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ゆきやまとおとうさま1 翠紗視点
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おとうさま……
お城にはじめて来た日のよる、僕がどうしてこの世に生まれたのか、教えてもらったんだ。
僑先生は僕に、「おうさまをまもるためにあなたはここにいるのです」そう話してくれたの。
どうやって守るの?そう思った。
だって、僕はみんなのように体も大きくないし、ちからもないし。
だけど「れいじゅう」の「きりん」だって皆が僕を大事にしてくれるから、おとなになったらきっとおとうさまを守れる強い人になれるんだって、そう思っていたの。
でも、ようやくわかった。
僕、とつぜん感じたんだ、おとうさまが危ないって。
頭の中におとうさまの声が響いたの。
そしたら体が光りだして僕あっという間にここに来ていた。
これが「れいじゅう」の力なんだね。
おかあさまを残してきてしまったから、おとうさまを見つけたら早く帰らなきゃ。
でもここ、どこ?
びゅうびゅうと風が吹いていて、上からも横からも下からも雪が強い力で当たってきて体が痛くて寒くて震えた。
まだ夕方のはずなのにとっても暗い……
家畜小屋でひとりで過ごしていた頃を思い出した。
お城にいると、風も雪もこんな風に降ってくることはあんまりなくて、すっかり忘れていたけれど、いつもの冬はこんな感じだった。
「おとうさま」
僕はひっそりと声にだして呼んでみた。
もっと大きな声もだしてみようとも思ったけれど、きっと声はとどかない。
なんとなくそう感じた。
「あ!」
僕は必死に進もうとしたけれど、雪にずぼずぼ埋まってうまく進めない。
もがいて雪から出ようとするけれど、無理だ。
冷たくて痛い……でもこんな寒さよりももっと痛いのは、おとうさまの苦しみが自分のことのように感じられること。
おとうさまは今、この近くにいる。
それはわかっている。
心が重なっているみたいにおとうさまの事が感じられる。
どこ?ぼくのなまえを呼んで、おとうさま。
僕は雪に埋もれて動けないまま目を瞑って祈った。
かみさま、僕はおとうさまのためにここに来たのなら、どうか僕に力をください。
もう一度僕の体が光りだした。
急に体が熱くなって息が苦しくなった、背中の羽毛のところからさわさわと羽が伸びる気配がしてくる。
肩の鱗もぷつぷつと出てきて、そして……
そしてハッと気づくと「きりん」のすがたになって空に浮いていた。
僕はあわてて下を見たけど。
そんなに高くは浮いていない。
けど飛んでいる。
ああ、翼がちゃんとうごいている。
ぼくの翼はちゃんとはばたいて飛べるんだね、おとうさまとおかあさまに見せなくちゃ。
自分が埋まっていた小さな穴はもう見えない。
僕はひっしでおとうさまの気配をさぐってあちこち飛んだ。
「おとうさま!」
少し大きな声もだしてみた。
そして気づいたの。
僕がさっき埋もれていたところの下から……かすかにおとうさまの匂いがしている。
いそいで雪に降りて、また埋もれながら必死に前足で雪をかいた。
ラージ先生にならったように、前足から魔力もだしてみた。
そしたら雪がいっきにたくさん散った。
そして、きづいたんだ。
この……白い手は……?
はらいのけた雪のあいまから雪と同じ色の手が見えて、そしてその手は誰かの足をつかんでいた。
この足は……おとうさま!
僕はぞっとしてその手を足からはがそうと前足で踏み、口で噛んだ。
白い手は一瞬ビクッと動いてそのまま足を離した。
「おとうさま!」
白い手をそのままにして、おとうさまの足の先をそっと雪をかく、そっと……だけどいそいで……おとうさまおとうさま!
足が全部見えて、そして帯が見えて、そして、手が見えた。
おおきくて優しくて温かい大好きな手。
僕は急いでその先の顔のあたりをそっと雪をはらった。
見えたおとうさまの顔はみたことない白さで、目は閉じられて口が少し開いていた。
僕は鼻先をおとうさまの頬に擦り付けて匂いをかいだ。
大好きなおとうさま、目を覚まして!
必死にペロペロと顔をなめて、翼でおとうさまをくるんだ。
このままどこかへ、人のいるところへ。
僕はなんとか飛べないか考えた。
でも、その時にきづいたんだ。
足がつかまれている……
お城にはじめて来た日のよる、僕がどうしてこの世に生まれたのか、教えてもらったんだ。
僑先生は僕に、「おうさまをまもるためにあなたはここにいるのです」そう話してくれたの。
どうやって守るの?そう思った。
だって、僕はみんなのように体も大きくないし、ちからもないし。
だけど「れいじゅう」の「きりん」だって皆が僕を大事にしてくれるから、おとなになったらきっとおとうさまを守れる強い人になれるんだって、そう思っていたの。
でも、ようやくわかった。
僕、とつぜん感じたんだ、おとうさまが危ないって。
頭の中におとうさまの声が響いたの。
そしたら体が光りだして僕あっという間にここに来ていた。
これが「れいじゅう」の力なんだね。
おかあさまを残してきてしまったから、おとうさまを見つけたら早く帰らなきゃ。
でもここ、どこ?
びゅうびゅうと風が吹いていて、上からも横からも下からも雪が強い力で当たってきて体が痛くて寒くて震えた。
まだ夕方のはずなのにとっても暗い……
家畜小屋でひとりで過ごしていた頃を思い出した。
お城にいると、風も雪もこんな風に降ってくることはあんまりなくて、すっかり忘れていたけれど、いつもの冬はこんな感じだった。
「おとうさま」
僕はひっそりと声にだして呼んでみた。
もっと大きな声もだしてみようとも思ったけれど、きっと声はとどかない。
なんとなくそう感じた。
「あ!」
僕は必死に進もうとしたけれど、雪にずぼずぼ埋まってうまく進めない。
もがいて雪から出ようとするけれど、無理だ。
冷たくて痛い……でもこんな寒さよりももっと痛いのは、おとうさまの苦しみが自分のことのように感じられること。
おとうさまは今、この近くにいる。
それはわかっている。
心が重なっているみたいにおとうさまの事が感じられる。
どこ?ぼくのなまえを呼んで、おとうさま。
僕は雪に埋もれて動けないまま目を瞑って祈った。
かみさま、僕はおとうさまのためにここに来たのなら、どうか僕に力をください。
もう一度僕の体が光りだした。
急に体が熱くなって息が苦しくなった、背中の羽毛のところからさわさわと羽が伸びる気配がしてくる。
肩の鱗もぷつぷつと出てきて、そして……
そしてハッと気づくと「きりん」のすがたになって空に浮いていた。
僕はあわてて下を見たけど。
そんなに高くは浮いていない。
けど飛んでいる。
ああ、翼がちゃんとうごいている。
ぼくの翼はちゃんとはばたいて飛べるんだね、おとうさまとおかあさまに見せなくちゃ。
自分が埋まっていた小さな穴はもう見えない。
僕はひっしでおとうさまの気配をさぐってあちこち飛んだ。
「おとうさま!」
少し大きな声もだしてみた。
そして気づいたの。
僕がさっき埋もれていたところの下から……かすかにおとうさまの匂いがしている。
いそいで雪に降りて、また埋もれながら必死に前足で雪をかいた。
ラージ先生にならったように、前足から魔力もだしてみた。
そしたら雪がいっきにたくさん散った。
そして、きづいたんだ。
この……白い手は……?
はらいのけた雪のあいまから雪と同じ色の手が見えて、そしてその手は誰かの足をつかんでいた。
この足は……おとうさま!
僕はぞっとしてその手を足からはがそうと前足で踏み、口で噛んだ。
白い手は一瞬ビクッと動いてそのまま足を離した。
「おとうさま!」
白い手をそのままにして、おとうさまの足の先をそっと雪をかく、そっと……だけどいそいで……おとうさまおとうさま!
足が全部見えて、そして帯が見えて、そして、手が見えた。
おおきくて優しくて温かい大好きな手。
僕は急いでその先の顔のあたりをそっと雪をはらった。
見えたおとうさまの顔はみたことない白さで、目は閉じられて口が少し開いていた。
僕は鼻先をおとうさまの頬に擦り付けて匂いをかいだ。
大好きなおとうさま、目を覚まして!
必死にペロペロと顔をなめて、翼でおとうさまをくるんだ。
このままどこかへ、人のいるところへ。
僕はなんとか飛べないか考えた。
でも、その時にきづいたんだ。
足がつかまれている……
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