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第二部
※※私が頑張りたいと言う婚約者が可愛すぎた件 ~ドミニクSide~
少し時は遡り、兄弟水入らずで酒を飲み交わした後――――久しぶりに兄上と話し込んでしまい、ティナの元へ戻るのが遅くなってしまった。
でもぐっすり眠っているようで良かった。
寝支度を整え、愛する女性の眠るベッドへと潜り込み、彼女の健やかな寝顔を見ながら美しい髪に指を絡める。
私は昔からティナの絹のような滑らかな髪がとても好きで、本当は何度も触りたくなるのを我慢していたのだった。
婚約者でも親戚でもない人間に髪を触られるというのは気持ちのいいものではない。
もちろんそんな事はしなかったが、ふいに手が伸びてしまいそうになる事が何度もあったくらいだ。
今は遠慮なく触れるので寝ているのをいい事に何度も何度も触れる。
そしてその髪にキスをすると、ほんのり光ったような気がした。
まるで私に触れられて反応しているように感じ、胸に喜びが広がっていく。
お酒も入っていたので、無性に彼女に触れたくなってしまう。
だが寝込みを襲うのは私の主義ではないし、やはり一方的ではなく愛し合いたいから、今は我慢して眠ろうと己を律した。
そして横になった時から、彼女の様子が変わっていく。
少しうなされているような声が聞こえてきて、肌はほんのり汗ばんでいき、呼吸もだんだんと荒くなってきた。
先ほどまで穏やかに眠っていたのに、彼女に何が起こっているのか――――
「ティナ?」
眠っているのは分かっているのに、思わず声をかけてしまう。
しかし、案の定返事はなく、それどころかうなされていたのが今度は苦しみ出したのだ。
これはただ事ではない……そう感じ、彼女を無理矢理起こす事に決めたのだった。
「ティナ、ティナ!起きるんだ……ティナ!!」
「ダメ!!」
大きな叫び声をあげながらハッと目を見開いたティナは、しばらく呆然としていたが、私の姿を確認して現実に戻った事を理解したようだった。
私に謝る彼女に、突然うなされ始めたのを心配して声をかける。
しかしティナは「はい」とだけ答えて、心ここにあらずと言った感じで虚空を見つめていた。
夢で何を見たのだろうか……ティナは白の魔女だ。何か予知夢のようなものでも見たのか?
先ほどの様子から良い夢とは言い難いだろうし、とても苦しいだろう。
そう思い、彼女を抱きしめ、安心させてあげようと考えていた。
しかし私の考えは、突然の彼女からの口付けでどこかへ吹っ飛んでいってしまう。
「んんっ…………ティナ……ん……まって……っ」
最初は触れるだけのキスだったのに、すぐに深くなっていき、いつもは遠慮がちな彼女の舌がどんどん私の中に入ってくる。
そして心のままに私への想いを口にし始めた。
「ドム……ドム、大好き」
ちゅ、ちゅ。
これにはさすがの私も参ってしまい、ありったけの理性をかき集めて何とか様子のおかしい彼女を制止しようと試みる。
「ティナ、私も大好きだ。でも、どうしたの?今日は積極的で……」
「こんな私は嫌?」
瞳は潤み、今にも泣き出しそうな表情で聞き返してくる。
私の理性が――――
「そんなわけないよ。どんな君でも愛してる。ただ様子が違うのが心配になっただけで」
「今日は私が頑張りたいのです。お願い」
理性が崩壊していく音が聞こえる。
そんなお願いは反則だろう………………いつもは受け身が多いティナが自分で頑張りたいと言う姿に、それを止めるだけの理性は残されていなかった。
その代わり無理はしないでと言うのが精一杯の私は、ひとまず彼女の好きにさせてみようと考える。
気が済めば自分から止まるはずだ。
そう思っていた。
しかし私の考えは甘かったようで、その夜のティナは全く止まる事はなく、どんどん積極的に私の体を暴いていく。
愛する人に愛撫され、下腹部には否応なしに熱が溜まっていった。
ズボンの中で窮屈になった屹立を取り出し、触ってほしいと彼女に懇願する。
しかし私の予想の斜め上をいく彼女は、自身の舌を使って先端をペロッと舐め始めたのだった。
「あっ、ティナ、だめ……っ」
彼女の小さな口いっぱいに収められてしまい、一生懸命に舌を動かし、吸い付く姿に興奮が抑えきれない。
止めさせなければいけない……でも……。
「ティナ、汚い……からっ」
「ひょんなほとはりまひぇん(そんな事ありません)」
「ひ、喋っては、だめ……ああ」
何とか止めさせようとしたのに……彼女は口に含みながら喋り、そのたびに舌がくにゅくにゅと動くので、脳が焼き切れるように頭が痺れていく。
もう、限界だ――――気付けば私の腰は自然と動いていて、彼女の口を使って気持ち良さを享受しようとしていたのだった。
「んん?んーっ」
「ん、く、うっ……はあ……ティナ、ごめんっ」
私の腰が動き始めると彼女は固まってしまい、少し苦しそうな声をあげ始める。
その声がまた私を煽り、彼女の中を犯したい気持ちに駆られてしまうのだ。
ダメだって、あれほど言ったのに……心の中で何度もごめんを繰り返したけれど、もう止める事は出来ずに彼女の口によって達かされてしまうのだった。
「は、あ、ああっ……出るっ」
最後の瞬間、さすがに口の中に出すわけにはと思い、引き抜こうとした私の腰はしっかりとティナにつかまれ、彼女の口の中で爆ぜてしまった。
彼女の口から自分の精が溢れている……それが私をまた興奮させ、とめどなく後から出てきてしまう。
そしてそれをティナが全て飲み込んでいった。
「ティナ、どうして……」
「ドミニク様の全部がほしくて。ダメでした?」
こんな殺し文句、どこで覚えたんだろう。
何だか悔しいような嬉しいような複雑な気持ちをぶつけるかのように、収まりきらない熱をティナの中に埋めた。
十代の若者でもないのに彼女の中に入ると簡単に理性を手放してしまう自分がいて、律動はすぐに激しさを増してきてしまう。
もっと焦らして味わい、彼女をぐずぐずにしてあげたいと思うのに、私の方が耐えるのに必死なのだ。
彼女の一番弱い最奥をガツガツと穿つ。
そしてお腹の上から手で刺激してあげると、甘い嬌声が室内に響き、私の下腹部も堪らなくなっていく。
「あ? や、あああ、それぇ……らめっあぁぁ!」
彼女の性感帯を的確に刺激したようで、ティナはあっという間に達し、私のを締め付けていった。
「凄い締め付け……っく、ああ……っ」
膣内が痙攣を繰り返す。
そして私のを絞り取るかのような動きをするので、ほぼ同時に達ってしまったのだった。
ハア……ハア…………ッ。
室内は私たち2人の荒い息遣いが響き、体は甘い痺れに支配されてしまう。
ティナに様子がおかしかった理由を聞くと、まさかのシェリアンに嫉妬していたと言うではないか。
私がお酒を飲んでいたからだという話だったが、こんなに可愛い嫉妬があるのかと、また下半身が反応してしまいそうになるのを必死で堪える。
女性の嫉妬は煩わしいものだという認識しかなかった私の意識が、すっかり変わってしまうほどの破壊力。
私が兄上と2人で飲んでいた事を聞いてホッとした表情を浮かべる彼女を腕枕し、その夜は幸せな気持ちで眠りに落ちたのだった。
~・~・~・~・~
翌日は兄上の書斎にて、様々な資料に目を通しながら母上の件を調べ上げていた。
何を使って母上に毒を盛っていたのかが分からないが、母上に近づける者と言えば範囲が限られている。
私も兄上もまずは侍女を片っ端から洗うしかないと考え、名簿に目を通していた。
最初から最後まで目を通してみても、身元がしっかりしている者ばかりで、穴などまるで見当たらない……それもそうだ、もし私が犯人ならすぐに分かるような人間を間者として送り込もうとは考えない。
何かおかしな部分があるはず、そう思って何度も目を通しているところに、最愛の婚約者殿が現れたのだった。
「ティナ?!どうしてここに?」
「あ、ドミニク様と陛下にお知らせしなければならない事がありまして、案内してもらいましたの」
ちょうど行き詰っていたので彼女の姿を見ただけで、心が軽くなっていった。
今ここには兄上もいないし、彼女の小さな体を持ち上げ、匂いを堪能する事にする。
私の大好きな匂いと温もり……とても癒される…………そう思ったのも束の間、そこへ最も会いたくない最悪の人物2人が現れたのだった。
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