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2話
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「よお、姉ちゃん。
見ない顔だな。
この街のいい所を案内してやるよ。
まあ、こっちに来なよ」
舐められています。
私の事を、流れの売春婦だと思っているのかもしれません。
これもカスターの根性悪のせいです。
父上と母上は、私にまとまったお金を渡してくれようとしたのですが、カスターに全部取り上げてしまいました。
まあ、母上が上手く隠して渡してくれた分がありますが、それは簡単に使うわけにもいきません。
いつ自力で生きていけるだけのお金を稼げるようになるか分かりませんから。
それに、この男達の目つきが気になります。
私の事を知っているような雰囲気があります。
「嫌です。
私はそのような女ではありません。
遊びたいのなら、そういう商売の方を誘って下さい」
「なんだと、この女郎が!
四の五の言わないでこっちにきやがれ!」
最初から私を殺す気だったようです。
眼を見れば分かります。
カスターの差し金か、それとも王太子がやらせたのか、もしかしたら聖女イボンヌとゾロア神殿の陰謀ということも考えられます。
私の口を出来るだけ早く封じたいのでしょう。
「止めな!
女に手を出すなんて、男のやることじゃあない。
これ以上やるのなら、俺も黙ってはいないぞ」
助けが入りました。
正直ちょっと期待していたんですが、期待通り助けに入ってくれました。
騎士の装備をしていますから、よほど見掛け倒しでない限り、言いがかりをつけてきた三下ならず者に負けたりはしないでしょう。
「ああ?!
一介の騎士ごときが粋がってるんじゃねえよ!
俺達はゾロア神殿からこの街の警備を任せられているんだ。
俺達に逆らうという事は、ゾロア神殿を敵に回す事になるんだぞ。
そんな事になったら、お前だけでなく、主家もただじゃ済まんぞ。
とっとと尻尾を巻いて消えな!」
「「「「「わっはははあは!」」」」」
なるほど。
今回の黒幕はゾロア神殿、いえ、聖女イボンヌですか。
だとすると、今までの全ての陰謀は、ゾロア神殿と聖女イボンヌが考えた事なのでしょうね。
グッワッチャ。
騎士様が問答無用で三下ならず者を槍でぶちのめされました。
見るも無残な状態で、頭部が粉砕破裂しています。
正直なぜ平気で見ていられるのか分かりません。
「残念だったな。
俺は主家に仕える騎士じゃあない。
だから主家に迷惑はかからん。
それに、そもそも正義を成す事を邪魔するような家には仕えん!
悪には問答無用で正義の鉄槌を下す。
分かったか?
お前達のような屑を手先に使う、邪悪で堕落したゾロア神殿に滅ぼすのだよ!」
凄いです。
誇りを持った本当に騎士です。
強大なゾロア神殿の名を聞いても、怯むことも躊躇する事もありません。
このような騎士に初めてお会いました。
この騎士様なら信じていいのかもしれません。
見ない顔だな。
この街のいい所を案内してやるよ。
まあ、こっちに来なよ」
舐められています。
私の事を、流れの売春婦だと思っているのかもしれません。
これもカスターの根性悪のせいです。
父上と母上は、私にまとまったお金を渡してくれようとしたのですが、カスターに全部取り上げてしまいました。
まあ、母上が上手く隠して渡してくれた分がありますが、それは簡単に使うわけにもいきません。
いつ自力で生きていけるだけのお金を稼げるようになるか分かりませんから。
それに、この男達の目つきが気になります。
私の事を知っているような雰囲気があります。
「嫌です。
私はそのような女ではありません。
遊びたいのなら、そういう商売の方を誘って下さい」
「なんだと、この女郎が!
四の五の言わないでこっちにきやがれ!」
最初から私を殺す気だったようです。
眼を見れば分かります。
カスターの差し金か、それとも王太子がやらせたのか、もしかしたら聖女イボンヌとゾロア神殿の陰謀ということも考えられます。
私の口を出来るだけ早く封じたいのでしょう。
「止めな!
女に手を出すなんて、男のやることじゃあない。
これ以上やるのなら、俺も黙ってはいないぞ」
助けが入りました。
正直ちょっと期待していたんですが、期待通り助けに入ってくれました。
騎士の装備をしていますから、よほど見掛け倒しでない限り、言いがかりをつけてきた三下ならず者に負けたりはしないでしょう。
「ああ?!
一介の騎士ごときが粋がってるんじゃねえよ!
俺達はゾロア神殿からこの街の警備を任せられているんだ。
俺達に逆らうという事は、ゾロア神殿を敵に回す事になるんだぞ。
そんな事になったら、お前だけでなく、主家もただじゃ済まんぞ。
とっとと尻尾を巻いて消えな!」
「「「「「わっはははあは!」」」」」
なるほど。
今回の黒幕はゾロア神殿、いえ、聖女イボンヌですか。
だとすると、今までの全ての陰謀は、ゾロア神殿と聖女イボンヌが考えた事なのでしょうね。
グッワッチャ。
騎士様が問答無用で三下ならず者を槍でぶちのめされました。
見るも無残な状態で、頭部が粉砕破裂しています。
正直なぜ平気で見ていられるのか分かりません。
「残念だったな。
俺は主家に仕える騎士じゃあない。
だから主家に迷惑はかからん。
それに、そもそも正義を成す事を邪魔するような家には仕えん!
悪には問答無用で正義の鉄槌を下す。
分かったか?
お前達のような屑を手先に使う、邪悪で堕落したゾロア神殿に滅ぼすのだよ!」
凄いです。
誇りを持った本当に騎士です。
強大なゾロア神殿の名を聞いても、怯むことも躊躇する事もありません。
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この騎士様なら信じていいのかもしれません。
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