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本編
御詫び料理
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1540年4月『京・九条屋敷』種子島大弐時堯・12歳
「大弐殿、今日はよくやってくれたでおじゃる、御上も大変お喜びであったでおじゃる」
「それはよかったです、しかし随分お酒をお飲みになりましたね」
「御上はササがお好きでおじゃるが、長年好きなだけ飲むことが出来なかったでおじゃる」
「ですがあれほどお飲みになると、お身体に悪いのではありませんか?」
「だが大弐殿は医薬にも優れておじゃろう? 死ぬはずだった病の者や戦傷の者を治してみせたと聞いておじゃるよ!」
「確かに少々の病や傷ならお治し出来ますが、限界と言うものがございます」
「そうでおじゃるか、玉体に差し障りがあるようなら諫言して差し上げてたもれ」
「承りました、しかしまさか酔い潰れられてお泊りになるとは思いもしませんでした」
「まあ仕方ないでおじゃるよ、ブランデーとやらとつるし柿やよりみつがあれほど合うとは、麿も初めて知ったでおじゃる」
「お口にあったのなら、よかったです」
今日も御上が九条屋敷に訊ねて来られた、と言うか、お気に入りの女官を沢山連れて飲み食いに来られた。
これは出来るだけ早く料理人を御所に送り込まないと、気が休まる間がなくなる。まあ100回以上転生を繰り返しているから、少々の事で緊張などしなくなってはいるが、あやふやな権威だけあって、財力も戦力もない御上や朝廷は利用価値が高い割に弊害が少ない。
滅ぼしたり廃止して、歴史に種子島家の悪名を残したくはないので、上手く付き合っていきたいのだ!
銭や料理を提供して歓待するくらい簡単なことなのだが、こう毎日毎日来られては敵対勢力が何時動き出すか分からない。幸いと言うか、三好長慶の勢力は俺が伊予を切り取った事で、本拠の阿波と讃岐を護るために畿内から撤退した。
阿波と讃岐を取られたら、畿内での力関係すら危うくなるから当然なのだが、俺どころか土佐一条家相手でも苦戦している。まあ俺との交易で景気がいい土佐一条家は装備もよく戦意も高い。何より九州と伊予方面に全く警戒しなくていいのが利いている。
問題は昨年12月に一条権大納言房家様がお亡くなりになられたことだ!
一条左近衛大将房冬様は戦意が高いが、それに見合いだけの才覚が尾有りになるかどうか・・・・・
「伊達政宗の4月料理を参考にした御上接待料理」
本膳
1・刺身(鯉の洗い)
2・鮑(濃醤)
3・鰹(たたき)
4・みる貝(季節野菜との和え物)
5・燻製チーズ
6・蛤の潮汁
5・七分搗きの御飯盛り
二の膳
1・ケリの焼き鳥
2・身欠き鰊の山椒煮
3・うり・なす・大根などの糠漬け
4・旬野菜の煮びたし
5・小鮎の吸い物
三の膳
1・刺身(平貝)
2・鮭の塩引き
3・鮫の煮凝り
4・旬小菜の白和え
5・鯨ベーコン
6・丹頂鶴のつみれ汁
御引菜(御持ち帰り用)
1・鮒寿司
2・鮎の塩薬
3・鯛の身と卵の煮物
4・蛸を煮て炒ったもの
5・鰯の甘露煮
6・お菓子(色つけ芋・つるし柿・よりみつ)
「よりみつ・よりみず」
うるち米の菓子、上等の新粉に砂糖を混ぜて練り、算木の形に作って細長くひねったもので、茹でるか、蒸すかした。
「大弐殿、今日はよくやってくれたでおじゃる、御上も大変お喜びであったでおじゃる」
「それはよかったです、しかし随分お酒をお飲みになりましたね」
「御上はササがお好きでおじゃるが、長年好きなだけ飲むことが出来なかったでおじゃる」
「ですがあれほどお飲みになると、お身体に悪いのではありませんか?」
「だが大弐殿は医薬にも優れておじゃろう? 死ぬはずだった病の者や戦傷の者を治してみせたと聞いておじゃるよ!」
「確かに少々の病や傷ならお治し出来ますが、限界と言うものがございます」
「そうでおじゃるか、玉体に差し障りがあるようなら諫言して差し上げてたもれ」
「承りました、しかしまさか酔い潰れられてお泊りになるとは思いもしませんでした」
「まあ仕方ないでおじゃるよ、ブランデーとやらとつるし柿やよりみつがあれほど合うとは、麿も初めて知ったでおじゃる」
「お口にあったのなら、よかったです」
今日も御上が九条屋敷に訊ねて来られた、と言うか、お気に入りの女官を沢山連れて飲み食いに来られた。
これは出来るだけ早く料理人を御所に送り込まないと、気が休まる間がなくなる。まあ100回以上転生を繰り返しているから、少々の事で緊張などしなくなってはいるが、あやふやな権威だけあって、財力も戦力もない御上や朝廷は利用価値が高い割に弊害が少ない。
滅ぼしたり廃止して、歴史に種子島家の悪名を残したくはないので、上手く付き合っていきたいのだ!
銭や料理を提供して歓待するくらい簡単なことなのだが、こう毎日毎日来られては敵対勢力が何時動き出すか分からない。幸いと言うか、三好長慶の勢力は俺が伊予を切り取った事で、本拠の阿波と讃岐を護るために畿内から撤退した。
阿波と讃岐を取られたら、畿内での力関係すら危うくなるから当然なのだが、俺どころか土佐一条家相手でも苦戦している。まあ俺との交易で景気がいい土佐一条家は装備もよく戦意も高い。何より九州と伊予方面に全く警戒しなくていいのが利いている。
問題は昨年12月に一条権大納言房家様がお亡くなりになられたことだ!
一条左近衛大将房冬様は戦意が高いが、それに見合いだけの才覚が尾有りになるかどうか・・・・・
「伊達政宗の4月料理を参考にした御上接待料理」
本膳
1・刺身(鯉の洗い)
2・鮑(濃醤)
3・鰹(たたき)
4・みる貝(季節野菜との和え物)
5・燻製チーズ
6・蛤の潮汁
5・七分搗きの御飯盛り
二の膳
1・ケリの焼き鳥
2・身欠き鰊の山椒煮
3・うり・なす・大根などの糠漬け
4・旬野菜の煮びたし
5・小鮎の吸い物
三の膳
1・刺身(平貝)
2・鮭の塩引き
3・鮫の煮凝り
4・旬小菜の白和え
5・鯨ベーコン
6・丹頂鶴のつみれ汁
御引菜(御持ち帰り用)
1・鮒寿司
2・鮎の塩薬
3・鯛の身と卵の煮物
4・蛸を煮て炒ったもの
5・鰯の甘露煮
6・お菓子(色つけ芋・つるし柿・よりみつ)
「よりみつ・よりみず」
うるち米の菓子、上等の新粉に砂糖を混ぜて練り、算木の形に作って細長くひねったもので、茹でるか、蒸すかした。
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