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夢1
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その日はまだ夜が明けないうちから大変な騒ぎだった。
僕は事情がよくわからないまま、蘭紗様から補佐を頼まれた。
「千里眼を使う時に手を繋いでいてくれ」と頼んでくれたのだ。
僕がいると力が増すからと。
こうやって蘭紗様は僕が役に立ってると、必要だと、そう自覚させてくれる。
心の底から嬉しかった。
僕は彼のそんなところがとても好き。
傍にいると、僕はここにいてもいいんだって感じさせてくれるから。
2度目の空の旅はかなりの強い雨の中、緊張で押し潰されそうになりながら飛び立った。
捜索隊の顔にも余裕が無かった。
涼鱗王子も近衛部隊も。
……そういえば涼鱗王子は僕にも優しくしてくれて、とても良い人のようで安心した。
「お嫁様の研究」は彼のライフワークらしくて、王位継承権を返上してまで紗国にやって来た変わり者だと言うことだったけど(これは喜紗さんの言葉だよ!)
僕も彼の邪魔にならないように、お嫁様の研究を手伝いたいと考えている。
そして、2度目の僕の飛翔は「うまくコツが掴めている」と蘭紗様が褒めてくれて得意顔になれた。
でも、飛び上がる瞬間のタイミングが怖くて難しいのだ。
しばらくは手を引いてもらって一緒に飛び上がってもらわないと難しいと思う。
生身の体では空から落ちたら死に直結するし、恐怖感が半端ではない。
でも一旦飛び上がったらすいすいと上空に向かって飛んでいけるので、その第一歩の勇気さえなんとかなれば……とは思うけど、日本で育った僕にはなかなか難しそうだった。
こういう感覚は小さなころから慣れておくべきことなんだろうと感じる。
叩きつけるように降ってくる強い雨の中、城の上空はさらに風が強く、渦巻くように雨が襲ってきて、蘭紗様が張った防御壁を360度どの方角からも雨が激しく打ち鳴らしていた。
それに恐怖しながらも、固く握った蘭紗様の手を頼りに僕は必死に耐えた。
「手を握ってくれるだけで……」
と蘭紗様は言うけれど、一緒にいる意味は何なのだろう?
具体的に何か呪文みたいなことを唱えるわけでもなく、ほんとうに単なる付き添いみたいで、達成感はまるでなかった。
後から侍従長や侍女達、そして何よりも涼鱗王子や近衛の皆から「なんという素晴らしい魔力でしょう!」と興奮気味に絶賛されて僕の頬は赤くなった。
実際に千里眼を使ったのは蘭紗様だし、僕なんていなくても同じなのでは?……と思わないわけではないけど、術を使った直後、蘭紗様自ら驚いた顔をしていたので、僕の力が役立ったことは確かなのだろう。
……ていうか、千里眼だなんて……
それって超能力すぎませんか!
僕の美形王様はほんとにすごくすごーくかっこよくて有能で、そしてファンタジーです!
実際に魔力の波動を体で感じて、ギン!と揺れた時は、あっけに取られた。
眩暈が起こったのかと勘違いして焦ったけど、揺れたのは僕ではなく空気と防御壁だった。
一瞬、雨も止まり無音になった。
あれほど激しい雨さえもストップモーションがかかったようになって、丸い雨粒が見えた。
映画の1シーンみたいだった。
……すごい……と、ぼんやりとそれに見惚れてしまった。
でもこれは行方不明者を探すためなんだから、気を引き締めないと……僕は唇をかみしめた。
そして、なんと千里眼で敵が侵入していることがわかったのだから、血の気が引いた。
「蘭紗様……敵がいるんですか?ということは……これは誘拐なんですか?」
「……ああ、そのようだ、薫、もう一度範囲を広めて他に隠れているかもしれない協力者をあぶり出すので、もう少し付き合ってくれ」
「はい」
蘭紗様はもう一度僕の左手をぐっと握りしめ、全身に力を漲らせた。
まばゆい光が蘭紗様を覆う、そしてもう一度空気が「ギィーン」と前よりも激しく揺れた。
そして今度は僕たちの更に上空から、空気の塊が落ちてきたみたいに「ドン!」と衝撃が来た。
何が起こっているのかまるで理解ができなくて、怖かったけれど、蘭紗様がいるのだから絶対に大丈夫って心で唱えて踏ん張った。
繋いだ蘭紗様の大きくて暖かい右手。
僕の左手からスーっと体のぬくもりみたいなものが蘭紗様に吸い取られるのを感じた。
それは不愉快ではなく、逆に気持ちがよくて……体の力が抜けていくようでもあり、空中にゆらゆらと漂うみたいな不思議な感覚を味わった。
「薫、ありがとう。大丈夫か?何か体に異常を感じないか? 異常事態なので千里眼と共に結界の強化も行った、衝撃があっただろう、すまなかったな」
心配そうに僕の顔を覗き込んでくる蘭紗様に「大丈夫」と答えて微笑んだ。
そして、僕は一旦空の門まで送ってもらった。
蘭紗様は僕に優しいキスを落として、さきほどはいなかったはずの黒装束の一群を連れ、すぐさま空へ飛んで行ってしまった。
それは文字通り「飛んでいく!」という表現がぴったりの速さだった。
えーっとあの黒装束の人たちは……もしかして喜紗さんたちに習った暗殺部隊の人たちなのでは……
忍者……っぽかった……
「薫様、侍女達がお世話しますので、お部屋でお休みください」
侍従長は静かに穏やかに僕に話しかけてくれたので、素直に頷いて自室に戻った。
今はもう、僕の役目は終わったらしい。
でも、不審者を取り締まりに行ったのだから、不安だ、蘭紗様のことが心配で仕方ない。
もちろん、話の発端となったらしいカジャルさんも心配だし、そして涼鱗王子も、近衛の皆のことも……
無事の知らせが来るまでは起きていないと、侍女にお茶をいれてもらったのだけど。
疲れからか、僕はつい寝てしまったらしい。
こんな時に一人だけのんびり寝るなんて、本当に情けないよね。
でもたぶん、僕なりに一生懸命だったんだ。
全部が初めてのことだったからね。
なんか色々と限界だったみたい。
環境も変わって、覚えることも考えることも多くて、更には大好きな人もできて。
そしてその人が一国の王様で……
ほんとに何もかも……夢みたいだね……
僕は事情がよくわからないまま、蘭紗様から補佐を頼まれた。
「千里眼を使う時に手を繋いでいてくれ」と頼んでくれたのだ。
僕がいると力が増すからと。
こうやって蘭紗様は僕が役に立ってると、必要だと、そう自覚させてくれる。
心の底から嬉しかった。
僕は彼のそんなところがとても好き。
傍にいると、僕はここにいてもいいんだって感じさせてくれるから。
2度目の空の旅はかなりの強い雨の中、緊張で押し潰されそうになりながら飛び立った。
捜索隊の顔にも余裕が無かった。
涼鱗王子も近衛部隊も。
……そういえば涼鱗王子は僕にも優しくしてくれて、とても良い人のようで安心した。
「お嫁様の研究」は彼のライフワークらしくて、王位継承権を返上してまで紗国にやって来た変わり者だと言うことだったけど(これは喜紗さんの言葉だよ!)
僕も彼の邪魔にならないように、お嫁様の研究を手伝いたいと考えている。
そして、2度目の僕の飛翔は「うまくコツが掴めている」と蘭紗様が褒めてくれて得意顔になれた。
でも、飛び上がる瞬間のタイミングが怖くて難しいのだ。
しばらくは手を引いてもらって一緒に飛び上がってもらわないと難しいと思う。
生身の体では空から落ちたら死に直結するし、恐怖感が半端ではない。
でも一旦飛び上がったらすいすいと上空に向かって飛んでいけるので、その第一歩の勇気さえなんとかなれば……とは思うけど、日本で育った僕にはなかなか難しそうだった。
こういう感覚は小さなころから慣れておくべきことなんだろうと感じる。
叩きつけるように降ってくる強い雨の中、城の上空はさらに風が強く、渦巻くように雨が襲ってきて、蘭紗様が張った防御壁を360度どの方角からも雨が激しく打ち鳴らしていた。
それに恐怖しながらも、固く握った蘭紗様の手を頼りに僕は必死に耐えた。
「手を握ってくれるだけで……」
と蘭紗様は言うけれど、一緒にいる意味は何なのだろう?
具体的に何か呪文みたいなことを唱えるわけでもなく、ほんとうに単なる付き添いみたいで、達成感はまるでなかった。
後から侍従長や侍女達、そして何よりも涼鱗王子や近衛の皆から「なんという素晴らしい魔力でしょう!」と興奮気味に絶賛されて僕の頬は赤くなった。
実際に千里眼を使ったのは蘭紗様だし、僕なんていなくても同じなのでは?……と思わないわけではないけど、術を使った直後、蘭紗様自ら驚いた顔をしていたので、僕の力が役立ったことは確かなのだろう。
……ていうか、千里眼だなんて……
それって超能力すぎませんか!
僕の美形王様はほんとにすごくすごーくかっこよくて有能で、そしてファンタジーです!
実際に魔力の波動を体で感じて、ギン!と揺れた時は、あっけに取られた。
眩暈が起こったのかと勘違いして焦ったけど、揺れたのは僕ではなく空気と防御壁だった。
一瞬、雨も止まり無音になった。
あれほど激しい雨さえもストップモーションがかかったようになって、丸い雨粒が見えた。
映画の1シーンみたいだった。
……すごい……と、ぼんやりとそれに見惚れてしまった。
でもこれは行方不明者を探すためなんだから、気を引き締めないと……僕は唇をかみしめた。
そして、なんと千里眼で敵が侵入していることがわかったのだから、血の気が引いた。
「蘭紗様……敵がいるんですか?ということは……これは誘拐なんですか?」
「……ああ、そのようだ、薫、もう一度範囲を広めて他に隠れているかもしれない協力者をあぶり出すので、もう少し付き合ってくれ」
「はい」
蘭紗様はもう一度僕の左手をぐっと握りしめ、全身に力を漲らせた。
まばゆい光が蘭紗様を覆う、そしてもう一度空気が「ギィーン」と前よりも激しく揺れた。
そして今度は僕たちの更に上空から、空気の塊が落ちてきたみたいに「ドン!」と衝撃が来た。
何が起こっているのかまるで理解ができなくて、怖かったけれど、蘭紗様がいるのだから絶対に大丈夫って心で唱えて踏ん張った。
繋いだ蘭紗様の大きくて暖かい右手。
僕の左手からスーっと体のぬくもりみたいなものが蘭紗様に吸い取られるのを感じた。
それは不愉快ではなく、逆に気持ちがよくて……体の力が抜けていくようでもあり、空中にゆらゆらと漂うみたいな不思議な感覚を味わった。
「薫、ありがとう。大丈夫か?何か体に異常を感じないか? 異常事態なので千里眼と共に結界の強化も行った、衝撃があっただろう、すまなかったな」
心配そうに僕の顔を覗き込んでくる蘭紗様に「大丈夫」と答えて微笑んだ。
そして、僕は一旦空の門まで送ってもらった。
蘭紗様は僕に優しいキスを落として、さきほどはいなかったはずの黒装束の一群を連れ、すぐさま空へ飛んで行ってしまった。
それは文字通り「飛んでいく!」という表現がぴったりの速さだった。
えーっとあの黒装束の人たちは……もしかして喜紗さんたちに習った暗殺部隊の人たちなのでは……
忍者……っぽかった……
「薫様、侍女達がお世話しますので、お部屋でお休みください」
侍従長は静かに穏やかに僕に話しかけてくれたので、素直に頷いて自室に戻った。
今はもう、僕の役目は終わったらしい。
でも、不審者を取り締まりに行ったのだから、不安だ、蘭紗様のことが心配で仕方ない。
もちろん、話の発端となったらしいカジャルさんも心配だし、そして涼鱗王子も、近衛の皆のことも……
無事の知らせが来るまでは起きていないと、侍女にお茶をいれてもらったのだけど。
疲れからか、僕はつい寝てしまったらしい。
こんな時に一人だけのんびり寝るなんて、本当に情けないよね。
でもたぶん、僕なりに一生懸命だったんだ。
全部が初めてのことだったからね。
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