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二人は
体育祭が終わると、あの一件をきっかけに元々モテていた颯君だったが、それに拍車がかかり、放課後決まって女子から呼び出しを受け、告白をされるという現場を何度も目撃している。颯君からは
「俺が唯以外見るはずがない。安心しろ。」
とは言われたものの、安心できるはずもなく、毎回その現場を目撃するたびに胃がひっくり返るような気分になる。そのため、ここ最近は食欲もほとんど沸いてこず、あまり体調が良くない日々を送っていた。
ある日の放課後、今日は部活動がある日だったので僕はいつも通り帰りの支度を済ませ、302教室に向かおうとする。3階に行ってすぐのこと。どこのだれかは分からなかったが、今、一番聞きたくなかった噂がまた僕の耳を貫通する。
「一条君。あのリレーで倒れた子と付き合ったらしいよ。」
「えぇ~?それやっぱほんとなの?」
「絶対そうだよ!だって私今日、二人で話してるところ見たもん!!」
「あー、あとなんか、保健室でキスしてたみたいなことも言われてたもんね~。」
その刹那、無理して心に蓋をしていた感情が一気に流れだし、ダムのように決壊していく。目の前が真っ白になる。辛い、苦しい、消え去りたい。なにも考えることができない。僕はただ茫然とそこに立ち尽くすしかなかった。胸の動悸が止まらない。ほんとうに心が壊れると涙も出なくなるのか。
「おっ!!ゆいゆい~!体育祭お疲れ!!ごめんね!!今日はみんな揃わないんだけ、ど、、、。とりあえず教室入ろっか。ね?」
力無く頷き、僕は星谷先輩の後を追う。
星谷先輩はお菓子とお茶を用意してくれた。
「無理して聞き出したいわけじゃないから話したくなかったらいいんだけど、さっきなにがあったの?」
僕は下を向きだんまりを決め込んでいる。
「そうだなぁ~。話してみて、とか吐きだしてみるとわかることもあるからさ。ゆいゆいには幸せになってもらいたいの。これは俺のエゴなんだけどね。」
「なんで、どうして僕が幸せになっていいんですか、、、本当は幸せなんて望んじゃいけないんです。僕は、僕なんていっそ、」
言葉を言い切る前に
「ゆい。そうやってすぐ自分を否定するのやめろ。それだけで、ゆいだけじゃない。周りの人たちが悲しむ可能性は考えたか?現に俺は今悲しいよ。」
いつものふわふわとしたおちゃらけた空気感はそこにはなく、厳かで粛々とした空気が漂っている。柳瀬先輩と似たような雰囲気だ。星谷先輩は軽くため息をつくと
「ゆいゆいはさ~もっと自分が周りから必要とされてて、愛されていることを自覚しなきゃね。ゆいゆいの過去のことは知らないし分からないけど、昔と今の環境とか、関わる人って全く違うでしょ??今すぐにその考えを変えることは難しいけど、これから先で前向きな考えに変えることはできるはずだよ。」
自然と頬から涙が伝っていく。僕が落ち着くまでずっと星谷先輩は背中をさすってくれていた。やっと話せるぐらいにまでなると、僕は星谷先輩にさっき聞いてしまった話のこと、自分がなにを不安に思っているのかすべて打ち明けた。
「そっかぁ。今の俺から言えることは、噂は所詮噂でしかないこと、かな。本人の口から確認しない限りはなんとも言えないしさ。一番は、ゆいゆいの彼氏に聞くことだよ。聞きづらい、話しづらいことかもしれないけど。」
「星谷先輩っ。頑張って話してみます、、自分の言いたいことが言えるか分からないですけど、、、」
「話し合いは大事だからねぇ~。ほんとに。応援してるよ。結果がどうであれ、ゆいゆいが真剣に向き合った証拠は俺が知ってるし、みてるからね。」
「はい。ありがとうございます!」
自分の決心が揺らがぬうちに話し合いをしよう。早く部屋に戻ろう。
しかし、部屋に入る直前、治まったと思っていた胸の動悸が再び身体に襲い掛かる。酷くなる前になんとか部屋に入り、深呼吸をして心を落ち着かせる。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。とりあえず、RINEで
「話したいことがあるから部屋で待ってる。」
とメッセージを送った。すぐに既読が付き、
「分かった。すぐに行く。」
と返ってくる。RINEを送ってから数分もかからないうちに、勢いよく扉が開いた。颯君は息を切らしているようだった。僕は覚悟を決め
「ごめんね。いきなり。」
「、、、いや、平気。話って、?」
「、安藤さんとキスしたの??」
彼は一瞬明らかに戸惑ったような顔をした。あぁ、やっぱり事実なんだね。
「唯、それは誤解で「もういいよ。もう、大丈夫。」
「唯、、?」
「それだけ聞けたなら、もういいんだ。」
次の瞬間、ヒュッと短く呼吸したかと思うと、息苦しくなり、吐き気が込み上げてくる。次第にうまく体に酸素を取り込むのが難しくなり、息苦しい。必死に酸素を取り込もうとするが、ヒューッヒューッっという音だけが耳に残る。
「おい!!、い!!、、丈夫か!?、、、りしろ!!」
颯君の声が聞こえる。あぁまただ。どうしてこうもうまくいかないんだ。もっと話し合わなきゃいけないのに。こんなときにまでまた迷惑かけるなんて。最後の最後まで僕はダメ人間だなぁ。
あれ?でも安藤さんとキスしたか聞いたときに否定をしなかった。これ以上なにを聞くんだっけ?もうこれで分かったじゃないか。所詮、僕はお遊びだったって。真実を知って自分から傷つきに行く必要なんてないじゃないか。視界に霞がかかったようにぼやける。もうこのままほんとうに死んでしまいたい。頼むから放っておいてくれないかな。
意識を完全に手放す直前、唇になにか触れるような感覚がした。
「俺が唯以外見るはずがない。安心しろ。」
とは言われたものの、安心できるはずもなく、毎回その現場を目撃するたびに胃がひっくり返るような気分になる。そのため、ここ最近は食欲もほとんど沸いてこず、あまり体調が良くない日々を送っていた。
ある日の放課後、今日は部活動がある日だったので僕はいつも通り帰りの支度を済ませ、302教室に向かおうとする。3階に行ってすぐのこと。どこのだれかは分からなかったが、今、一番聞きたくなかった噂がまた僕の耳を貫通する。
「一条君。あのリレーで倒れた子と付き合ったらしいよ。」
「えぇ~?それやっぱほんとなの?」
「絶対そうだよ!だって私今日、二人で話してるところ見たもん!!」
「あー、あとなんか、保健室でキスしてたみたいなことも言われてたもんね~。」
その刹那、無理して心に蓋をしていた感情が一気に流れだし、ダムのように決壊していく。目の前が真っ白になる。辛い、苦しい、消え去りたい。なにも考えることができない。僕はただ茫然とそこに立ち尽くすしかなかった。胸の動悸が止まらない。ほんとうに心が壊れると涙も出なくなるのか。
「おっ!!ゆいゆい~!体育祭お疲れ!!ごめんね!!今日はみんな揃わないんだけ、ど、、、。とりあえず教室入ろっか。ね?」
力無く頷き、僕は星谷先輩の後を追う。
星谷先輩はお菓子とお茶を用意してくれた。
「無理して聞き出したいわけじゃないから話したくなかったらいいんだけど、さっきなにがあったの?」
僕は下を向きだんまりを決め込んでいる。
「そうだなぁ~。話してみて、とか吐きだしてみるとわかることもあるからさ。ゆいゆいには幸せになってもらいたいの。これは俺のエゴなんだけどね。」
「なんで、どうして僕が幸せになっていいんですか、、、本当は幸せなんて望んじゃいけないんです。僕は、僕なんていっそ、」
言葉を言い切る前に
「ゆい。そうやってすぐ自分を否定するのやめろ。それだけで、ゆいだけじゃない。周りの人たちが悲しむ可能性は考えたか?現に俺は今悲しいよ。」
いつものふわふわとしたおちゃらけた空気感はそこにはなく、厳かで粛々とした空気が漂っている。柳瀬先輩と似たような雰囲気だ。星谷先輩は軽くため息をつくと
「ゆいゆいはさ~もっと自分が周りから必要とされてて、愛されていることを自覚しなきゃね。ゆいゆいの過去のことは知らないし分からないけど、昔と今の環境とか、関わる人って全く違うでしょ??今すぐにその考えを変えることは難しいけど、これから先で前向きな考えに変えることはできるはずだよ。」
自然と頬から涙が伝っていく。僕が落ち着くまでずっと星谷先輩は背中をさすってくれていた。やっと話せるぐらいにまでなると、僕は星谷先輩にさっき聞いてしまった話のこと、自分がなにを不安に思っているのかすべて打ち明けた。
「そっかぁ。今の俺から言えることは、噂は所詮噂でしかないこと、かな。本人の口から確認しない限りはなんとも言えないしさ。一番は、ゆいゆいの彼氏に聞くことだよ。聞きづらい、話しづらいことかもしれないけど。」
「星谷先輩っ。頑張って話してみます、、自分の言いたいことが言えるか分からないですけど、、、」
「話し合いは大事だからねぇ~。ほんとに。応援してるよ。結果がどうであれ、ゆいゆいが真剣に向き合った証拠は俺が知ってるし、みてるからね。」
「はい。ありがとうございます!」
自分の決心が揺らがぬうちに話し合いをしよう。早く部屋に戻ろう。
しかし、部屋に入る直前、治まったと思っていた胸の動悸が再び身体に襲い掛かる。酷くなる前になんとか部屋に入り、深呼吸をして心を落ち着かせる。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。とりあえず、RINEで
「話したいことがあるから部屋で待ってる。」
とメッセージを送った。すぐに既読が付き、
「分かった。すぐに行く。」
と返ってくる。RINEを送ってから数分もかからないうちに、勢いよく扉が開いた。颯君は息を切らしているようだった。僕は覚悟を決め
「ごめんね。いきなり。」
「、、、いや、平気。話って、?」
「、安藤さんとキスしたの??」
彼は一瞬明らかに戸惑ったような顔をした。あぁ、やっぱり事実なんだね。
「唯、それは誤解で「もういいよ。もう、大丈夫。」
「唯、、?」
「それだけ聞けたなら、もういいんだ。」
次の瞬間、ヒュッと短く呼吸したかと思うと、息苦しくなり、吐き気が込み上げてくる。次第にうまく体に酸素を取り込むのが難しくなり、息苦しい。必死に酸素を取り込もうとするが、ヒューッヒューッっという音だけが耳に残る。
「おい!!、い!!、、丈夫か!?、、、りしろ!!」
颯君の声が聞こえる。あぁまただ。どうしてこうもうまくいかないんだ。もっと話し合わなきゃいけないのに。こんなときにまでまた迷惑かけるなんて。最後の最後まで僕はダメ人間だなぁ。
あれ?でも安藤さんとキスしたか聞いたときに否定をしなかった。これ以上なにを聞くんだっけ?もうこれで分かったじゃないか。所詮、僕はお遊びだったって。真実を知って自分から傷つきに行く必要なんてないじゃないか。視界に霞がかかったようにぼやける。もうこのままほんとうに死んでしまいたい。頼むから放っておいてくれないかな。
意識を完全に手放す直前、唇になにか触れるような感覚がした。
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