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第1章:激戦
第12話:追跡
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「お嬢様は休息されてください」
ヴァネッサたち護衛騎士がアルテイシアの前に出てヘルドッグを殺す。
素早い動きと鋭い牙と強靭な顎力で恐れられているヘルドッグ。
並のプレートメイルなら噛み切ってしまう恐ろしい咬みつき。
そんなヘルドックの群れ100頭を、瞬殺と言って良い早さで楽々と殺す。
見惚れそうになるくらい優雅な動きなのに必殺の一撃になっている。
ヴァネッサだけが戦うのではなく、狭い地下道なのに上手く入れ替わっている。
舞踊、それも達人が演じる剣舞のように見える。
剣舞は観せるためのものだが、ヴァネッサたちの戦いは意図せずに魅せる力を秘めていて、観客がいたら引き込まれて魅了されていただろう。
ただ、それだけの動きと力を発揮するためには、体力魔力命力を大量に必要とするのだが、それを舌下薬が補給してくれていた。
「露払いはお任せください」
ヴァネッサがそう言って、先頭を駆けようとするアルテイシアを押し止めた。
負け惜しみを言った魔族が待ち伏せをしている可能性があった。
魔族は逃げていても、罠を仕掛けている可能性を恐れた。
「分かったわ、でも公爵を討つのは私ですよ。
赤仮面卿との約束を破るような恥はかかせないでね」
アルテイシアが護衛騎士と侍女たちに言う。
全員の目を順番に見て、自分に恥をかかせないように命じた。
「「「「「御心のままに」」」」」
護衛騎士と侍女たちはその場で最敬礼をした。
生れた時から守り育んできた主君であり娘でもあるアルテイシア嬢。
お嬢様の為なら何時でも命を捨てられる者たちだった。
ヘルドックを全て討ち果たすと、ヴァネッサたちがアルテイシアに先頭を譲った。
アルテイシアは、奇襲を防ぐために破魔剣を中段に構えている。
どのような相手が来ても後れを取らない、アルテイシアの無言の主張を認めた。
「わたくしの後をついてきなさい」
「「「「「はい!」」」」」
アルテイシア主従は、優雅に見えるのに素早く地下道を進んだ。
もう魔族は逃げたかもしれないが、それでも諦める事無く進んだ。
実母シャルロッテの仇を討つためなら地の果てまで、それこそ魔神の世界にまで乗り込む覚悟で進んだ。
誰にも邪魔される事無く、罠もなく、行き止まりに扉があった。
アルテイシア主従は期待半分、諦め半分の気持ちだった。
多くの扉や分かれ道があれば、まだ公爵がどこかの部屋にいる可能性があった。
公爵の隠れ部屋以外を使って魔族が逃げた可能性があった。
だが、行き止まりにだけ扉があるなら、その先には部屋があり、公爵がいる。
先ほど逃げた魔族は必ず公爵に会っていて、襲撃を聞いているはずなのだ。
その部屋で公爵と魔族が待ち伏せしている可能性もあるが、あの公爵が行き止まりの部屋に逃げ道を作っていない訳がない、そう考えて半分は諦めていたのだ。
何も言わなくても、護衛騎士の一人が静かに扉を開けようとした。
ところが、鍵が閉められているのか開けられない。
ヴァネッサが輝剣を振るって扉を斬る。
扉を斬り倒すと同時に別の護衛騎士が部屋に突入する。
アルテイシアが不意討ちされないように、護衛騎士たちが先陣を切る。
地下道ではアルテイシアが先陣を切っていたのに、部屋の突入では変わった。
アルテイシア主従の阿吽の呼吸は他の者には理解できない。
「な、なんでお前が?!」
アルテイシアの耳に、思い出したくもない嫌な声が部屋の中から聞こえてきた。
自分の中に半分もの血が流れている事に嫌悪する、公爵の声が聞こえてきた。
怒りで頭に血が上ると同時に、身体が冷たくなるのをアルテイシアは感じた。
「母上の仇、その小汚い命で償いなさい!」
アルテイシアは部屋に入って破魔剣で公爵を斬り殺そうとした。
「ひぃい、魔神様、おたすけください!」
(下賤な人間に『吾』が力を貸す訳が無かろう、自分で何とかせよ)
又しても声ではない何か頭や心に直接響いた。
魔神の圧倒的な力に、アルテイシア主従は魂が震えるような恐怖を感じた。
感じたが、同時に手を貸さないという言葉に安堵もしていた。
アルテイシアたちはこれで公爵を討てると思った。
思っていたのだが、魔神の言葉には裏があった。
公爵の身体が弾けて、魔獣に変化したのだ。
その本性に合わせた姿、ホブオークに変化したのだ。
変化して襲ってくるかと思ったのだが、そのまま身を翻して逃げたのだ。
魔神の言葉とホブオークへの変化、更に襲って来ると思っていた所を逃げられたアルテイシア主従は虚を突かれ、一瞬だけ追撃が遅れてしまった。
しかも卑怯下劣な上の憶病な公爵は、逃げ道に数々の罠を仕掛けていた。
その罠を1つ1つ解除しなければホブオークに追いつけない。
このまま逃がしてしまうのかと、アルテイシア主従は焦っていた。
「私たちが先を進みます!
人々を癒す心優しき医神様、魔神の手先から受けた傷や病を癒してください。
魔神の眷属手先を斃すために、回復ができるようにしてください。
キュア・オール・インジャリィ・アンド・イルネス」
ヴァネッサが呪文を唱えると、他の護衛騎士たちも同じように呪文を唱えてから罠を無視して突き進みだした。
作動した罠から放たれる毒の塗られた矢や槍、噴霧毒を自ら積極的に受けた。
斬り落としきれなくて、身体に毒を受けても、最短距離を走り抜けていく。
即死級の猛毒に侵されても瞬時に治る。
「何をしているのです、止めなさい!」
自殺するような行動にアルテイシアが悲鳴混じりに叱責をする。
「大丈夫です、舌下薬のお陰で戦神と医神の加護が得られています」
アルテイシアの前を駆けるヴァネッサは、そう言うと又舌下薬を口に含んだ。
医神の加護を受けているので毒は中和され傷も癒えるのだが、自分の体力魔力命力がなければ、どれほど敬虔な人間でも解毒も治癒もできない。
アルテイシアは内心の不安を押し殺していた。
今日初めて会った赤仮面の事は、その言動で多少は信用していた。
だが、完全に信用している訳ではない。
不思議に無条件に信頼できそうな気がするのだが、それを理性で抑えていた。
大切な仇討の成功と家臣たちの命を考えて、無条件に信じないように抑えていた。
抑えた結果、舌下薬も無条件に信じてはいけないと思っていた。
見た事も聞いた事もない絶大な効果を示した舌下薬だ。
後で何か悪い事が起きるのではないかと不安になっていた。
魔族から助けてくれたから、まずないとは思っているが、アルテイシア主従を絶望させるために、後で魔獣に変化する薬ではないのかと不安に思っていた。
不安な時間は長く感じるが、実際には非常用逃走路から外に出るまで1時間もかかっていなかった。
それでも、ホブオークが罠を作動させながら逃げるよりは時間がかかった。
作動した罠を斬り捨て身体に受けて駆け抜けたが、罠を作動させながら逃げたホブオーク公爵よりは時間がかかっていた。
「ここはどこだと思いますか?」
アルテイシア主従が外に出た場所は深い森だった。
まだ10歳にも満たない時に王城の後宮に入ったアルテイシアは、この国の地理に疎く、突然森の中に出てしまったら場所が分からない。
知識としては地図を見て知っている場所も多いし、鍛錬の為に入った魔境とそこまでの道は知っていたが、それ以外の場所は土地勘がなかった。
「絶対ではありませんが、王都北にある魔境だと思います」
「わたくしが鍛錬に来ていた魔境ですか?!」
「はい、逃走路にするなら、追手に見つかり難い場所に出ます。
同じ森でも、魔境の方が追手をまき易いです。
まして公爵は魔神に魂を売っていました。
魔境に生息する魔獣に襲われないかもしれません。
魔神の眷属と魔境の魔獣は別物と言われていますが、違うかもしれません」
「分かりました、魔境の魔獣が魔神の眷属かもしれない前提で跡を追えますか?」
「御任せ下さい」
ヴァネッサたち護衛騎士がアルテイシアの前に出てヘルドッグを殺す。
素早い動きと鋭い牙と強靭な顎力で恐れられているヘルドッグ。
並のプレートメイルなら噛み切ってしまう恐ろしい咬みつき。
そんなヘルドックの群れ100頭を、瞬殺と言って良い早さで楽々と殺す。
見惚れそうになるくらい優雅な動きなのに必殺の一撃になっている。
ヴァネッサだけが戦うのではなく、狭い地下道なのに上手く入れ替わっている。
舞踊、それも達人が演じる剣舞のように見える。
剣舞は観せるためのものだが、ヴァネッサたちの戦いは意図せずに魅せる力を秘めていて、観客がいたら引き込まれて魅了されていただろう。
ただ、それだけの動きと力を発揮するためには、体力魔力命力を大量に必要とするのだが、それを舌下薬が補給してくれていた。
「露払いはお任せください」
ヴァネッサがそう言って、先頭を駆けようとするアルテイシアを押し止めた。
負け惜しみを言った魔族が待ち伏せをしている可能性があった。
魔族は逃げていても、罠を仕掛けている可能性を恐れた。
「分かったわ、でも公爵を討つのは私ですよ。
赤仮面卿との約束を破るような恥はかかせないでね」
アルテイシアが護衛騎士と侍女たちに言う。
全員の目を順番に見て、自分に恥をかかせないように命じた。
「「「「「御心のままに」」」」」
護衛騎士と侍女たちはその場で最敬礼をした。
生れた時から守り育んできた主君であり娘でもあるアルテイシア嬢。
お嬢様の為なら何時でも命を捨てられる者たちだった。
ヘルドックを全て討ち果たすと、ヴァネッサたちがアルテイシアに先頭を譲った。
アルテイシアは、奇襲を防ぐために破魔剣を中段に構えている。
どのような相手が来ても後れを取らない、アルテイシアの無言の主張を認めた。
「わたくしの後をついてきなさい」
「「「「「はい!」」」」」
アルテイシア主従は、優雅に見えるのに素早く地下道を進んだ。
もう魔族は逃げたかもしれないが、それでも諦める事無く進んだ。
実母シャルロッテの仇を討つためなら地の果てまで、それこそ魔神の世界にまで乗り込む覚悟で進んだ。
誰にも邪魔される事無く、罠もなく、行き止まりに扉があった。
アルテイシア主従は期待半分、諦め半分の気持ちだった。
多くの扉や分かれ道があれば、まだ公爵がどこかの部屋にいる可能性があった。
公爵の隠れ部屋以外を使って魔族が逃げた可能性があった。
だが、行き止まりにだけ扉があるなら、その先には部屋があり、公爵がいる。
先ほど逃げた魔族は必ず公爵に会っていて、襲撃を聞いているはずなのだ。
その部屋で公爵と魔族が待ち伏せしている可能性もあるが、あの公爵が行き止まりの部屋に逃げ道を作っていない訳がない、そう考えて半分は諦めていたのだ。
何も言わなくても、護衛騎士の一人が静かに扉を開けようとした。
ところが、鍵が閉められているのか開けられない。
ヴァネッサが輝剣を振るって扉を斬る。
扉を斬り倒すと同時に別の護衛騎士が部屋に突入する。
アルテイシアが不意討ちされないように、護衛騎士たちが先陣を切る。
地下道ではアルテイシアが先陣を切っていたのに、部屋の突入では変わった。
アルテイシア主従の阿吽の呼吸は他の者には理解できない。
「な、なんでお前が?!」
アルテイシアの耳に、思い出したくもない嫌な声が部屋の中から聞こえてきた。
自分の中に半分もの血が流れている事に嫌悪する、公爵の声が聞こえてきた。
怒りで頭に血が上ると同時に、身体が冷たくなるのをアルテイシアは感じた。
「母上の仇、その小汚い命で償いなさい!」
アルテイシアは部屋に入って破魔剣で公爵を斬り殺そうとした。
「ひぃい、魔神様、おたすけください!」
(下賤な人間に『吾』が力を貸す訳が無かろう、自分で何とかせよ)
又しても声ではない何か頭や心に直接響いた。
魔神の圧倒的な力に、アルテイシア主従は魂が震えるような恐怖を感じた。
感じたが、同時に手を貸さないという言葉に安堵もしていた。
アルテイシアたちはこれで公爵を討てると思った。
思っていたのだが、魔神の言葉には裏があった。
公爵の身体が弾けて、魔獣に変化したのだ。
その本性に合わせた姿、ホブオークに変化したのだ。
変化して襲ってくるかと思ったのだが、そのまま身を翻して逃げたのだ。
魔神の言葉とホブオークへの変化、更に襲って来ると思っていた所を逃げられたアルテイシア主従は虚を突かれ、一瞬だけ追撃が遅れてしまった。
しかも卑怯下劣な上の憶病な公爵は、逃げ道に数々の罠を仕掛けていた。
その罠を1つ1つ解除しなければホブオークに追いつけない。
このまま逃がしてしまうのかと、アルテイシア主従は焦っていた。
「私たちが先を進みます!
人々を癒す心優しき医神様、魔神の手先から受けた傷や病を癒してください。
魔神の眷属手先を斃すために、回復ができるようにしてください。
キュア・オール・インジャリィ・アンド・イルネス」
ヴァネッサが呪文を唱えると、他の護衛騎士たちも同じように呪文を唱えてから罠を無視して突き進みだした。
作動した罠から放たれる毒の塗られた矢や槍、噴霧毒を自ら積極的に受けた。
斬り落としきれなくて、身体に毒を受けても、最短距離を走り抜けていく。
即死級の猛毒に侵されても瞬時に治る。
「何をしているのです、止めなさい!」
自殺するような行動にアルテイシアが悲鳴混じりに叱責をする。
「大丈夫です、舌下薬のお陰で戦神と医神の加護が得られています」
アルテイシアの前を駆けるヴァネッサは、そう言うと又舌下薬を口に含んだ。
医神の加護を受けているので毒は中和され傷も癒えるのだが、自分の体力魔力命力がなければ、どれほど敬虔な人間でも解毒も治癒もできない。
アルテイシアは内心の不安を押し殺していた。
今日初めて会った赤仮面の事は、その言動で多少は信用していた。
だが、完全に信用している訳ではない。
不思議に無条件に信頼できそうな気がするのだが、それを理性で抑えていた。
大切な仇討の成功と家臣たちの命を考えて、無条件に信じないように抑えていた。
抑えた結果、舌下薬も無条件に信じてはいけないと思っていた。
見た事も聞いた事もない絶大な効果を示した舌下薬だ。
後で何か悪い事が起きるのではないかと不安になっていた。
魔族から助けてくれたから、まずないとは思っているが、アルテイシア主従を絶望させるために、後で魔獣に変化する薬ではないのかと不安に思っていた。
不安な時間は長く感じるが、実際には非常用逃走路から外に出るまで1時間もかかっていなかった。
それでも、ホブオークが罠を作動させながら逃げるよりは時間がかかった。
作動した罠を斬り捨て身体に受けて駆け抜けたが、罠を作動させながら逃げたホブオーク公爵よりは時間がかかっていた。
「ここはどこだと思いますか?」
アルテイシア主従が外に出た場所は深い森だった。
まだ10歳にも満たない時に王城の後宮に入ったアルテイシアは、この国の地理に疎く、突然森の中に出てしまったら場所が分からない。
知識としては地図を見て知っている場所も多いし、鍛錬の為に入った魔境とそこまでの道は知っていたが、それ以外の場所は土地勘がなかった。
「絶対ではありませんが、王都北にある魔境だと思います」
「わたくしが鍛錬に来ていた魔境ですか?!」
「はい、逃走路にするなら、追手に見つかり難い場所に出ます。
同じ森でも、魔境の方が追手をまき易いです。
まして公爵は魔神に魂を売っていました。
魔境に生息する魔獣に襲われないかもしれません。
魔神の眷属と魔境の魔獣は別物と言われていますが、違うかもしれません」
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