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お嫁様2
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琥珀色の美しく香り高いお茶はルカリストから送られて来たものだ。
サスラス王子はこの夏から領主様となり、王子ではなくなったが、その治める領地は有名な岩塩の産地で、しかもお茶作りも有名な場所だったようだ。
丁寧な挨拶文と共に大量の塩とこの茶葉が送られてきた。
僕はふと思い出し、ルカリストの自然が描かれた美しい陶器の茶筒を2人に見せた。
「これ、僕と蘭紗様のお友達から贈られたのですが、たくさんあるのでお姉さま達にもおすそ分けを……茶筒も美しいですし」
「まあ……それはありがとう。ではいただきましょう」
しっかりと葉も開いてよい香りも出ている、きっと気に入ってくださるとは思うけど。
「うむ!とても良い香りじゃ、それにおいしい」
「なるほど、これならば満足じゃ」
「では、お土産にどうぞ、あとで包ませますね」
僕も座り直し、お茶を一口飲んだ。
「輿入れの準備、手伝ってくれてありがとう」
久利紗様は静かに微笑んで、まっすぐに僕を見つめた。
「そなたには世話になってばかりじゃ」
「何をおっしゃるのです」
「妾は紗国に25年も住んでいたのに我が国のことも何も知らぬ……準備に何がいるのかさえわからぬまま、ついには花嫁衣装をそなたに選んでもらって」
「ふふふ……衣装を選ぶことについては、この姉には無理だからな」
「まあ、姉上……」
そうなのだ、花嫁衣装を作る際、僕はそこに同席して布を選ぶところから久利紗様と一緒に過ごしたのだ。
すっかりと仲良く打ち解けている衣装部の人たちに、自分の時の経験を踏まえて案を出したりもした。
「でも、基本は紗国の伝統的な花嫁衣装じゃないですか、僕の案も少しは反映されていますが」
「だが、いてくれてよかった。そなたは翠紗だけでなく、妾の母でもあるようじゃな」
「久利紗様!」
思わずケラケラと3人で笑った。
「以前から……紗国のお嫁様とはなんだろうと、妾はずっと考えておった」
「妾もじゃ、だがのう……近くにそなたがいて、どんどんと世の中が変わっていくのを実際に感じるておると、なんとなくじゃが……」
「……うむ、そうじゃな」
2人はお互いに顔を向き合って頷いた。
「お嫁様とは、あれじゃな。この世界をより良い世界に導くために、わざわざ違う世界に修行のように出されていた魂のような……そんな気がする」
「その魂が帰ってくる場所がたまたま紗国なのじゃ……そう思えるな」
「え?!」
「もともとそなたはこちらの世界の住人なのじゃ……見え方でわかる。妾は盲じゃ、魔力そのものしか見えん。黄金色に輝いて、そなたは清らかじゃ。その魂の磨かれ方は長年あちらで修行なさったからではないのかな……そして満を持して紗国に戻ってこられた」
佐良紗様はじっと僕の方を見つめるようにした。
……黄金色に輝く?……修行……
「薫様、あなたを妾は尊敬しておる、お戻りくださって本当に感謝しかない。これからもこの紗国、そしてこの世界をより良い方向へ導いてくだされ」
「……尊敬か……そうじゃな、妾もそうじゃ、そなたを尊敬しておるぞ」
「おふたりとも……やめてください……僕の方こそ、静かに凛としていらして、威厳のおありになるお二人を尊敬しております」
「フフ……ありがとう。妾は阿羅国へ嫁ぐが、嫁いだ先もまたお嫁様が成した国だと思えば、繋がりは深いわけじゃ。波成様だってお許しくださった。……なので、妾は無事、阿羅国の後継者を産んでみせよう。そなたに負けぬような優しい母になってみせようぞ」
「はい……久利紗様、楽しみです」
「うむ、妾も楽しみじゃ」
和やかなお茶会だった。
途中現れたクーちゃんやナナを囲んでわいわいと過ごしたこの時間を、僕は忘れないだろう。
クーちゃんを肩に乗せて笑顔の佐良紗様……
そして、ナナを膝においてゆっくりと撫でる久利紗様。
二人の姉妹は不幸な事故により引き離されていたけれど、今こうやってまた時が回り始めたんだね。
止まっていた時間を取り戻すように他愛もないことで笑い合って楽しんで……
二人の笑顔の輝きに、心から嬉しく思った。
サスラス王子はこの夏から領主様となり、王子ではなくなったが、その治める領地は有名な岩塩の産地で、しかもお茶作りも有名な場所だったようだ。
丁寧な挨拶文と共に大量の塩とこの茶葉が送られてきた。
僕はふと思い出し、ルカリストの自然が描かれた美しい陶器の茶筒を2人に見せた。
「これ、僕と蘭紗様のお友達から贈られたのですが、たくさんあるのでお姉さま達にもおすそ分けを……茶筒も美しいですし」
「まあ……それはありがとう。ではいただきましょう」
しっかりと葉も開いてよい香りも出ている、きっと気に入ってくださるとは思うけど。
「うむ!とても良い香りじゃ、それにおいしい」
「なるほど、これならば満足じゃ」
「では、お土産にどうぞ、あとで包ませますね」
僕も座り直し、お茶を一口飲んだ。
「輿入れの準備、手伝ってくれてありがとう」
久利紗様は静かに微笑んで、まっすぐに僕を見つめた。
「そなたには世話になってばかりじゃ」
「何をおっしゃるのです」
「妾は紗国に25年も住んでいたのに我が国のことも何も知らぬ……準備に何がいるのかさえわからぬまま、ついには花嫁衣装をそなたに選んでもらって」
「ふふふ……衣装を選ぶことについては、この姉には無理だからな」
「まあ、姉上……」
そうなのだ、花嫁衣装を作る際、僕はそこに同席して布を選ぶところから久利紗様と一緒に過ごしたのだ。
すっかりと仲良く打ち解けている衣装部の人たちに、自分の時の経験を踏まえて案を出したりもした。
「でも、基本は紗国の伝統的な花嫁衣装じゃないですか、僕の案も少しは反映されていますが」
「だが、いてくれてよかった。そなたは翠紗だけでなく、妾の母でもあるようじゃな」
「久利紗様!」
思わずケラケラと3人で笑った。
「以前から……紗国のお嫁様とはなんだろうと、妾はずっと考えておった」
「妾もじゃ、だがのう……近くにそなたがいて、どんどんと世の中が変わっていくのを実際に感じるておると、なんとなくじゃが……」
「……うむ、そうじゃな」
2人はお互いに顔を向き合って頷いた。
「お嫁様とは、あれじゃな。この世界をより良い世界に導くために、わざわざ違う世界に修行のように出されていた魂のような……そんな気がする」
「その魂が帰ってくる場所がたまたま紗国なのじゃ……そう思えるな」
「え?!」
「もともとそなたはこちらの世界の住人なのじゃ……見え方でわかる。妾は盲じゃ、魔力そのものしか見えん。黄金色に輝いて、そなたは清らかじゃ。その魂の磨かれ方は長年あちらで修行なさったからではないのかな……そして満を持して紗国に戻ってこられた」
佐良紗様はじっと僕の方を見つめるようにした。
……黄金色に輝く?……修行……
「薫様、あなたを妾は尊敬しておる、お戻りくださって本当に感謝しかない。これからもこの紗国、そしてこの世界をより良い方向へ導いてくだされ」
「……尊敬か……そうじゃな、妾もそうじゃ、そなたを尊敬しておるぞ」
「おふたりとも……やめてください……僕の方こそ、静かに凛としていらして、威厳のおありになるお二人を尊敬しております」
「フフ……ありがとう。妾は阿羅国へ嫁ぐが、嫁いだ先もまたお嫁様が成した国だと思えば、繋がりは深いわけじゃ。波成様だってお許しくださった。……なので、妾は無事、阿羅国の後継者を産んでみせよう。そなたに負けぬような優しい母になってみせようぞ」
「はい……久利紗様、楽しみです」
「うむ、妾も楽しみじゃ」
和やかなお茶会だった。
途中現れたクーちゃんやナナを囲んでわいわいと過ごしたこの時間を、僕は忘れないだろう。
クーちゃんを肩に乗せて笑顔の佐良紗様……
そして、ナナを膝においてゆっくりと撫でる久利紗様。
二人の姉妹は不幸な事故により引き離されていたけれど、今こうやってまた時が回り始めたんだね。
止まっていた時間を取り戻すように他愛もないことで笑い合って楽しんで……
二人の笑顔の輝きに、心から嬉しく思った。
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