6 / 19
恩返し
しおりを挟む
お風呂は散々だったけれど、おおむね良好な関係ができてきたんじゃないだろうか。
尚美ことミーコは健一があやつるねこじゃらしのオモチャを必死に追いかけて考える。
ミーコは健一に愛されているし、私も健一のことは好きだし。
人間でいるよりも気楽で愛のある生活を送ることができるかもしれない。
このまま健一の猫であり続けることもありかも……。
なんて思っている間にも必死に走り回って意識はどんどん遊びの方へと移動していく。
このねじこじゃらしのおもちゃ、結構よくできてるわね。
猫目線で言えばとっても面白いおもちゃかもしれないわ!
普段はねこじゃらしが茂っていても見向きもしないけれど、今度からは意識して見てみよう。
そう思えるくらいに熱中して遊んでしまう。
「子猫の体力は無限だなぁ」
健一がクスクス笑いながらつぶやく。
時々荒い息を吐き出しながら、それでも遊ぶことをやめないミーコをジッと見つめている。
さっきからずっとミーコと遊んでいるけれど、こっちも全然飽きていないみたいだ。
「でも明日は仕事だから、そろそろ寝ないとな」
そう言うとオモチャをヒョイッと取り上げられてしまった。
それでも必死でおいかけるミーコを抱き上げて寝室へと向かう。
当然のように一緒に連れて行かれて尚美は慌てた。
今日猫用のクッションを購入しているから、てっきりあれで眠るものだと思っていたのだ。
けれど健一は昨日と同じようにミーコを抱きかかえて布団に潜り込んだのだった。
☆☆☆
健一の朝は忙しい。
優秀であればそれだけ期待も大きく、そして仕事内容も尚美とは段違いに多いとわかった。
「じゃ、行ってくるよ」
と健一が言って部屋を出たのは6時を少し過ぎたくらいだった。
尚美はいつも7時半までアパートでダラダラ過ごしているのでその差に驚いてしまう。
そういえば出会った日も休日出勤をしていたし、やっぱり忙しいんだなぁ。
あれだけモテるのに彼女の気配がないのはもしかしたら忙しいせいかもしれない。
それは尚美にとって嬉しいことでもあったが、やはり忙しすぎるのは気がかりなところだった。
玄関先で健一を見送り、一匹残された尚美は改めて室内を見回してみた。
今はミーコ用のものが溢れているけれど、来たときは本当に殺風景だった。
唯一、観葉植物が彩りを与えてくれていたくらいのものだ。
尚美は無意識のうちにクンクンとあちこちの匂いをかぎながら室内を歩き回る。
健一がミーコのためにどこのドアも薄く開けていってくれているから、勝手に出入りしていいということなんだろう。
さっそく脱衣所へと向かった。
ここは1度入ったことがある場所だけれど、あのときは自分が洗われることであまり周りのものを確認することができなかった。
脱衣所の中も殺風景で、真っ白な棚に白いタオルが並んでいる。
柄付き、色付きのものはひとつもない。
小物に執着しないタイプなのかもしれない。
それから洗面台の上に飛び乗ってみたいと思ったけれど、今のミーコでは小さすぎてちょっと届かなかった。
それでも、タオルの少なさを見ればやっぱり彼女らしき人物がここに出入りしているようには思えなかった。
他にも一通り調べて回ったけれど、健一のひとり暮らしで間違いなさそうだ。
ソファの隣のクッションに戻ってきてホッと息を吐き出す。
なにやってるの私。
これじゃ遠距離恋愛で彼氏の浮気を疑ってる彼女みたいじゃない。
安心したことで自分にツッコミを入れる余裕もでてきた。
そもそも尚美は健一の彼女でもなんでもない。
健一に女の影があったところで文句を言えるような立場ではなかった。
といっても、万が一現れたとする健一の彼女に懐くこともまずできないだろうけれど。
さて、これから関さんが戻ってくるまでどうしようかな。
時計を確認してみると健一が仕事へ行ってからまだ2時間しか経過していないことに愕然とする。
健一は少なくても5時まで仕事をするとして、あと8時間もあるなんて!
気が遠くなるような時間に一瞬めまいを感じる。
だけど、逆に考えれば8時間あればなにか役立つことができるかもしれない、ということだった。
健一は疲れて帰ってくるだろうから、家のことをしてあげておくのはどうだろう?
幸い尚美もひとり暮らしで家事全般はなんとなくできるようになっている。
掃除と洗濯と、そうだ、料理だ!
パッと閃いた。
健一はいつも尚美のお弁当を褒めてくれていた。
料理は元々得意だし大好きだし、晩ご飯の準備をしてあげれば喜んでくれるかもしれない。
健一は自分のためにあれこれ準備してくれたのだから、少しでもお礼をしなきゃ!
尚美はそう考えて気合を入れたのだった。
☆☆☆
どれだけ気合を入れても体は子猫であることに変わりはない。
尚美はキッチンに立ちすくんで愕然とした気持ちで周りを見つめていた。
尚美の周りには戸棚から落下した調味料や割れたお皿が散乱していて足の踏み場もなくなっていたのだ。
なんで、こんなことに……。
少し歩けば割れたお皿で足を切ってしまいそうになるので動くこともできない。
料理をしようと気合を入れた尚美はまず冷蔵庫を開けようとした。
が、もちろん簡単ではない。
冷蔵庫はとても硬くて、どれだけ試行錯誤してみても今の尚美の力ではビクともしなかった。
冷蔵庫を諦めた尚美は今度は戸棚にターゲットを移した。
戸棚の中にならなにか食べ物が入っているかもしれない。
そう思ってジャンプした戸棚に体をぶつけてみると、マグネット式の扉が開いてくれたのだ。
中には思っていた通り、パスタ麺やインスタントラーメンがあった。
でもこれをただ茹でるだけじゃおもしろくない。
やっぱりアレンジが必要だろう。
そう思って開いた扉の上に器用に飛び乗り、上の段を確認した。
食器棚の上の段はガラスになっていて何が入っているのか確認できるようになっている。
そこには1人分の白い皿が数種類と調味料が入っていたのだ。
あ、あれを使ってみよう!
パスタに少しスパイスを加えてみれば美味しくなるかもしれない。
そう思ったのが運の尽きだ。
上の段の扉はマグネット式になっていなくてそう簡単には開かなかった。
それでも尚美は諦めずに体を当てたり、爪を立てて引っ語りして扉に立ち向かった。
その結果、ちょっとした拍子に扉に隙間ができたのだ。
尚美は小さな体をそこから中へと滑り込ませた。
やった!
これで調味料を使うことができる!
と、喜んだのもつかの間。
ほんの小さな隙間が開いていただけの扉がパタンッと音を立てて閉じてしまったのだ。
あれだけ必死になって少ししか開かなかった扉が閉まってしまったことで、尚美はパニックになった。
少し考えれば体で外へ向けて押せば開くのに、頭の中は真っ白になった。
閉じ込められた!
サッと全身から血の気が引いていく。
外がとても遠く、手の届かないもののように見えた。
食器棚の中でパニックを起こした尚美はその場で飛び跳ね、ミャアミャア鳴いて暴れてしまったのだ。
扉に体がぶつかった瞬間外へ出ることができたものの、調味料や皿が一緒に散乱してしまい、今にいたる。
だって、私は料理がしたかっただけなのに。
なにもできない。
この体じゃお礼なんてなにも。
泣き出してしまいそうになったとき、玄関が開いて健一が帰ってきた音が聞こえてきた。
尚美はビクリと体を震わせる。
か、帰ってきちゃった……。
この有様を見て関さんはなんというだろう。
もしかしたら幻滅して捨てられてしまうかもしれない。
こんなバカ猫いらないって、怒るかもしれない。
そうなると、保健所行き!
緊張で全身が固くなった時、健一の足音がすぐ近くで止まった。
もうこの惨状は見えているはずだ。
尚美はギュッと目を閉じて覚悟を決める。
ほんの短い間だったけれど、好きな人と一緒に暮らすことができてよかった。
私の人生にはなんの悔いもない。
「ミーコ?」
その声にハッと息を飲む。
怒られる。
そして保健所へ連れて行かれる!
覚悟を決めたはずなのにやっぱり怖くて恐る恐る目を開ける。
するとそこには心配そうにこちらを見つめる健一がいた。
しゃがみこんでミーコと視線を合わせていることから、本当に心配しているんだろう。
それでも恐怖心は払拭されずに尚美はプルプルと小刻みに体を震わせる。
このまま、保健所行き……!?
と、思った時両手で優しく抱き上げられていた。
震える尚美の体をさすりながら「ごめんな。怖かったよな」とささやく。
え……?
予想外の言葉に尚美はようやく視線を健一へ向けた。
「戸棚を開けれないようにしておくべきだった。昨日の買い物で調達できたのに、忘れてたんだ」
床の惨状をまるで自分の責任だとでも言うように悔しそうな顔をする。
ち、違うの。
これは全部私のせいで!
慌てる尚美の体を強く抱きしめる健一。
「だけどミーコに怪我がなくてよかった」
そのつぶやきに、尚美の震えは止まったのだった。
尚美ことミーコは健一があやつるねこじゃらしのオモチャを必死に追いかけて考える。
ミーコは健一に愛されているし、私も健一のことは好きだし。
人間でいるよりも気楽で愛のある生活を送ることができるかもしれない。
このまま健一の猫であり続けることもありかも……。
なんて思っている間にも必死に走り回って意識はどんどん遊びの方へと移動していく。
このねじこじゃらしのおもちゃ、結構よくできてるわね。
猫目線で言えばとっても面白いおもちゃかもしれないわ!
普段はねこじゃらしが茂っていても見向きもしないけれど、今度からは意識して見てみよう。
そう思えるくらいに熱中して遊んでしまう。
「子猫の体力は無限だなぁ」
健一がクスクス笑いながらつぶやく。
時々荒い息を吐き出しながら、それでも遊ぶことをやめないミーコをジッと見つめている。
さっきからずっとミーコと遊んでいるけれど、こっちも全然飽きていないみたいだ。
「でも明日は仕事だから、そろそろ寝ないとな」
そう言うとオモチャをヒョイッと取り上げられてしまった。
それでも必死でおいかけるミーコを抱き上げて寝室へと向かう。
当然のように一緒に連れて行かれて尚美は慌てた。
今日猫用のクッションを購入しているから、てっきりあれで眠るものだと思っていたのだ。
けれど健一は昨日と同じようにミーコを抱きかかえて布団に潜り込んだのだった。
☆☆☆
健一の朝は忙しい。
優秀であればそれだけ期待も大きく、そして仕事内容も尚美とは段違いに多いとわかった。
「じゃ、行ってくるよ」
と健一が言って部屋を出たのは6時を少し過ぎたくらいだった。
尚美はいつも7時半までアパートでダラダラ過ごしているのでその差に驚いてしまう。
そういえば出会った日も休日出勤をしていたし、やっぱり忙しいんだなぁ。
あれだけモテるのに彼女の気配がないのはもしかしたら忙しいせいかもしれない。
それは尚美にとって嬉しいことでもあったが、やはり忙しすぎるのは気がかりなところだった。
玄関先で健一を見送り、一匹残された尚美は改めて室内を見回してみた。
今はミーコ用のものが溢れているけれど、来たときは本当に殺風景だった。
唯一、観葉植物が彩りを与えてくれていたくらいのものだ。
尚美は無意識のうちにクンクンとあちこちの匂いをかぎながら室内を歩き回る。
健一がミーコのためにどこのドアも薄く開けていってくれているから、勝手に出入りしていいということなんだろう。
さっそく脱衣所へと向かった。
ここは1度入ったことがある場所だけれど、あのときは自分が洗われることであまり周りのものを確認することができなかった。
脱衣所の中も殺風景で、真っ白な棚に白いタオルが並んでいる。
柄付き、色付きのものはひとつもない。
小物に執着しないタイプなのかもしれない。
それから洗面台の上に飛び乗ってみたいと思ったけれど、今のミーコでは小さすぎてちょっと届かなかった。
それでも、タオルの少なさを見ればやっぱり彼女らしき人物がここに出入りしているようには思えなかった。
他にも一通り調べて回ったけれど、健一のひとり暮らしで間違いなさそうだ。
ソファの隣のクッションに戻ってきてホッと息を吐き出す。
なにやってるの私。
これじゃ遠距離恋愛で彼氏の浮気を疑ってる彼女みたいじゃない。
安心したことで自分にツッコミを入れる余裕もでてきた。
そもそも尚美は健一の彼女でもなんでもない。
健一に女の影があったところで文句を言えるような立場ではなかった。
といっても、万が一現れたとする健一の彼女に懐くこともまずできないだろうけれど。
さて、これから関さんが戻ってくるまでどうしようかな。
時計を確認してみると健一が仕事へ行ってからまだ2時間しか経過していないことに愕然とする。
健一は少なくても5時まで仕事をするとして、あと8時間もあるなんて!
気が遠くなるような時間に一瞬めまいを感じる。
だけど、逆に考えれば8時間あればなにか役立つことができるかもしれない、ということだった。
健一は疲れて帰ってくるだろうから、家のことをしてあげておくのはどうだろう?
幸い尚美もひとり暮らしで家事全般はなんとなくできるようになっている。
掃除と洗濯と、そうだ、料理だ!
パッと閃いた。
健一はいつも尚美のお弁当を褒めてくれていた。
料理は元々得意だし大好きだし、晩ご飯の準備をしてあげれば喜んでくれるかもしれない。
健一は自分のためにあれこれ準備してくれたのだから、少しでもお礼をしなきゃ!
尚美はそう考えて気合を入れたのだった。
☆☆☆
どれだけ気合を入れても体は子猫であることに変わりはない。
尚美はキッチンに立ちすくんで愕然とした気持ちで周りを見つめていた。
尚美の周りには戸棚から落下した調味料や割れたお皿が散乱していて足の踏み場もなくなっていたのだ。
なんで、こんなことに……。
少し歩けば割れたお皿で足を切ってしまいそうになるので動くこともできない。
料理をしようと気合を入れた尚美はまず冷蔵庫を開けようとした。
が、もちろん簡単ではない。
冷蔵庫はとても硬くて、どれだけ試行錯誤してみても今の尚美の力ではビクともしなかった。
冷蔵庫を諦めた尚美は今度は戸棚にターゲットを移した。
戸棚の中にならなにか食べ物が入っているかもしれない。
そう思ってジャンプした戸棚に体をぶつけてみると、マグネット式の扉が開いてくれたのだ。
中には思っていた通り、パスタ麺やインスタントラーメンがあった。
でもこれをただ茹でるだけじゃおもしろくない。
やっぱりアレンジが必要だろう。
そう思って開いた扉の上に器用に飛び乗り、上の段を確認した。
食器棚の上の段はガラスになっていて何が入っているのか確認できるようになっている。
そこには1人分の白い皿が数種類と調味料が入っていたのだ。
あ、あれを使ってみよう!
パスタに少しスパイスを加えてみれば美味しくなるかもしれない。
そう思ったのが運の尽きだ。
上の段の扉はマグネット式になっていなくてそう簡単には開かなかった。
それでも尚美は諦めずに体を当てたり、爪を立てて引っ語りして扉に立ち向かった。
その結果、ちょっとした拍子に扉に隙間ができたのだ。
尚美は小さな体をそこから中へと滑り込ませた。
やった!
これで調味料を使うことができる!
と、喜んだのもつかの間。
ほんの小さな隙間が開いていただけの扉がパタンッと音を立てて閉じてしまったのだ。
あれだけ必死になって少ししか開かなかった扉が閉まってしまったことで、尚美はパニックになった。
少し考えれば体で外へ向けて押せば開くのに、頭の中は真っ白になった。
閉じ込められた!
サッと全身から血の気が引いていく。
外がとても遠く、手の届かないもののように見えた。
食器棚の中でパニックを起こした尚美はその場で飛び跳ね、ミャアミャア鳴いて暴れてしまったのだ。
扉に体がぶつかった瞬間外へ出ることができたものの、調味料や皿が一緒に散乱してしまい、今にいたる。
だって、私は料理がしたかっただけなのに。
なにもできない。
この体じゃお礼なんてなにも。
泣き出してしまいそうになったとき、玄関が開いて健一が帰ってきた音が聞こえてきた。
尚美はビクリと体を震わせる。
か、帰ってきちゃった……。
この有様を見て関さんはなんというだろう。
もしかしたら幻滅して捨てられてしまうかもしれない。
こんなバカ猫いらないって、怒るかもしれない。
そうなると、保健所行き!
緊張で全身が固くなった時、健一の足音がすぐ近くで止まった。
もうこの惨状は見えているはずだ。
尚美はギュッと目を閉じて覚悟を決める。
ほんの短い間だったけれど、好きな人と一緒に暮らすことができてよかった。
私の人生にはなんの悔いもない。
「ミーコ?」
その声にハッと息を飲む。
怒られる。
そして保健所へ連れて行かれる!
覚悟を決めたはずなのにやっぱり怖くて恐る恐る目を開ける。
するとそこには心配そうにこちらを見つめる健一がいた。
しゃがみこんでミーコと視線を合わせていることから、本当に心配しているんだろう。
それでも恐怖心は払拭されずに尚美はプルプルと小刻みに体を震わせる。
このまま、保健所行き……!?
と、思った時両手で優しく抱き上げられていた。
震える尚美の体をさすりながら「ごめんな。怖かったよな」とささやく。
え……?
予想外の言葉に尚美はようやく視線を健一へ向けた。
「戸棚を開けれないようにしておくべきだった。昨日の買い物で調達できたのに、忘れてたんだ」
床の惨状をまるで自分の責任だとでも言うように悔しそうな顔をする。
ち、違うの。
これは全部私のせいで!
慌てる尚美の体を強く抱きしめる健一。
「だけどミーコに怪我がなくてよかった」
そのつぶやきに、尚美の震えは止まったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
【全16話+後日談5話:日月水金20:00更新】
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日7時•19時に更新予定です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる