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番外編
ある日の僕の冒険
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雪を踏みしめて、ひたすら歩いた。
踏みしめ歩くたびキュキュッと雪が泣く、降り続く雪は僕が踏んだこの足跡もすぐに跡形もなく消してしまうのかも……
顔を上げ、山を見上げた。
飛翔するには安定しない空気の流れ、僕のような軟弱者には無理な相談だ。
どうやってあれを越えれば良いのか……
フゥとため息をついて、腰にかけた水筒を取った。
一口飲んで、栓を閉めたところで、気配を感じ右手を見る。
「あ……」
「え……」
目があった……
そこにいたのは兎の耳の獣人、厚く膨れた毛皮のコートで全身を覆い、杖を持っていた。
「ねえ、どうしてこんなところにいるの?」
兎の獣人は首を傾げ、不思議そうに僕を見た。
僕も困って情けない笑顔を返した。
「えっとね、実は……あの山を越えて帰りたいと思ってね」
「一人で行くの?山に慣れているようには見えないけれど」
「そうなんだ……僕もよくわからないんだけど。気が付くとここにいたんだよね」
そうなのだ、僕は昨夜、いつも通り蘭紗様とベッドに入った……はずなのに。
気が付くとなぜか旅装束でこの雪野原にいて、呆然としたのだ。
これは夢?
そう思ったとたん、降ってきた雪の冷たさにブルっと震えた
違う……夢なんかじゃない……
僕はようやく、なんだか大変なことになってると認識したんだ。
「気が付くと……そうなんだ……」
兎の獣人は、ひょこひょこと歩き、僕のそばまで来た。
小さめな体でモフモフな白い耳、なんてかわいい!って触りたい気持ちを必死に抑えたよ!
だって、誰だって触りたくなるよね!
「あのさ、この山を越えるなんて、無理だよ?」
「無理って……どうして?雪の季節だからってこと?」
「それもあるけど……って君は一体なんの種?」
そう問われて口ごもった。
「ああ、えっと……」
視線を彷徨わせ、答えを考える。
「嘘なんてつかないでよ?」
うんざりしたような声が僕の耳に届き、そして観念した。
「僕は人間。獣人ではないんだ」
「え?」
理解できないように首を傾げた兎の獣人に、僕は説明を重ねた。
「えっとね、ただの人なんだ。耳はこれだし、あと尻尾もないし」
僕が見せた耳を真ん丸な目でじっと見て、ハァとため息をついた。
「なんだかよくわからないけど、とにかく……こっちに来て。一緒に里にいこう」
「でも……えっと僕、なるべく早く帰らないと大変なことになるっていうか……みんながね、えっとね」
「いいから、一緒に来て。君一人でこんなところにいたら死ぬよ?」
僕はあたりを見渡す、雪の降りはますます強くなっていき、景色はどんどん白くなっていく。
このままではやがて、四方八方が白一色になるのかもしれない……
『遭難』の文字が頭いっぱいに広がっていく……
「……ん」
僕は助けてくれるという兎の獣人についていくことに決めた。
「では、お世話になります」
ペコリを下げた頭を兎の獣人は撫でてくれた、背伸びして。
「いいから、じゃあ、行くよ」
僕はおとなしく彼の後についていく、というか、彼?でいいのかな?
どうでもいいことを考えながら、ぴょこぴょこ動く兎の耳を見つめて歩いた。
踏みしめ歩くたびキュキュッと雪が泣く、降り続く雪は僕が踏んだこの足跡もすぐに跡形もなく消してしまうのかも……
顔を上げ、山を見上げた。
飛翔するには安定しない空気の流れ、僕のような軟弱者には無理な相談だ。
どうやってあれを越えれば良いのか……
フゥとため息をついて、腰にかけた水筒を取った。
一口飲んで、栓を閉めたところで、気配を感じ右手を見る。
「あ……」
「え……」
目があった……
そこにいたのは兎の耳の獣人、厚く膨れた毛皮のコートで全身を覆い、杖を持っていた。
「ねえ、どうしてこんなところにいるの?」
兎の獣人は首を傾げ、不思議そうに僕を見た。
僕も困って情けない笑顔を返した。
「えっとね、実は……あの山を越えて帰りたいと思ってね」
「一人で行くの?山に慣れているようには見えないけれど」
「そうなんだ……僕もよくわからないんだけど。気が付くとここにいたんだよね」
そうなのだ、僕は昨夜、いつも通り蘭紗様とベッドに入った……はずなのに。
気が付くとなぜか旅装束でこの雪野原にいて、呆然としたのだ。
これは夢?
そう思ったとたん、降ってきた雪の冷たさにブルっと震えた
違う……夢なんかじゃない……
僕はようやく、なんだか大変なことになってると認識したんだ。
「気が付くと……そうなんだ……」
兎の獣人は、ひょこひょこと歩き、僕のそばまで来た。
小さめな体でモフモフな白い耳、なんてかわいい!って触りたい気持ちを必死に抑えたよ!
だって、誰だって触りたくなるよね!
「あのさ、この山を越えるなんて、無理だよ?」
「無理って……どうして?雪の季節だからってこと?」
「それもあるけど……って君は一体なんの種?」
そう問われて口ごもった。
「ああ、えっと……」
視線を彷徨わせ、答えを考える。
「嘘なんてつかないでよ?」
うんざりしたような声が僕の耳に届き、そして観念した。
「僕は人間。獣人ではないんだ」
「え?」
理解できないように首を傾げた兎の獣人に、僕は説明を重ねた。
「えっとね、ただの人なんだ。耳はこれだし、あと尻尾もないし」
僕が見せた耳を真ん丸な目でじっと見て、ハァとため息をついた。
「なんだかよくわからないけど、とにかく……こっちに来て。一緒に里にいこう」
「でも……えっと僕、なるべく早く帰らないと大変なことになるっていうか……みんながね、えっとね」
「いいから、一緒に来て。君一人でこんなところにいたら死ぬよ?」
僕はあたりを見渡す、雪の降りはますます強くなっていき、景色はどんどん白くなっていく。
このままではやがて、四方八方が白一色になるのかもしれない……
『遭難』の文字が頭いっぱいに広がっていく……
「……ん」
僕は助けてくれるという兎の獣人についていくことに決めた。
「では、お世話になります」
ペコリを下げた頭を兎の獣人は撫でてくれた、背伸びして。
「いいから、じゃあ、行くよ」
僕はおとなしく彼の後についていく、というか、彼?でいいのかな?
どうでもいいことを考えながら、ぴょこぴょこ動く兎の耳を見つめて歩いた。
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