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研究所にお勤めです! 2
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「ん。えと、それはもうたくさんですよ」
「なに!」
2人とも手を止め凝視してくる。
「んーと、ごめんなさい詳しい数は覚えてません。でも、日本の人口は1億人を超えていますから、歴史上で行方不明になった総数なんてそれはもう数えきれないかと」
カジャルさんはあきれたような顔でポカンとしているし、涼鱗王子は紅茶を冷やしすぎてすでにシャーベットになりつつある紅茶にまだ冷気を当てている。
「……言葉がないな、一億だと?」
「では、ニホンでは人の管理が無かったということ?」
「いえいえ、きちんと戸籍がありますよ。家族がいれば届を出すでしょうから国は行方不明者数を管理しているはずです。」
「信じられん、1億の戸籍を管理などと」
「しかし、あのような面妖な機械を使いこなす文化なのだ、それはもう緻密に管理されておるのだろうよ」
「なるほど、恐ろしいな」
僕は冷や汗が出そうだった。
僕はうまく説明できているのだろうか?
「つまりあれか、その一億人を治める政治を君の一族は担っていたというのか?」
「そ、そうですね、なんかそういわれると……やっぱり大変なことなのですね政治家とは」
僕は思わず下を向く。
自分があまりにも子供すぎて、簡単な質問にもうまく答えられない。
歯がゆさしか感じない。
カジャルさんは大きなため息をついた。
「まあ、薫様はまだ学生だったのだ、世の中の事すべてを理解できてようはずがない。そんなに落ち込まないでもいいんじゃないのか?俺だっていまだにわかんねえことばかりだ」
「ええ、ええ私もそうです、ここにいる3人はそういうことが苦手な3人ってことでいいじゃないの?まったく蘭紗の有能さがうらやましいねえ」
3人は顔を見合わせてぷっと噴き出した。
「ああ、聞きたかったことはね、そのニホンから来たお嫁様が薫だけだったのか、もしやこれまでにもこちらに渡ったニホンの者がいたのかを知りたかったのだよ、いるとすればあちらでは行方不明者となってるんじゃないかと思ってね」
「ああ、なるほど……それは僕も同じなんです。それを知りたくて、この世界に影響を及ぼした物を調べたかったんです」
「ほう」
「例えば、先日お話ししたカメラのようなものです、あれは僕らの世界では広く普及しているものですから。あちらにもあってこちらにもある……そういう物があとどれくらいあるのかな?って」
ふむふむと頷きながら、涼鱗王子はブツブツ言いながらスタスタと部屋を出て行った。
「ああ、あいつ何か閃くとああいう感じになるから、気にするな」
カジャルさんは涼鱗王子の行動を説明してくれた。
出された紅茶には砂糖を少し入れて、熱いまま飲んでいる。
「カジャルさん、幸せそうで良かったです」
「は?」
嫌そうな顔を上げて僕を見てもう一度紅茶を口に運んでいる。
「僕が来たことによって、随分変わってしまって、一番影響を受けたのはカジャルさんでしょうから」
カジャルさんは黙って僕の顔を見つめてきた。
睨むのではなく、まっすぐな瞳だ。
「……そう……かもな。まあ俺は、涼鱗と結婚が決まったし……」
「ええ!お、おめでとうございます!」
僕は目をキラキラさせた。
「あ、それからこれだけは伝えておくが、俺と蘭紗様に体の付き合いはないぞ。涼鱗も誤解していたが、伴侶とはあれだ、言うなれば『魔力の調整役』だ。まあ過去に恋仲になった王と伴侶もいただろうが、蘭紗様は俺のことは単なる幼馴染としてしか見ていないぞ、だから、あれだ。つまり……あれだよ……変に遠慮すんな、余計な心配もするな」
僕はポケッとしてカジャルさんを見つめた。
早口で言いたいことを言って、また作業に戻ってしまったけど。
ホントにこの人は、優しい人だ……
僕の気持ちを思ってくれたんだね。
「ああ、待たせたね、これを見て薫」
スタスタと戻ってきた涼鱗王子はノートを一冊持っていた。
「これはね、最初にここに来たときにお嫁様の年表を僕なりにまとめた物でね、ここに書いたことは、この国の者なら誰でも知ってることなんだ……とはいえまあ年号までは覚えていないだろうがね」
「わらべ歌があるんだよ」
涼鱗王子は小さなノートを僕のデスクにおいて、該当ページを開いた。
「これが歴史に残る12人のお嫁様の順番になる、この最後に君が来るね、薫。われら研究者にとって目の前にお嫁様がいるなんてほんとに幸いなことなんだよ」
「そのわれら研究者って、この3人だけじゃないか」
「まあそうだけどさ」
カジャルさんの突っ込みが入って僕は笑いながらそれを手に取った。
年号と名前と下にメモがあり、そのメモ部分がもたらした物のようだ。
「……これで言うと、8300年前の方が植物学ですか、あの植物園の知識はこの方なんですね」
「ああ、この人のおかげで作物の収穫量が安定したそうだよ」
「なるほど……あと、ああ、庭師!そうです、やけに日本庭園っぽいと思っていたんですよ」
「ではこの庭師であった者は、ニホン人である可能性が……」
涼鱗王子はちょこちょことメモを取る。
「ふむ、後は」
「この、桜という人も日本人っぽいですね、お菓子や料理ということは、料理人だったのか単なる趣味だったかわかりませんが、名前も桜はよくある女性の名前です」
「え?桜というのは女性名か?」
「はい、一般的には」
ふむふむと、その場で書き込む涼鱗王子を何気なく眺める、そしてまたノートに目を落とした。
「ロイドさんがカメラマンだったんですね。なるほど……で、この始祖ともいえる1万年前のお嫁様?は?王の名前も書いてありませんが」
カジャルさんが顔を上げた。
「ん。初代王はほとんどお伽噺だよ、神話のような、あれだな、実質二番目のお嫁様が最初なんじゃないのかな?」
「建国の父ともいえる王の名前は失われているのだ、どこでどうしてそうなったかは、もはやわからんのだ、なにせ1万年前だ」
そうだよね……
むしろ文献がある方がすごいよ……
「取りあえず、気になったお嫁様の文献から見ていくのはどうだい?その方が楽しいだろう?とにかく膨大な量でどこから手をつけるの?って状態でねえ」
「そうですよね」
僕はもう一度メモを見た。
「……桜さんかな」
「なるほど、では書庫に行こう、カジャルはどうする?」
「ああ、俺も行こう、行ったことないし」
僕たちは3人で書庫にいくことにした。
「なに!」
2人とも手を止め凝視してくる。
「んーと、ごめんなさい詳しい数は覚えてません。でも、日本の人口は1億人を超えていますから、歴史上で行方不明になった総数なんてそれはもう数えきれないかと」
カジャルさんはあきれたような顔でポカンとしているし、涼鱗王子は紅茶を冷やしすぎてすでにシャーベットになりつつある紅茶にまだ冷気を当てている。
「……言葉がないな、一億だと?」
「では、ニホンでは人の管理が無かったということ?」
「いえいえ、きちんと戸籍がありますよ。家族がいれば届を出すでしょうから国は行方不明者数を管理しているはずです。」
「信じられん、1億の戸籍を管理などと」
「しかし、あのような面妖な機械を使いこなす文化なのだ、それはもう緻密に管理されておるのだろうよ」
「なるほど、恐ろしいな」
僕は冷や汗が出そうだった。
僕はうまく説明できているのだろうか?
「つまりあれか、その一億人を治める政治を君の一族は担っていたというのか?」
「そ、そうですね、なんかそういわれると……やっぱり大変なことなのですね政治家とは」
僕は思わず下を向く。
自分があまりにも子供すぎて、簡単な質問にもうまく答えられない。
歯がゆさしか感じない。
カジャルさんは大きなため息をついた。
「まあ、薫様はまだ学生だったのだ、世の中の事すべてを理解できてようはずがない。そんなに落ち込まないでもいいんじゃないのか?俺だっていまだにわかんねえことばかりだ」
「ええ、ええ私もそうです、ここにいる3人はそういうことが苦手な3人ってことでいいじゃないの?まったく蘭紗の有能さがうらやましいねえ」
3人は顔を見合わせてぷっと噴き出した。
「ああ、聞きたかったことはね、そのニホンから来たお嫁様が薫だけだったのか、もしやこれまでにもこちらに渡ったニホンの者がいたのかを知りたかったのだよ、いるとすればあちらでは行方不明者となってるんじゃないかと思ってね」
「ああ、なるほど……それは僕も同じなんです。それを知りたくて、この世界に影響を及ぼした物を調べたかったんです」
「ほう」
「例えば、先日お話ししたカメラのようなものです、あれは僕らの世界では広く普及しているものですから。あちらにもあってこちらにもある……そういう物があとどれくらいあるのかな?って」
ふむふむと頷きながら、涼鱗王子はブツブツ言いながらスタスタと部屋を出て行った。
「ああ、あいつ何か閃くとああいう感じになるから、気にするな」
カジャルさんは涼鱗王子の行動を説明してくれた。
出された紅茶には砂糖を少し入れて、熱いまま飲んでいる。
「カジャルさん、幸せそうで良かったです」
「は?」
嫌そうな顔を上げて僕を見てもう一度紅茶を口に運んでいる。
「僕が来たことによって、随分変わってしまって、一番影響を受けたのはカジャルさんでしょうから」
カジャルさんは黙って僕の顔を見つめてきた。
睨むのではなく、まっすぐな瞳だ。
「……そう……かもな。まあ俺は、涼鱗と結婚が決まったし……」
「ええ!お、おめでとうございます!」
僕は目をキラキラさせた。
「あ、それからこれだけは伝えておくが、俺と蘭紗様に体の付き合いはないぞ。涼鱗も誤解していたが、伴侶とはあれだ、言うなれば『魔力の調整役』だ。まあ過去に恋仲になった王と伴侶もいただろうが、蘭紗様は俺のことは単なる幼馴染としてしか見ていないぞ、だから、あれだ。つまり……あれだよ……変に遠慮すんな、余計な心配もするな」
僕はポケッとしてカジャルさんを見つめた。
早口で言いたいことを言って、また作業に戻ってしまったけど。
ホントにこの人は、優しい人だ……
僕の気持ちを思ってくれたんだね。
「ああ、待たせたね、これを見て薫」
スタスタと戻ってきた涼鱗王子はノートを一冊持っていた。
「これはね、最初にここに来たときにお嫁様の年表を僕なりにまとめた物でね、ここに書いたことは、この国の者なら誰でも知ってることなんだ……とはいえまあ年号までは覚えていないだろうがね」
「わらべ歌があるんだよ」
涼鱗王子は小さなノートを僕のデスクにおいて、該当ページを開いた。
「これが歴史に残る12人のお嫁様の順番になる、この最後に君が来るね、薫。われら研究者にとって目の前にお嫁様がいるなんてほんとに幸いなことなんだよ」
「そのわれら研究者って、この3人だけじゃないか」
「まあそうだけどさ」
カジャルさんの突っ込みが入って僕は笑いながらそれを手に取った。
年号と名前と下にメモがあり、そのメモ部分がもたらした物のようだ。
「……これで言うと、8300年前の方が植物学ですか、あの植物園の知識はこの方なんですね」
「ああ、この人のおかげで作物の収穫量が安定したそうだよ」
「なるほど……あと、ああ、庭師!そうです、やけに日本庭園っぽいと思っていたんですよ」
「ではこの庭師であった者は、ニホン人である可能性が……」
涼鱗王子はちょこちょことメモを取る。
「ふむ、後は」
「この、桜という人も日本人っぽいですね、お菓子や料理ということは、料理人だったのか単なる趣味だったかわかりませんが、名前も桜はよくある女性の名前です」
「え?桜というのは女性名か?」
「はい、一般的には」
ふむふむと、その場で書き込む涼鱗王子を何気なく眺める、そしてまたノートに目を落とした。
「ロイドさんがカメラマンだったんですね。なるほど……で、この始祖ともいえる1万年前のお嫁様?は?王の名前も書いてありませんが」
カジャルさんが顔を上げた。
「ん。初代王はほとんどお伽噺だよ、神話のような、あれだな、実質二番目のお嫁様が最初なんじゃないのかな?」
「建国の父ともいえる王の名前は失われているのだ、どこでどうしてそうなったかは、もはやわからんのだ、なにせ1万年前だ」
そうだよね……
むしろ文献がある方がすごいよ……
「取りあえず、気になったお嫁様の文献から見ていくのはどうだい?その方が楽しいだろう?とにかく膨大な量でどこから手をつけるの?って状態でねえ」
「そうですよね」
僕はもう一度メモを見た。
「……桜さんかな」
「なるほど、では書庫に行こう、カジャルはどうする?」
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僕たちは3人で書庫にいくことにした。
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