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匂い
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食器棚の中の食器はすべて白いプラスチック製のものになり、更に扉には勝手に開かないように簡易的なカギがかけられた。
そして尚美はひとつ役割が与えられていた。
「いいかいミーコ。俺が仕事で疲れて朝起きれなかったら起こしてくれよ?」
ある日、冗談半分でそう言われたことを尚美はしっかりと覚えていた。
そして今日、健一はぐっすり眠っているけれど枕元の時計はあと3分で起床時刻になる。
ちなみにスヌーズ付きのこの時計は10分前には1度なり始めて、それを健一が寝ぼけたまま止めていた。
次で起きなければ朝ごはんを食べる時間がなくなってしまう。
尚美はベッドの上に座ってじっと時計を見つめていた。
あと2分。
あと1分。
カチカチと短針が動くたびに尚美はジリジリと腰を浮かす。
あと40秒。
あと20秒。
あと10秒というところで我慢の限界がきて健一の体めがけて突進していた。
ポフッと柔らかな布団の感触がして健一が寝返りを打つ。
「う~ん」
と寝ぼけた声をあげながら両手で尚美の体を引き寄せた。
そのタイミングで2度めのアラームがなり始めた。
ようやく薄めを開けた健一が右手を伸ばしてアラームを止める。
そしてまた目を閉じてしまうのを見た尚美は健一の腕から素早く抜け出してその頬をペロペロとなめた。
ちょっとしょっぱい、汗の味。
だけど起こして欲しいと言われては、手段を選んではいられない。
なにより、大好きな人が朝ごはんを抜いたり遅刻したりするのを見たくない。
お昼にフラフラしてはかわいそうだ。
「わかったよミーコ、起きるよ」
しつこく頬を舐めていると、渋々といった様子でベッドから起き上がり大きく伸びをする健一を見て尚美はホッと息を吐き出す。
どうにか今日は大丈夫そうだ。
健一がしっかり起きたことを確認してから尚美はそそくさと寝室を出た。
健一のルーティンは朝起きてすぐに着替え。
それから観葉植物に水をやって、自分の食事だということがわかってきた。
ちなみにミーコの朝ごはんは自動で器に出てくる機械があるで、すでに準備されているはずだ。
それでも健一は毎朝必ずミーコのためにホットミルクを作ってくれるので、本当に動物好きなんだろう。
キッチンで先に食事をしていると健一がやってきて自分のコーヒー用のお湯を沸かしつつ、ミルクをレンジで温めながら、観葉植物たちに水をやりはじめた。
本当に無駄がないというか、なんというか。
私生活からして時間を無駄にしないタイプだから、仕事でも大いに活躍できる人なのかもしれない。
それが原因で仕事で疲れて朝起きれなくなるのはもったいないことだ。
観葉植物たちに一通り水をやり終えた頃、ちょうどお湯も湧いてホットミルクもできあがっていた。
健一はパンにバターを塗り、尚美は水皿に入れてもらったミルクを飲む。
その間にテレビニュースを確認するのも健一の日課になっているようだった。
「じゃあ、行ってくるよ。今日は少し早く帰れる予定だから」
健一に背中を撫でられて「ミャア」と返事をして送り出す。
そこから先は尚美1人の時間だ。
最初の頃は色々やってみようと思ったけれど、今はもうそういうことはない。
なにをしても人間の頃のようにできないのはわかったし、自分が健一の仕事を増やしてしまうのは嫌だった。
ミーコがなにか失敗しても健一は決して怒らないし、捨てられる心配もない。
でも、できるだけいい子でいることに決めたのだ。
尚美は健一が玄関から出ていったことを見届けると、すぐに窓辺に置いてあるキャットタワーへ上がった。
ここからは下の大通りを見ることができる。
しばらく見ていると駐車場から健一の車が出てきて、会社のある方向へと走っていく。
尚美は車が見えなくなるまで見送って、それから自分のクッションへと戻った。
ふかふかとした感触は心地よくて、ここで丸まっているとすぐに眠くなってくる。
健一が仕事をしている間に自分は昼寝をするなんてと申し訳ない気持ちになる。
だけど人間の頃だったら味わうことのできなかった、平日の昼寝はとても心地よくて気分もいいことを知ってしまった。
尚美はそのままトロトロと目を細め、そして夢の世界へと入っていったのだった。
☆☆☆
夢の中で尚美は尚美の姿だった。
隣には健一がいて、ふたりは手をつないで歩いている。
なにか楽しそうに会話しているのだけれど、その会話の内容までは尚美の耳に入ってこなかった。
だけど胸の辺りがとてもあたたかくて優しい気持ちになっているから、きっと楽しい内容の会話なんだろうと思う。
そうしてしばらく歩いていると、突然健一が尚美の体を抱き上げた。
そのまま尚美に頬ずりして嬉しそうに微笑む。
そして『ミーコ』と呼ばれた瞬間、驚いて目を覚ました。
ハッと息を飲んで周囲を見回してみるとそこは健一の部屋で、窓から差し込む日差しはオレンジ色になっている。
いつの間にか夕方になっている。
昨日散々遊んだせいか、すっかり疲れていたみたいで熟睡していた。
クッションから下りてうーんと猫の伸びをして、ぶるぶるっと震える。
こうすることで気分がスッとすることがわかった。
人間のストレッチと同じ効果があるみたいだ。
こうして猫として順応してゆくと、猫の人生もなかなか悪くないかもしれないと思えているから時々本気で怖くなる。
このまま尚美に戻ることができなくなるんじゃないかとか、戻らなくてもいいやとか。
そんなことは絶対に考えちゃいけないのに、好きな人から愛されている時間が幸せすぎて人間でなくてもいいと感じてしまう。
尚美は自分の気を引き締めるようにしてスッと背筋を伸ばす。
今のところ猫として順応してきてしまっているけれど、問題は山積みだ。
尚美の体は事故に遭った後どうなったのか。
猫の魂がもし尚美の体に入っていたとしたら、自分は猫みたいな態度を取っているんじゃないか?
いや、それ以前にあの事故で生きているのかどうかすら怪しい。
健一が喪服を用意したりしていないからひとまず安心しているけれど、考えてみれば同じ会社の人間全員が葬儀に出席することはない。
健一は上司だけれどわけあって別の人が尚美の葬儀に出ている可能性だって否定できない。
だとすれば、尚美はもう……。
そう考えただけゾッとする。
私はここにいるのに、もう死んでいるなんて信じられないし信じたくない。
だから今は自分はまだ生きているのだと信じて行動するしかない。
「ただいま」
そんな声が聞こえてきた瞬間尚美は犬のように駆け出して健一の足にすり寄っていた。
さっきまで考えていた真剣な悩みが一瞬にして頭の中から抜け落ちていく。
健一に会えたことが嬉しくて嬉しくてたまらない。
「今日は早く帰るって約束しただろ?」
健一がミーコの体を抱き上げて頬ずりしてくる。
最初は恥ずかしくて仕方のなかったこの行為も今では慣れっこだ。
互いに頬を擦り寄せて体温を分かち合う。
大好き。
愛してる。
言葉は通じなくてもそんな気持ちが存分に伝わってくる。
それから健一はミーコの大好きなねこじゃらしのオモチャを取り出して遊び始めた。
自分は仕事で疲れているはずなのに、それを感じさせないくらい熱心に遊んでくれる。
ミーコは健一のあやつるねこじゃらしを捕まえたくて必死に追いかける。
あぁ、これじゃ明日も昼間ぐっすり眠ってしまう。
夜眠れなくなったらどうしよう。
そんなふうに考えることはできるのに、はやり本能には抗えない。
「喉が乾いただろう。ホットミルクはいるか?」
そう聞かれて尚美は「ミャア」と返事をした。
走り回ったおかげで喉はカラカラだ。
健一がすぐにミルクをレンジで温めてくれてそれを舐めようとした、そのときだった。
クンッと香って来たミルクの匂いがいつもと違うことに気がついて舌を引っ込めた。
そして慎重に匂いをかぐ。
やっぱりなにか違う気がする。
少し酸っぱいような匂いがしている。
尚美は健一を見上げて「ミャア」と一言鳴いた。
いつもは勢いよく飲み干していくミルクを前にして少しも飲もうとしないミーコを見て、健一も不思議に思ったのだろう。
「どうした?」
と言いながら指先でミルクの温度を確かめている。
違うよ。
温度じゃなくて匂いが変なの!
異変を知らせるために「ミャアミャア」と立て続けに鳴いて、ミルクの皿を足先でつつく。
すると健一はなにかを思い出したように「あっ」と声をあげて冷蔵庫を開けた。
そしてさっきの牛乳のパックを取り出すと顔をしかめた。
「しまった。昨日で賞味期限が切れてたんだ。朝は大丈夫だったのにな」
1日くらい賞味期限が切れていても大丈夫だと思うが、今の尚美の鼻は敏感だ。
少しの変化も気がついてしまう。
「教えてくれてありがとうなミーコ。牛乳買ってこないとな」
頭をなでてそう言われて尚美はハッと気がついた。
猫の姿ではなにもお礼ができないと思っていた。
せめて迷惑をかけないように、いい子でいることが最善なのだと。
でも、この姿だからこそできることがあるかもしれない!
そう気がついたのだった。
そして尚美はひとつ役割が与えられていた。
「いいかいミーコ。俺が仕事で疲れて朝起きれなかったら起こしてくれよ?」
ある日、冗談半分でそう言われたことを尚美はしっかりと覚えていた。
そして今日、健一はぐっすり眠っているけれど枕元の時計はあと3分で起床時刻になる。
ちなみにスヌーズ付きのこの時計は10分前には1度なり始めて、それを健一が寝ぼけたまま止めていた。
次で起きなければ朝ごはんを食べる時間がなくなってしまう。
尚美はベッドの上に座ってじっと時計を見つめていた。
あと2分。
あと1分。
カチカチと短針が動くたびに尚美はジリジリと腰を浮かす。
あと40秒。
あと20秒。
あと10秒というところで我慢の限界がきて健一の体めがけて突進していた。
ポフッと柔らかな布団の感触がして健一が寝返りを打つ。
「う~ん」
と寝ぼけた声をあげながら両手で尚美の体を引き寄せた。
そのタイミングで2度めのアラームがなり始めた。
ようやく薄めを開けた健一が右手を伸ばしてアラームを止める。
そしてまた目を閉じてしまうのを見た尚美は健一の腕から素早く抜け出してその頬をペロペロとなめた。
ちょっとしょっぱい、汗の味。
だけど起こして欲しいと言われては、手段を選んではいられない。
なにより、大好きな人が朝ごはんを抜いたり遅刻したりするのを見たくない。
お昼にフラフラしてはかわいそうだ。
「わかったよミーコ、起きるよ」
しつこく頬を舐めていると、渋々といった様子でベッドから起き上がり大きく伸びをする健一を見て尚美はホッと息を吐き出す。
どうにか今日は大丈夫そうだ。
健一がしっかり起きたことを確認してから尚美はそそくさと寝室を出た。
健一のルーティンは朝起きてすぐに着替え。
それから観葉植物に水をやって、自分の食事だということがわかってきた。
ちなみにミーコの朝ごはんは自動で器に出てくる機械があるで、すでに準備されているはずだ。
それでも健一は毎朝必ずミーコのためにホットミルクを作ってくれるので、本当に動物好きなんだろう。
キッチンで先に食事をしていると健一がやってきて自分のコーヒー用のお湯を沸かしつつ、ミルクをレンジで温めながら、観葉植物たちに水をやりはじめた。
本当に無駄がないというか、なんというか。
私生活からして時間を無駄にしないタイプだから、仕事でも大いに活躍できる人なのかもしれない。
それが原因で仕事で疲れて朝起きれなくなるのはもったいないことだ。
観葉植物たちに一通り水をやり終えた頃、ちょうどお湯も湧いてホットミルクもできあがっていた。
健一はパンにバターを塗り、尚美は水皿に入れてもらったミルクを飲む。
その間にテレビニュースを確認するのも健一の日課になっているようだった。
「じゃあ、行ってくるよ。今日は少し早く帰れる予定だから」
健一に背中を撫でられて「ミャア」と返事をして送り出す。
そこから先は尚美1人の時間だ。
最初の頃は色々やってみようと思ったけれど、今はもうそういうことはない。
なにをしても人間の頃のようにできないのはわかったし、自分が健一の仕事を増やしてしまうのは嫌だった。
ミーコがなにか失敗しても健一は決して怒らないし、捨てられる心配もない。
でも、できるだけいい子でいることに決めたのだ。
尚美は健一が玄関から出ていったことを見届けると、すぐに窓辺に置いてあるキャットタワーへ上がった。
ここからは下の大通りを見ることができる。
しばらく見ていると駐車場から健一の車が出てきて、会社のある方向へと走っていく。
尚美は車が見えなくなるまで見送って、それから自分のクッションへと戻った。
ふかふかとした感触は心地よくて、ここで丸まっているとすぐに眠くなってくる。
健一が仕事をしている間に自分は昼寝をするなんてと申し訳ない気持ちになる。
だけど人間の頃だったら味わうことのできなかった、平日の昼寝はとても心地よくて気分もいいことを知ってしまった。
尚美はそのままトロトロと目を細め、そして夢の世界へと入っていったのだった。
☆☆☆
夢の中で尚美は尚美の姿だった。
隣には健一がいて、ふたりは手をつないで歩いている。
なにか楽しそうに会話しているのだけれど、その会話の内容までは尚美の耳に入ってこなかった。
だけど胸の辺りがとてもあたたかくて優しい気持ちになっているから、きっと楽しい内容の会話なんだろうと思う。
そうしてしばらく歩いていると、突然健一が尚美の体を抱き上げた。
そのまま尚美に頬ずりして嬉しそうに微笑む。
そして『ミーコ』と呼ばれた瞬間、驚いて目を覚ました。
ハッと息を飲んで周囲を見回してみるとそこは健一の部屋で、窓から差し込む日差しはオレンジ色になっている。
いつの間にか夕方になっている。
昨日散々遊んだせいか、すっかり疲れていたみたいで熟睡していた。
クッションから下りてうーんと猫の伸びをして、ぶるぶるっと震える。
こうすることで気分がスッとすることがわかった。
人間のストレッチと同じ効果があるみたいだ。
こうして猫として順応してゆくと、猫の人生もなかなか悪くないかもしれないと思えているから時々本気で怖くなる。
このまま尚美に戻ることができなくなるんじゃないかとか、戻らなくてもいいやとか。
そんなことは絶対に考えちゃいけないのに、好きな人から愛されている時間が幸せすぎて人間でなくてもいいと感じてしまう。
尚美は自分の気を引き締めるようにしてスッと背筋を伸ばす。
今のところ猫として順応してきてしまっているけれど、問題は山積みだ。
尚美の体は事故に遭った後どうなったのか。
猫の魂がもし尚美の体に入っていたとしたら、自分は猫みたいな態度を取っているんじゃないか?
いや、それ以前にあの事故で生きているのかどうかすら怪しい。
健一が喪服を用意したりしていないからひとまず安心しているけれど、考えてみれば同じ会社の人間全員が葬儀に出席することはない。
健一は上司だけれどわけあって別の人が尚美の葬儀に出ている可能性だって否定できない。
だとすれば、尚美はもう……。
そう考えただけゾッとする。
私はここにいるのに、もう死んでいるなんて信じられないし信じたくない。
だから今は自分はまだ生きているのだと信じて行動するしかない。
「ただいま」
そんな声が聞こえてきた瞬間尚美は犬のように駆け出して健一の足にすり寄っていた。
さっきまで考えていた真剣な悩みが一瞬にして頭の中から抜け落ちていく。
健一に会えたことが嬉しくて嬉しくてたまらない。
「今日は早く帰るって約束しただろ?」
健一がミーコの体を抱き上げて頬ずりしてくる。
最初は恥ずかしくて仕方のなかったこの行為も今では慣れっこだ。
互いに頬を擦り寄せて体温を分かち合う。
大好き。
愛してる。
言葉は通じなくてもそんな気持ちが存分に伝わってくる。
それから健一はミーコの大好きなねこじゃらしのオモチャを取り出して遊び始めた。
自分は仕事で疲れているはずなのに、それを感じさせないくらい熱心に遊んでくれる。
ミーコは健一のあやつるねこじゃらしを捕まえたくて必死に追いかける。
あぁ、これじゃ明日も昼間ぐっすり眠ってしまう。
夜眠れなくなったらどうしよう。
そんなふうに考えることはできるのに、はやり本能には抗えない。
「喉が乾いただろう。ホットミルクはいるか?」
そう聞かれて尚美は「ミャア」と返事をした。
走り回ったおかげで喉はカラカラだ。
健一がすぐにミルクをレンジで温めてくれてそれを舐めようとした、そのときだった。
クンッと香って来たミルクの匂いがいつもと違うことに気がついて舌を引っ込めた。
そして慎重に匂いをかぐ。
やっぱりなにか違う気がする。
少し酸っぱいような匂いがしている。
尚美は健一を見上げて「ミャア」と一言鳴いた。
いつもは勢いよく飲み干していくミルクを前にして少しも飲もうとしないミーコを見て、健一も不思議に思ったのだろう。
「どうした?」
と言いながら指先でミルクの温度を確かめている。
違うよ。
温度じゃなくて匂いが変なの!
異変を知らせるために「ミャアミャア」と立て続けに鳴いて、ミルクの皿を足先でつつく。
すると健一はなにかを思い出したように「あっ」と声をあげて冷蔵庫を開けた。
そしてさっきの牛乳のパックを取り出すと顔をしかめた。
「しまった。昨日で賞味期限が切れてたんだ。朝は大丈夫だったのにな」
1日くらい賞味期限が切れていても大丈夫だと思うが、今の尚美の鼻は敏感だ。
少しの変化も気がついてしまう。
「教えてくれてありがとうなミーコ。牛乳買ってこないとな」
頭をなでてそう言われて尚美はハッと気がついた。
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