魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

七夕・自動織機の導入

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1540年7月7日『筑前国・大宰府』種子島権中納言時堯・12歳

「叔父上様、頑張ってお役に立たせていただきます」

「ありがとう、頼りにしているよ」

 「はい!」

「みなも頼んだよ」

「「「「「「「はい!」」」」」

 今日は七夕だから、宮中と同じように棚機の行事を大宰府でも行うことにした。堰・ダムが次々と完成しているのはもちろん、水車や牛馬の力で低地から高地に揚水する激流水を利用して発電が始まっている。

 発電が順調に進めば自動織機を導入して、大量の織物を安価に作り出せるようになる。そうなれば圧倒的な生産力で種子島家の資金源の柱の1つになるだろう。原料となる糸も、魚肥のおかげで綿の生産量が飛躍的に増大しているし、山羊や羊も大量に輸入しているうえに領内での繁殖育成も順調に増えている。

 そうそう、輸入している牛馬や山羊・羊は種子島家生産部隊・開墾耕作方に預けているだけではない、自作農にも貸し与えて繁殖育成させている。繁殖して増えた動物は全て種子島家に納めさせるが、乳や毛は7割を税として納めさせ3割を自作農が自由に使えるようにした。

 もちろん糸にしたり織物にした後で7割を税に収め3割を自分のものにしてもいいし、代官所に既定の料金で販売した後で7割の銭を税として納め3割を自分のものにしてもいい。決して何度も何度も税を課すことはなく、1度税を納めればいいのだ。大抵の自作農は織物にまでしてから7割を税に収め、残り3割を自分たちの着物として使ったり販売して銭にしたりしている。

 話を戻そう、水車による発電所を活用した自動織機実験が成功しているから、紡績を種子島家の収入の柱にすることは目前に迫っている。だからこそ神頼みではないが、棚機の行事は大切にしなければならない。だから姪の九条初子(8)を初めてとした穢れない乙女を厳選して、水車発電兼自動織機設置予定地の機屋はたやにこもって神さまのために心をこめて着物を織ってもらった。

 もちろん乞巧奠きこうでんの行事もおろそかにはしなかった。昼にはカジノキ(梶の木)に手空きの皆で歌を結びつけ、硯・墨・筆を飾り、歌・鞠・碁・花・貝覆かいおおい楊弓ようきゅう・香の七遊の遊びを行い、夜には大宰府の庭に蓮を敷き、その上に山海の産物とともにとヒサギ(赤芽柏)の葉に五色の糸を通した七本の針を刺して供え、琴や香炉を飾ったなかで、牽牛・織女の二つの星をながめた。

 今回のご馳走は、禊の神事をお願いする乙女たちにこそ美味しいものを食べてもらいたので、翌日の7月8日に振る舞うことにしたが、参考にしたのは徳川幕府12代将軍・家慶のものだった。

朝食
一の膳
1:鯖潮汁
2:玄米飯  
3:鯣烏賊・飛魚刺身
4:鮎塩焼き
5:鰯生姜煮
6:季節野菜の煮物

二の膳
1:鰯つみれ赤味噌汁
2:帆立貝と季節野菜の煮物
3:鯖塩焼き
4:鰈煮付け 
5:鯵たたき

昼食
一の膳
1:蜆の潮汁
2:こち・鱸の刺身
3:長芋単作
4:豆腐と季節野菜の炊き合わせ
5:鯛塩焼き 
6:海老塩焼き
7:蒸し玉子・寒天・栗きんとん・金糸昆布
8:玄米飯

二の膳
1:鯉こく 
2:鯛刺身
4:鱚塩焼き
5:鱚煮物
6:蒲鉾・ようかん・玉子焼
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