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3話
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それからの出来事に、ただただ圧倒されました。
三下ならず者一人は殺されましたが、他の者は捕縛されました。
「ゾロア神殿の悪事を証言する者は一緒に来い。
私が被害を取り返してやろう。
ゾロア神殿が恐ろしいなら、俺がゾロア神殿を壊滅させるまで家に隠れていろ。
だが強制はしない、好きにすればいい」
騎士様はきっぱりと言い切られました。
面貌の下にある顔は分かりませんが、きっと絶世の美丈夫なのでしょう。
きっと社交界ではおもてになったことでしょう。
いえ、例え美しい容貌でなくても、これほど凛々しい騎士様に惹かれない令嬢などいないはずです。
私がそうです。
容貌を確かめたわけではありませんが、すでに恋してしまいました。
中性的な美しい容貌ではなく、男らしい容貌であろうと、戦士らしい傷だらけの容貌であろうと、個性的な容貌をされていても、私の恋心は変わりません。
これがひとめ惚れというのかもしれません。
「俺は泣き寝入りしないぞ!
神殿に奪われた娘を取り戻す!
命に代えても取り戻す!」
「俺もだ!
俺も恋人を諦めない!
神殿の売春宿で働かされていても、俺の愛は変わらない!」
なんと酷い事でしょう。
ゾロア神殿は三下ならず者達を使い、暴力で脅して若い女性を集め、事もあろうに売春をやれせているのです。
それで神の教えを説くのですから、恥知らずにもほどがあります。
絶対に許せないです。
それは騎士様も同じでした。
「ゾロア神殿に物申す!
このような下劣な者達を手先に使い、民を脅して女性に無理矢理売春をやらすとは何事か!
これはゾロア神殿全体の悪事か!?
それともここのゾロア神殿だけの悪事か?!
返答しだいでゾロア神殿を攻め滅ぼすぞ!」
「なにを身勝手な事を申しておられるのですか、騎士殿。
ゾロア神殿は売春になど係わっておりません」
「ではこの下劣な者達が神殿に警備を依頼されたというのは嘘だと申すか!」
「嘘ではございません。
その者達に警備を依頼しているのは確かでございます。
ですがその者達がしたことは、その者達が勝手にやったことで、ゾロア神殿がやらせたわけではありません」
「嘘つけ!
神殿に助けを求めたら、神殿に逆らうのかと叩きだしただろうが!」
街の者達が口々に文句を言いだしました。
「やれ、やれ、愚か者になにを言っても無駄なのでしょうか?
お前達は神殿からお金を借りて返さなかったではありませんか。
借金を踏み倒した事を棚に上げて、なにを言っているのでしょうか」
「それは神殿が約束を破ったからではないか!
神殿だから信じて口約束をしたのに、証文には違う契約を書いてたじゃないか!」
「言掛りもはなはだしいですね。
契約はあくまで証文に書かれている事です。
敬虔なゾロア神殿の神官が、証文と違う事を口約束する事などありません。
そもそも文字が読めない貴方達が言うことを、誰が信じるというのですか」
三下ならず者一人は殺されましたが、他の者は捕縛されました。
「ゾロア神殿の悪事を証言する者は一緒に来い。
私が被害を取り返してやろう。
ゾロア神殿が恐ろしいなら、俺がゾロア神殿を壊滅させるまで家に隠れていろ。
だが強制はしない、好きにすればいい」
騎士様はきっぱりと言い切られました。
面貌の下にある顔は分かりませんが、きっと絶世の美丈夫なのでしょう。
きっと社交界ではおもてになったことでしょう。
いえ、例え美しい容貌でなくても、これほど凛々しい騎士様に惹かれない令嬢などいないはずです。
私がそうです。
容貌を確かめたわけではありませんが、すでに恋してしまいました。
中性的な美しい容貌ではなく、男らしい容貌であろうと、戦士らしい傷だらけの容貌であろうと、個性的な容貌をされていても、私の恋心は変わりません。
これがひとめ惚れというのかもしれません。
「俺は泣き寝入りしないぞ!
神殿に奪われた娘を取り戻す!
命に代えても取り戻す!」
「俺もだ!
俺も恋人を諦めない!
神殿の売春宿で働かされていても、俺の愛は変わらない!」
なんと酷い事でしょう。
ゾロア神殿は三下ならず者達を使い、暴力で脅して若い女性を集め、事もあろうに売春をやれせているのです。
それで神の教えを説くのですから、恥知らずにもほどがあります。
絶対に許せないです。
それは騎士様も同じでした。
「ゾロア神殿に物申す!
このような下劣な者達を手先に使い、民を脅して女性に無理矢理売春をやらすとは何事か!
これはゾロア神殿全体の悪事か!?
それともここのゾロア神殿だけの悪事か?!
返答しだいでゾロア神殿を攻め滅ぼすぞ!」
「なにを身勝手な事を申しておられるのですか、騎士殿。
ゾロア神殿は売春になど係わっておりません」
「ではこの下劣な者達が神殿に警備を依頼されたというのは嘘だと申すか!」
「嘘ではございません。
その者達に警備を依頼しているのは確かでございます。
ですがその者達がしたことは、その者達が勝手にやったことで、ゾロア神殿がやらせたわけではありません」
「嘘つけ!
神殿に助けを求めたら、神殿に逆らうのかと叩きだしただろうが!」
街の者達が口々に文句を言いだしました。
「やれ、やれ、愚か者になにを言っても無駄なのでしょうか?
お前達は神殿からお金を借りて返さなかったではありませんか。
借金を踏み倒した事を棚に上げて、なにを言っているのでしょうか」
「それは神殿が約束を破ったからではないか!
神殿だから信じて口約束をしたのに、証文には違う契約を書いてたじゃないか!」
「言掛りもはなはだしいですね。
契約はあくまで証文に書かれている事です。
敬虔なゾロア神殿の神官が、証文と違う事を口約束する事などありません。
そもそも文字が読めない貴方達が言うことを、誰が信じるというのですか」
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