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番外編
ある日の僕の冒険4
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その時、庭に植えられていた小鳥が飛び立った。
パサリと葉の揺れる音が僕の耳に届いて、ハッとする。
「……えっと……」
僕の驚く様子にユベンさんは申し訳なさそうに言葉を重ねた。
「エルフの里には、長い間、眠っている巫女姫がおられます」
「眠っている巫女姫?」
僕はオウム返しに聞くことしかできない。
「もうどれくらいの長さお眠りなのか、我々もわからないのです、ですが、記録が確かならば4000年以上となります」
「4000年ですって??」
僕は面食らって目を見開いた、それと同時に、エルフの寿命が気になる。
「その……エルフの皆さんって、誰もがそのくらいの長寿なのですか?」
「ああ、エルフの寿命は、あってないようなものです。ケガをしたり病でなければ、1000年2000年と年を重ねても静かに生きてはいけますね。しかし、ある程度生きると皆体力は落ちますし、病にもなります。つまり、永遠の命ではありません」
「なるほど……ちなみに、ユベンさんはおいくつなのですか?……あ、えっと、すみません聞いてはいけないことでしたか?」
つい聞いてしまった後で慌てた僕、デリカシーが無さ過ぎたかも……
でも、心配いらないと微笑んだユベンさんは答えてくれた。
「私はもうすぐ680歳になります、エルフの長は世襲ではありません、その時代に合った者が選ばれます。任期はおよそ500歳から1000歳くらいまで。1000歳を過ぎたあたりで次の候補者を自ら使命するのですよ」
「そうなんですか……エルフと人とは、寿命に関してはかなり違いますね」
ユベンさんは深く頷いた。
「ええ、仮にエルフが人と交わっても、親友や愛する人が亡くなるのをただ見ているしかない。それに耐えられずに自死するものもおります、寿命の年月が違いすぎる者同士が一緒に生きるのは本当に難しいことです」
「そうですね、それが例え100年くらいであっても、愛する者が去ったあと一人で過ごすその年月は辛いものでしょうね、しかもそれが1000年単位にもなると……」
僕の脳裏に、涼鱗さんとカジャルさんが浮かんだ、涼鱗さんを残して逝くのが怖いと実験的な術で寿命を延ばしたカジャルさん。
「ですから我々は、積極的には人と関わりません。この里に入る者も、エルフの他には、妖精、精霊、魔物です」
「魔物?!」
「ああ、驚かないでくださいね、魔物といえども獣とは違って知性も秩序もあり、意外にも信用に値する者もいるのですよ」
ユベンさんは眉を下げて微笑んだ、本当に優しい笑顔。
「そうなのですね……あの、実は紗国に一人、エルフと紗国人の混血の方がいるのです、その方は学び舎で教師をしていらして」
「え?」
ユベンさんは意外にも驚いて、そしてしばし黙ってしまった。
「その者の名はなんといいますか?」
「はい、ラージ先生とおっしゃいます……が、すみません、そのラージが姓なのか名なのかわかりません……あぁどっちだろう!」
慌てる僕の手を握りしめ、ユベンさんは言った。
「その、ラージなる者に、会わせてはいただけませんか?」
「はい、もちろんですよ、僕と一緒に紗国に来ていただけますか?」
「ありがたいことです」
ユベンさんは、紅茶のおかわりを僕のカップにいれてくれた。
とても美しい琥珀色のお茶は、心を落ち着かせるよい香りだった。
「そして、眠り姫なのですがね」
「ああ、はい、そうでした、その方が僕をここに連れて来たというのは、どういう意味なのですか?」
「眠ってはおられるのですが、体は眠ったままなのに時折意識だけが目覚め、そして興味あるものをここに呼ぶのです……以前は龍が突然里に現れたりもしましてね」
「ええ、おもしろい!」
僕は思わず笑ってしまった。
「紗国には今、龍族の王が遊学にいらしてるのですよ。龍としてはまだ幼体だそうで、蘭紗様とは学友としてアオアイ学園で学ばれた仲なのです」
「なんと……紗国とは、はかり知れぬ国ですな」
ユベンさんは顎に手をやりしばし物思いに耽った。
「眠り巫女姫のことは、実は我々にも詳しくはわかっていないのです。ですが、なにかしらあなたに感じるものがあってここにお呼びしたに違いありません。すぐにあなたを紗国にお送りするのは容易いことですが、その前に一度、眠り巫女姫に謁見してはいただけませんか?」
「ええ、もちろんですよ!」
僕は笑顔でユベンさんに頷いた。
パサリと葉の揺れる音が僕の耳に届いて、ハッとする。
「……えっと……」
僕の驚く様子にユベンさんは申し訳なさそうに言葉を重ねた。
「エルフの里には、長い間、眠っている巫女姫がおられます」
「眠っている巫女姫?」
僕はオウム返しに聞くことしかできない。
「もうどれくらいの長さお眠りなのか、我々もわからないのです、ですが、記録が確かならば4000年以上となります」
「4000年ですって??」
僕は面食らって目を見開いた、それと同時に、エルフの寿命が気になる。
「その……エルフの皆さんって、誰もがそのくらいの長寿なのですか?」
「ああ、エルフの寿命は、あってないようなものです。ケガをしたり病でなければ、1000年2000年と年を重ねても静かに生きてはいけますね。しかし、ある程度生きると皆体力は落ちますし、病にもなります。つまり、永遠の命ではありません」
「なるほど……ちなみに、ユベンさんはおいくつなのですか?……あ、えっと、すみません聞いてはいけないことでしたか?」
つい聞いてしまった後で慌てた僕、デリカシーが無さ過ぎたかも……
でも、心配いらないと微笑んだユベンさんは答えてくれた。
「私はもうすぐ680歳になります、エルフの長は世襲ではありません、その時代に合った者が選ばれます。任期はおよそ500歳から1000歳くらいまで。1000歳を過ぎたあたりで次の候補者を自ら使命するのですよ」
「そうなんですか……エルフと人とは、寿命に関してはかなり違いますね」
ユベンさんは深く頷いた。
「ええ、仮にエルフが人と交わっても、親友や愛する人が亡くなるのをただ見ているしかない。それに耐えられずに自死するものもおります、寿命の年月が違いすぎる者同士が一緒に生きるのは本当に難しいことです」
「そうですね、それが例え100年くらいであっても、愛する者が去ったあと一人で過ごすその年月は辛いものでしょうね、しかもそれが1000年単位にもなると……」
僕の脳裏に、涼鱗さんとカジャルさんが浮かんだ、涼鱗さんを残して逝くのが怖いと実験的な術で寿命を延ばしたカジャルさん。
「ですから我々は、積極的には人と関わりません。この里に入る者も、エルフの他には、妖精、精霊、魔物です」
「魔物?!」
「ああ、驚かないでくださいね、魔物といえども獣とは違って知性も秩序もあり、意外にも信用に値する者もいるのですよ」
ユベンさんは眉を下げて微笑んだ、本当に優しい笑顔。
「そうなのですね……あの、実は紗国に一人、エルフと紗国人の混血の方がいるのです、その方は学び舎で教師をしていらして」
「え?」
ユベンさんは意外にも驚いて、そしてしばし黙ってしまった。
「その者の名はなんといいますか?」
「はい、ラージ先生とおっしゃいます……が、すみません、そのラージが姓なのか名なのかわかりません……あぁどっちだろう!」
慌てる僕の手を握りしめ、ユベンさんは言った。
「その、ラージなる者に、会わせてはいただけませんか?」
「はい、もちろんですよ、僕と一緒に紗国に来ていただけますか?」
「ありがたいことです」
ユベンさんは、紅茶のおかわりを僕のカップにいれてくれた。
とても美しい琥珀色のお茶は、心を落ち着かせるよい香りだった。
「そして、眠り姫なのですがね」
「ああ、はい、そうでした、その方が僕をここに連れて来たというのは、どういう意味なのですか?」
「眠ってはおられるのですが、体は眠ったままなのに時折意識だけが目覚め、そして興味あるものをここに呼ぶのです……以前は龍が突然里に現れたりもしましてね」
「ええ、おもしろい!」
僕は思わず笑ってしまった。
「紗国には今、龍族の王が遊学にいらしてるのですよ。龍としてはまだ幼体だそうで、蘭紗様とは学友としてアオアイ学園で学ばれた仲なのです」
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「ええ、もちろんですよ!」
僕は笑顔でユベンさんに頷いた。
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