公爵令嬢が婚約破棄され、弟の天才魔導師が激怒した。

克全

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第二章

44話

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 ドレスガン王国はとても可哀想でした。
 国王と国王と血の繋がる者が全員疣臭豚に変化させられたのですが、正妃や側妃は変化させられませんでしたし、王弟も変化させられていません。
 ハッキリ言えば、ケリガン王の子種を受けた子供だけが、どう言う魔法の仕掛けかは分かりませんが、ルークによって一緒に変化させられたのです。

 大問題だったのは、多くの王子と王女の中に、王と一緒に変化しなかった者がいたのです。
 早い話が、王の子種ではない、不義の子供がいたのです。
 それが次期国王を選ぶ後継者問題を内戦にしてしまいました。
 通常は、王位継承権が一番高い者や、軍事力を持っている者、軍事力を持つ支援者がいる者が後継者となります。

 ですが今回は、王位継承が一番高い者が第五王子で、第三側妃が生んだ不義の子なのです。
 一番兵力を掌握していたのが先々代王の孫で、第一騎士団長を務める伯爵なのですが、王位継承権がとても低くて五十三位です。
 最も強大な支援者がいるのが第十一王子で、正妃が生んだ不義の子なのですが、西に領地を接するコレクト王国の姫なのです。
 
 考えるまでもなく、御家騒動で王位争いが泥沼となってしまったのです。
 ルークの呪いが怖いので、隣国は積極的に介入出来ませんが、コレクト王国のミアヒス王は、妹が可愛いのとドレスガン国王に自分の甥を戴冠した時の利を考えて、金だけを送って、ドレスガン国内で傭兵を集めて戦力を整えさせました。
 なかなか考えています。

 第一騎士団長は王位継承権は低いものの、独自の戦力を持っているので、騎士団を率いて不義者を討つと宣言し、王都王城内で虐殺を始めました。

 第五王子と第三側妃は、不義相手の近衛騎士隊長に護られ、ベネット王国に落ち延びる事に成功しました。
 第三側妃は生家の身分が低く、とても王位継承権争いに勝てないと判断し、捲土重来を期して他国の支援を仰ごうとしたのです。

 それなりの王位継承権を持つ王弟や王の従兄弟たちは、血みどろの内戦に巻き込まれ、次々と死んでいきました。
 それに巻き込まれて、王都の民も地方の民の、次々と殺されてしまいました。
 全てはルークの呪いの結果です。
 正直とても寝覚めが悪いです。

 もっと順当に王位が継承されるように、血の繋がらない王子や王女も変化させればよかったのです。
 そうすれば、順当に第二王弟かその嫡男が戴冠していたでしょう。
 残された正妃や側妃もその後援者も、それなりの待遇に満足して、第二王弟に協力した事でしょう。

 不義の責任を取らされて殺されるか、嘘を通して戴冠するしか道が無くなってしまったのが、泥沼の内戦に繋がってしまいました。
 もっとしっかり私が考えていればと、忸怩たる思いです。
 しかも遠い国な話ではなく、私とルークにも影響が出てしまいました。
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