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70話 ~協力~
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すぐに魔力を吸い取ると思いきや、彼女はニコッと笑った後、
「ありがとうございます。実は……わたくし、魔力をこめた糸を作っておりまして。そこに少々、注入して頂きたくて」
と言って、なぜか練習場に置かれていたデカいツボのうち、ひとつのフタをずらしてみせた。
彼女の後に続いてそのツボをのぞき込むと、透明な液体の中に、まるでヘビがもつれあっているかのごとく、大量の白い糸が沈んでいる。
(うっ……ちょっと虫っぽくも見える……)
ヒュッと身をのけぞらせた後、こわごわと尋ねた。
「えっと……これはいったい、なにに使うんですか?」
「魔導士のローブや、帽子、手袋などを作るのに利用するんですよ。今までは、わたくしの魔力を注いだり、魔石を利用してきましたが……あなたほどの魔力を込めたら、いったいどれほどのものができるのが……非常に、興味がわきまして」
そう言って、店主はニヤッと笑った。
うーん、なるほど。杖をもらった上、いろいろ教えてもらっているので、強力するのはやぶさかじゃない。
「えっと……テルペロン様。私の魔力、何度かお渡ししたことあったと思うんですけど……あれ、どうやったらいいんですかね?」
『ふむ。せっかく杖を授かったことじゃし、それを媒体にして、注げばいいじゃろ』
テルペロン鳥は、にべもなく言った。
杖を媒体にして、注ぐ。注ぐ?
「そ、それ、どうやったらいいんですかねぇ……?」
『今、いろいろ教わったところじゃろうが! 想像じゃ、想像。お主の体から杖を伝って、そのままツボの中に、魔力が注がれるよう想像するんじゃ』
テルペロン鳥は、バサバサと羽を揺らしつつ、ツボに向かってクチバシを向けた。
(想像……想像、かぁ)
以前、テルペロン鳥から言われたこと。
そして、今回グランチェスタから指導された内容で一番強調されたのは、想像力だ。
自らの魔力を、いかに現実へと転化できるか。
この世界に生まれた人間には、当たり前のようにできるそれが、異世界人である私には、かなり難しい。
でも、難しいからできない、なんて言ってられるような境遇じゃない。
「……よし!!」
杖の持ち手をグッと握りしめ、頷く。
まだ、杖を使って魔法を発現させるのはうまくいかないが、魔力を注ぐくらいならできるだろう。
「いきます……!!」
気合いを入れて、いざ、ツボに向かって杖を構えた。
静かに心を落ち着けて、全身の魔力を、中の液体に向かって注ぎ込むイメージを浮かべる。
ゆっくり、そして、慎重に。
けっして注ぎ過ぎず、ポトン、としずくを落とすような感覚で――。
ボフンッ
モクモクモク。
目の前のツボから、灰色の煙が立ち上った。
「わっわぁぁあ!? ご、ごめんなさいっ!!」
ツボの中の液体は、なんとも不可思議な色合いに変わってしまっている。
七色、といえば聞こえはいいが、川に浮かんだ油のような、テカリを帯びた虹色なのだ。
シュウシュウとわき立つ煙は臭いこそしないものの、明らかに『失敗』の雰囲気を醸し出している。
「いえ……お気になさらず。ある程度は、こうなるだろうと予測しておりましたので」
と、グランチェスタは怒ることもなく、フムフムと頷いた。
「しかし、今までより魔力の扱いはうまくできていた……と、思いますよ。あなたの魔力が膨大すぎるのと、その杖の伝導性の良さが合わさった結果でしょうね」
『うむ。見ていた感じとしては、悪くはなかったぞ』
思わぬなぐさめを二人からもらってしまい、妙な罪悪感にうぐぐぐと呻く。
「が、がんばります……」
「ええ、応援しておりますよ……と、だいぶお時間を頂きましたが、そういえばご都合は大丈夫ですか?」
と、彼女は時間を気にするように窓の外を眺めた。
高かった日が、いつの間にやらすっかり傾いている。
「い、いえ、私は大丈夫ですが……そういえば、お店は平気ですか!? 付きっ切りで指導してもらっちゃって……!」
「ああ、それは問題ありませんよ……わたくしの分身が、キチンと接客しておりますので」
グランチェスタはサッと杖を振って、となりに彼女そっくりの人間を作り上げた。
顔つき、服装、手足の長さ。すべて同じだ。
ニッコリと笑うタイミングまで、キッチリそろっている。
「わ、わあ……す、すごい」
「まあ、話して動きはするものの、定型のことだけする人形のようなものですね……時間が経つと消えますし」
もう一度サッと杖を振って分身を消すと、彼女はフフッと笑みを浮かべた。
「それにしても、こんなに人と会話を交わすのは久しぶりです……楽しい時間でした」
「こ、こちらこそ……本当に、いろいろよくしてくださって……ありがとうございました」
結局、最初から最後まで、いっさい金銭を受け取ってもらえなかった。
できたことといえば、ちょっと魔力を注いだくらい。それだって、もらった恩に比べれば安いと言わざるを得ないほどだ。
「ああそうだ。あと、こちらをよろしければ」
「えっと……これは?」
そろそろお暇を、というタイミングで、折りたたまれた布が手渡された。
「その衣装では、どうにも目立つでしょう? ……ローブです。魔力の糸で編まれているので、あなたにもきっと着ることができますよ」
「なっ……なんと、ありがたい……!!」
スッと広げてみると、いたってシンプルな灰色のローブだった。
この世界にやってきて、一番まともな、洋服。
「ぐ、グランチェスタさん、ほんっとうにありがとうございます……!!」
「え、ちょ、か、顔を上げてください……というか、立ってください……!」
思わずその場で土下座のごとく平服して頭を下げると、グランチェスタはドン引いた。感謝を表し過ぎたようだ。
「ま、またこの町に来た時、ゼッタイに寄らせていただきますので……!! その時はちゃんとお金もお支払いしますから……!!」
「ええ……またあなたとお会いできるのを、楽しみにしておりますよ」
ニコリと笑うグランチェスタに深々とお辞儀(土下座は控えた)をして、店を後にする。
「ありがとうございます。実は……わたくし、魔力をこめた糸を作っておりまして。そこに少々、注入して頂きたくて」
と言って、なぜか練習場に置かれていたデカいツボのうち、ひとつのフタをずらしてみせた。
彼女の後に続いてそのツボをのぞき込むと、透明な液体の中に、まるでヘビがもつれあっているかのごとく、大量の白い糸が沈んでいる。
(うっ……ちょっと虫っぽくも見える……)
ヒュッと身をのけぞらせた後、こわごわと尋ねた。
「えっと……これはいったい、なにに使うんですか?」
「魔導士のローブや、帽子、手袋などを作るのに利用するんですよ。今までは、わたくしの魔力を注いだり、魔石を利用してきましたが……あなたほどの魔力を込めたら、いったいどれほどのものができるのが……非常に、興味がわきまして」
そう言って、店主はニヤッと笑った。
うーん、なるほど。杖をもらった上、いろいろ教えてもらっているので、強力するのはやぶさかじゃない。
「えっと……テルペロン様。私の魔力、何度かお渡ししたことあったと思うんですけど……あれ、どうやったらいいんですかね?」
『ふむ。せっかく杖を授かったことじゃし、それを媒体にして、注げばいいじゃろ』
テルペロン鳥は、にべもなく言った。
杖を媒体にして、注ぐ。注ぐ?
「そ、それ、どうやったらいいんですかねぇ……?」
『今、いろいろ教わったところじゃろうが! 想像じゃ、想像。お主の体から杖を伝って、そのままツボの中に、魔力が注がれるよう想像するんじゃ』
テルペロン鳥は、バサバサと羽を揺らしつつ、ツボに向かってクチバシを向けた。
(想像……想像、かぁ)
以前、テルペロン鳥から言われたこと。
そして、今回グランチェスタから指導された内容で一番強調されたのは、想像力だ。
自らの魔力を、いかに現実へと転化できるか。
この世界に生まれた人間には、当たり前のようにできるそれが、異世界人である私には、かなり難しい。
でも、難しいからできない、なんて言ってられるような境遇じゃない。
「……よし!!」
杖の持ち手をグッと握りしめ、頷く。
まだ、杖を使って魔法を発現させるのはうまくいかないが、魔力を注ぐくらいならできるだろう。
「いきます……!!」
気合いを入れて、いざ、ツボに向かって杖を構えた。
静かに心を落ち着けて、全身の魔力を、中の液体に向かって注ぎ込むイメージを浮かべる。
ゆっくり、そして、慎重に。
けっして注ぎ過ぎず、ポトン、としずくを落とすような感覚で――。
ボフンッ
モクモクモク。
目の前のツボから、灰色の煙が立ち上った。
「わっわぁぁあ!? ご、ごめんなさいっ!!」
ツボの中の液体は、なんとも不可思議な色合いに変わってしまっている。
七色、といえば聞こえはいいが、川に浮かんだ油のような、テカリを帯びた虹色なのだ。
シュウシュウとわき立つ煙は臭いこそしないものの、明らかに『失敗』の雰囲気を醸し出している。
「いえ……お気になさらず。ある程度は、こうなるだろうと予測しておりましたので」
と、グランチェスタは怒ることもなく、フムフムと頷いた。
「しかし、今までより魔力の扱いはうまくできていた……と、思いますよ。あなたの魔力が膨大すぎるのと、その杖の伝導性の良さが合わさった結果でしょうね」
『うむ。見ていた感じとしては、悪くはなかったぞ』
思わぬなぐさめを二人からもらってしまい、妙な罪悪感にうぐぐぐと呻く。
「が、がんばります……」
「ええ、応援しておりますよ……と、だいぶお時間を頂きましたが、そういえばご都合は大丈夫ですか?」
と、彼女は時間を気にするように窓の外を眺めた。
高かった日が、いつの間にやらすっかり傾いている。
「い、いえ、私は大丈夫ですが……そういえば、お店は平気ですか!? 付きっ切りで指導してもらっちゃって……!」
「ああ、それは問題ありませんよ……わたくしの分身が、キチンと接客しておりますので」
グランチェスタはサッと杖を振って、となりに彼女そっくりの人間を作り上げた。
顔つき、服装、手足の長さ。すべて同じだ。
ニッコリと笑うタイミングまで、キッチリそろっている。
「わ、わあ……す、すごい」
「まあ、話して動きはするものの、定型のことだけする人形のようなものですね……時間が経つと消えますし」
もう一度サッと杖を振って分身を消すと、彼女はフフッと笑みを浮かべた。
「それにしても、こんなに人と会話を交わすのは久しぶりです……楽しい時間でした」
「こ、こちらこそ……本当に、いろいろよくしてくださって……ありがとうございました」
結局、最初から最後まで、いっさい金銭を受け取ってもらえなかった。
できたことといえば、ちょっと魔力を注いだくらい。それだって、もらった恩に比べれば安いと言わざるを得ないほどだ。
「ああそうだ。あと、こちらをよろしければ」
「えっと……これは?」
そろそろお暇を、というタイミングで、折りたたまれた布が手渡された。
「その衣装では、どうにも目立つでしょう? ……ローブです。魔力の糸で編まれているので、あなたにもきっと着ることができますよ」
「なっ……なんと、ありがたい……!!」
スッと広げてみると、いたってシンプルな灰色のローブだった。
この世界にやってきて、一番まともな、洋服。
「ぐ、グランチェスタさん、ほんっとうにありがとうございます……!!」
「え、ちょ、か、顔を上げてください……というか、立ってください……!」
思わずその場で土下座のごとく平服して頭を下げると、グランチェスタはドン引いた。感謝を表し過ぎたようだ。
「ま、またこの町に来た時、ゼッタイに寄らせていただきますので……!! その時はちゃんとお金もお支払いしますから……!!」
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