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第一章
21話ナオミ視点
このまま処刑になってたまるものですか!
苦労して王太子を誑かして、王妃の地位が見えてきたのです。
魔導師の餓鬼や気取った公爵令嬢に負けてなどいられない。
私の魅力なら、牢番を誑かすくらい簡単なのです。
「ここを開けて私を出して。
出してくれたら、接吻してあげるわ。
家に戻ったら、金貨百枚をあげる。
王太子殿下が戴冠されたら、騎士に取り立ててあげるわ。
だから私をここから出してちょうだい」
男など獣欲に塗れた馬鹿ばかり。
少し色目を使えば、簡単に隙を見せる。
色と金と地位を約束すれば、簡単に買収できる。
牢番もそうなら、普段偉そうにしている近衛騎士もそう。
「ここを開けて私を出して。
出してくれたら、あなたを私の騎士に指名してあげる。
家に戻ったら、金貨百枚をあげる。
王太子殿下が戴冠されたら、近衛騎士隊長に取り立ててあげるわ。
だから私をここから出してちょうだい」
後は王太子が幽閉されている塔にまで行ければ、全てが手に入る。
王太子を連れて家に戻れば、ベネット王国に味方する貴族達が立つ。
我が家は子爵家から侯爵家に陞爵され、私は属国とはいえ一国の王妃。
いや、私の魅力なら、グレイソン王に取り入り、ベネット王国の王妃にだって成れるはず!
「近衛騎士長殿。
よく御考えになって。
魔導師ごときに脅されて、王太子殿下を害するなんておかしいと思われませんか?
忠勇兼備の近衛騎士長殿が今の地位に留められているのも、ガルシア公爵家の専横があるからではありませんか?
本当に王家に忠誠を誓っておられるのなら、王太子殿下を御救いするのが筋ではありませんか?
どうか忠節を尽くされ、近衛騎士団長に御成りください!」
本当に男は馬鹿。
自分の能力を過大に評価して、今の地位が不当だと思っている。
馬鹿げた話。
無能なのにもかかわらず、先祖の功績の御陰で高い地位に就いていることを全く理解していない。
だから少しおだてて、地位を約束して背中を押してやれば、簡単に主君を裏切る。
「殿下!
ナオミが御助けに参りました。
早く御逃げにならないと、処刑されてしまいます。
御急ぎください。
さあ、早く、殿下!」
「何を言っている?
誰が余を処刑すると言うのだ。
余は王太子であるぞ。
余を処刑できる者などおらん!」
「王太子殿下。
哀しき事なれど、国王陛下は殿下の処刑を御考えでございます。
その証拠に、一度は遠ざけたムーア子爵を呼び戻され、ルークとオリビアを王宮に呼び出しています」
「なんだと!
おのれ!
もはや父とも国王とも思わん!
この国のため、余が王となる!
ついてまいれ!」
「は!」
私が言わなくても、色と欲に塗れた馬鹿な男どもが動き出した。
本当に愚かなやつら。
苦労して王太子を誑かして、王妃の地位が見えてきたのです。
魔導師の餓鬼や気取った公爵令嬢に負けてなどいられない。
私の魅力なら、牢番を誑かすくらい簡単なのです。
「ここを開けて私を出して。
出してくれたら、接吻してあげるわ。
家に戻ったら、金貨百枚をあげる。
王太子殿下が戴冠されたら、騎士に取り立ててあげるわ。
だから私をここから出してちょうだい」
男など獣欲に塗れた馬鹿ばかり。
少し色目を使えば、簡単に隙を見せる。
色と金と地位を約束すれば、簡単に買収できる。
牢番もそうなら、普段偉そうにしている近衛騎士もそう。
「ここを開けて私を出して。
出してくれたら、あなたを私の騎士に指名してあげる。
家に戻ったら、金貨百枚をあげる。
王太子殿下が戴冠されたら、近衛騎士隊長に取り立ててあげるわ。
だから私をここから出してちょうだい」
後は王太子が幽閉されている塔にまで行ければ、全てが手に入る。
王太子を連れて家に戻れば、ベネット王国に味方する貴族達が立つ。
我が家は子爵家から侯爵家に陞爵され、私は属国とはいえ一国の王妃。
いや、私の魅力なら、グレイソン王に取り入り、ベネット王国の王妃にだって成れるはず!
「近衛騎士長殿。
よく御考えになって。
魔導師ごときに脅されて、王太子殿下を害するなんておかしいと思われませんか?
忠勇兼備の近衛騎士長殿が今の地位に留められているのも、ガルシア公爵家の専横があるからではありませんか?
本当に王家に忠誠を誓っておられるのなら、王太子殿下を御救いするのが筋ではありませんか?
どうか忠節を尽くされ、近衛騎士団長に御成りください!」
本当に男は馬鹿。
自分の能力を過大に評価して、今の地位が不当だと思っている。
馬鹿げた話。
無能なのにもかかわらず、先祖の功績の御陰で高い地位に就いていることを全く理解していない。
だから少しおだてて、地位を約束して背中を押してやれば、簡単に主君を裏切る。
「殿下!
ナオミが御助けに参りました。
早く御逃げにならないと、処刑されてしまいます。
御急ぎください。
さあ、早く、殿下!」
「何を言っている?
誰が余を処刑すると言うのだ。
余は王太子であるぞ。
余を処刑できる者などおらん!」
「王太子殿下。
哀しき事なれど、国王陛下は殿下の処刑を御考えでございます。
その証拠に、一度は遠ざけたムーア子爵を呼び戻され、ルークとオリビアを王宮に呼び出しています」
「なんだと!
おのれ!
もはや父とも国王とも思わん!
この国のため、余が王となる!
ついてまいれ!」
「は!」
私が言わなくても、色と欲に塗れた馬鹿な男どもが動き出した。
本当に愚かなやつら。
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