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本編
畿内守護の動向
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1540年9月9日『筑前国・大宰府』種子島権中納言時堯・12歳
「権中納言さま、他の守護は大丈夫なのでしょうか?」
九条兼子は納得してくれたのだが、一条於富はまだ心配なようだ。確かに今の説明だけでは、京を取り巻く国々のうち近江国だけしか説明していない。最大勢力だった細川晴元が滅んだことや、次に最大勢力になりそうな六角家を抑えたことで、他の勢力など心配いらないということが理解できないのだろう。
いやそうではないな、確かに今は六角を抑えているとはいえ、足利義晴将軍を核にして各勢力が連合した場合には、俺はともかく京に居られる御上や公家衆は危険が及ぶかもしれない。側仕えの侍女たちが、家族の心配をしているのを聞けば、その時に話題に出ていた諸勢力のことも聞かないと安心はできないだろう。
「大丈夫だよ、だけど心配ならなんでも聞いてごらん、すべて答えてあげるよ」
「え~と、細川氏綱? 細川持隆?という人は大丈夫なのでしょうか?」
やはり侍女たちから聞いた名前のを憶えているのだな
「最初に細川氏綱という人だけど、この人は摂津という国に力をもっているのだけれど、全ての国衆・地侍・民が味方というわけではないのだよ」
「細川氏綱が嫌いという人もいるのですか?」
「そうなんだ、それに結構多くの国衆にとって、旗頭は力があるなら誰でもいいんだ」
「権中納言様でもいいということですか?」
「そうなんだ、自分たちの領地を認め護ってくれるのなら、その時1番強い人に味方して家族を守りたいと思っているんだよ」
「権中納言さまの方が細川氏綱という人より強いのですか?」
「そうだね、多くの国衆・地侍・民はそう思っているだろうね」
それはそうだろう、毎日巨大なマッコウクジラやシロナガスクジラ・ナガスクジラ・セミクジラ、小さくてもザトウクジラ・コクジラが自分たちの頭の上を運ばれているのだ。それを運んでいる俺を恐れない分けがないのだ。
「では細川持隆という人も、権中納言さまを恐れているのですか?」
「たぶんね、でも何よりも細川持隆の領国である阿波の国衆・地侍・民が恐れているだろうね」
「阿波国といえば四国でございますね? 土佐におられる母上様や兄上様は大丈夫なのでしょうか?」
おっと、俺よりも母親と兄が心配になったか。
「大丈夫だよ、伊予国には種子島家の家臣団がいるから、何かあれば一条家を助けに土佐国に助太刀に行くことも、阿波国に攻め込むこともできるよ」
「そうなのですね、安心したしました」
「もう心配はないかい?」
「畠山・・・・思い出せません」
「畠山家は2つに分かれているのだけれど、その中でもまた分かれて争っているから大丈夫だよ。何より紀伊国は、種子島家と仲が良い根来寺の津田殿がほぼ完全に支配下に置かれているよ」
「ならば大丈夫なのですね!」
「ああ大丈夫だよ、何の心配もいらないよ」
そうなのだ、紀伊国は本来なら多くの勢力に分かれているはずなのだが、種子島家と逸早く協力体制を築き、莫大な富を得て戦力を整えた津田監物殿が圧倒的な指導力を発揮している。根来寺旗頭は四坊あるが、他の三坊が束になってもかなわないだけの資金力と戦闘力を誇っている。何より四坊の下にいる二十七衆が津田殿を支持しているし、雑賀衆も今では津田殿のほぼ言うがままだ!
俺が津田殿と絶縁でもしない限り、根来寺での津田殿天下は動かない。そしてそのことを津田殿も嫡男も重々理解しているから、根来寺は属国と考えてもいい状態になってきている。
「権中納言さま、他の守護は大丈夫なのでしょうか?」
九条兼子は納得してくれたのだが、一条於富はまだ心配なようだ。確かに今の説明だけでは、京を取り巻く国々のうち近江国だけしか説明していない。最大勢力だった細川晴元が滅んだことや、次に最大勢力になりそうな六角家を抑えたことで、他の勢力など心配いらないということが理解できないのだろう。
いやそうではないな、確かに今は六角を抑えているとはいえ、足利義晴将軍を核にして各勢力が連合した場合には、俺はともかく京に居られる御上や公家衆は危険が及ぶかもしれない。側仕えの侍女たちが、家族の心配をしているのを聞けば、その時に話題に出ていた諸勢力のことも聞かないと安心はできないだろう。
「大丈夫だよ、だけど心配ならなんでも聞いてごらん、すべて答えてあげるよ」
「え~と、細川氏綱? 細川持隆?という人は大丈夫なのでしょうか?」
やはり侍女たちから聞いた名前のを憶えているのだな
「最初に細川氏綱という人だけど、この人は摂津という国に力をもっているのだけれど、全ての国衆・地侍・民が味方というわけではないのだよ」
「細川氏綱が嫌いという人もいるのですか?」
「そうなんだ、それに結構多くの国衆にとって、旗頭は力があるなら誰でもいいんだ」
「権中納言様でもいいということですか?」
「そうなんだ、自分たちの領地を認め護ってくれるのなら、その時1番強い人に味方して家族を守りたいと思っているんだよ」
「権中納言さまの方が細川氏綱という人より強いのですか?」
「そうだね、多くの国衆・地侍・民はそう思っているだろうね」
それはそうだろう、毎日巨大なマッコウクジラやシロナガスクジラ・ナガスクジラ・セミクジラ、小さくてもザトウクジラ・コクジラが自分たちの頭の上を運ばれているのだ。それを運んでいる俺を恐れない分けがないのだ。
「では細川持隆という人も、権中納言さまを恐れているのですか?」
「たぶんね、でも何よりも細川持隆の領国である阿波の国衆・地侍・民が恐れているだろうね」
「阿波国といえば四国でございますね? 土佐におられる母上様や兄上様は大丈夫なのでしょうか?」
おっと、俺よりも母親と兄が心配になったか。
「大丈夫だよ、伊予国には種子島家の家臣団がいるから、何かあれば一条家を助けに土佐国に助太刀に行くことも、阿波国に攻め込むこともできるよ」
「そうなのですね、安心したしました」
「もう心配はないかい?」
「畠山・・・・思い出せません」
「畠山家は2つに分かれているのだけれど、その中でもまた分かれて争っているから大丈夫だよ。何より紀伊国は、種子島家と仲が良い根来寺の津田殿がほぼ完全に支配下に置かれているよ」
「ならば大丈夫なのですね!」
「ああ大丈夫だよ、何の心配もいらないよ」
そうなのだ、紀伊国は本来なら多くの勢力に分かれているはずなのだが、種子島家と逸早く協力体制を築き、莫大な富を得て戦力を整えた津田監物殿が圧倒的な指導力を発揮している。根来寺旗頭は四坊あるが、他の三坊が束になってもかなわないだけの資金力と戦闘力を誇っている。何より四坊の下にいる二十七衆が津田殿を支持しているし、雑賀衆も今では津田殿のほぼ言うがままだ!
俺が津田殿と絶縁でもしない限り、根来寺での津田殿天下は動かない。そしてそのことを津田殿も嫡男も重々理解しているから、根来寺は属国と考えてもいい状態になってきている。
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