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クーロイアカデミー入学の手紙

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拝啓 お嬢様。

貴女様の僕
リドランス・ガーランダーは
お嬢様専属執事になるべく

本日、
クーロイ魔法バトラーズアカデミーに入学致しましたが
お嬢様は不便を強いられてません
でしょうか。

お優しき旦那様の援助により
このような名門バトラー校に
入れて頂き、感謝の言葉
つきません。

但、お嬢様の元を離れて
宿舎生活になりますことで、
お嬢様のお世話を仰せ使えない
ことは、
大変心苦しく思っております。

ですから
リドランスは、毎日お嬢様に
バトラーアカデミーで学ばせて
頂きます事を、つまびらかに
お手紙させていただきまして
わたくしのバトラー技術の
進捗をご報告差し上げようと
ペンを取りました。

お目汚しかもございませんが、
リドランスは、この瞬間も
お嬢様の事を考え、
卒業の暁には
このクーロイ魔法バトラー
アカデミーで学びました全てを
お嬢様に捧げる気持ちで
ございます証と
お受け取り頂きとうございます。

どうか、お嬢様、
本日も麗しくあられんこと
リドランスは心よりお祈りして
御座います。

さて、
本日バトラーアカデミーに入学を
いたしまして、
驚きましたのは、
クーロイ魔法バトラーアカデミー
は、大変広大な敷地を持ちます
堅固な城なのでございます!!

それはもう深き森に囲まれた
頂きに佇む威厳ある巨大な古城に
驚愕でございます!
あ、お嬢様、ご安心を。
お嬢様の専属執事になるわたくし
どんなに驚いても
顔には出しておりませんよ。

『うあーー!!凄い!!
   王宮でもこんなに広くないぞ、
   はは!お嬢様とこの大広間で
   ダンスの練習をしたら、きっと
   お嬢様、くるくる回って飛び
   上がるだろうなあ。

   巨大なシャンデリア!
   真っ赤な毛長の絨毯!
   両側に並ぶ豪華な装飾!
   
   歴史あるクーロイ魔法バトラー 
   アカデミー!!
   はあーなんて素敵な学校だろ』

『おい!新入り小僧!静かに』

『ひゃ!!何んで肖像画が
   しゃべるんだろ?貴方だれ?』

『新入りはこれだから。お上り
   さん丸出しだな。いいか?
   この大広間に飾られる肖像画は
   歴代で伝説と呼ばれたバトラー
   達だ。この俺もそう。敬えよ』

『え、じゃあ、このズラリって
   両側にある肖像画全部なの?
   いやだな。まるで、先生だよ』

『まるでじゃない!先生だ!
   おまえ達ひよっこバトラーの
   教育係だ!わかれば、引率の
   先輩学生に付いていけ!もう
   クラス分けを読み上げてるぞ』

『いけない!本当だ。
   肖像画先生、ありがとう!』

なかには、はしゃいで
引率に遅れる生徒もおりました。
嘆かわしいことです。

まず成績順にて、
クラス分けが御座いました。

ご安心下さいませ。
このリドランス、
一通りバトラーとしての
技術をお屋敷で仕込まれて
ございますから、
もちろん
公爵家執事見習い方と
同じクラスでごさいます。

40名のクラスが3つ。
3学年となってございますので
360名の執事見習いで
ございます。

胸のエンブレムカラーで
学年が、
シンボルでクラスが
解るようになってございました。

ところがお嬢様
ここで事件が起きたので
ございます。

『リドランス・ガーランダーは
  どこにいる!すぐ連れてこい!』

いなり、わたくしめが
呼ばれたのでございます!

『はい?
   リドランス・ガーランダーは
   わたくしでございますが、、
   失礼ではございますが貴方様
   は、第2王子のラグゼン殿下  
   でございませんでしょうか?』

『お前、ちゃんと分けまえておる
   ようだな。いかにも、そうだ』

なんと!!
お嬢様、王国第2王子殿下が、
クーロイアカデミーに
お見えになったのでございますよ

『はい、王国誉れの赤き御髪に
   金瞳孔の瞳。猛々しきお姿は
   間違えるはずが、ございません
   それでは、わたくしめに何か
   ご用意でございましょうか。』

『なに、若くしてクーロイに
   入学を果たした者が、あの
   シャルマリア嬢の執事になる
   男だと聞いたからな。かおを
   おがみにきてやった。ふーん
   なるほど、おまえがか。』

『これは、もったいなくも、
   わたくしのような者に、その
   ご尊顔を拝する機会をいただき
   ありがとうございます。』

『殿下!そろそろお時間が。
   乳母殿にまた、怒られます。
   きっちり、お昼寝をして
   くださらないと、身体が大きく
   なりません。まいりますよ。』

『子どもあつかいをするな。
   僕ももう、10才だぞ。本当に
   過保護でならん。リドランス、
   はげめよ。最年少合格者よ!』

『ありがたき幸せ。殿下に
   栄光あらんことを。』

そうなのです、
あの10才にして
軍神の才覚を顕された、
ラグゼン第2王子様が
わたくしに
合格の祝言葉をかけに
でむ向いて
下さったのでございます。

夢のようでございました。

いいえ、
間違ってはいけません。
お嬢様の麗しきお姿と教養は
王国中に噂されて
ございますから、
きっとそのお陰で得られました
幸運でございましょう。

とわいえ、このリドランス
お嬢様の執事候補として
クーロイ魔法バトラーアカデミー
に入学できました事に、
あらため感涙した
瞬間にございました。

『カーーーンカーーー!ン』

アカデミーでは、
城の鐘が時刻を告げます。

まずは、クラスごとに別れて
アカデミーである
古城の中を上級生に
くまなく
案内されました。

お嬢様!
わたくしめの、バトラーメモが
パンパンになってしまうほど、
クーロイアカデミーは
広くて、施設が多いので
ございます!

バトラーパントリー
陶器室
テーブル装飾室
クローゼットルーム
ティーラウンジ
キャンドルルーム
アレンジメントルーム
シガールーム
ダイニングルーム
仕掛け部屋
→何にするのでごさいましょうか?
レセプションルーム
図書館
ランドリー室
アイロンルーム
魔法通信書斎
ワインセラー
謁見ホール
大ホール
礼拝堂
スタディサロン
バトラーラウンジ
トレーニングキッチン
馬具、武器室
芸術サロン
ベッドメイクルーム

ここに
プロフェッサーオフィスや、
教室や宿舎などがありまして
学年が上がりますと、
専門コースの施設も
使えるそうでございます。

それにお嬢様!
外には魔法スポーツが
できるグラウンドや森、
湖などもございました。
お嬢様はボートがお好きですから
ついついリドランスは、
美しいクーロイの湖で
お嬢様をボートに
乗せて差し上げたくなり

『おい!リドランス・ガーランダ 
    ー!水に落ちるぞ!!あ!』

『わわわわわ!バシャーーン!』

『ᚢᚲᚨᛒᛖ!
(ウアンスーベオーエー!)
   リドランス・ガーランダー!
   大丈夫か?!しっかりしろ』

『あはは、すいません先輩。
   助けていただき有り難う
   ございます。すぐに、乾かし
   ます。ᚲᚨᚹᚨᚲᛖ
(アンスーウィアンスーエー)』

『弱冠12才でクーロイに入学した
   っていうのは、本当なのか?
   気をつけろよ。湖の中には、
   肉食魔水魚もいるからな。』

『はい、以後気を付けます。』

不覚にもクーロイ湖に
落ちそうに
なってしまいました。

これでは、わたくしリドランスの
方がお嬢様ロスを
起こしてございますね。

ともあれでございます!
これらの施設が全て
お屋敷で御使いさせていただく
想定でそなえつけられて
ございますから、
実地学習のクーロイアカデミーは
さすがでこざいます。

『リドランス!消灯だよ。』

『わかったよ、ウジュルマ。
   あと少しで書き終わるから。』

『シャルマリア様に手紙か?』

『えへへ。そうなんだ。』

『リドランスも、そうしてると
   ふつうに12才の子どもだな。』

『ウジュルマ、大人の余裕?』

『今、頭ン中で17才のおっさん
   がって、思ったろ?どうだ?』

『どうかな♪でもウジュルマは
   そのぶん、イケメンだよ。』

『あ、やっぱり思ったな。け!
   もう寝ろよ。エアーメイルも
   遅いとシャルマリア様も、
   困られるだろ?じゃおやすみ』

『うん、おやすみなさい。』

お嬢様、入学した1日で、
クーロイ魔法バトラーアカデミー
で学ぶ事かいかに糧になるか
わたくしリドランスは
深く感じ入りました。

旦那、お嬢様、
ありがとうございます。

それでは
貴女様の僕
リドランス・ガーランダーより


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