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研究所にて
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ドン!と勢いよく扉が開いた。
振り向くと、見知った男が無表情で立っていた。
かなり背が高く一見細身に見えるが、実はよく鍛えていて頑丈な体躯の男だ。
茶色の髪は短く尾も細目で、狐耳もチョコンと付いている。
母親は獅子族の瀬国の生まれなのだそうだ。
つまり、狐と獅子の血を継いでいるのだが、外見は狐の特徴が色濃いくせに、性格は獅子の血が強いのは、瀬国でも有名な武官の血筋を親戚に持っているからであろうか。
「……カジャル。驚くじゃないか……ここに護衛がいたら大変なことに」
「あぁ、悪い。早過ぎたか」
「いや、時間だけじゃなくてね」
カジャルはドカドカと勝手知ったる様子で入室してきて、美しい木目のデスク脇のスツールに座った。
「あのね、まだどうぞとは言ってないよ、カジャル」
私は眉間にシワがよるのを感じながら、ため息が出るのを止められなかった。
幼なじみの顔は憔悴しきっており、いつも溌剌としていた若者の姿ではない。
まぁ、どうしてこうなったかはわかるが……
「涼鱗……俺は用済みだとよ」
返事をせずに、カジャルの背を撫でてやる。
私はこの紗国とは関係のない者だ。
蛇族で、ラハーム王国の第4王子、それが私の身分なのだ。
10になった年に入ったアオアイ王立学園で、蘭紗王子と従者カジャルの同級生となった。
それが縁で、私は今ここでお嫁様伝説を研究している。
カジャルが単なる従者ではなく、伴侶候補だということを後から知ったことも大きかったかもしれない。
この国でお嫁様の研究をした者は、長い歴史上でも数えるほどだ。
紗国では、この『おとぎ話』めいたお嫁様の来訪を喜んで受け入れるが、その謎を解こうとはあまり思わないらしい。
むしろ、そんなことをするなんて不敬だと言わんばかりの雰囲気であるから、私のような他国の者でない限り本気で取り組まないのだろう。
しかし、この研究所に居候ではあるが、所属できたことは幸運だった。
『あまり気が進まないが……まぁ……やるのなら本気でやれよ』と嫌そうに言った友の許可が決定打だった。
まあ、その友が国王なんだから得したわけだ。
「カジャル、君の気持ちは分かるけどねぇ、そりゃ仕方ないさ。だって本当にやってきたんだから……お嫁様がさ」
「ふっ、あいつが本当のお嫁様かどうかなんてわかるもんか……どうやってわかるっていうんだ。なんの証拠もないだろうが!」
「だから、なんでそう決め付けるんだい……」
カジャルはきつい目を向けて叫んだ。
「お前に何がわかるんだ?!何か解明できたっていうのか?!」
「んー……きついこと言うねぇ」
私は思わず軽く笑ってしまった。
「ヘラヘラしてないで答えるんだ、涼鱗」
「ん、ヘラヘラはしてないつもりだよ」
「早く答えろ!」
その時バン!とドアが開き、護衛が3人も入ってきた。
「涼鱗様!何事です!ご無事ですか?!」
私は非常にめんどくさい気分でため息をついて護衛に手で下がれと命じた。
「……カジャルだよ、敵ではない。大丈夫だからしばらく人払いをせよ」
護衛はハッとしてカジャルを見て頷き、礼をして下がった。
「ねぇ、お前の声デカ過ぎだからさ、少し抑えて?」
カジャルは決まりが悪そうに鼻の頭をかきながら「あぁ」と呟いた。
悪いヤツではないのだ。
むしろ私としては立場を超えて気楽に話せる友は少ないのだから、大事にしたいと思っている。
いや……それ以上の……私に秘めた思いがあるなんてことは、彼にはわかりようもないだろうけど。
ちょうどお湯が沸いたようなので、サイドテーブルにある茶器で紅茶を二杯入れ、一杯をカジャルの近くのテーブルに置いた。
そしてもう一つのカップに向けて、指先からシュルシュルと冷気を出し冷たくしてから自分のデスクのチェアーに座った。
私は熱い茶が苦手なのだ。
「さて、順を追って話そう。なるべく興奮せずいてくれないと、さすがに私も困るよ?」
カジャルは大きな体を縮めるように背中を丸くし、下を向いて頷く。
「ここに来てさ、私が研究を始めてまだ2年なんだ。対してお嫁様の記録文献がどれほどあると思う?この国の歴史は1万年近いんだ。そりゃもう山のようにだよ。これはもう人生かけての大仕事さ……だからね。まだ全然解明どころか全容もわからないわけ」
「……っだが!なにか少しでも……例えば偽物が現れたとか、もしくはお嫁様が国に不幸をもたらしたとか」
私は自分でいれたぬるい紅茶を細く長い舌でチロチロと舐めながら首を捻った。
「んー、わりとピンポイントに聞いてくれるよねぇ」
「知りたいのはその2点だからな」
「なるほど」
私は立ち上がり、デスク横の書架から2冊の記録を取り出した。
「まぁ、まだ全体の1割にも満たないんだけど。私が目を通した記録から、興味深いものがこの二つなんだよねぇ」
カジャルは顔を上げ、スツールをデスクに引き寄せて来た。
「いいかい?言いたいこと聞きたいことはあるだろうがね、私が話し終わるまでちゃんと聞いてくれよ?……まず、これはね、お嫁様と偽って間者がまんまと城に上がり込んだという記録だ。だがその時、時の王はすぐに見破った為、王には害が無かったとある。つまり王以外はそのお嫁様が偽物なのか本物なのか見分けが付かなかったようだ」
カジャルは健気に注意された通り、何も言わずじっと聞いている。
私は栞をたぐり該当ページを開いた。
「そしてこれがその時の記録なんだがね。で……その時の王は、蘭紗の祖父だ」
「は?」
カジャルは目を見開き睨んでくる。
うん、私でなければ逃げ出すよ、その顔。
「この時、緘口令が敷かれたようだ。理由はわからないけどね。だから君は知らなくて当然だ。蘭紗はどうだろう?まだ聞いてないけど……」
「それって何年前だ?」
私は好物のぬるい紅茶をゆるゆると楽しみたくてティーカップを持ち上げたのだが、仕方ないので答えた。
「ん……19年前だ」
「っ?俺たち生まれてるじゃないか」
「だね……まずね、私がこの膨大な記録から、なぜその記録にたどり着けたかというとね。この国の人たちはなぜかお嫁様のことを深く知ろうとしないだろう?つまり研究者がろくにいなかったんだ。だからね、記録のまとめすらなかった。でも、侍女や侍従らの日誌は大切に保存はされていたんだ。管理人として代々それを生業としてきた一家があるからね。……まあ、その人たちは単なる管理人だから研究はしないけど、でも丁寧に時系列にならべてくれてるわけ」
私はチロチロと紅茶を舐め静かにそれを置いた。
「……で、普通はさ、古い方から読みたくなるだろう?……でも私は新しい方から読み進めているんだ」
「なんで?」
「それは、まだ生き証人がいるからだよ」
私は開いたページの指さしてトントンした。
「このことを覚えている当事者がまだ生きているはずなんだ。その人に話を聞きたい。そう思うんだけどねぇ。まあ私は他国の王子だからさ……第4王子なんて何の力もないのに、一応そういう立場だからってとっても警戒されるんだ。まあ、他国の者だから遠慮なくこの研究ができているってのもあるから、あながち悪いことだけでもないのだけどね」
カジャルは呆然として憔悴した顔を更に青くした。
「……ちょっと待て……俺、そのこと知ってるかもしれない」
「え?なんだって?」
私は思わず故郷から持参した大事な茶器をガツンと受け皿に落とすように置いた。
「19年前ってそれ、先々代の王の伴侶様がお亡くなりになった年だぞ、本当に偶然か?」
「何?伴侶が?確かか?」
「ああ、俺は蘭紗様の伴侶候補だったんだ、歴代の伴侶様のことは学んでいる」
「なるほど……なるほどねえ」
「なんだよ」
「だからさ、ここに書いてあるだろう?」
私は指で先ほどの記述の一点を指示した。
「王には被害がなかったってね。つまり王以外には被害があったんじゃないのか?」
「まさか伴侶様がその間者の手に」
私は肩を竦めた。
「さあ、どうだろうねぇ。でだ、この次なのだが」
ページを慎重にめくり、カジャルにも見えるよう向きを少し変えた。
「いいか、そのお嫁様と偽った者は獣人ではなかったとある。この世界の者で人間なら9割阿羅国の人だよねぇ。まあどの国にも少人数ながら人間がいるからわかんないけどさ」
カジャルが嫌な顔をした。
「それで、歴代のお嫁様は分かっているだけで、紗国およそ1万年の歴史上12人と言われている。その中で獣人は1人だけ後の11人は人間だ。それは市井の者でも習うことだ、この国の者なら誰もが知っている。……見かけが人間で、空間から突如沸いてくる魔力の強い者をなんとなく『お嫁様』かも?と思ってしまう下地があるわけだよねぇ」
「そう言われると……なんとも隙が大きいな……」
「ああ、そうだ。私などからしたら、純粋すぎて愚かにすら見えるねぇ。まあこれ内緒ね」
フフっと笑うと、カジャルが呆れた視線をよこした。
「でね、仮定としてその時に伴侶が巻き込まれ亡くなったとしよう。であれば、その一年後に先々代が亡くなられたことも説明がつくね。まだ53才だったというから寿命ではないんだからさぁ……そばに伴侶がいなくなって魔力に負けたんじゃないの?」
私彼の隣に座りこみ、上目遣いに彼を覗き込んだ。
「というかまあ、この推測が合っているとしたら、最初からそのお嫁様に扮した狼藉者の狙いは、王の伴侶だったんじゃないのかねえ。だってだいたい伴侶を失くすとこの国の王はとたんに力を無くすだろう?そんな簡単な国あんまりないよねえ。そこを攻め込もうとする敵国だっていただろうさ」
「だ、だがそうであればなぜそれを秘密にしておくんだ?皆に知らせてもっと警戒をした方がいいじゃないか!」
「でもそうするとさ、まず訪れた者を皆が疑うようになるだろう?それが本物のお嫁様である確率だって0ではないんだ。なのに初めから疑って対応したりするとどうなる?お嫁様はただでさえ不安を抱えているのに、心を閉ざして王の元に来てくれないかもしれないよ? ……それに、王は会えばすぐに本物かどうかわかるっていうんだから、問題ないんだよ」
カジャルは膝の上で拳を握りしめていた。
その指先が白く色が変わっているのを見つめた。
私は黙って自らの手を上からそっと被せ、力を抜くよう伝えた。
「問題なのは、王の命にかかわる伴侶が、不用意に王の不在時だからといって先にお嫁様来訪に立ち合い、そこで襲われたりすることだ」
「お、俺は会ったぞ! 蘭紗様がお支度している間に父と二人で」
「で、どうだったんだ?」
「……っ! あんな奴に何ができるんだ、弱々しく儚げで今にも溶けてなくなりそうな小さな男……いや、まだ少年というか」
「つまりだ、その絶好の機会に君は彼に襲われなかったんだね。今君は殺されずに無事にこうしているんだ」
カジャルは何とも言えない顔をして情けなさそうに頭をフルフルと振り、うなだれた。
この男がどれほど蘭紗を大切に想っていたか……
私は近くにいてずっとそれを見ていた。
彼の心中は察するにあまりある……
だが、状況から判断しても、おそらく本物の『お嫁様』が来た。
……彼の立場はもうない。
かわいそうだが、彼はもう『お払い箱』なのだ。
彼はいまだにその『お嫁様』が偽物であることを願っているようだが……
そうであれば、自分がまた蘭紗のそばにいれると思っているんだろう。
まあでも、どう考えてもそのお嫁様は本物だ。
……なぜなら、蘭紗がすでに60階へ招いていると聞いたから。
あの蘭紗が間違うわけがない。
私は10才のころに出会ったばかりの時の少年の姿をした蘭紗を思い描いた。
魔力が不安定で体が安定しない儚い王子と聞いていたが、とんでもなかった。
銀色に輝き、各国の王侯貴族が集まる教室の中にいても、子供とは思えぬ存在感を放ち、美しさで周囲を圧倒していた。
そのくせ強い目の光には誠実さと優しさが滲んでいた。
あの目に見つめられて心を開かない者がいるだろうか?と、そう思わせるような透明な銀色。
……そしてその横にひっそりとたたずむ茶色の耳と細い尾の無骨なカジャル。
その目はいつも自分の王子しか写さなかった。
私の立ち入る隙なんて、当時には無かったよね。
カジャルの強く握りしめる痛んだ拳を、優しく包んで、そして囁いた。
「だけどね、さっきも言ったけどねえ、王にはわかるんだよ。そのお嫁様が本物かどうかってね」
「……なんでわかるんだ?」
「それはね、魂の片割れだからだそうだよ、お前は伴侶になるはずだったんだから、そのあたりは聞いてるだろう?」
「……っ、き、聞いてはいるが。魂の片割れって何なんだよ……」
「……今から言うことはね、この国の者でもあまり知らないことだけど、今の君には必要かもしれないから、伝えるよ」
カジャルは充血した目で見つめてきた。
「本物のお嫁様を得た王は寿命が伸びる。それは誰でも知ってるが……僕がさらっとあさっただけでわかっているのは、今から約800年前のお嫁様の記録だ。これは今回のことを除けば一番近々のお嫁様だね。記載では523年も安定して世を収めている。ちなみにお嫁様も共にその時間を生きて、ほぼ同時に身罷ってる」
「523年だと?エルフじゃあるまいし……なんだよそれ」
吐き捨てるようにそう言って頭を抱えるカジャルの背を撫でた。
「でだ、ここからなんだけどねぇ」
「まだあるのか……」
「お嫁様と共に生きるうち、王は尾の数が増え、最終的に九つになったそうだ。この変化は王の魂が完全なものになった証というか、体内にある魔力が力を増し続け、その魔力が尾に姿を変え、その姿となるようだと記録があった。ちなみにこの考察はその王自身のものだ」
カジャルは目を丸くして絶句している。
「そのことはたぶん、王族ならなんとなく伝えられてるだろうが……伴侶にはいらない知識だから、お前には教えられてないのさ。伴侶はあくまで多すぎる魔力を散らせる慰めにしかならないが、お嫁様というのは、王の魔力を安定させつつ更に増すということだね」
赤く充血した目から透明な雫が流れ、私は吸い込まれるようにその雫を長い舌でチロリと舐めた。
……ああ、おいしい、やっぱりカジャルの涙はおいしい。
アオアイ国で共に過ごした子供時代にも、こんなことがあったなとふと思い出した。
その時は嫌がってすぐに私から離れたくせに、今はそんな力も出ないのか。
丸めた背が細かく震え、流れる涙は止まりそうにない。
しばらくその様子を見守っていたが、私は決心して彼の手を取り、研究所内の私室に連れて行った。
カジャルがただ従順なのが悲しい。
私室は二室からなるが、ほとんど寝る為だけに使っているため私物もほとんどない。
そもそも王族用に用意されたものでもないので簡素であるが、広さだけはある。
そのため殺風景な部屋である。
「……カジャル」
ベッドに横たわり呼ぶと、カジャルはうつろな目をしたまま倒れこむようにベッドに入った。
「眠るんだ、そばにいるから」
冷たくなった痛んだ傷だらけの拳をさすりながら抱きしめた。
子供のころと同じ草原の香りがした。
赤くなった目は閉じられている、それでも流れる涙を私はチロチロと味わった……
その甘さに体の芯が痺れる。
こんな状況なのに私はなぜ喜びを感じるのか。
……私には誰も何の期待もしない。
第4王子など、見向きもされない。
丁寧に扱われるが愛情は誰からも受けたことがない。
孤独だった人生に、いつの間にか大きな存在になっていたカジャル。
私が彼に対して持っていいのは友情以外はないはずだったのに、状況が変わってしまったことに、どこかで喜びを感じる。
ああ、私は愚かだな……
愛されないことをわかっていながら、こうやってまた求めるんだ。
振り向くと、見知った男が無表情で立っていた。
かなり背が高く一見細身に見えるが、実はよく鍛えていて頑丈な体躯の男だ。
茶色の髪は短く尾も細目で、狐耳もチョコンと付いている。
母親は獅子族の瀬国の生まれなのだそうだ。
つまり、狐と獅子の血を継いでいるのだが、外見は狐の特徴が色濃いくせに、性格は獅子の血が強いのは、瀬国でも有名な武官の血筋を親戚に持っているからであろうか。
「……カジャル。驚くじゃないか……ここに護衛がいたら大変なことに」
「あぁ、悪い。早過ぎたか」
「いや、時間だけじゃなくてね」
カジャルはドカドカと勝手知ったる様子で入室してきて、美しい木目のデスク脇のスツールに座った。
「あのね、まだどうぞとは言ってないよ、カジャル」
私は眉間にシワがよるのを感じながら、ため息が出るのを止められなかった。
幼なじみの顔は憔悴しきっており、いつも溌剌としていた若者の姿ではない。
まぁ、どうしてこうなったかはわかるが……
「涼鱗……俺は用済みだとよ」
返事をせずに、カジャルの背を撫でてやる。
私はこの紗国とは関係のない者だ。
蛇族で、ラハーム王国の第4王子、それが私の身分なのだ。
10になった年に入ったアオアイ王立学園で、蘭紗王子と従者カジャルの同級生となった。
それが縁で、私は今ここでお嫁様伝説を研究している。
カジャルが単なる従者ではなく、伴侶候補だということを後から知ったことも大きかったかもしれない。
この国でお嫁様の研究をした者は、長い歴史上でも数えるほどだ。
紗国では、この『おとぎ話』めいたお嫁様の来訪を喜んで受け入れるが、その謎を解こうとはあまり思わないらしい。
むしろ、そんなことをするなんて不敬だと言わんばかりの雰囲気であるから、私のような他国の者でない限り本気で取り組まないのだろう。
しかし、この研究所に居候ではあるが、所属できたことは幸運だった。
『あまり気が進まないが……まぁ……やるのなら本気でやれよ』と嫌そうに言った友の許可が決定打だった。
まあ、その友が国王なんだから得したわけだ。
「カジャル、君の気持ちは分かるけどねぇ、そりゃ仕方ないさ。だって本当にやってきたんだから……お嫁様がさ」
「ふっ、あいつが本当のお嫁様かどうかなんてわかるもんか……どうやってわかるっていうんだ。なんの証拠もないだろうが!」
「だから、なんでそう決め付けるんだい……」
カジャルはきつい目を向けて叫んだ。
「お前に何がわかるんだ?!何か解明できたっていうのか?!」
「んー……きついこと言うねぇ」
私は思わず軽く笑ってしまった。
「ヘラヘラしてないで答えるんだ、涼鱗」
「ん、ヘラヘラはしてないつもりだよ」
「早く答えろ!」
その時バン!とドアが開き、護衛が3人も入ってきた。
「涼鱗様!何事です!ご無事ですか?!」
私は非常にめんどくさい気分でため息をついて護衛に手で下がれと命じた。
「……カジャルだよ、敵ではない。大丈夫だからしばらく人払いをせよ」
護衛はハッとしてカジャルを見て頷き、礼をして下がった。
「ねぇ、お前の声デカ過ぎだからさ、少し抑えて?」
カジャルは決まりが悪そうに鼻の頭をかきながら「あぁ」と呟いた。
悪いヤツではないのだ。
むしろ私としては立場を超えて気楽に話せる友は少ないのだから、大事にしたいと思っている。
いや……それ以上の……私に秘めた思いがあるなんてことは、彼にはわかりようもないだろうけど。
ちょうどお湯が沸いたようなので、サイドテーブルにある茶器で紅茶を二杯入れ、一杯をカジャルの近くのテーブルに置いた。
そしてもう一つのカップに向けて、指先からシュルシュルと冷気を出し冷たくしてから自分のデスクのチェアーに座った。
私は熱い茶が苦手なのだ。
「さて、順を追って話そう。なるべく興奮せずいてくれないと、さすがに私も困るよ?」
カジャルは大きな体を縮めるように背中を丸くし、下を向いて頷く。
「ここに来てさ、私が研究を始めてまだ2年なんだ。対してお嫁様の記録文献がどれほどあると思う?この国の歴史は1万年近いんだ。そりゃもう山のようにだよ。これはもう人生かけての大仕事さ……だからね。まだ全然解明どころか全容もわからないわけ」
「……っだが!なにか少しでも……例えば偽物が現れたとか、もしくはお嫁様が国に不幸をもたらしたとか」
私は自分でいれたぬるい紅茶を細く長い舌でチロチロと舐めながら首を捻った。
「んー、わりとピンポイントに聞いてくれるよねぇ」
「知りたいのはその2点だからな」
「なるほど」
私は立ち上がり、デスク横の書架から2冊の記録を取り出した。
「まぁ、まだ全体の1割にも満たないんだけど。私が目を通した記録から、興味深いものがこの二つなんだよねぇ」
カジャルは顔を上げ、スツールをデスクに引き寄せて来た。
「いいかい?言いたいこと聞きたいことはあるだろうがね、私が話し終わるまでちゃんと聞いてくれよ?……まず、これはね、お嫁様と偽って間者がまんまと城に上がり込んだという記録だ。だがその時、時の王はすぐに見破った為、王には害が無かったとある。つまり王以外はそのお嫁様が偽物なのか本物なのか見分けが付かなかったようだ」
カジャルは健気に注意された通り、何も言わずじっと聞いている。
私は栞をたぐり該当ページを開いた。
「そしてこれがその時の記録なんだがね。で……その時の王は、蘭紗の祖父だ」
「は?」
カジャルは目を見開き睨んでくる。
うん、私でなければ逃げ出すよ、その顔。
「この時、緘口令が敷かれたようだ。理由はわからないけどね。だから君は知らなくて当然だ。蘭紗はどうだろう?まだ聞いてないけど……」
「それって何年前だ?」
私は好物のぬるい紅茶をゆるゆると楽しみたくてティーカップを持ち上げたのだが、仕方ないので答えた。
「ん……19年前だ」
「っ?俺たち生まれてるじゃないか」
「だね……まずね、私がこの膨大な記録から、なぜその記録にたどり着けたかというとね。この国の人たちはなぜかお嫁様のことを深く知ろうとしないだろう?つまり研究者がろくにいなかったんだ。だからね、記録のまとめすらなかった。でも、侍女や侍従らの日誌は大切に保存はされていたんだ。管理人として代々それを生業としてきた一家があるからね。……まあ、その人たちは単なる管理人だから研究はしないけど、でも丁寧に時系列にならべてくれてるわけ」
私はチロチロと紅茶を舐め静かにそれを置いた。
「……で、普通はさ、古い方から読みたくなるだろう?……でも私は新しい方から読み進めているんだ」
「なんで?」
「それは、まだ生き証人がいるからだよ」
私は開いたページの指さしてトントンした。
「このことを覚えている当事者がまだ生きているはずなんだ。その人に話を聞きたい。そう思うんだけどねぇ。まあ私は他国の王子だからさ……第4王子なんて何の力もないのに、一応そういう立場だからってとっても警戒されるんだ。まあ、他国の者だから遠慮なくこの研究ができているってのもあるから、あながち悪いことだけでもないのだけどね」
カジャルは呆然として憔悴した顔を更に青くした。
「……ちょっと待て……俺、そのこと知ってるかもしれない」
「え?なんだって?」
私は思わず故郷から持参した大事な茶器をガツンと受け皿に落とすように置いた。
「19年前ってそれ、先々代の王の伴侶様がお亡くなりになった年だぞ、本当に偶然か?」
「何?伴侶が?確かか?」
「ああ、俺は蘭紗様の伴侶候補だったんだ、歴代の伴侶様のことは学んでいる」
「なるほど……なるほどねえ」
「なんだよ」
「だからさ、ここに書いてあるだろう?」
私は指で先ほどの記述の一点を指示した。
「王には被害がなかったってね。つまり王以外には被害があったんじゃないのか?」
「まさか伴侶様がその間者の手に」
私は肩を竦めた。
「さあ、どうだろうねぇ。でだ、この次なのだが」
ページを慎重にめくり、カジャルにも見えるよう向きを少し変えた。
「いいか、そのお嫁様と偽った者は獣人ではなかったとある。この世界の者で人間なら9割阿羅国の人だよねぇ。まあどの国にも少人数ながら人間がいるからわかんないけどさ」
カジャルが嫌な顔をした。
「それで、歴代のお嫁様は分かっているだけで、紗国およそ1万年の歴史上12人と言われている。その中で獣人は1人だけ後の11人は人間だ。それは市井の者でも習うことだ、この国の者なら誰もが知っている。……見かけが人間で、空間から突如沸いてくる魔力の強い者をなんとなく『お嫁様』かも?と思ってしまう下地があるわけだよねぇ」
「そう言われると……なんとも隙が大きいな……」
「ああ、そうだ。私などからしたら、純粋すぎて愚かにすら見えるねぇ。まあこれ内緒ね」
フフっと笑うと、カジャルが呆れた視線をよこした。
「でね、仮定としてその時に伴侶が巻き込まれ亡くなったとしよう。であれば、その一年後に先々代が亡くなられたことも説明がつくね。まだ53才だったというから寿命ではないんだからさぁ……そばに伴侶がいなくなって魔力に負けたんじゃないの?」
私彼の隣に座りこみ、上目遣いに彼を覗き込んだ。
「というかまあ、この推測が合っているとしたら、最初からそのお嫁様に扮した狼藉者の狙いは、王の伴侶だったんじゃないのかねえ。だってだいたい伴侶を失くすとこの国の王はとたんに力を無くすだろう?そんな簡単な国あんまりないよねえ。そこを攻め込もうとする敵国だっていただろうさ」
「だ、だがそうであればなぜそれを秘密にしておくんだ?皆に知らせてもっと警戒をした方がいいじゃないか!」
「でもそうするとさ、まず訪れた者を皆が疑うようになるだろう?それが本物のお嫁様である確率だって0ではないんだ。なのに初めから疑って対応したりするとどうなる?お嫁様はただでさえ不安を抱えているのに、心を閉ざして王の元に来てくれないかもしれないよ? ……それに、王は会えばすぐに本物かどうかわかるっていうんだから、問題ないんだよ」
カジャルは膝の上で拳を握りしめていた。
その指先が白く色が変わっているのを見つめた。
私は黙って自らの手を上からそっと被せ、力を抜くよう伝えた。
「問題なのは、王の命にかかわる伴侶が、不用意に王の不在時だからといって先にお嫁様来訪に立ち合い、そこで襲われたりすることだ」
「お、俺は会ったぞ! 蘭紗様がお支度している間に父と二人で」
「で、どうだったんだ?」
「……っ! あんな奴に何ができるんだ、弱々しく儚げで今にも溶けてなくなりそうな小さな男……いや、まだ少年というか」
「つまりだ、その絶好の機会に君は彼に襲われなかったんだね。今君は殺されずに無事にこうしているんだ」
カジャルは何とも言えない顔をして情けなさそうに頭をフルフルと振り、うなだれた。
この男がどれほど蘭紗を大切に想っていたか……
私は近くにいてずっとそれを見ていた。
彼の心中は察するにあまりある……
だが、状況から判断しても、おそらく本物の『お嫁様』が来た。
……彼の立場はもうない。
かわいそうだが、彼はもう『お払い箱』なのだ。
彼はいまだにその『お嫁様』が偽物であることを願っているようだが……
そうであれば、自分がまた蘭紗のそばにいれると思っているんだろう。
まあでも、どう考えてもそのお嫁様は本物だ。
……なぜなら、蘭紗がすでに60階へ招いていると聞いたから。
あの蘭紗が間違うわけがない。
私は10才のころに出会ったばかりの時の少年の姿をした蘭紗を思い描いた。
魔力が不安定で体が安定しない儚い王子と聞いていたが、とんでもなかった。
銀色に輝き、各国の王侯貴族が集まる教室の中にいても、子供とは思えぬ存在感を放ち、美しさで周囲を圧倒していた。
そのくせ強い目の光には誠実さと優しさが滲んでいた。
あの目に見つめられて心を開かない者がいるだろうか?と、そう思わせるような透明な銀色。
……そしてその横にひっそりとたたずむ茶色の耳と細い尾の無骨なカジャル。
その目はいつも自分の王子しか写さなかった。
私の立ち入る隙なんて、当時には無かったよね。
カジャルの強く握りしめる痛んだ拳を、優しく包んで、そして囁いた。
「だけどね、さっきも言ったけどねえ、王にはわかるんだよ。そのお嫁様が本物かどうかってね」
「……なんでわかるんだ?」
「それはね、魂の片割れだからだそうだよ、お前は伴侶になるはずだったんだから、そのあたりは聞いてるだろう?」
「……っ、き、聞いてはいるが。魂の片割れって何なんだよ……」
「……今から言うことはね、この国の者でもあまり知らないことだけど、今の君には必要かもしれないから、伝えるよ」
カジャルは充血した目で見つめてきた。
「本物のお嫁様を得た王は寿命が伸びる。それは誰でも知ってるが……僕がさらっとあさっただけでわかっているのは、今から約800年前のお嫁様の記録だ。これは今回のことを除けば一番近々のお嫁様だね。記載では523年も安定して世を収めている。ちなみにお嫁様も共にその時間を生きて、ほぼ同時に身罷ってる」
「523年だと?エルフじゃあるまいし……なんだよそれ」
吐き捨てるようにそう言って頭を抱えるカジャルの背を撫でた。
「でだ、ここからなんだけどねぇ」
「まだあるのか……」
「お嫁様と共に生きるうち、王は尾の数が増え、最終的に九つになったそうだ。この変化は王の魂が完全なものになった証というか、体内にある魔力が力を増し続け、その魔力が尾に姿を変え、その姿となるようだと記録があった。ちなみにこの考察はその王自身のものだ」
カジャルは目を丸くして絶句している。
「そのことはたぶん、王族ならなんとなく伝えられてるだろうが……伴侶にはいらない知識だから、お前には教えられてないのさ。伴侶はあくまで多すぎる魔力を散らせる慰めにしかならないが、お嫁様というのは、王の魔力を安定させつつ更に増すということだね」
赤く充血した目から透明な雫が流れ、私は吸い込まれるようにその雫を長い舌でチロリと舐めた。
……ああ、おいしい、やっぱりカジャルの涙はおいしい。
アオアイ国で共に過ごした子供時代にも、こんなことがあったなとふと思い出した。
その時は嫌がってすぐに私から離れたくせに、今はそんな力も出ないのか。
丸めた背が細かく震え、流れる涙は止まりそうにない。
しばらくその様子を見守っていたが、私は決心して彼の手を取り、研究所内の私室に連れて行った。
カジャルがただ従順なのが悲しい。
私室は二室からなるが、ほとんど寝る為だけに使っているため私物もほとんどない。
そもそも王族用に用意されたものでもないので簡素であるが、広さだけはある。
そのため殺風景な部屋である。
「……カジャル」
ベッドに横たわり呼ぶと、カジャルはうつろな目をしたまま倒れこむようにベッドに入った。
「眠るんだ、そばにいるから」
冷たくなった痛んだ傷だらけの拳をさすりながら抱きしめた。
子供のころと同じ草原の香りがした。
赤くなった目は閉じられている、それでも流れる涙を私はチロチロと味わった……
その甘さに体の芯が痺れる。
こんな状況なのに私はなぜ喜びを感じるのか。
……私には誰も何の期待もしない。
第4王子など、見向きもされない。
丁寧に扱われるが愛情は誰からも受けたことがない。
孤独だった人生に、いつの間にか大きな存在になっていたカジャル。
私が彼に対して持っていいのは友情以外はないはずだったのに、状況が変わってしまったことに、どこかで喜びを感じる。
ああ、私は愚かだな……
愛されないことをわかっていながら、こうやってまた求めるんだ。
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牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
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誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
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―――
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