狐の国のお嫁様 ~紗国の愛の物語~

真白 桐羽

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アオアイの町2 アーメ王子の邸宅

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 活気ある屋台の連なる道で、僕とカジャルさんは色んな店を冷やかした。
屋台は食べ物だけでなく、食材そのものを置いている店、衣装や雑貨を置いている店、骨董品を集めたお店もある。
靴ばかり並べている店もあるが、どう見ても全て中古で、値段も安いので子連れの母親が息子の足に当てているのを微笑ましく見た。

僕は侍女たちへのお土産として、可愛いかんざしの少しづつデザインと色の違うものをたくさん購入して、ラッピングをどうしようか悩んでいた。
日本のように頼めばそこでプレゼント用に包装してくれるという文化はないらしい。

んー……もしかして無いだけで需要はあるんじゃないのかな……帰国したら紗国で流行らせてみようかなあ……

「かんざしばかりどうするんだ?」

カジャルさんは僕の持つ布の袋を覗き見た。
この布の袋も何軒か前に入った雑貨屋で買ったものなのだが、今は買ったばかりのかんざしがざっくりと入っている。

「ん……侍女たちにお土産なんだよ、でも綺麗に包装してあげたいんだけど、なければリボンだけでも」
「リボンなら雑貨屋にあったんじゃ?……ああ、涼鱗にも良いリボンないかな」

カジャルさんはキョロキョロと装飾品が並ぶ店を探して、目当ての方に僕の手を引っ張って歩き出した。
その店の店主は年配のとてもきれいな人で、優しく微笑んで何をお探しでしょう?と声をかけてくれた。

「プレゼントに結ぶリボンと、男性の髪に飾るリボンを探しているんだが」

カジャルさんが一言いうと、店主は目隠しになっている紗のカーテンをめくって中へどうぞと招いてくれた。
一瞬躊躇したけど、カジャルさんが慣れた様子で入っていくので、僕もそれに続いた。

紗のカーテン一枚なのに、あるのとないのとでは大違いで驚く。
通りの喧騒が聞こえなくなったわけでもないのに、なんだか少し静かに思えるし、そして温度もひんやりしている。
それに何より驚いたのは、店内が思わぬ広さだったことだ。
外から見たら畳一畳分ぐらいの大きさしかなさそうだったのに、入ってみるときちんとディスプレイされた宝飾品の横にリボンのコーナーもあって、見て回る隙間もきちんと確保されている。

「ああ、そういやこの店、学生時代に蘭紗様もここで買い物したぞ……」
「そうなんですか?」
「ああ、ここで2人の姉君にリボンと装飾品を買い求めていたぞ」
「へえ……佐良紗様と久利紗様に」

僕は王族の食事会で初めて会った後は結婚式などであっただけで、個人的な話をしたわけでもなく、仲良くなれたと実感があったわけでもないのに、佐良紗様にはとても親しみを覚えている。
とにかく小さくて小学生女児にしか見えない姿なのに、威厳があふれ皆に傅かれている姿を見て、そして儀式の際の輝く姿を見て、勝手に大好きなお姉さま認定をしてしまっていた。

体が弱く引きこもっていらっしゃる久利紗様にはまだ一度もお会いしていないが……そうかお土産を贈るという手があったか……

「なるほど……では私も姉上たち2人に何か……」
「うむ、涼鱗に似合いそうなリボンが……」

カジャルさんは僕の話を聞いてなかった。
うん、カジャルさんまっすぐだからね!

「カジャルっ!」
「え?」

同時に振り返った僕たちが目にしたのは、小柄で細身というか……華奢で折れそうなほどスレンダーな少し褐色の少年だった。
鼻筋に一本の茶色の線が入っている。
耳はアーモンド型でその脇から枝分かれした立派な角があった。

「え……アーメ王子?!」
「カジャルもきていたんだね!ご結婚おめでとう!兄に聞いたよ」
「……ありがとうございます」

あの物怖じしないカジャルさんが押されていて僕は焦った。
しかもアーメ王子って……確か。

「ああ、そして……薫様ですねっ!はじめまして、アオアイ国の第10王子のアーメです」

やっぱり!
というか、想像以上に人懐っこい……
確か……アオアイの王族は鹿族なのだと聞いたけど……なるほど繊細な見かけに可愛らしい存在感だ。

「はじめまして、アーメ王子……こんなところでお会いするなんて」
「そうですよねえ」

アーメ王子はニコニコだ。

「このお店、実は私が主人なんですよ、物の仕入れも私がしているんですよ」
「えええええ!」

僕もカジャルさんも驚いて顔を見合わせる。

「そうなのか? 王族が経営するならもっと……本格的な店構えの……」

カジャルさんが慌てて店をキョロキョロしながら感想を漏らす。
確かにこのお店はおしゃれなディスプレイでこの界隈ではこぎれいではあるけれど、到底王族の持ち物とは思えない。
だってしっかりした建物ですらなくテントなんだから。

「なにいってんの……アオアイの醍醐味はこの庶民感覚でしょ?それに王族だからって偉ぶるなんて僕にはありえないよ」

アーメ王子はパチっとウインクして僕らに笑いかける。

「あのね、今日はプレゼントさせてもらうね、記念だから」

そう言ってアーメ王子は女店主にリボンを次々と渡して、1メートルずつ切り分け、その切った先に解れ止めの為に白銀の美しい留め金を飾らせている。

「この装飾なら王族でも普段つけていておかしくない見かけだよ、蘭紗にも涼鱗にも合ってると思うな……あ、薫様、侍女達へのお土産に結ぶリボンはこの巻のままお渡ししますので、ご自分で好きなように切って結んでくださいね」

アーメ王子はテキパキと指示して買い物をそろえると、僕が持っていた布袋も込みで後に控えていたお付きの者に迎賓館まで届けるよう言いつけた。

「ええ、そんな……重くもないし僕が持ちますから」
「いえいえ、実はね、この後僕の招きに応じてほしいもので……ふふ」
「え?」

僕は布袋を取られてあっけに取られて固まった。

「お招きって、アーメ王子……もう暗くなってる時間だぞ」
「何も正式な謁見でもあるまいし、旧友同士お宅訪問ぐらい普通にしていい時間だよ、まだまだ人の活動時間だよ?」

紗のカーテンの向こうは相変わらず人の行き交う姿が後を絶たない。

「えと、どうしたら……」

僕は思わず漏らしてしまった。
そしてカジャルさんを見つめると、少し困った顔だけど……ふうと溜息をついて、「まあ少しなら」と小さく答えた。

「わーいよかった!」

アーメ王子はお付きの者達に車の用意をお願いしている。
そして、大通りまでは一緒に歩きましょうと手を繋がれた。
かわいらしい小さな手でちょっと和んだ。
僕よりも背の低い王子は人懐っこく僕を見上げてくる。

「異世界から渡られたと聞いてね、私はずっとあなたと個人的にお話をしたかったんだ。あなたの好きなものは調べてあるから、美味しいケーキもちゃんとよういしてあるんだよ」

立派な角を揺らしてアーメ王子は屈託なく笑う。

ちょっと強引だけど、悪い人ではないようだ……
カジャルさんはちょっと心配そうに僕の横にぴたりと並んでいる。

大通りにすっと抜ける小道を出ると、こぎれいな馬車が一台待っていた。
僕とカジャルさんはアーメ王子にどうぞと促される。

「あの、アーメ王子……迎賓館に言伝を。僕とカジャルさんが王子のお宅に行くことをお伝え願いますか?」
「ええ、先ほどの荷物と一緒に、もう頼んでありますよ?」

先回りがすごいのである。
押しつけがましいと形容してもいいかもしれない……
有無を言わさない話し方なのに、なぜか反論できないのは、その笑顔のかわいさゆえなのか……

「馬車で移動っていっても、すぐそこなんですけどね……」
「お城でお住まいなのではないのですか?」
「私はね、10番目の息子だから……」

少し悲しそうに笑んでから、外を見つめて指をさした。
そちらを見るとこじんまりした……でもとても綺麗な邸宅が見える。

「ここは元々、母の実家のタウンハウスだったんだけどね、私が譲り受けてもう2年になるかな」
「では、卒業後すぐなのか?」

カジャルさんの質問に頷く。

「元々私は、政治なんかには興味がないし、そんな度胸も度量もないんだからって、卒業後すぐに臣下に下ることを選んだんだ。でも一応王子の身分のまま、好きにしていいよって父王も言ってくださるから、私はいくつかの商売をしているんだ」
「なるほど……さきほどの装飾屋さんもその一環で」
「そうです、世界から綺麗な質の良いものを集めるのはとても楽しいですよ、国をどうこうとか大きいことは興味がなくても、お店の経営は楽しいから」

そういってアーメ王子は笑う。

馬車が静かに止まり、扉が開けられた。
頭を下げたキリッとした騎士と和やかな笑みの老執事の出迎えで、馬車を降り邸宅に入る。
侍女達が紺色の丈の長いドレスに白いエプロンのメイド服姿で出迎えてくれる。

お!初めてみた……この世界でメイドさん!

「お食事はお済だから、リビングでゆったりお茶をお出ししたいな。お酒も用意してね」

アーメ王子はゆったりと要望を使用人に出し、僕たちを先導してこじんまりとしたステキな豪邸を歩き出す。

応接間という言葉がぴったりなリビングで座り心地の良いソファーに身を沈めると、置いてある調度品のセンスの良さに目を奪われる。

身軽な動きでひょいひょいと動いて自らケーキを取り分けてくれるアーメ王子は、僕とカジャルさんにそれぞれ違うデザインのお皿を用意して出してくれた。
紅茶をいれるカップも、豪華な棚から選び出し、自分で用意してくれる。

「2人のイメージに合わせたよ!これなんて……薫様の雰囲気にぴったりだ」

僕に出されたカップとお皿は黄色とオレンジの小花が散った可愛らしいデザインで、縁を彩る金彩がとても鮮やかだった。

「僕は小花のイメージでしょうか?」

首を傾げて聞いてしまう。
女の子じゃないの、これじゃ……

「うーん……あなたの後光が黄金色だから、それに、何といっても……柔らかで素直な感じ、それにこの小花が合うと思いました」
「……後光?ですって?」

カジャルさんは変顔をして僕を見つめた。

「ああ、そうだった……アーメ王子は人の魔力を後光という形で見れるんだった……」
「うん、役に立たない異能だね」

アーメ王子は自分用と思える青い唐草模様の繊細なティーカップを出してきた。
そこにお茶を運んできた侍女が入ってきて、給仕をしてくれる。
王子はお酒を用意させ、夜だし紅茶に少し香りづけにと少量垂らしてくれた。
ブランデーのような豊潤な香りが漂う。

「役に立たないだなんて……ステキじゃないですか」
「え、そう?そう言ってくれるのは薫様がはじめてかもしれないなあ」

嬉しそうに微笑んだ。

「で、なんで俺のカップはこの……」

カジャルさんのお皿とティーカップは黒地の美しい光沢のもので、縁の金彩のみのシンプルなものだ。
うん、なんとなく……分かる気がする。

「だって、カジャルは獅子の力のせいで力強い後光になってるんだよ、それに、素直で飾り気がないから、そのカップが似合うと思って」

僕はおかしくて笑ってしまった。
ああ、そうそう……飾り気がないのがカジャルさんのいいところなのだ。

「……そうか……褒められている気はしないけど、まあいいさ」
「それよりこのケーキ、お土産分もあるからね。絶対涼鱗好きだから持って帰ってね」

勧められたケーキは日本でよく見かけたショートケーキにそっくりな形だった。
白いスポンジケーキに白い生クリーム、上には苺……に似た果実。

「どうぞ召し上がれ」

僕はさっそく食べてみた。
本当に懐かしい柔らかな触感に甘い生クリーム、果実は甘酸っぱくてバランスがいい!

「ああ、懐かしい」
「懐かしい?」
「ええ、こういうケーキは僕の元いた国には一般的に売られていたので」
「……?」

王子は驚きながら僕を見つめる。
そして必死に手を差し出してくるのが見えた。
なぜかそれがとてもスローモーションに見える。

王子?と聞こうとして声が出ないことに気づいた。
隣のカジャルさんもスプーンを落としてガチャンという音を鳴らしている。
体から力が抜けていき、段々意識が遠くなって……
カジャルさんを心配して手を伸ばそうとするが、腕も動かない……

……あれ?

……あれ?

僕とカジャルさんは折り重なるようにして意識を手放した。


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