がんじがらめの契約と狂愛〜聖女になれなかった異邦者の唯一〜

く〜いっ

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09 異世界の悪

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「――ア、アラン様、助け……」

 パニック状態におちいった私が助けを求めたアラン様は、ベッドの傍らに跪き、私の右掌に口づけていた――眉間は、きゅっとよせられ深いシワを作っている。
 碧眼の瞳が睨むように、私とジリオ様を見つめていた。瞳のなかには、はっきりとした嫉妬の炎が蠢いていた。

 ――熱い、視線にさらされながら……ジリオ様は見せつけるように、両乳房を下からすくいあげるようによせ、2つの先端をまとめて口にふくんだ。

 じゅる……じゅ……くちゅ……淫らな音が室内に響く。

 私を耳から犯すように、大きな音を立てむさぼられる乳房にジリオ様の唾液がつたって、引き裂かれ、両脇でただの布になってしまった夜着を濡らした。胸の膨らみに軽く歯をたてられビクンッ! と、体がのけぞる。

 ――未知の刺激が怖かった……

「あっ……あっ……はぁ……やっ」
「……んっ、いい声になってきた」

 状況についていけず、嫌悪感で吐きそうなのに、吐息には甘さがまざりだす。
 己の唾液で唇をテカらせながら、指摘してくる意地悪なジリオ様。彼を自分の胸の谷間から払いのけたい一心で、自由にできる左手をふりまわした。
 彼の長い銀髪をまとめているレースのリボンが爪に引っかかり、ピピッ……とレースが、ほつれる。

 ばっ! と、胸から顔を離したジリオ様に、ふりまわしていた左手をつかまれた。

「悪い聖女だ。イタズラな手には、おしおきだよ」

 ぎりりっと力をいれられる。つかまれている左手首に……鈍い痛みが走った。
「――ひっ!?」――なに? 痛い! 痛みに眉をしかめる。

「セフィロース卿! あまり強引なことは「うるさい!」」
「――ふたりの夜を邪魔しない――だよ」

 アラン様が右手をきつく握りこむ。私を跨ぐように膝立ちしているジリオ様には、左手をベッドに縫いつけられている。――動けない! 逃げられない! 怖い!

「やだ! もう! いや――――――!!」

 感情の爆発……あとはもう、めちゃくちゃに体を捻り、足をバタつかせ……必死で抵抗をこころみる。

「リオ! 落ちついて!! 見守っているから! あなたを手放さないから!」
「はなしてよ!!」

 アラン様が私を拘束しているくせに! 悲しげに目をふせたアラン様も、ジリオ様と同じだ! 助けに来てくれたんじゃない! 私を犯そうとしている強姦魔だ!
 ちょっとイケメンにちやほやされたからって、立派な聖女になりたい……だなんて、なんてバカだったんだろう。この世界は、私にとって悪だ!

「帰して! 神がいるというのなら、帰してよ! 私をもとの世界へ帰して!」
「いけない! リオ! 帰せない! 帰すことはできない!」

 ごりりっ!!

 右手首に激痛が走った――――――

「キャアアァァァァ――――――――!!」

 押さえこまれていた右手が変な方向へ曲がり、つぶれていた……そのまま意識を手放した。
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