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第五話 お話し合い
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「えーと、渚くん」
「渚でいい」
「ん、じゃあ渚。あー、色々と話さないといけないことがあるんだけど、何から話そうか」
理玖さんはローテーブルの上に置いてコーヒーを見つめて考え込んでしまった。
しばらくの間、あーとかうーとか言いながら悩んだ末の答えはこうだった。
「考えるの面倒になってきたや。言いたいことずばばって言ってくから後から整理しよ」
「お好きにどーぞ」
まったく、自由な人だ。
「君を拾ったのは元同居人の代わり。で、その元同居人は僕が信頼できる相手を作ろうとして家に呼んでたんだ」
「でも、逃げられたと」
「うん。なかなかうまくいかないもんだね」
それでも再チャレンジするなんて、メンタルが強いのか、よっぽど信頼できる相手がほしいのか。
おそらく両方だろう。
オーナー、しかも夜職系となると策略が渦巻いていてそこら中罠だらけ、雑談のうちの一言でさえも気を遣う。みたいな状態になっているかもしれない。
働いたことがないのでなんとも言えないが。
「まずは食事から。僕が料理したもので君を満たして、渚の全てを既知のものにしたい」
これは前にも聞いたことだ。
あまりに怖かったものだから、しっかりと記憶に染みついている。
疲労困憊であった上にそのまま強制的に寝かされたか他の出来事はぼんやりとしか覚えていないけれど、あの瞬間だけは忘れたくても忘れられない。
「でもね、それだけじゃ物足りない。僕はね、全部自分のものにしておきたい。できるだけ僕と一緒にいてほしいし、僕のいないところで僕以外と話さないでほしい。まあ無理な話だけど」
これはまたなんとも執着心の強い人だ。Domとは支配者の性であるが、それでも程度というものがあるだろう。
全て叶えたら、たとえ逃げたいと思っても逃げ出せないだろう。
まるでペットの扱いだ。おそらく、人間に要求するものではない。
まあDomから見ればSubなど人間ではないだろうから、別に問題はないのか。
「ま、そういう風に考えてるって知っといて。それが君に対しての誠意だと思うから」
「わかった。ほかに要求は?」
「時々命令して可愛がらせてくれたら嬉しい、かな」
「家事とかは」
「それは俺がやる。渚はただここにいてくれたらいいから」
家事なしの宿付き食事付き。これでは本当にペットの扱いではないか。
ダメ人間になってしまいそう、と一瞬思ったが金持ちのヒモになろうとしている時点でダメだろうと渚は結論付けた。
奴隷からペットなら良い進化ではないだろうか。
「俺は雨風凌げる居場所と食事さえ貰えたら逃げるつもりはない。だから、死なない程度なら好きにしていいよ」
「え、本気で言ってる?」
「うん。たぶん、大丈夫。俺に選択権を与える時点でいっそ変わってるほど優しいし」
少なくとも、あの人に捨てられる前より良い生活が送れそうだから了承してみたが、またまたビックリされてしまった。
目をまっぴらいてパチパチさせている。
「君そんなにホイホイ了承してるとまた酷い目に合うとか考えないの?……いや酷い目にあったから了承してくれるのか。君はそういうタイプの子か」
「どういうタイプか知らないけど、好きに使えばいい。だって、俺を幸せにしてくれるんでしょ?」
渚は理玖さんのことをまだ信用はしていない。
けれど、利用できるものは利用する。何でも使って生きようとする。
「もちろん、その言葉に間違いはないよ」
「なら問題ない。次の話に進もう」
「ちょっと待って。紙に書くから」
こういうところが「オーナーさん」だなと思う。社会経験のある人、を感じる。
渚は就労経験が一切ない。世間知らずと言われても否定できないし、実際なのだろう。
何が正しいのか、本来どうあるべきか、まったくわからない。知る気にもならない。
ただ生きることを絶対的な正義として見ることしかできない。
愚か者、と言われるような人間なのかもしれない。
「よし、できた。簡単に箇条書きにしたから、目通して」
笹の描かれたメモ用紙にはボールペンでスラスラと先ほど話したことが書かれている。
内容については特にいうことはないが、理玖さんの字が思っていたのと違った。
想像していたより角ばっていて、可愛らしいメモ用紙の中だと浮いている。
もっとメこの紙に合いそうな細くて捉えどころのない雰囲気のある字を書くイメージがあった。
「問題ない」
「よし、じゃあひとまずこれで一週間過ごしてみよう」
「どうして一週間だけ?」
「これで試して、不都合があったら調整したいから。良いよね?」
「ああ」
おそらく問題はないので同意しておいた。
「じゃあ今後の予定について話すね」
彼は今日明日は休みで、明後日からは仕事らしい。
「週休二日なんだ」
「うん。爺さんがやってたときは週休一日だったらしいけど、俺は週二で休まないとやってらんない」
こういうのを自由に決めれるのは経営者の特権だよね、と笑っていた。
「二代目なの?」
「そう。で、爺さんの親戚で唯一Domだった俺が半強制的に継がされた感じ」
社長と言えばお爺さんのイメージが強すぎるからオーナー呼びになっているんだとか。
オーナーと社長の違いはイマイチわからないが、まあいいか。
「今日の休みの間に服とか必要なもの買いに行こうと思う」
「服か……」
今の渚は理玖さんに服を借りている状態だ。
理玖さんと比べて渚は少々小柄なのでTシャツはダボダボ、スウェットも裾が余って少しずっている。
「片づけたら買い物行って、ついでにお昼もそこで食べない?」
「外食はアリなんだ」
「同じもの食べたら渚と僕の間に共通項が増えるから良い」
よくわからない理屈で了承されていた。
とりあえずファストフードが禁止される、なんて事態にはならなさそうで少し嬉しくなった。
年単位で食べていないので、少しあの不健康そうな味が恋しくなるときがあった。
理玖さんのもとにいれば、食べる機会があるかもしれない。
「久々にショッピングモールとか行ってみようかな」
「普段は行かないの」
「行く相手いなかったから」
友人、とかはいないのだろうか。
いや、心を許せる相手がいれば人間を飼おうなんていう考えには至らないだろう。
「高校入学時にはもう跡を継ぐことが決まってたからね。ろくでもない人間しか寄ってこなかった」
冗談でも言ったかのように笑うものだから、悲壮感が増して何とも言えなくなってしまう。
理玖さんはかなり変わってて執着心がすごくてちょっぴり怖いところがある。
もしその原因が彼の寂しさから来ているなら、それはきっと悲しいことだ。
思わず何か力になりたいと思ってしまう。だが今の渚にはボロボロでなんの能力もない。
どうしていいかわからず、黙りこくってしまう。
「渚はショッピングモールとかよく行った?」
「いや、ほぼ行く機会なかった。だから、あんまりどんなとこか覚えてない」
「じゃあ久々同士、新鮮な気持ちで楽しめるのか。嬉しいね」
言葉だけを聞くと無理に空気を変えようとしているようにもみえるのに、弾んだ声色が本心から言ってるのだと全力で主張していて思わず吹き出してしまう。
「え? そんな笑うことあった?」
「理玖さんが嬉しそうだから」
「嬉しいに決まってるじゃん。こんなに楽しく出かけられることなんて滅多にないから」
仕事のしがらみを忘れて遊んで、それを共有できること。
それが如何に素晴らしいか。
理玖さんは言葉にして色々と説明してくれていた。
だが幾重にも積み重ねられた文字列よりも彼の表情や声、まとう雰囲気のほうが渚に彼の幸福を伝えていた。
子供っぽいと思えるほど純粋な喜びが、渚をキッカケとして沸き起こったのおかしくてまた笑ってしまう。
「もー、話聞いてる?」
「聞いたけど理玖さんが嬉しいことしかわからなかった」
「んーまあいいか。渚の笑顔見れたし」
理玖さんは渚の方へ向き直ると右手で顔に触れた。
「渚が笑ってくれた方が僕は嬉しい。ちょっとは信頼されたかなって思えるし」
「……信頼はしてない」
「残念。つれないね」
そう言いつつもちっとも残念そうでないところが理解されてる気分になって、よくない。
また絆されそうになる。
渚は小さくため息をつくとすっかり冷めてしまったコーヒーを一口で飲み干した。
「渚でいい」
「ん、じゃあ渚。あー、色々と話さないといけないことがあるんだけど、何から話そうか」
理玖さんはローテーブルの上に置いてコーヒーを見つめて考え込んでしまった。
しばらくの間、あーとかうーとか言いながら悩んだ末の答えはこうだった。
「考えるの面倒になってきたや。言いたいことずばばって言ってくから後から整理しよ」
「お好きにどーぞ」
まったく、自由な人だ。
「君を拾ったのは元同居人の代わり。で、その元同居人は僕が信頼できる相手を作ろうとして家に呼んでたんだ」
「でも、逃げられたと」
「うん。なかなかうまくいかないもんだね」
それでも再チャレンジするなんて、メンタルが強いのか、よっぽど信頼できる相手がほしいのか。
おそらく両方だろう。
オーナー、しかも夜職系となると策略が渦巻いていてそこら中罠だらけ、雑談のうちの一言でさえも気を遣う。みたいな状態になっているかもしれない。
働いたことがないのでなんとも言えないが。
「まずは食事から。僕が料理したもので君を満たして、渚の全てを既知のものにしたい」
これは前にも聞いたことだ。
あまりに怖かったものだから、しっかりと記憶に染みついている。
疲労困憊であった上にそのまま強制的に寝かされたか他の出来事はぼんやりとしか覚えていないけれど、あの瞬間だけは忘れたくても忘れられない。
「でもね、それだけじゃ物足りない。僕はね、全部自分のものにしておきたい。できるだけ僕と一緒にいてほしいし、僕のいないところで僕以外と話さないでほしい。まあ無理な話だけど」
これはまたなんとも執着心の強い人だ。Domとは支配者の性であるが、それでも程度というものがあるだろう。
全て叶えたら、たとえ逃げたいと思っても逃げ出せないだろう。
まるでペットの扱いだ。おそらく、人間に要求するものではない。
まあDomから見ればSubなど人間ではないだろうから、別に問題はないのか。
「ま、そういう風に考えてるって知っといて。それが君に対しての誠意だと思うから」
「わかった。ほかに要求は?」
「時々命令して可愛がらせてくれたら嬉しい、かな」
「家事とかは」
「それは俺がやる。渚はただここにいてくれたらいいから」
家事なしの宿付き食事付き。これでは本当にペットの扱いではないか。
ダメ人間になってしまいそう、と一瞬思ったが金持ちのヒモになろうとしている時点でダメだろうと渚は結論付けた。
奴隷からペットなら良い進化ではないだろうか。
「俺は雨風凌げる居場所と食事さえ貰えたら逃げるつもりはない。だから、死なない程度なら好きにしていいよ」
「え、本気で言ってる?」
「うん。たぶん、大丈夫。俺に選択権を与える時点でいっそ変わってるほど優しいし」
少なくとも、あの人に捨てられる前より良い生活が送れそうだから了承してみたが、またまたビックリされてしまった。
目をまっぴらいてパチパチさせている。
「君そんなにホイホイ了承してるとまた酷い目に合うとか考えないの?……いや酷い目にあったから了承してくれるのか。君はそういうタイプの子か」
「どういうタイプか知らないけど、好きに使えばいい。だって、俺を幸せにしてくれるんでしょ?」
渚は理玖さんのことをまだ信用はしていない。
けれど、利用できるものは利用する。何でも使って生きようとする。
「もちろん、その言葉に間違いはないよ」
「なら問題ない。次の話に進もう」
「ちょっと待って。紙に書くから」
こういうところが「オーナーさん」だなと思う。社会経験のある人、を感じる。
渚は就労経験が一切ない。世間知らずと言われても否定できないし、実際なのだろう。
何が正しいのか、本来どうあるべきか、まったくわからない。知る気にもならない。
ただ生きることを絶対的な正義として見ることしかできない。
愚か者、と言われるような人間なのかもしれない。
「よし、できた。簡単に箇条書きにしたから、目通して」
笹の描かれたメモ用紙にはボールペンでスラスラと先ほど話したことが書かれている。
内容については特にいうことはないが、理玖さんの字が思っていたのと違った。
想像していたより角ばっていて、可愛らしいメモ用紙の中だと浮いている。
もっとメこの紙に合いそうな細くて捉えどころのない雰囲気のある字を書くイメージがあった。
「問題ない」
「よし、じゃあひとまずこれで一週間過ごしてみよう」
「どうして一週間だけ?」
「これで試して、不都合があったら調整したいから。良いよね?」
「ああ」
おそらく問題はないので同意しておいた。
「じゃあ今後の予定について話すね」
彼は今日明日は休みで、明後日からは仕事らしい。
「週休二日なんだ」
「うん。爺さんがやってたときは週休一日だったらしいけど、俺は週二で休まないとやってらんない」
こういうのを自由に決めれるのは経営者の特権だよね、と笑っていた。
「二代目なの?」
「そう。で、爺さんの親戚で唯一Domだった俺が半強制的に継がされた感じ」
社長と言えばお爺さんのイメージが強すぎるからオーナー呼びになっているんだとか。
オーナーと社長の違いはイマイチわからないが、まあいいか。
「今日の休みの間に服とか必要なもの買いに行こうと思う」
「服か……」
今の渚は理玖さんに服を借りている状態だ。
理玖さんと比べて渚は少々小柄なのでTシャツはダボダボ、スウェットも裾が余って少しずっている。
「片づけたら買い物行って、ついでにお昼もそこで食べない?」
「外食はアリなんだ」
「同じもの食べたら渚と僕の間に共通項が増えるから良い」
よくわからない理屈で了承されていた。
とりあえずファストフードが禁止される、なんて事態にはならなさそうで少し嬉しくなった。
年単位で食べていないので、少しあの不健康そうな味が恋しくなるときがあった。
理玖さんのもとにいれば、食べる機会があるかもしれない。
「久々にショッピングモールとか行ってみようかな」
「普段は行かないの」
「行く相手いなかったから」
友人、とかはいないのだろうか。
いや、心を許せる相手がいれば人間を飼おうなんていう考えには至らないだろう。
「高校入学時にはもう跡を継ぐことが決まってたからね。ろくでもない人間しか寄ってこなかった」
冗談でも言ったかのように笑うものだから、悲壮感が増して何とも言えなくなってしまう。
理玖さんはかなり変わってて執着心がすごくてちょっぴり怖いところがある。
もしその原因が彼の寂しさから来ているなら、それはきっと悲しいことだ。
思わず何か力になりたいと思ってしまう。だが今の渚にはボロボロでなんの能力もない。
どうしていいかわからず、黙りこくってしまう。
「渚はショッピングモールとかよく行った?」
「いや、ほぼ行く機会なかった。だから、あんまりどんなとこか覚えてない」
「じゃあ久々同士、新鮮な気持ちで楽しめるのか。嬉しいね」
言葉だけを聞くと無理に空気を変えようとしているようにもみえるのに、弾んだ声色が本心から言ってるのだと全力で主張していて思わず吹き出してしまう。
「え? そんな笑うことあった?」
「理玖さんが嬉しそうだから」
「嬉しいに決まってるじゃん。こんなに楽しく出かけられることなんて滅多にないから」
仕事のしがらみを忘れて遊んで、それを共有できること。
それが如何に素晴らしいか。
理玖さんは言葉にして色々と説明してくれていた。
だが幾重にも積み重ねられた文字列よりも彼の表情や声、まとう雰囲気のほうが渚に彼の幸福を伝えていた。
子供っぽいと思えるほど純粋な喜びが、渚をキッカケとして沸き起こったのおかしくてまた笑ってしまう。
「もー、話聞いてる?」
「聞いたけど理玖さんが嬉しいことしかわからなかった」
「んーまあいいか。渚の笑顔見れたし」
理玖さんは渚の方へ向き直ると右手で顔に触れた。
「渚が笑ってくれた方が僕は嬉しい。ちょっとは信頼されたかなって思えるし」
「……信頼はしてない」
「残念。つれないね」
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