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本当の気持ち
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誠先輩と付き合い始めてから、3日がたっていた。
まだ私を心配してくれている先輩は毎日迎えに来てくれていて、今朝は親と挨拶も交わしていた。
印象は、すごくよかったと思う。
誠先輩と手をつないで歩くことはまだ慣れないけど、この3日間でわかったこともある。
先輩は、自然とリードしてくれる人だと言うこと。
ただ手をつないで歩くんじゃなくて、自転車や車に気づかないとき、安全な方へと手を引いてくれる。
そして、先輩だからこそ押し付けがましくない優しさがとても似合うと感じた。
「う~ん、これでいいかな?」
私は、鏡の前で首をかしげた。
今日は、誠先輩と付き合いはじめてから最初の休み。
つまり土曜日だ。
私は秋らしく茶色っぽいセーターを着ていくか、もう少し明るい色のセーターを着ていくかで悩んでいた。
「碧、入るよ」
コンコンとノックの後、私の返事も聞かずにお母さんがドアを開ける。
今日は仕事が休みなのだ。
「あら、今日は出かけるの?」
「うん。ちょっとね」
そう言いながら、私は鏡の前で再びうなり声をあげる。
そんな私に、「もしかして、デート?」と、頬を緩ませて聞いてくる。
『デート』いう単語に一瞬心臓が飛び上がり、それとほぼ同時にカッと顔が赤くなる。
「あら、図星なの? 相手は誰?」
「誰だっていいでしょ!? 用事がないなら出てってよ、着替えるんだからっ!」
「あ、もしかしてこの前の背の高い人?」
そういえば見られてたんだ!
「すごく優しそうで、カッコよくて、好青年って感じだったわよねぇ? よかったわねぇ碧」
慌てて否定しようとした私に、お母さんはそう言って微笑んだ。
「碧には全然いい話しがないから心配してたのよ?」
「そんな心配しなくてもいいのに」
「そうねぇ。あんないい人が見つかるなら、心配はいらなかったわ」
やっぱり、誠先輩の印象はかなりいいみたいだ。
お母さんの喜ぶ顔を見ていたら、私も自然とうれしくなってくる。
「ねぇ、どっちがいいかな?」
「服? 初めてのデートなら明るいほうが絶対いいわよ」
「そうかな?」
今度は、薄いピンク色のセーターを当ててみる。
「あら、可愛いじゃない」
「そう?」
「碧は童顔だから、無理して大人びたのを着るより可愛い服を選んだ方が得よ」
そう言って、自分でうんうんと頷いている。
私はそんなお母さんを見て、思わず笑った。
そういえば、共働きのお母さんとこうやって笑いあうのは久しぶりだ。
これも、誠先輩のおかげかもしれない……。
☆☆☆
待ち合わせの公園についたのは、約束の10分前だった。
「寒い……」
今日は急に冬らしく気温が下がり、吐き出す息も白くなっていた。
携帯電話で時間を確認し、どこかお店の中で待っていようかと辺りを見回す。
小さな公園から少し歩けばファミリーレストランがある。
でも、その間に誠先輩が来てしまうかもしれない。
そう思いなかなか動けずにいると、公園の入り口に見慣れた背の高い男の人が現れた。
「碧ちゃん!」
「誠先輩」
先輩の口からも、白い息が吐き出される。
「ごめんね、待った?」
「いいえ、今来たところです」
そう言って時間を確認すると、約束の5分前だった。
「今日寒いよね。どこか……ファミレスでも行こうか」
「え……?」
「どうしたの? 嫌?」
「いえ、そうじゃなくて」
ついさっき自分が考えていたことをそのまま言われて、少し驚いた。
その後、誠先輩はいつも通り私の手を握って、「冷たいね」と言いながら、歩き始めた。
「女の子って、指先冷たい子多いよね」
「そうなんですよねぇ。男の人は冬でも暖かい……」
誠先輩は、握っていた手をずらし、私の指先を暖めるように握り締めた。
キンキンに冷えた小指が、だんだんと温かくなっていく。
あぁ……なんか、いいなぁ。
自分の描いていた恋人同士の関係が、いまここにある。
男の人は女の人より一歩リードして歩いて、その後を小さな歩幅で一生懸命ついていく。
男の人はそれに気づき、歩くスピードを緩めてくれる。
なんでもないような事に、ずっと憧れていた。
「誠先輩」
「どうしたの?」
「やっぱり、もう少し歩きませんか?」
「え?」
「もうちょっと、こうして歩いていたいです」
私の言葉に、誠先輩はアハ。と笑って、いいよ。とうなずいた。
ファミリーレストランを通り過ぎ、商店街へと入っていく。
土曜日の商店街は私たちくらいの女の子たちも多くて、手をつないで歩くのがなんとなく恥ずかしい。
知り合いにバッタリ会ったらどうしよう。
そんな不安もよぎるけど、誠先輩は私の手をしっかりと握ったまま、離さない。
「ねぇ、碧ちゃん」
「はい?」
「『先輩』っていうの、やめない?」
どこか言いにくそうにそう言う誠先輩に、私は人ごみの中立ち止まる。
誠先輩は振り向き、「俺たち、付き合ってるんだから」と言った。
確かに、そうだけど……。
「呼び捨てでいいよ?」
その言葉に、一瞬すぐるの言葉を思い出す。
『今日から碧は俺の女だ。だから、俺は碧を絶対に名前でしか呼ばない』
すぐる……。
『だから、碧も俺のことを『すぐる』って呼べ。それ以外の呼び方は禁止する』
すぐる……!
「碧ちゃん? どうしたの?」
ハッと気づくと、誠先輩が心配そうに私を覗き込んでいる。
「あ、いえ。なんでもないです」
慌てて首を振る。
「大丈夫? ボーッとしてたけど」
「大丈夫です」
そう言い、俯く。
まただ、私……。
誠先輩と一緒にいるのに、すぐるの事思い出してた。
「あのさ、できれば敬語もやめてくれない?」
「え?」
「『先輩』っていうのは100歩譲って許すよ。けど、敬語はちょっと堅苦しいし」
「そう……ですか」
「ほら、また」
誠先輩は、そう言って楽しそうに笑った。
「あ……えっと」
敬語がダメとなると、何を言えばいいのかわからなくなる。
誠先輩はそんな私の頭をなでて、「ゆっくりでいいよ」と言った……。
☆☆☆
誠先輩とのデートは、きっと誰もが憧れるようなものだったと思う。
もちろん、学生だからお金を沢山使うようなデートはできないけれど、いつも私よりも少し先を歩いて、手を引いてくれた。
何度も行った事のあるお店。
何度も通った道。
見慣れているものすべてが、別の形をしているようにも見えて、新鮮さを感じた。
そんな時間はあっという間にすぎていって……別れの時間。
「今日はありがとう」
約束場所の公園で、誠先輩はそう言った。
「こちらこそ、ありがとうございます」
私はそう返事をして、丁寧にお辞儀をする。
「アハ。今度のデートまでに敬語使わないように練習すること」
「えぇ? そんな……」
困っていると、誠先輩は私の体を大きな腕で包み込んできた。
冷たくなっていた体が、一気に熱をおびる。
「碧……」
誠先輩が、耳元で私を呼び捨てにする。
……違う。
心の中で、そう思う。
なにが?
なにが違うんだろう?
「碧、好きだ」
すぐるには言われたことのないその言葉を、誠先輩が言う。
違う……。
誠先輩に好きだと言われてうれしい。
心の中が、ポッと温かくなる。
けど、違う。
私がほしい『好き』は、これじゃない……。
もっと、胸の奥がギュゥッと締め付けられて、息ができないくらいに苦しくて。
その人の事を考えるだけで死んじゃうんじゃないかって、不安になるくらい好きで……。
「……碧」
誠先輩の唇が、私の唇に触れた。
乾燥のせいで少し荒れてて、チクリと胸の方まで痛む。
違う……。
違う!!
思わず、誠先輩を両手で突き飛ばしていた。
バランスを崩した先輩は、そのまま後ろへしりもちをついてしまう。
「……っ!!」
涙が、出る。
唖然としたような誠先輩の顔が、目に焼きつく。
けれど、私は先輩に声をかけることなく、走り出していた。
なに、やっての?
なにやってんの? 私。
とめどなく流れる涙。
バカじゃん、私。
最低じゃん!!
胸にポッカリとあいた穴が、ズキズキとひどく痛む。
家まで走って帰った私は、ただいまも言わずに自分の部屋に鍵をかけた。
ベッドの上で両膝を抱え、しゃくり上げる。
誠先輩を、突き飛ばしてしまった。
それなのに、、まだすぐるが頭の中を占領していることで、涙が出る。
まだ、好きなの?
誠先輩よりも、あんなヤツを好きなの?
自分にそう聞いてみる。
答えは……イエス。
そんなの、聞かなくてもわかっていたことだ。
「もう……やだ」
好きな人は一人だけなのに、傷つくのが嫌で、自分をごまかした。
その上、先輩の優しい気持ちに甘えるだけ甘えた。
親友の……律の好きな人を好きでもないのに奪い取った。
最低だ。
最低だ!
最低だ!!
クッションに顔をうずめ、「わぁぁぁぁ!!」と大声を上げる。
小学生のように、嗚咽を漏らしながら泣いた。
私はこれから……どうすればいいの?
まだ私を心配してくれている先輩は毎日迎えに来てくれていて、今朝は親と挨拶も交わしていた。
印象は、すごくよかったと思う。
誠先輩と手をつないで歩くことはまだ慣れないけど、この3日間でわかったこともある。
先輩は、自然とリードしてくれる人だと言うこと。
ただ手をつないで歩くんじゃなくて、自転車や車に気づかないとき、安全な方へと手を引いてくれる。
そして、先輩だからこそ押し付けがましくない優しさがとても似合うと感じた。
「う~ん、これでいいかな?」
私は、鏡の前で首をかしげた。
今日は、誠先輩と付き合いはじめてから最初の休み。
つまり土曜日だ。
私は秋らしく茶色っぽいセーターを着ていくか、もう少し明るい色のセーターを着ていくかで悩んでいた。
「碧、入るよ」
コンコンとノックの後、私の返事も聞かずにお母さんがドアを開ける。
今日は仕事が休みなのだ。
「あら、今日は出かけるの?」
「うん。ちょっとね」
そう言いながら、私は鏡の前で再びうなり声をあげる。
そんな私に、「もしかして、デート?」と、頬を緩ませて聞いてくる。
『デート』いう単語に一瞬心臓が飛び上がり、それとほぼ同時にカッと顔が赤くなる。
「あら、図星なの? 相手は誰?」
「誰だっていいでしょ!? 用事がないなら出てってよ、着替えるんだからっ!」
「あ、もしかしてこの前の背の高い人?」
そういえば見られてたんだ!
「すごく優しそうで、カッコよくて、好青年って感じだったわよねぇ? よかったわねぇ碧」
慌てて否定しようとした私に、お母さんはそう言って微笑んだ。
「碧には全然いい話しがないから心配してたのよ?」
「そんな心配しなくてもいいのに」
「そうねぇ。あんないい人が見つかるなら、心配はいらなかったわ」
やっぱり、誠先輩の印象はかなりいいみたいだ。
お母さんの喜ぶ顔を見ていたら、私も自然とうれしくなってくる。
「ねぇ、どっちがいいかな?」
「服? 初めてのデートなら明るいほうが絶対いいわよ」
「そうかな?」
今度は、薄いピンク色のセーターを当ててみる。
「あら、可愛いじゃない」
「そう?」
「碧は童顔だから、無理して大人びたのを着るより可愛い服を選んだ方が得よ」
そう言って、自分でうんうんと頷いている。
私はそんなお母さんを見て、思わず笑った。
そういえば、共働きのお母さんとこうやって笑いあうのは久しぶりだ。
これも、誠先輩のおかげかもしれない……。
☆☆☆
待ち合わせの公園についたのは、約束の10分前だった。
「寒い……」
今日は急に冬らしく気温が下がり、吐き出す息も白くなっていた。
携帯電話で時間を確認し、どこかお店の中で待っていようかと辺りを見回す。
小さな公園から少し歩けばファミリーレストランがある。
でも、その間に誠先輩が来てしまうかもしれない。
そう思いなかなか動けずにいると、公園の入り口に見慣れた背の高い男の人が現れた。
「碧ちゃん!」
「誠先輩」
先輩の口からも、白い息が吐き出される。
「ごめんね、待った?」
「いいえ、今来たところです」
そう言って時間を確認すると、約束の5分前だった。
「今日寒いよね。どこか……ファミレスでも行こうか」
「え……?」
「どうしたの? 嫌?」
「いえ、そうじゃなくて」
ついさっき自分が考えていたことをそのまま言われて、少し驚いた。
その後、誠先輩はいつも通り私の手を握って、「冷たいね」と言いながら、歩き始めた。
「女の子って、指先冷たい子多いよね」
「そうなんですよねぇ。男の人は冬でも暖かい……」
誠先輩は、握っていた手をずらし、私の指先を暖めるように握り締めた。
キンキンに冷えた小指が、だんだんと温かくなっていく。
あぁ……なんか、いいなぁ。
自分の描いていた恋人同士の関係が、いまここにある。
男の人は女の人より一歩リードして歩いて、その後を小さな歩幅で一生懸命ついていく。
男の人はそれに気づき、歩くスピードを緩めてくれる。
なんでもないような事に、ずっと憧れていた。
「誠先輩」
「どうしたの?」
「やっぱり、もう少し歩きませんか?」
「え?」
「もうちょっと、こうして歩いていたいです」
私の言葉に、誠先輩はアハ。と笑って、いいよ。とうなずいた。
ファミリーレストランを通り過ぎ、商店街へと入っていく。
土曜日の商店街は私たちくらいの女の子たちも多くて、手をつないで歩くのがなんとなく恥ずかしい。
知り合いにバッタリ会ったらどうしよう。
そんな不安もよぎるけど、誠先輩は私の手をしっかりと握ったまま、離さない。
「ねぇ、碧ちゃん」
「はい?」
「『先輩』っていうの、やめない?」
どこか言いにくそうにそう言う誠先輩に、私は人ごみの中立ち止まる。
誠先輩は振り向き、「俺たち、付き合ってるんだから」と言った。
確かに、そうだけど……。
「呼び捨てでいいよ?」
その言葉に、一瞬すぐるの言葉を思い出す。
『今日から碧は俺の女だ。だから、俺は碧を絶対に名前でしか呼ばない』
すぐる……。
『だから、碧も俺のことを『すぐる』って呼べ。それ以外の呼び方は禁止する』
すぐる……!
「碧ちゃん? どうしたの?」
ハッと気づくと、誠先輩が心配そうに私を覗き込んでいる。
「あ、いえ。なんでもないです」
慌てて首を振る。
「大丈夫? ボーッとしてたけど」
「大丈夫です」
そう言い、俯く。
まただ、私……。
誠先輩と一緒にいるのに、すぐるの事思い出してた。
「あのさ、できれば敬語もやめてくれない?」
「え?」
「『先輩』っていうのは100歩譲って許すよ。けど、敬語はちょっと堅苦しいし」
「そう……ですか」
「ほら、また」
誠先輩は、そう言って楽しそうに笑った。
「あ……えっと」
敬語がダメとなると、何を言えばいいのかわからなくなる。
誠先輩はそんな私の頭をなでて、「ゆっくりでいいよ」と言った……。
☆☆☆
誠先輩とのデートは、きっと誰もが憧れるようなものだったと思う。
もちろん、学生だからお金を沢山使うようなデートはできないけれど、いつも私よりも少し先を歩いて、手を引いてくれた。
何度も行った事のあるお店。
何度も通った道。
見慣れているものすべてが、別の形をしているようにも見えて、新鮮さを感じた。
そんな時間はあっという間にすぎていって……別れの時間。
「今日はありがとう」
約束場所の公園で、誠先輩はそう言った。
「こちらこそ、ありがとうございます」
私はそう返事をして、丁寧にお辞儀をする。
「アハ。今度のデートまでに敬語使わないように練習すること」
「えぇ? そんな……」
困っていると、誠先輩は私の体を大きな腕で包み込んできた。
冷たくなっていた体が、一気に熱をおびる。
「碧……」
誠先輩が、耳元で私を呼び捨てにする。
……違う。
心の中で、そう思う。
なにが?
なにが違うんだろう?
「碧、好きだ」
すぐるには言われたことのないその言葉を、誠先輩が言う。
違う……。
誠先輩に好きだと言われてうれしい。
心の中が、ポッと温かくなる。
けど、違う。
私がほしい『好き』は、これじゃない……。
もっと、胸の奥がギュゥッと締め付けられて、息ができないくらいに苦しくて。
その人の事を考えるだけで死んじゃうんじゃないかって、不安になるくらい好きで……。
「……碧」
誠先輩の唇が、私の唇に触れた。
乾燥のせいで少し荒れてて、チクリと胸の方まで痛む。
違う……。
違う!!
思わず、誠先輩を両手で突き飛ばしていた。
バランスを崩した先輩は、そのまま後ろへしりもちをついてしまう。
「……っ!!」
涙が、出る。
唖然としたような誠先輩の顔が、目に焼きつく。
けれど、私は先輩に声をかけることなく、走り出していた。
なに、やっての?
なにやってんの? 私。
とめどなく流れる涙。
バカじゃん、私。
最低じゃん!!
胸にポッカリとあいた穴が、ズキズキとひどく痛む。
家まで走って帰った私は、ただいまも言わずに自分の部屋に鍵をかけた。
ベッドの上で両膝を抱え、しゃくり上げる。
誠先輩を、突き飛ばしてしまった。
それなのに、、まだすぐるが頭の中を占領していることで、涙が出る。
まだ、好きなの?
誠先輩よりも、あんなヤツを好きなの?
自分にそう聞いてみる。
答えは……イエス。
そんなの、聞かなくてもわかっていたことだ。
「もう……やだ」
好きな人は一人だけなのに、傷つくのが嫌で、自分をごまかした。
その上、先輩の優しい気持ちに甘えるだけ甘えた。
親友の……律の好きな人を好きでもないのに奪い取った。
最低だ。
最低だ!
最低だ!!
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