46 / 71
45 夜明け前の奇行
しおりを挟む
「アラン様、伯爵邸には、いつまでいるの?」
大量のドレスを用意してもらった手前、すべてを着ないで出発するのは気が引けるけれど、伯爵邸のメイドたちの態度や言動に不信感がつのるばかりなので、早く出発したくてたまらなかった。
「私、アラン様とふたり旅のほうがいい……」
「うっ……うむ……あ、あ~……エ、エバンティス侯爵に謁見の申し込みをしているんだ」
「ジリオ様のお父様?」
アラン様は、コクリとうなずいた。
「リオは、エバンティス一族が1世代前の聖者の血族だと聞いているか?」
今度は私がうなずく。
「俺がセフィロース卿に会いにきた目的は、聖者が残した『聖者の手記』を読ませてもらいたかったからなんだ」
「『聖者の手記』?」
「セフィロース卿の話だと、自分の魔力や魔法に強い関心を持っていた人物だったらしい。その聖者が書いた手記が残っている。なにかリオの助けになれば……と思って」
思わず、アラン様に抱きついてしまった。
「アラン様、ありがとう。私のことを考えてくれていて嬉しい」
「ただ、異世界独自の単語が多く、意味のわからないところも多いそうなんだ。リオなら意味がわかるかも知れない。『聖者の手記』の閲覧権限を持つエバンティス侯爵に、解読を手伝う条件で連絡を取ってもらっている」
甘えるようにアラン様の厚い胸に頭をこすりつける。エバンティス侯爵に連絡がつくまで……解読が終わるまで……その期間をのりこえれば、またアラン様とふたり旅ができる……
「どうした? なにか嫌なことがあったのか?」
アラン様が、頭を撫でながら聞いてきた。
「――メイドたちの……言動が変なの。私がジリオ様の正妻になると決めつけている……レディ・ピアディにも、なにか意地悪をしているように感じて、悪いことがおこりそうで……不安なの」
アラン様は私を安心させるように、優しく抱きしめてくれた。その温かさに勇気をもらい今日の出来事を話していく。
「ジリオ様は、レディ・ピアディを手放す気はないって、はっきり言ったわ。……でも、私には子供を産んでもらいたい……と……」
彼の私を抱きしめる腕の力が強くなった。
「でも、冗談だったのかも……ジリオ様が私をむりやり抱こうとしたのは、降臨初日だけだもの。『約定の証書』があるから、いつでもいいって感じでもないし……怪我をしたときも、謁見のときも、『順応の義』のときだって、彼はあっさり私から離れた。
私を本心から望んでいるんだったら、もっとアラン様と張り合っていたと思うの。聖女の降臨に立ちあったから、建前上求婚していた……そんなふうにしか思えない」
「セフィロース卿がレディ・ピアディを手放したら、リオはセフィロース卿を唯一にしたいか?」
私はゆっくり首を横に振る。私の否定を見て、アラン様は少し抱きしめている腕の力を緩めた。彼が私に見せた執着が、少し嬉しい。
「ジリオ様のレディ・ピアディにたいする執着心は、本人が考えているより重いと思う。彼はレディ・ピアディを手放すことなんてできないわ。
降臨初日のあの出来事だって……あんなことをされるまでは、私はジリオ様はいい人だと信じていたわ。私に確実に拒絶されるための行動。レディ・ピアディを手放さないですむようにするため必要だった、私の拒絶……今なら、そう思える。
私は欲張りなの。私のすべてを唯一に捧げるから、私の唯一は、身も心も私に捧げてくれなくては嫌よ」
アラン様の心に響け……私をあなたの唯一にしてほしい……そんな願いをこめてつげる。
「私の唯一はジリオ様じゃない。でもまわりが暴走しそうで……怖いの」
「リオが安心するように、そばにいるようにする。レディ・ピアディに追い払われても、護衛と同じ距離で待機しているぶんには、文句も言えないだろう……子供の件が本心の可能性もある。セフィロース卿と、ふたりにしたくない……」
最後のほうは、アラン様の声が小さすぎて、よく聞き取れなかった。でも一緒にいると言ってくれた安心感から、急に眠気が襲ってくる……小さな欠伸がでた。
「安心して眠るといい。俺がリオを守っているから……」
「んっ……」
優しいアラン様のささやく声につつまれながら、まぶたを閉じた。
私に用意された客室とアラン様に用意された客室は浴室を挟んで繋がっている。2部屋が同じ浴室を使うようになっていた。
私の感覚なら、自分の主人の花嫁候補には、他の男を近づけないよう客室を別けると思う……でも、この世界では、そういう感覚はないらしい。
むしろ戦力になる愛人同伴で来たことを歓迎するような雰囲気だった……
この世界の人に「私は唯一だけがほしい」といっても、理解してもらえないのかも知れない。私の唯一、アラン様だけが理解してくれれば……私は満足できるだろうな……
私たちは、用意された部屋の特徴を最大限に利用して、ひとつのベッドだけを使うことにし、眠りについた。
どれぐらいの時間がすぎたのだろう……どこからか、女のすすり泣く声が聞こえ、目が覚めた。
アラン様はすでに異変に気がついているようで、ジッと外のようすに意識を集中しているようだった。私が目覚めたのを確認すると、すっと窓に近づきカーテンの隙間から外をうかがう。
ちょいちょい、と私を手招きするので、彼に近づき窓の外を見た。
――泣きながら、庭をふらふら歩いていく人影があった。
「レディ・ピアディのようだ……」
アラン様の言葉に、息を呑む。不安に思っていた悪いことがおきていたらどうしよう……
「アラン様、追いかけよう」
彼の袖をひっぱりながら、お願いしてみる。レディ・ピアディをひとりにはしておけない。でも私だけ追いかけるのは怖い。
「わかった」
夜着の上にガウンをはおリ、急いで庭に降りた。
「アラン様、外までの最短の道、もう覚えているの?」
「ああ、リオたちがウーニャを見に行っているあいだ、従僕に屋敷を案内してもらっていた。有事の際、敷地の間取りがわからないのでは話にならない」
すごいなぁ、アラン様。私は今アラン様と離れたら、部屋に帰れないと思います。
――レディ・ピアディは、なにかブツブツつぶやきながら歩いている……
「レディ……「待て、リオ」」
声をかけようとした私をアラン様がとめる。
「どうやら夢遊病のようだ……ここで目覚めさせるのは、危ない。このまま危険がないよう、見守りながらついて行こう」
「わかったわ」
すぐ後ろに私たちがついて歩いていても、レディ・ピアディは気づかず歩く。ガウンもはおらず、夜着姿のまま、裸足で草を踏みしめていた。
虚空を見つめ、涙を流しつづけている姿は、はかなげで痛々しい……
「……浄化……魔法か?」
アラン様が、彼女の口から紡がれる単語を聞きとった。浄化魔法? 確かに裸足で歩いているから、足は汚れてしまっているかも知れないけれど……
横でアラン様は複雑な顔をしていた。
レディ・ピアディが目的地に着いたのか? 歩みをとめた。ここは、ウーニャのお家? 昼に案内された、可愛らしい小さな建物の入口に彼女はしゃがみこみ、なかに入っていく。
ウーニャのお家だから、自由に出入りできるよう、扉などはついていない。小柄なレディ・ピアディだから入ることができる小さなお家だ……
なかを覗いてみると、折り重なって寝ているウーニャの中央に、レディ・ピアディが丸まって眠っていた。ウーニャたちは慣れているのか? 彼女を群れの一員のように迎えいれている。
私なら入れるけれど、レディ・ピアディをひっぱりだすのは無理だ……どうしよう。
「リオ、アラン、心配かけて申し訳ないね。彼女のことは私にまかせて、戻っていいよ。夜明けまで、まだ少しある」
振り返ると、沈みゆく月の下、ジリオ様が立っていた。青い月光に照らされているせいか、その顔色は青白く、なんだか泣きそうな表情に見えた……
大量のドレスを用意してもらった手前、すべてを着ないで出発するのは気が引けるけれど、伯爵邸のメイドたちの態度や言動に不信感がつのるばかりなので、早く出発したくてたまらなかった。
「私、アラン様とふたり旅のほうがいい……」
「うっ……うむ……あ、あ~……エ、エバンティス侯爵に謁見の申し込みをしているんだ」
「ジリオ様のお父様?」
アラン様は、コクリとうなずいた。
「リオは、エバンティス一族が1世代前の聖者の血族だと聞いているか?」
今度は私がうなずく。
「俺がセフィロース卿に会いにきた目的は、聖者が残した『聖者の手記』を読ませてもらいたかったからなんだ」
「『聖者の手記』?」
「セフィロース卿の話だと、自分の魔力や魔法に強い関心を持っていた人物だったらしい。その聖者が書いた手記が残っている。なにかリオの助けになれば……と思って」
思わず、アラン様に抱きついてしまった。
「アラン様、ありがとう。私のことを考えてくれていて嬉しい」
「ただ、異世界独自の単語が多く、意味のわからないところも多いそうなんだ。リオなら意味がわかるかも知れない。『聖者の手記』の閲覧権限を持つエバンティス侯爵に、解読を手伝う条件で連絡を取ってもらっている」
甘えるようにアラン様の厚い胸に頭をこすりつける。エバンティス侯爵に連絡がつくまで……解読が終わるまで……その期間をのりこえれば、またアラン様とふたり旅ができる……
「どうした? なにか嫌なことがあったのか?」
アラン様が、頭を撫でながら聞いてきた。
「――メイドたちの……言動が変なの。私がジリオ様の正妻になると決めつけている……レディ・ピアディにも、なにか意地悪をしているように感じて、悪いことがおこりそうで……不安なの」
アラン様は私を安心させるように、優しく抱きしめてくれた。その温かさに勇気をもらい今日の出来事を話していく。
「ジリオ様は、レディ・ピアディを手放す気はないって、はっきり言ったわ。……でも、私には子供を産んでもらいたい……と……」
彼の私を抱きしめる腕の力が強くなった。
「でも、冗談だったのかも……ジリオ様が私をむりやり抱こうとしたのは、降臨初日だけだもの。『約定の証書』があるから、いつでもいいって感じでもないし……怪我をしたときも、謁見のときも、『順応の義』のときだって、彼はあっさり私から離れた。
私を本心から望んでいるんだったら、もっとアラン様と張り合っていたと思うの。聖女の降臨に立ちあったから、建前上求婚していた……そんなふうにしか思えない」
「セフィロース卿がレディ・ピアディを手放したら、リオはセフィロース卿を唯一にしたいか?」
私はゆっくり首を横に振る。私の否定を見て、アラン様は少し抱きしめている腕の力を緩めた。彼が私に見せた執着が、少し嬉しい。
「ジリオ様のレディ・ピアディにたいする執着心は、本人が考えているより重いと思う。彼はレディ・ピアディを手放すことなんてできないわ。
降臨初日のあの出来事だって……あんなことをされるまでは、私はジリオ様はいい人だと信じていたわ。私に確実に拒絶されるための行動。レディ・ピアディを手放さないですむようにするため必要だった、私の拒絶……今なら、そう思える。
私は欲張りなの。私のすべてを唯一に捧げるから、私の唯一は、身も心も私に捧げてくれなくては嫌よ」
アラン様の心に響け……私をあなたの唯一にしてほしい……そんな願いをこめてつげる。
「私の唯一はジリオ様じゃない。でもまわりが暴走しそうで……怖いの」
「リオが安心するように、そばにいるようにする。レディ・ピアディに追い払われても、護衛と同じ距離で待機しているぶんには、文句も言えないだろう……子供の件が本心の可能性もある。セフィロース卿と、ふたりにしたくない……」
最後のほうは、アラン様の声が小さすぎて、よく聞き取れなかった。でも一緒にいると言ってくれた安心感から、急に眠気が襲ってくる……小さな欠伸がでた。
「安心して眠るといい。俺がリオを守っているから……」
「んっ……」
優しいアラン様のささやく声につつまれながら、まぶたを閉じた。
私に用意された客室とアラン様に用意された客室は浴室を挟んで繋がっている。2部屋が同じ浴室を使うようになっていた。
私の感覚なら、自分の主人の花嫁候補には、他の男を近づけないよう客室を別けると思う……でも、この世界では、そういう感覚はないらしい。
むしろ戦力になる愛人同伴で来たことを歓迎するような雰囲気だった……
この世界の人に「私は唯一だけがほしい」といっても、理解してもらえないのかも知れない。私の唯一、アラン様だけが理解してくれれば……私は満足できるだろうな……
私たちは、用意された部屋の特徴を最大限に利用して、ひとつのベッドだけを使うことにし、眠りについた。
どれぐらいの時間がすぎたのだろう……どこからか、女のすすり泣く声が聞こえ、目が覚めた。
アラン様はすでに異変に気がついているようで、ジッと外のようすに意識を集中しているようだった。私が目覚めたのを確認すると、すっと窓に近づきカーテンの隙間から外をうかがう。
ちょいちょい、と私を手招きするので、彼に近づき窓の外を見た。
――泣きながら、庭をふらふら歩いていく人影があった。
「レディ・ピアディのようだ……」
アラン様の言葉に、息を呑む。不安に思っていた悪いことがおきていたらどうしよう……
「アラン様、追いかけよう」
彼の袖をひっぱりながら、お願いしてみる。レディ・ピアディをひとりにはしておけない。でも私だけ追いかけるのは怖い。
「わかった」
夜着の上にガウンをはおリ、急いで庭に降りた。
「アラン様、外までの最短の道、もう覚えているの?」
「ああ、リオたちがウーニャを見に行っているあいだ、従僕に屋敷を案内してもらっていた。有事の際、敷地の間取りがわからないのでは話にならない」
すごいなぁ、アラン様。私は今アラン様と離れたら、部屋に帰れないと思います。
――レディ・ピアディは、なにかブツブツつぶやきながら歩いている……
「レディ……「待て、リオ」」
声をかけようとした私をアラン様がとめる。
「どうやら夢遊病のようだ……ここで目覚めさせるのは、危ない。このまま危険がないよう、見守りながらついて行こう」
「わかったわ」
すぐ後ろに私たちがついて歩いていても、レディ・ピアディは気づかず歩く。ガウンもはおらず、夜着姿のまま、裸足で草を踏みしめていた。
虚空を見つめ、涙を流しつづけている姿は、はかなげで痛々しい……
「……浄化……魔法か?」
アラン様が、彼女の口から紡がれる単語を聞きとった。浄化魔法? 確かに裸足で歩いているから、足は汚れてしまっているかも知れないけれど……
横でアラン様は複雑な顔をしていた。
レディ・ピアディが目的地に着いたのか? 歩みをとめた。ここは、ウーニャのお家? 昼に案内された、可愛らしい小さな建物の入口に彼女はしゃがみこみ、なかに入っていく。
ウーニャのお家だから、自由に出入りできるよう、扉などはついていない。小柄なレディ・ピアディだから入ることができる小さなお家だ……
なかを覗いてみると、折り重なって寝ているウーニャの中央に、レディ・ピアディが丸まって眠っていた。ウーニャたちは慣れているのか? 彼女を群れの一員のように迎えいれている。
私なら入れるけれど、レディ・ピアディをひっぱりだすのは無理だ……どうしよう。
「リオ、アラン、心配かけて申し訳ないね。彼女のことは私にまかせて、戻っていいよ。夜明けまで、まだ少しある」
振り返ると、沈みゆく月の下、ジリオ様が立っていた。青い月光に照らされているせいか、その顔色は青白く、なんだか泣きそうな表情に見えた……
17
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる