魔法武士・種子島時堯

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本編

対馬国侵攻

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1538年9月『筑前国・大宰府』種子島少弐時堯・10歳

 俺が対馬国を侵攻する決断をしたのには1つ大きな訳があった。それは対馬国守護・宗刑部少輔将盛が日本国王と偽って、偽の使節を朝鮮国王に送っていたからだ!

 対馬国には同情する理由があるにはあった。対馬国は耕作地に恵まれず、どれだけ頑張っても6000石程度の穀物しか生産できない上に、本土に持っていた領地も主家・少弐家の衰退で失ってしまっていた。

 さらにその上に、1510年に起こった朝鮮国内の三浦の乱によって、朝鮮国内に持っていた特権も失ってしまっていた。またその時の混乱で、宗主家の権力・統治権が弱体化してしまい、38もの分家や有力国衆が力を持ってしまっていた。

 だがそれでも日本国王を偽ることは絶対に許されない!

 公式な日本国王使の派遣には朝鮮が室町幕府に発行する象牙符が必要であった。象牙符は大友家と大内家が所持するものだったが、今では俺が完全に管理している。

 俺は大宰府の警察権限を行使して対馬国に侵攻することにしたが、いつものように事前に空を駆けて対馬国内城砦の城門・土塁を破壊して回った。

 俺が単独で対馬国内の破壊活動を開始して直ぐに、対馬国内で内乱が勃発した!

 宗家15代当主・宗刑部少輔将盛を捕えて強制的に隠居させ、僧になっていた宗貞尚を還俗させて宗家16代当主にしようとした。しかし俺はそれを認めなかった、なぜなら対馬国を完全支配下に置く必要があり、宗守護家も佐須守護代家も排除する必要があったからだ。

 俺の意を受けた対馬国の宗家分家や有力国衆は素直にそれに従った。何故ならすでに種子島家との交易無しには対馬国は成り立たない状態となっていたからだ。島内では領民全てを養う穀物の生産もままならず、朝鮮国内の交易利権も制限された対馬国の国衆は、持ち船を使って種子島家の産物を朝鮮や日本各地に運び交易することで生き延びていたのだ。

 対馬国内大半の宗分家・国衆の支持を受けた俺は、種子島海軍と対馬国の産業を開発育成するための陸軍工兵隊1万を送り込んだ。

「対馬国侵攻艦隊」
 第16艦隊・司令官・時任太郎次郎正影
第161戦隊・関船   12船(1080兵)
第162戦隊・関船   12船(1080兵)
第163戦隊・関船   12船(1080兵)
第164戦隊・関船   12船(1080兵)
第17艦隊・司令官・時政鬼太郎家貞
第171戦隊・関船   12船(1080兵)
第172戦隊・関船   12船(1080兵)
第173戦隊・関船   12船(1080兵)
第174戦隊・関船   12船(1080兵)
第18艦隊・司令官・徳丸大治郎家重
第181戦隊・ジャンク 24船(1200兵)
第182戦隊・ジャンク 24船(1200兵)
第183戦隊・ジャンク 24船(1200兵)
第184戦隊・ジャンク 24船(1200兵)
第19艦隊・司令官・福丸源次郎鉦継
第191戦隊・ジャンク 24船(1200兵)
第192戦隊・ジャンク 24船(1200兵)
第193戦隊・ジャンク 24船(1200兵)
第194戦隊・ジャンク 24船(1200兵)

 結果として種子島家は、宗家が朝鮮国内持っていた権利を引き継ぐ事になったし、足利幕府が持っている日朝公式貿易を独占することになった。

1・日本国王使としての交易
2・薺浦・釜山浦の入港権
3・対馬島主歳遣船の派遣25隻
4・歳賜の米と豆を100石

 対馬島主としての交易船は、3000石の大型交易船を建造する事で交易量を増やす予定だが、決して朝鮮国に損失を与える心算ではない。お互いの不足を補い、互いに利のある交易を行う心算だ。
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