6 / 300
本編
侵攻作戦
しおりを挟む
1533年10月『種子島・5歳』種子島犬楠丸
ガン・ガン・ガン
ドン・ドン・ドン
「若様、禰寝軍が攻め寄せて来ました!」
湊に配備してある緊急を告げる鐘と太鼓が連打されているなか、櫓に乗って俺の作った望遠鏡で状況を確認した家臣が禰寝軍の襲撃を報告してきた。
「民と商人たちはどうしている?!」
「湊にいた者は皆こちらに逃げて来ております、南蛮と明国の商人たちは船の上で戦支度をしておりますが、禰寝軍は商人の船を無視してこちらに向かって来ております」
「ならば俺が迎え討つ! お前たちは民を城に収容して護れ!」
「は!」
父上様と種子島家家臣団の大半が京に向かって2カ月、以前から種子島家を狙っていた禰寝清年が攻め込んで来た。今なら父上様が留守なので、簡単に島を占領出来ると思ったのだろう。だがそうは問屋が卸さない、最初から禰寝清年を誘き寄せる罠として父上様たちに京に行って頂いたのだ。
「やあやあ、吾こそは種子島の領主・種子島恵時が嫡男・種子島犬楠丸なり! 卑怯にも父上の留守の攻め込んだ禰寝清年! 正々堂々吾と一騎討ちせえよ!」
俺は身体強化魔法を使い飛ぶような速さで湊に到着した。そして禰寝軍の攻撃を領民からこちらに引き付ける為、わざと大声で名乗りを上げて禰寝軍に種子島家の嫡男がここにいると知らせた。もちろん負ける気などサラサラないので、俺の武名を天下に広める目的でもある。
名乗りの間も雨あられと弓矢が飛んでくるものの、俺から見れば亀の歩みのようにゆっくりとしたものだ。そんな矢に射られる俺ではないが、万が一当たったとしても表皮の下に張っている防御魔法で弾くことが出来る。
「え~い何をしている、さっさと殺してしまわんか!」
目立つ甲冑を着た馬鹿な男が、中々俺を倒す事が出来ないので躍起になって命令を下し出した。その御蔭で敵の総大将の居場所がはっきりした。神速のスピードで敵総大将に近付き掌底で殺さないよう背中を痛打して気絶させた。
「遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ、吾こそは種子島の領主・種子島恵時が嫡男・種子島犬楠丸なり! 卑怯にも父上の留守の攻め込んだ禰寝清年をここに討ち取ったり!」
5歳児の小さい身体で敵総大将の身体を差し上げて、皆に禰寝清年を討ち取った事を知らせた。本当に禰寝清年かは分からないが、敵総大将であるのは間違いない、少々のハッタリも必要不可欠だ。
後は簡単なものだった、5歳児の驚異的な強さに大半の禰寝軍将兵は武器を捨て降伏したし、僅かに抵抗する将兵も簡単に気絶させる事が出来た。俺に恩を売りたい商人が護衛の兵を引き連れて加勢に駆けつけてきたが、捕虜になった敵将兵に縄をかける以外にする事はなかったほどだ。
今回の侵攻作戦に禰寝清年は全力を掛けていたのだろう、捕虜にした禰寝軍の艦船数と兵力は以下のようなものだった。
小早船(20丁櫓・40兵)10船・400兵
関船 (40丁櫓・90兵) 5船・450兵
ガン・ガン・ガン
ドン・ドン・ドン
「若様、禰寝軍が攻め寄せて来ました!」
湊に配備してある緊急を告げる鐘と太鼓が連打されているなか、櫓に乗って俺の作った望遠鏡で状況を確認した家臣が禰寝軍の襲撃を報告してきた。
「民と商人たちはどうしている?!」
「湊にいた者は皆こちらに逃げて来ております、南蛮と明国の商人たちは船の上で戦支度をしておりますが、禰寝軍は商人の船を無視してこちらに向かって来ております」
「ならば俺が迎え討つ! お前たちは民を城に収容して護れ!」
「は!」
父上様と種子島家家臣団の大半が京に向かって2カ月、以前から種子島家を狙っていた禰寝清年が攻め込んで来た。今なら父上様が留守なので、簡単に島を占領出来ると思ったのだろう。だがそうは問屋が卸さない、最初から禰寝清年を誘き寄せる罠として父上様たちに京に行って頂いたのだ。
「やあやあ、吾こそは種子島の領主・種子島恵時が嫡男・種子島犬楠丸なり! 卑怯にも父上の留守の攻め込んだ禰寝清年! 正々堂々吾と一騎討ちせえよ!」
俺は身体強化魔法を使い飛ぶような速さで湊に到着した。そして禰寝軍の攻撃を領民からこちらに引き付ける為、わざと大声で名乗りを上げて禰寝軍に種子島家の嫡男がここにいると知らせた。もちろん負ける気などサラサラないので、俺の武名を天下に広める目的でもある。
名乗りの間も雨あられと弓矢が飛んでくるものの、俺から見れば亀の歩みのようにゆっくりとしたものだ。そんな矢に射られる俺ではないが、万が一当たったとしても表皮の下に張っている防御魔法で弾くことが出来る。
「え~い何をしている、さっさと殺してしまわんか!」
目立つ甲冑を着た馬鹿な男が、中々俺を倒す事が出来ないので躍起になって命令を下し出した。その御蔭で敵の総大将の居場所がはっきりした。神速のスピードで敵総大将に近付き掌底で殺さないよう背中を痛打して気絶させた。
「遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ、吾こそは種子島の領主・種子島恵時が嫡男・種子島犬楠丸なり! 卑怯にも父上の留守の攻め込んだ禰寝清年をここに討ち取ったり!」
5歳児の小さい身体で敵総大将の身体を差し上げて、皆に禰寝清年を討ち取った事を知らせた。本当に禰寝清年かは分からないが、敵総大将であるのは間違いない、少々のハッタリも必要不可欠だ。
後は簡単なものだった、5歳児の驚異的な強さに大半の禰寝軍将兵は武器を捨て降伏したし、僅かに抵抗する将兵も簡単に気絶させる事が出来た。俺に恩を売りたい商人が護衛の兵を引き連れて加勢に駆けつけてきたが、捕虜になった敵将兵に縄をかける以外にする事はなかったほどだ。
今回の侵攻作戦に禰寝清年は全力を掛けていたのだろう、捕虜にした禰寝軍の艦船数と兵力は以下のようなものだった。
小早船(20丁櫓・40兵)10船・400兵
関船 (40丁櫓・90兵) 5船・450兵
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる