2 / 63
第一章
1話
しおりを挟む
「ガルシア公爵には謀叛の疑いがある!
そのような疑惑のある家の女と婚約などできん。
オリビアとの婚約は無効とする。
だが王太子たる者、婚約者がなしでは色々と不便だ。
よって、ガルシア公爵家謀叛の証拠を集めた功のある、シモンズ子爵のナオミ嬢を婚約者とする」
一瞬意識が真っ白になりました。
その場に崩れ落ちそうになりました。
ですが、ここで倒れる訳にはまいりません!
王都の屋敷には母上しかいないのです。
ここで私が抗弁しなければ、ガルシア公爵家は潰されてしまいます。
ですが厳しい状態でしょう。
財務大臣を務める父上は国境の街にいます。
兄上はその護衛として行動を共にされておられます。
北の隣国、ベネットとの関税交渉に赴いているのです。
宮廷魔導師を務める弟のルークは、大魔境の探索に派遣されています。
大魔境に異変があると言う事で、急遽探索を命じられたのです。
あまりにおかしいです。
ガルシア公爵家に謀叛の濡れ衣を着せるために、王都から遠ざけたとしか思われません。
「王太子殿下。
我がガルシア公爵家は王家の血を引く名門でございます。
王家を護る藩屏と自負しております。
それを謀叛の疑いをかけられるなど、納得いきません。
私の事が気に食わないと申されるのでしたら、婚約破棄はお受けいたします。
しかしガルシア公爵家の謀叛容疑は納得できません!」
ナオミ嬢を婚約者にしたいだけなら、これで引いてくれるかもしれません。
領地には忠誠を誓う家臣たちがいてくれます。
兵を動かして無理矢理占領するのは、難しいと考えるはずです。
悪女の色香に迷ったとは言え、王太子殿下にもそれくらいの分別があるはずです。
「黙れ!
これを見よ。
シモンズ子爵が集めた証拠の手紙じゃ。
ベネット王国の兵を我が国に引き入れ、ネイサンが王に成らんとした手紙じゃ!」
遠目に見ただけで父上の筆跡と違うのが分かります。
明らかな偽手紙です。
無理無体な言い掛かりです。
「遠目に見ただけで父の筆跡でないのが一目瞭然でございます。
これで父の謀叛だと言うのは酷い事です」
「証拠を残さないように、家臣に代筆させたのだ。
代筆した家臣が罪を悔いて、シモンズ子爵に全て自白した。
ほれ、出てこい!」
ベンジャミンです!
ガルシア公爵家の威光を笠に、領地の民を苦しめていた大悪人です。
美しい娘を手籠めにしたり、不当な税を課したりしたので、父が解雇したのです。
逆恨みして、ガルシア公爵家を陥れようとしているのです。
絶対に許せません!
そのような疑惑のある家の女と婚約などできん。
オリビアとの婚約は無効とする。
だが王太子たる者、婚約者がなしでは色々と不便だ。
よって、ガルシア公爵家謀叛の証拠を集めた功のある、シモンズ子爵のナオミ嬢を婚約者とする」
一瞬意識が真っ白になりました。
その場に崩れ落ちそうになりました。
ですが、ここで倒れる訳にはまいりません!
王都の屋敷には母上しかいないのです。
ここで私が抗弁しなければ、ガルシア公爵家は潰されてしまいます。
ですが厳しい状態でしょう。
財務大臣を務める父上は国境の街にいます。
兄上はその護衛として行動を共にされておられます。
北の隣国、ベネットとの関税交渉に赴いているのです。
宮廷魔導師を務める弟のルークは、大魔境の探索に派遣されています。
大魔境に異変があると言う事で、急遽探索を命じられたのです。
あまりにおかしいです。
ガルシア公爵家に謀叛の濡れ衣を着せるために、王都から遠ざけたとしか思われません。
「王太子殿下。
我がガルシア公爵家は王家の血を引く名門でございます。
王家を護る藩屏と自負しております。
それを謀叛の疑いをかけられるなど、納得いきません。
私の事が気に食わないと申されるのでしたら、婚約破棄はお受けいたします。
しかしガルシア公爵家の謀叛容疑は納得できません!」
ナオミ嬢を婚約者にしたいだけなら、これで引いてくれるかもしれません。
領地には忠誠を誓う家臣たちがいてくれます。
兵を動かして無理矢理占領するのは、難しいと考えるはずです。
悪女の色香に迷ったとは言え、王太子殿下にもそれくらいの分別があるはずです。
「黙れ!
これを見よ。
シモンズ子爵が集めた証拠の手紙じゃ。
ベネット王国の兵を我が国に引き入れ、ネイサンが王に成らんとした手紙じゃ!」
遠目に見ただけで父上の筆跡と違うのが分かります。
明らかな偽手紙です。
無理無体な言い掛かりです。
「遠目に見ただけで父の筆跡でないのが一目瞭然でございます。
これで父の謀叛だと言うのは酷い事です」
「証拠を残さないように、家臣に代筆させたのだ。
代筆した家臣が罪を悔いて、シモンズ子爵に全て自白した。
ほれ、出てこい!」
ベンジャミンです!
ガルシア公爵家の威光を笠に、領地の民を苦しめていた大悪人です。
美しい娘を手籠めにしたり、不当な税を課したりしたので、父が解雇したのです。
逆恨みして、ガルシア公爵家を陥れようとしているのです。
絶対に許せません!
39
あなたにおすすめの小説
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
【完結】 ご存知なかったのですね。聖女は愛されて力を発揮するのです
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
本当の聖女だと知っているのにも関わらずリンリーとの婚約を破棄し、リンリーの妹のリンナールと婚約すると言い出した王太子のヘルーラド。陛下が承諾したのなら仕方がないと身を引いたリンリー。
リンナールとヘルーラドの婚約発表の時、リンリーにとって追放ととれる発表までされて……。
【完結】離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~
猫燕
恋愛
「――そなたとの婚姻を破棄する。即刻、王宮を去れ」
王妃としての5年間、私はただ国を支えていただけだった。
王妃アデリアは、側妃ラウラの嘘と王の独断により、「毒を盛った」という冤罪で突然の離縁を言い渡された。「ただちに城を去れ」と宣告されたアデリアは静かに王宮を去り、生まれ故郷・ターヴァへと向かう。
しかし、領地の国境を越えた彼女を待っていたのは、驚くべき光景だった。
迎えに来たのは何百もの領民、兄、彼女の帰還に歓喜する侍女たち。
かつて王宮で軽んじられ続けたアデリアの政策は、故郷では“奇跡”として受け継がれ、領地を繁栄へ導いていたのだ。実際は薬学・医療・農政・内政の天才で、治癒魔法まで操る超有能王妃だった。
故郷の温かさに癒やされ、彼女の有能さが改めて証明されると、その評判は瞬く間に近隣諸国へ広がり──
“冷徹の皇帝”と恐れられる隣国の若き皇帝・カリオンが現れる。
皇帝は彼女の才覚と優しさに心を奪われ、「私はあなたを守りたい」と静かに誓う。
冷徹と恐れられる彼が、なぜかターヴァ領に何度も通うようになり――「君の価値を、誰よりも私が知っている」「アデリア・ターヴァ。君の全てを、私のものにしたい」
一方その頃――アデリアを失った王国は急速に荒れ、疫病、飢饉、魔物被害が連鎖し、内政は崩壊。国王はようやく“失ったものの価値”を理解し始めるが、もう遅い。
追放された王妃は、故郷で神と崇められ、最強の溺愛皇帝に娶られる!「あなたが望むなら、帝国も全部君のものだ」――これは、誰からも理解されなかった“本物の聖女”が、
ようやく正当に愛され、報われる物語。
※「小説家になろう」にも投稿しています
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
【完結】私を虐げる姉が今の婚約者はいらないと押し付けてきましたが、とても優しい殿方で幸せです 〜それはそれとして、家族に復讐はします〜
ゆうき
恋愛
侯爵家の令嬢であるシエルは、愛人との間に生まれたせいで、父や義母、異母姉妹から酷い仕打ちをされる生活を送っていた。
そんなシエルには婚約者がいた。まるで本物の兄のように仲良くしていたが、ある日突然彼は亡くなってしまった。
悲しみに暮れるシエル。そこに姉のアイシャがやってきて、とんでもない発言をした。
「ワタクシ、とある殿方と真実の愛に目覚めましたの。だから、今ワタクシが婚約している殿方との結婚を、あなたに代わりに受けさせてあげますわ」
こうしてシエルは、必死の抗議も虚しく、身勝手な理由で、新しい婚約者の元に向かうこととなった……横暴で散々虐げてきた家族に、復讐を誓いながら。
新しい婚約者は、社交界でとても恐れられている相手。うまくやっていけるのかと不安に思っていたが、なぜかとても溺愛されはじめて……!?
⭐︎全三十九話、すでに完結まで予約投稿済みです。11/12 HOTランキング一位ありがとうございます!⭐︎
【完結】無能な聖女はいらないと婚約破棄され、追放されたので自由に生きようと思います
黒幸
恋愛
辺境伯令嬢レイチェルは学園の卒業パーティーでイラリオ王子から、婚約破棄を告げられ、国外追放を言い渡されてしまう。
レイチェルは一言も言い返さないまま、パーティー会場から姿を消した。
邪魔者がいなくなったと我が世の春を謳歌するイラリオと新たな婚約者ヒメナ。
しかし、レイチェルが国からいなくなり、不可解な事態が起き始めるのだった。
章を分けるとかえって、ややこしいとの御指摘を受け、章分けを基に戻しました。
どうやら、作者がメダパニ状態だったようです。
表紙イラストはイラストAC様から、お借りしています。
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる