卵焼きなるものを食べたことがない。
何でも良いと返答するわけにもいかず、誤魔化して答える。
「貴方はいつもどっちなの」
「僕は甘い方がよく食べるよ。まあこっちきて長いし」
「なら甘い方で」
「りょーかい」
冷蔵庫から砂糖と塩と味醂と思われるものが取り出された。
醤油はいらないらしい。
「朝ご飯食べたら今後のこととか話そうね」
「わかった」
「……僕ね、卵焼き作るの好きなんだ」
理玖さんが唐突に何かを語り始めた。
本当に食へのこだわりが強い人だ。執着してると言っても良いかもしれない。
何が彼をそこまで動かすのだか。
「卵焼きはね、人によって味付けが大きく変わるし好みも結構わかれる。個性が出るから好き」
ぽつりぽつりと小さい子に言って聞かせる時のように語られた。
食事なんて食べられる物なら良い。お腹を壊さないなら床に落ちた物でも多少腐ったものでも食べた。
どうにか残っていた「死にたくない」という反応で栄養を摂取するための行為が食事だった。
だから、理玖さんの考えは渚にとって新鮮なものにうつった。
その後も豆腐がどうの味噌がどうのと食育まがいの話を聞いていると、お腹のすく香りが漂ってきた。
「よし、できたよ」
綺麗に盛り付けられた朝食がお盆に乗って運ばれてきた。
手伝いを申し出たが、返事の代わりに笑顔で誤魔化されてしまった。
昨夜は気づかなかったが、理玖さんはしれっと顔が整っているので妙な圧があった。
「いただきます」
味噌汁に手を伸ばす。
具材はネギと豆腐のシンプルなものだが、わざわざ昆布で出汁をとっているだけあって美味しい。
しかも出来立てで温かいので身体が中からあたたまる。
「渚って結構顔に出るよね」
「ある」
「今すごく美味しいって顔してる。そうやって食べてくれると僕も嬉しいよ」
理玖さんはそう言って卵焼きを食べた。
渚が普段作るのとは違う、薄い黄色の卵焼き。
焦げもなく、黒の四角いお皿に盛り付けて大根おろしを添えればテレビで見るような姿になりそうだ。
渚も一つ食べると優しい味がした。
ヘンテコな理由はあるが、渚を拾い世話をしてくれる理玖さんらしい味だ。
本当に幸せで、心がぽかぽかして、でもそのせいで後が怖くなってしまった。
「俺、今日殺されるのかな」
「え? なんで、どうしたの?」
「幸せすぎて、反動が怖くなった」
涙まで出そうになっているのは昨日の疲労のせいだろう。
昨日まで半分ゴミとなった食べ物を主食としていたから、この贅沢な食事に現実味が無い。
都合の良い夢で、目が覚めたらまた昨日みたいに殴られ蹴られの生活に戻ってしまう気がした。
それか、元気になったらヤバいところに売り飛ばされてまたボロボロになるまで働かせる気なんじゃないかと考えてしまった。
優しくしてもらえるのも、商品に逃げられないようにするための手段なんじゃないかと思うと恐ろしくなった。
渚は感情がこんがらがって頭の中がぐちゃぐちゃになったせいで身体のコントロールを失っていた。
だから思っていることをそのまま全部口にしていた。
気がついたのは全て話し切ってから。
慌てて口に手を当てるも時既に遅し。
理玖さんは箸を持ったままの状態で話を聞いていた。
顔を見るのが怖くて俯く。
テレビもないリビング一体は静まり返っており、それがまた渚の恐怖を煽った。
箸が置かれる音。理玖さんが動いて布の擦れる音。
一つひとつがよく聞こえた。
こんなはずじゃない。この程度、慣れてるはず。
恐れることなんてない、はずなのに。
今までなら生きるためと割り切って耐えられたはずなのに。
理玖さんに優しくされたせいで、調子が狂った。
「確かに幸せなことがあった後に不幸なことが起こる、というのは良くある。不安になるのは当たり前のことなのかもしれない」
赤子を寝かせるときのように背中を撫でられる。
「でも、僕は君を不幸なままで放っておくつもりはないよ。何度でも君に尽くして君を幸せにする」
「どうして」
「理由と言われると難しいな。……やっぱり僕の性格としか言いようがない。僕は拾った相手に餌もやらないような酷い人間じゃあないよ」
行動原理が理解できないから、信用はできない。
でも、こうやって吐き出したものを全て受け入れてもらえたことで不安はマシになった気がする。
渚の発言に真摯に向き合ってくれたのは歴とした事実だ。
「貴方は本当によくわからない人だ」
「よく言われるよ」
よく言われるのか。
まあ当たり前か。
落ちてたSubを、しかも小汚くてなんの面白みもない渚のようなものを拾って育てようとするDomなんて変な人に違いない。
「話、聞いてくれてありがと。あと、ご飯冷めちゃった。ごめん」
「いいよ、気にしないで。ご飯はどうする? 温めなおす?」
「そのまま食べる」
もう一度箸を手に取って卵焼きを食べる。
冷めてもなお甘さと優しさが詰まっていて、理玖さんがとても素敵な人なんじゃないかと思ってしまう。
簡単に人を信頼すべきじゃない。人なんてすぐ変わる、すぐ裏切る。
脳のマトモな部分で理解していても、精神は思う通りに動いてくれないから難儀なものだ。
卵焼きを食べ終え、味噌汁の豆腐を掴むのに苦戦していると、理玖さんに笑われた。
「豆腐って掴むの難しいよね」
「……箸持つのが久々だから」
箸の持ち方は身体に染み付いているので大丈夫だったが、力の入れ具合はダメだった。
昔は豆腐でも豆でも、よく煮た大根だって器用に掴めたのに。
渚自身の退化に苦しくなる。あの人の元には一年もいなかったが、こうも変わるものなのか。
「へぇー。ご飯食べたらさ、君のこととか、君が前居た場所のこととか色々と教えて欲しいな。もちろん嫌なら無理強いはしないよ」
「あまり楽しい話でなくても良いのなら」
理玖さんは自分のことはすらすら開示するのに相手のことに踏み込むのはものすごく躊躇する。
今だって、本当に知りたければ一言渚に「言え」と命令するだけで良いのに、それをしない。
職業柄そういう行動を好まないとか、そういう理由なのだろうか。
まあ逃げ道を用意してくれるのはありがたいが、渚はそこまで弱くない。
「俺は渚。ちゃんと本名だ。……あとは食べ終わってから話す」
苗字はもう使わないと決めているから言わない。
反応が気になって理玖さんの方をみると、目を丸くしたまま固まっていた。
渚が歩み寄ってくれたことがよほど衝撃的だったらしい。
理玖さんが本名を使わない職の人だったのも威力を上げているだろう。
予想以上の反応に思わず笑ってしまった。
「リビング行く」
「オーケー」
オーナーさん改め理玖さんに続いて寝室を出る。
もう一つある部屋は元同居人さんの部屋だろうか。
一部屋だけ扉に鍵があり、少し違和感がある。鍵がかかっているかはわからないが、あまり触れない方が良い気がした。
「何か気になることでもあった?」
「何でもない」
「そ? まあ何かあったら何でも教えて。君が逃げない限り、君はここで暮らすんだから」
今のところ逃げるつもりはないが、そっちこそ捨てるつもりはないのだろうかと思ってしまう。
渚のように、一度捨てられた身だと。余計に。
「またソファーで待ってて」
「手伝う」
「いや、いい。君に食べさせるものは全て僕が確認して、僕が料理したいんだ」
やっぱり変な趣味をしている。
どうして食事一つにそこまでこだわるのだろう。
否定する気は無いが、全くもって理解はできない。
「じゃあ待ってる」
「ありがと」
頭を撫でられ、肩を押されてソファーに連れて行かれる。
待っていろとは言われたが、特にすることもなく手持ち無沙汰だ。
時間を潰そうにも、スマホは持っていない。それにこの部屋にはテレビもない。
久々にゆっくり寝たおかげですっかり目も覚めてしまっている。
他にできることもないので理玖さんの様子を眺める。
寝巻きのスウェットパンツとTシャツ姿のまま料理をしている。
長めの髪を邪魔にならないようお団子にまとめているのは簪だろうか。
髪の間から見える銀色の飾りが暖色の照明に当てられ煌めいている。
理玖さんは手際良く料理を進めていく。
水の入った鍋に大きな乾燥昆布が入れられ、IHのコンロで火にかけられる。
味噌汁を作ってくれているのだろう。
出汁をとっている間にボウルを出してきて卵を割り入れ、かき混ぜる。
「卵焼き、甘いのとしょっぱいの、どっちが良い?」
どうやら卵焼きを作るらしい。ちゃんと巻けるのだろうか。
そして希望を聞かれたが、あいにく渚は甘い卵焼きなるものを食べたことがない。
何でも良いと返答するわけにもいかず、誤魔化して答える。
「貴方はいつもどっちなの」
「僕は甘い方がよく食べるよ。まあこっちきて長いし」
「なら甘い方で」
「りょーかい」
冷蔵庫から砂糖と塩と味醂と思われるものが取り出された。
醤油はいらないらしい。
「朝ご飯食べたら今後のこととか話そうね」
「わかった」
「……僕ね、卵焼き作るの好きなんだ」
理玖さんが唐突に何かを語り始めた。
本当に食へのこだわりが強い人だ。執着してると言っても良いかもしれない。
何が彼をそこまで動かすのだか。
「卵焼きはね、人によって味付けが大きく変わるし好みも結構わかれる。個性が出るから好き」
ぽつりぽつりと小さい子に言って聞かせる時のように語られた。
食事なんて食べられる物なら良い。お腹を壊さないなら床に落ちた物でも多少腐ったものでも食べた。
どうにか残っていた「死にたくない」という反応で栄養を摂取するための行為が食事だった。
だから、理玖さんの考えは渚にとって新鮮なものにうつった。
その後も豆腐がどうの味噌がどうのと食育まがいの話を聞いていると、お腹のすく香りが漂ってきた。
「よし、できたよ」
綺麗に盛り付けられた朝食がお盆に乗って運ばれてきた。
手伝いを申し出たが、返事の代わりに笑顔で誤魔化されてしまった。
昨夜は気づかなかったが、理玖さんはしれっと顔が整っているので妙な圧があった。
「いただきます」
味噌汁に手を伸ばす。
具材はネギと豆腐のシンプルなものだが、わざわざ昆布で出汁をとっているだけあって美味しい。
しかも出来立てで温かいので身体が中からあたたまる。
「渚って結構顔に出るよね」
「ある」
「今すごく美味しいって顔してる。そうやって食べてくれると僕も嬉しいよ」
理玖さんはそう言って卵焼きを食べた。
渚が普段作るのとは違う、薄い黄色の卵焼き。
焦げもなく、黒の四角いお皿に盛り付けて大根おろしを添えればテレビで見るような姿になりそうだ。
渚も一つ食べると優しい味がした。
ヘンテコな理由はあるが、渚を拾い世話をしてくれる理玖さんらしい味だ。
本当に幸せで、心がぽかぽかして、でもそのせいで後が怖くなってしまった。
「俺、今日殺されるのかな」
「え? なんで、どうしたの?」
「幸せすぎて、反動が怖くなった」
涙まで出そうになっているのは昨日の疲労のせいだろう。
昨日まで半分ゴミとなった食べ物を主食としていたから、この贅沢な食事に現実味が無い。
都合の良い夢で、目が覚めたらまた昨日みたいに殴られ蹴られの生活に戻ってしまう気がした。
それか、元気になったらヤバいところに売り飛ばされてまたボロボロになるまで働かせる気なんじゃないかと考えてしまった。
優しくしてもらえるのも、商品に逃げられないようにするための手段なんじゃないかと思うと恐ろしくなった。
渚は感情がこんがらがって頭の中がぐちゃぐちゃになったせいで身体のコントロールを失っていた。
だから思っていることをそのまま全部口にしていた。
気がついたのは全て話し切ってから。
慌てて口に手を当てるも時既に遅し。
理玖さんは箸を持ったままの状態で話を聞いていた。
顔を見るのが怖くて俯く。
テレビもないリビング一体は静まり返っており、それがまた渚の恐怖を煽った。
箸が置かれる音。理玖さんが動いて布の擦れる音。
一つひとつがよく聞こえた。
こんなはずじゃない。この程度、慣れてるはず。
恐れることなんてない、はずなのに。
今までなら生きるためと割り切って耐えられたはずなのに。
理玖さんに優しくされたせいで、調子が狂った。
「確かに幸せなことがあった後に不幸なことが起こる、というのは良くある。不安になるのは当たり前のことなのかもしれない」
赤子を寝かせるときのように背中を撫でられる。
「でも、僕は君を不幸なままで放っておくつもりはないよ。何度でも君に尽くして君を幸せにする」
「どうして」
「理由と言われると難しいな。……やっぱり僕の性格としか言いようがない。僕は拾った相手に餌もやらないような酷い人間じゃあないよ」
行動原理が理解できないから、信用はできない。
でも、こうやって吐き出したものを全て受け入れてもらえたことで不安はマシになった気がする。
渚の発言に真摯に向き合ってくれたのは歴とした事実だ。
「貴方は本当によくわからない人だ」
「よく言われるよ」
よく言われるのか。
まあ当たり前か。
落ちてたSubを、しかも小汚くてなんの面白みもない渚のようなものを拾って育てようとするDomなんて変な人に違いない。
「話、聞いてくれてありがと。あと、ご飯冷めちゃった。ごめん」
「いいよ、気にしないで。ご飯はどうする? 温めなおす?」
「そのまま食べる」
もう一度箸を手に取って卵焼きを食べる。
冷めてもなお甘さと優しさが詰まっていて、理玖さんがとても素敵な人なんじゃないかと思ってしまう。
簡単に人を信頼すべきじゃない。人なんてすぐ変わる、すぐ裏切る。
脳のマトモな部分で理解していても、精神は思う通りに動いてくれないから難儀なものだ。
卵焼きを食べ終え、味噌汁の豆腐を掴むのに苦戦していると、理玖さんに笑われた。
「豆腐って掴むの難しいよね」
「……箸持つのが久々だから」
箸の持ち方は身体に染み付いているので大丈夫だったが、力の入れ具合はダメだった。
昔は豆腐でも豆でも、よく煮た大根だって器用に掴めたのに。
渚自身の退化に苦しくなる。あの人の元には一年もいなかったが、こうも変わるものなのか。
「へぇー。ご飯食べたらさ、君のこととか、君が前居た場所のこととか色々と教えて欲しいな。もちろん嫌なら無理強いはしないよ」
「あまり楽しい話でなくても良いのなら」
理玖さんは自分のことはすらすら開示するのに相手のことに踏み込むのはものすごく躊躇する。
今だって、本当に知りたければ一言渚に「言え」と命令するだけで良いのに、それをしない。
職業柄そういう行動を好まないとか、そういう理由なのだろうか。
まあ逃げ道を用意してくれるのはありがたいが、渚はそこまで弱くない。
「俺は渚。ちゃんと本名だ。……あとは食べ終わってから話す」
苗字はもう使わないと決めているから言わない。
反応が気になって理玖さんの方をみると、目を丸くしたまま固まっていた。
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