12 / 13
第1章
第12話:追跡
しおりを挟む
「お嬢様は休息されてください」
ヴァネッサたち護衛騎士がアルテイシアの前に出てヘルドッグを殺す。
素早い動きと鋭い牙と強靭な顎力で恐れられているヘルドッグ。
並のプレートメイルなら噛み切ってしまう恐ろしい咬みつき。
そんなヘルドックの群れ100頭を、瞬殺と言って良い早さで楽々と殺す。
見惚れそうになるくらい優雅な動きなのに必殺の一撃になっている。
ヴァネッサだけが戦うのではなく、狭い地下道なのに上手く入れ替わっている。
舞踊、それも達人が演じる剣舞のように見える。
剣舞は観せるためのものだが、ヴァネッサたちの戦いは意図せずに魅せる力を秘めていて、観客がいたら引き込まれて魅了されていただろう。
ただ、それだけの動きと力を発揮するためには、体力魔力命力を大量に必要とするのだが、それを舌下薬が補給してくれていた。
「露払いはお任せください」
ヴァネッサがそう言って、先頭を駆けようとするアルテイシアを押し止めた。
負け惜しみを言った魔族が待ち伏せをしている可能性があった。
魔族は逃げていても、罠を仕掛けている可能性を恐れた。
「分かったわ、でも公爵を討つのは私ですよ。
赤仮面卿との約束を破るような恥はかかせないでね」
アルテイシアが護衛騎士と侍女たちに言う。
全員の目を順番に見て、自分に恥をかかせないように命じた。
「「「「「御心のままに」」」」」
護衛騎士と侍女たちはその場で最敬礼をした。
生れた時から守り育んできた主君であり娘でもあるアルテイシア嬢。
お嬢様の為なら何時でも命を捨てられる者たちだった。
ヘルドックを全て討ち果たすと、ヴァネッサたちがアルテイシアに先頭を譲った。
奇襲を防ぐと破魔剣を中段に構えるアルテイシアの無言の主張を認めた。
「わたくしの後をついてきなさい」
「「「「「はい!」」」」」
アルテイシア主従は、優雅に見えるのに素早く地下道を進んだ。
もう魔族は逃げたかもしれないが、それでも諦める事無く進んだ。
実母シャルロッテの仇を討つためなら地の果てまで、それこそ魔神の世界にまで乗り込む覚悟で進んだ。
誰にも邪魔される事無く、罠もなく、行き止まりに扉があった。
アルテイシア主従は期待半分、諦め半分の気持ちだった。
多くの扉や分かれ道があれば、まだ公爵がどこかの部屋にいる可能性があった。
公爵の隠れ部屋以外を使って魔族が逃げた可能性があった。
だが、行き止まりにだけ扉があるなら、その先には部屋があり、公爵がいる。
先ほど逃げた魔族は必ず公爵に会っていて、襲撃を聞いているはずなのだ。
その部屋で公爵と魔族が待ち伏せしている可能性もあるが、あの公爵が行き止まりの部屋に逃げ道を作っていない訳がない、そう考えて半分は諦めていたのだ。
諦めて何も言わなくても、護衛騎士の一人が静かに扉を開けようとした。
ところが、鍵が閉められているのか開けられない。
ヴァネッサが輝剣を振るって扉を斬る。
扉を斬り倒すと同時に別の護衛騎士が部屋に突入する。
アルテイシアが不意討ちされないように、護衛騎士たちが先陣を切る。
地下道ではアルテイシアが先陣を切っていたのに、部屋の突入では変わった。
アルテイシア主従の阿吽の呼吸は他の者には理解できない。
「な、なんでお前が?!」
アルテイシアの耳に、思い出したくもない嫌な声が部屋の中から聞こえてきた。
自分の中に半分もの血が流れている事に嫌悪する、公爵の声が聞こえてきた。
怒りで頭に血が上ると同時に、身体が冷たくなるのをアルテイシアは感じた。
「母上の仇、その小汚い命で償いなさい!」
アルテイシアは部屋に入って破魔剣で公爵を斬り殺そうとした。
「ひぃい、魔神様、おたすけください!」
(下賤な人間に『吾』が力を貸す訳が無かろう、自分で何とかせよ)
又しても声ではない何か頭や心に直接響いた。
魔神の圧倒的な力に、アルテイシア主従は魂が震えるような恐怖を感じた。
感じたが、同時に手を貸さないという言葉に安堵もしていた。
アルテイシアたちはこれで公爵を討てると思った。
思っていたのだが、魔神の言葉には裏があった。
公爵の身体が弾けて、魔獣に変化したのだ。
その本性に合わせた姿、ホブオークに変化したのだ。
変化して襲ってくるかと思ったのだが、そのまま身を翻して逃げたのだ。
魔神の言葉とホブオークへの変化、更に襲って来ると思っていた所を逃げられたアルテイシア主従は虚を突かれ、一瞬だけ追撃が遅れてしまった。
しかも卑怯下劣な上の憶病な公爵は、逃げ道に数々の罠を仕掛けていた。
その罠を1つ1つ解除しなければホブオークに追いつけない。
このまま逃がしてしまうのかと、アルテイシア主従は焦っていた。
「私たちが先を進みます!
人々を癒す心優しき医神様、魔神の手先から受けた傷や病を癒してください。
魔神の眷属手先を斃すために、回復ができるようにしてください。
キュア・オール・インジャリィ・アンド・イルネス」
ヴァネッサが呪文を唱えると、他の護衛騎士たちも同じように呪文を唱えてから罠を無視して突き進みだした。
作動した罠から放たれる毒の塗られた矢や槍、噴霧毒を自ら積極的に受けた。
斬り落としきれなくて身に受けても、最短距離を走り抜けていく。
即死級の猛毒に侵されても瞬時に治る。
「何をしているのです、止めなさい!」
自殺するような行動にアルテイシアが悲鳴混じりに叱責をする。
「大丈夫です、舌下薬のお陰で戦神と医神の加護が得られています」
アルテイシアの前を駆けるヴァネッサは、そう言うと又舌下薬を口に含んだ。
医神の加護を受けているので毒は中和され傷も癒えるのだが、自分の体力魔力命力がなければ、どれほど敬虔な人間でも解毒も治癒もできない。
アルテイシアは内心の不安を押し殺していた。
今日初めて会った赤仮面の事は、その言動で多少は信用していた。
だが、完全に信用している訳ではない。
不思議に無条件に信頼できそうな気がするのだが、それを理性で抑えていた。
大切な仇討の成功と家臣たちの命を考えて、無条件に信じないように抑えていた。
抑えた結果、舌下薬も無条件に信じてはいけないと思っていた。
見た事も聞いた事もない絶大な効果を示した舌下薬だ。
後で何か悪い事が起きるのではないかと不安になっていた。
魔族から助けてくれたから、まずないとは思っているが、アルテイシア主従を絶望させるために、後で魔獣に変化する薬ではないのかと不安に思っていた。
不安な時間は長く感じるが、実際には非常用逃走路から外に出るまで1時間もかかっていなかった。
それでも、ホブオークが罠を作動させながら逃げるよりは時間がかかった。
作動した罠を斬り捨て身体に受けて駆け抜けたが、罠を作動させながら逃げたホブオーク公爵よりは時間がかかっていた。
「ここはどこだと思いますか?」
アルテイシア主従が外に出た場所は深い森だった。
まだ10歳にも満たない時に王城の後宮に入ったアルテイシアは、この国の地理に疎く、突然森の中に出てしまったら場所が分からない。
知識としては地図を見て知っている場所も多いし、鍛錬の為に入った魔境とそこまでの道は知っていたが、それ以外の場所は土地勘がなかった。
「絶対ではありませんが、王都北にある魔境だと思います」
「わたくしが鍛錬に来ていた魔境ですか?!」
「はい、逃走路にするなら、追手に見つかり難い場所に出ます。
同じ森でも、魔境の方が追手をまき易いです。
まして公爵は魔神に魂を売っていました。
魔境に生息する魔獣に襲われないかもしれません。
魔神の眷属と魔境の魔獣は別物と言われていますが、違うかもしれません」
「分かりました、魔境の魔獣が魔神の眷属かもしれない前提で跡を追えますか?」
「御任せ下さい」
ヴァネッサたち護衛騎士がアルテイシアの前に出てヘルドッグを殺す。
素早い動きと鋭い牙と強靭な顎力で恐れられているヘルドッグ。
並のプレートメイルなら噛み切ってしまう恐ろしい咬みつき。
そんなヘルドックの群れ100頭を、瞬殺と言って良い早さで楽々と殺す。
見惚れそうになるくらい優雅な動きなのに必殺の一撃になっている。
ヴァネッサだけが戦うのではなく、狭い地下道なのに上手く入れ替わっている。
舞踊、それも達人が演じる剣舞のように見える。
剣舞は観せるためのものだが、ヴァネッサたちの戦いは意図せずに魅せる力を秘めていて、観客がいたら引き込まれて魅了されていただろう。
ただ、それだけの動きと力を発揮するためには、体力魔力命力を大量に必要とするのだが、それを舌下薬が補給してくれていた。
「露払いはお任せください」
ヴァネッサがそう言って、先頭を駆けようとするアルテイシアを押し止めた。
負け惜しみを言った魔族が待ち伏せをしている可能性があった。
魔族は逃げていても、罠を仕掛けている可能性を恐れた。
「分かったわ、でも公爵を討つのは私ですよ。
赤仮面卿との約束を破るような恥はかかせないでね」
アルテイシアが護衛騎士と侍女たちに言う。
全員の目を順番に見て、自分に恥をかかせないように命じた。
「「「「「御心のままに」」」」」
護衛騎士と侍女たちはその場で最敬礼をした。
生れた時から守り育んできた主君であり娘でもあるアルテイシア嬢。
お嬢様の為なら何時でも命を捨てられる者たちだった。
ヘルドックを全て討ち果たすと、ヴァネッサたちがアルテイシアに先頭を譲った。
奇襲を防ぐと破魔剣を中段に構えるアルテイシアの無言の主張を認めた。
「わたくしの後をついてきなさい」
「「「「「はい!」」」」」
アルテイシア主従は、優雅に見えるのに素早く地下道を進んだ。
もう魔族は逃げたかもしれないが、それでも諦める事無く進んだ。
実母シャルロッテの仇を討つためなら地の果てまで、それこそ魔神の世界にまで乗り込む覚悟で進んだ。
誰にも邪魔される事無く、罠もなく、行き止まりに扉があった。
アルテイシア主従は期待半分、諦め半分の気持ちだった。
多くの扉や分かれ道があれば、まだ公爵がどこかの部屋にいる可能性があった。
公爵の隠れ部屋以外を使って魔族が逃げた可能性があった。
だが、行き止まりにだけ扉があるなら、その先には部屋があり、公爵がいる。
先ほど逃げた魔族は必ず公爵に会っていて、襲撃を聞いているはずなのだ。
その部屋で公爵と魔族が待ち伏せしている可能性もあるが、あの公爵が行き止まりの部屋に逃げ道を作っていない訳がない、そう考えて半分は諦めていたのだ。
諦めて何も言わなくても、護衛騎士の一人が静かに扉を開けようとした。
ところが、鍵が閉められているのか開けられない。
ヴァネッサが輝剣を振るって扉を斬る。
扉を斬り倒すと同時に別の護衛騎士が部屋に突入する。
アルテイシアが不意討ちされないように、護衛騎士たちが先陣を切る。
地下道ではアルテイシアが先陣を切っていたのに、部屋の突入では変わった。
アルテイシア主従の阿吽の呼吸は他の者には理解できない。
「な、なんでお前が?!」
アルテイシアの耳に、思い出したくもない嫌な声が部屋の中から聞こえてきた。
自分の中に半分もの血が流れている事に嫌悪する、公爵の声が聞こえてきた。
怒りで頭に血が上ると同時に、身体が冷たくなるのをアルテイシアは感じた。
「母上の仇、その小汚い命で償いなさい!」
アルテイシアは部屋に入って破魔剣で公爵を斬り殺そうとした。
「ひぃい、魔神様、おたすけください!」
(下賤な人間に『吾』が力を貸す訳が無かろう、自分で何とかせよ)
又しても声ではない何か頭や心に直接響いた。
魔神の圧倒的な力に、アルテイシア主従は魂が震えるような恐怖を感じた。
感じたが、同時に手を貸さないという言葉に安堵もしていた。
アルテイシアたちはこれで公爵を討てると思った。
思っていたのだが、魔神の言葉には裏があった。
公爵の身体が弾けて、魔獣に変化したのだ。
その本性に合わせた姿、ホブオークに変化したのだ。
変化して襲ってくるかと思ったのだが、そのまま身を翻して逃げたのだ。
魔神の言葉とホブオークへの変化、更に襲って来ると思っていた所を逃げられたアルテイシア主従は虚を突かれ、一瞬だけ追撃が遅れてしまった。
しかも卑怯下劣な上の憶病な公爵は、逃げ道に数々の罠を仕掛けていた。
その罠を1つ1つ解除しなければホブオークに追いつけない。
このまま逃がしてしまうのかと、アルテイシア主従は焦っていた。
「私たちが先を進みます!
人々を癒す心優しき医神様、魔神の手先から受けた傷や病を癒してください。
魔神の眷属手先を斃すために、回復ができるようにしてください。
キュア・オール・インジャリィ・アンド・イルネス」
ヴァネッサが呪文を唱えると、他の護衛騎士たちも同じように呪文を唱えてから罠を無視して突き進みだした。
作動した罠から放たれる毒の塗られた矢や槍、噴霧毒を自ら積極的に受けた。
斬り落としきれなくて身に受けても、最短距離を走り抜けていく。
即死級の猛毒に侵されても瞬時に治る。
「何をしているのです、止めなさい!」
自殺するような行動にアルテイシアが悲鳴混じりに叱責をする。
「大丈夫です、舌下薬のお陰で戦神と医神の加護が得られています」
アルテイシアの前を駆けるヴァネッサは、そう言うと又舌下薬を口に含んだ。
医神の加護を受けているので毒は中和され傷も癒えるのだが、自分の体力魔力命力がなければ、どれほど敬虔な人間でも解毒も治癒もできない。
アルテイシアは内心の不安を押し殺していた。
今日初めて会った赤仮面の事は、その言動で多少は信用していた。
だが、完全に信用している訳ではない。
不思議に無条件に信頼できそうな気がするのだが、それを理性で抑えていた。
大切な仇討の成功と家臣たちの命を考えて、無条件に信じないように抑えていた。
抑えた結果、舌下薬も無条件に信じてはいけないと思っていた。
見た事も聞いた事もない絶大な効果を示した舌下薬だ。
後で何か悪い事が起きるのではないかと不安になっていた。
魔族から助けてくれたから、まずないとは思っているが、アルテイシア主従を絶望させるために、後で魔獣に変化する薬ではないのかと不安に思っていた。
不安な時間は長く感じるが、実際には非常用逃走路から外に出るまで1時間もかかっていなかった。
それでも、ホブオークが罠を作動させながら逃げるよりは時間がかかった。
作動した罠を斬り捨て身体に受けて駆け抜けたが、罠を作動させながら逃げたホブオーク公爵よりは時間がかかっていた。
「ここはどこだと思いますか?」
アルテイシア主従が外に出た場所は深い森だった。
まだ10歳にも満たない時に王城の後宮に入ったアルテイシアは、この国の地理に疎く、突然森の中に出てしまったら場所が分からない。
知識としては地図を見て知っている場所も多いし、鍛錬の為に入った魔境とそこまでの道は知っていたが、それ以外の場所は土地勘がなかった。
「絶対ではありませんが、王都北にある魔境だと思います」
「わたくしが鍛錬に来ていた魔境ですか?!」
「はい、逃走路にするなら、追手に見つかり難い場所に出ます。
同じ森でも、魔境の方が追手をまき易いです。
まして公爵は魔神に魂を売っていました。
魔境に生息する魔獣に襲われないかもしれません。
魔神の眷属と魔境の魔獣は別物と言われていますが、違うかもしれません」
「分かりました、魔境の魔獣が魔神の眷属かもしれない前提で跡を追えますか?」
「御任せ下さい」
12
あなたにおすすめの小説
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!
【完結】「幼馴染が皇子様になって迎えに来てくれた」
まほりろ
恋愛
腹違いの妹を長年に渡りいじめていた罪に問われた私は、第一王子に婚約破棄され、侯爵令嬢の身分を剥奪され、塔の最上階に閉じ込められていた。
私が腹違いの妹のマダリンをいじめたという事実はない。
私が断罪され兵士に取り押さえられたときマダリンは、第一王子のワルデマー殿下に抱きしめられにやにやと笑っていた。
私は妹にはめられたのだ。
牢屋の中で絶望していた私の前に現れたのは、幼い頃私に使えていた執事見習いのレイだった。
「迎えに来ましたよ、メリセントお嬢様」
そう言って、彼はニッコリとほほ笑んだ
※他のサイトにも投稿してます。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
【完結】王太子に婚約破棄され、父親に修道院行きを命じられた公爵令嬢、もふもふ聖獣に溺愛される〜王太子が謝罪したいと思ったときには手遅れでした
まほりろ
恋愛
【完結済み】
公爵令嬢のアリーゼ・バイスは一学年の終わりの進級パーティーで、六年間婚約していた王太子から婚約破棄される。
壇上に立つ王太子の腕の中には桃色の髪と瞳の|庇護《ひご》欲をそそる愛らしい少女、男爵令嬢のレニ・ミュルべがいた。
アリーゼは男爵令嬢をいじめた|冤罪《えんざい》を着せられ、男爵令嬢の取り巻きの令息たちにののしられ、卵やジュースを投げつけられ、屈辱を味わいながらパーティー会場をあとにした。
家に帰ったアリーゼは父親から、貴族社会に向いてないと言われ修道院行きを命じられる。
修道院には人懐っこい仔猫がいて……アリーゼは仔猫の愛らしさにメロメロになる。
しかし仔猫の正体は聖獣で……。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
・ざまぁ有り(死ネタ有り)・ざまぁ回には「ざまぁ」と明記します。
・婚約破棄、アホ王子、モフモフ、猫耳、聖獣、溺愛。
2021/11/27HOTランキング3位、28日HOTランキング2位に入りました! 読んで下さった皆様、ありがとうございます!
誤字報告ありがとうございます! 大変助かっております!!
アルファポリスに先行投稿しています。他サイトにもアップしています。
【完結】「第一王子に婚約破棄されましたが平気です。私を大切にしてくださる男爵様に一途に愛されて幸せに暮らしますので」
まほりろ
恋愛
学園の食堂で第一王子に冤罪をかけられ、婚約破棄と国外追放を命じられた。
食堂にはクラスメイトも生徒会の仲間も先生もいた。
だが面倒なことに関わりたくないのか、皆見てみぬふりをしている。
誰か……誰か一人でもいい、私の味方になってくれたら……。
そんなとき颯爽?と私の前に現れたのは、ボサボサ頭に瓶底眼鏡のひょろひょろの男爵だった。
彼が私を守ってくれるの?
※ヒーローは最初弱くてかっこ悪いですが、回を重ねるごとに強くかっこよくなっていきます。
※ざまぁ有り、死ネタ有り
※他サイトにも投稿予定。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
報われなくても平気ですので、私のことは秘密にしていただけますか?
小桜
恋愛
レフィナード城の片隅で治癒師として働く男爵令嬢のペルラ・アマーブレは、騎士隊長のルイス・クラベルへ密かに思いを寄せていた。
しかし、ルイスは命の恩人である美しい女性に心惹かれ、恋人同士となってしまう。
突然の失恋に、落ち込むペルラ。
そんなある日、謎の騎士アルビレオ・ロメロがペルラの前に現れた。
「俺は、放っておけないから来たのです」
初対面であるはずのアルビレオだが、なぜか彼はペルラこそがルイスの恩人だと確信していて――
ペルラには報われてほしいと願う一途なアルビレオと、絶対に真実は隠し通したいペルラの物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる