家帰ってきたら、ケーキの彼女が首吊って死んでた。

橘スミレ

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さて、後片付けの時間です

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 全て食べきってしまった。
 完全にモルと一体化できた。
 モルの願いを叶えることができた。

 私はやりきった。そう、思った。

 ここから何をすべきか。
 この部屋を片付けてまたいつもどおりの日常を送る? それは考えられなかった。想像がつかなかった。

 しばらく考えて気がついた。
 私がモルを食べてもいつかは体内からモルがいなくなると気がついた。
 気づいてとても悲しくなった。寂しくなった。
 モルと一体化できるのは短い間だけ。
 どうしたらずっと一緒にいられるか回らない頭で考えた。考えて、考えて、出てきた結論はこうだった。

 私も死んで、時間を止めれば良いじゃないか。

 そこからの行動は異様にはやかった。いや、記憶が曖昧ではやく感じているだけかもしれない。

 私はモルを食べるのに使った器具からモルの残骸を食べ尽くすと、しっかりと洗っておいた。
 私とモルの携帯電話やパソコン、タブレットは全て金槌で壊した。
 洋服は全て畳んでおいた。大切なものと要らないものにちゃんと分けた。
 銀行にいき、二人の口座からお金を全て引き出した。後で色々面倒だから。
 要らないものは全て捨てた。
 貴重なコレクション類は全て売ったり譲ったりした。
 思い出の品は一つの箱にまとめておいた。

 全ての準備を整えてから簡単に遺書を書いた。
 何を書くか迷ったが、この後の処理のことを書いておいた。
 最後に一言だけ、理由を書いておいた。

「なんとなく、怖くなったので」

 私はモルが使っていた場所と同じ場所に縄をかけて、同じ椅子に乗って、同じように首をかけ、椅子を蹴った。
 バタンと大きな音を立てて椅子が倒れた。
 首がしまって苦しい。
 でも本当にモルと一緒になれた気がして幸せだ。

 こうして私はモルを弔った。
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