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「ええい!
まだ兵士の準備は整わんのか!」
「もう直ぐでございます。
屋敷の周りの民の数がもう少し減れば、屋敷の兵士だけでも突破できます。
準備が整う前に門を開けたら、民が屋敷に押し入ってきてしまいます」
「そのような事は、言われなくても分かっておるわ!
おのれクラリス!
下劣な真似をしおって!
聖女なら聖女らしく、祈りだけ捧げておればいいものを。
このままでは済まさんぞ。
必ず報復してくれる!」
貴族院議長、バルフォア侯爵ザシャトが身勝手な事を言っています。
下劣なのはお前でしょう。
まあいいです。
生きていられるのも残りわずかです。
私の放った魔獣が、そろそろバルフォア侯爵の屋敷にたどりつく頃です。
「魔獣だ!
魔獣が現れたぞ!
逃げろ、急いで逃げるんだ!」
バルフォア侯爵の屋敷を囲んでいた民が、急いで逃げていきます。
深夜近くなっているので、エレノアと見ていた時よりも凄く人数が減っています。
王城を囲んでいる民の数も減っていたので、タイミングは最高ですね。
ここで魔獣が現れたと噂が流れたら、民の怒りと恐怖は頂点に達します。
エレノアが熟睡するまで、眠いのを我慢して起きていた甲斐がありました。
封印の網の強度は、まだまだ丈夫でした。
今この大きさの魔獣、牙鼠がこの世界に出てこれる状態ではありませんでした。
それを私が手を加えて、一時的に網を広げたのです。
あまりに強大な魔獣がでてこないように、慎重に場所とタイミングを計って、牙鼠十頭だけをこの世界に放ったのです。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「魔獣だ!
魔獣がでたぞぉ!」
門番が慌てふためいています。
バルフォア侯爵家の陪臣徒士が、槍を振るって斃そうとしています。
ですが無理ですね。
あのようなへっぴり腰では、とても魔獣の堅い皮を貫く事はできません。
本当に武力で採用された、真の騎士や徒士以外では、最弱に近い牙鼠の皮すら突き破る事は不可能です。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!
悪かった!
俺が悪かった!
正す!
裁判をやり直すから許してくれ!
頼む、クラリス。
クラリス様!
ギャアギャア!
痛い!
俺の身体を食べさせるのは止めてくれ!
クラリスさまぁぁぁぁ!」
汚い男が牙鼠に喰い殺されるのを見ても、何も面白くないですね。
いい気味だとは思いますが、楽しいわけでも、うれしいわけでもありません。
牙鼠は、突き出たところ、柔らかいところから食べます。
耳や鼻、唇や指先から齧ります。
喉仏から喰い破ってくれれば、早めに窒息して死ねるでしょうが、腹を喰い破られ、生きたまま内臓を喰われるのはとても痛いでしょう。
まあ、これで王侯貴族も民も思い知った事でしょう。
もう眠いので眠りましょう。
まだ兵士の準備は整わんのか!」
「もう直ぐでございます。
屋敷の周りの民の数がもう少し減れば、屋敷の兵士だけでも突破できます。
準備が整う前に門を開けたら、民が屋敷に押し入ってきてしまいます」
「そのような事は、言われなくても分かっておるわ!
おのれクラリス!
下劣な真似をしおって!
聖女なら聖女らしく、祈りだけ捧げておればいいものを。
このままでは済まさんぞ。
必ず報復してくれる!」
貴族院議長、バルフォア侯爵ザシャトが身勝手な事を言っています。
下劣なのはお前でしょう。
まあいいです。
生きていられるのも残りわずかです。
私の放った魔獣が、そろそろバルフォア侯爵の屋敷にたどりつく頃です。
「魔獣だ!
魔獣が現れたぞ!
逃げろ、急いで逃げるんだ!」
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深夜近くなっているので、エレノアと見ていた時よりも凄く人数が減っています。
王城を囲んでいる民の数も減っていたので、タイミングは最高ですね。
ここで魔獣が現れたと噂が流れたら、民の怒りと恐怖は頂点に達します。
エレノアが熟睡するまで、眠いのを我慢して起きていた甲斐がありました。
封印の網の強度は、まだまだ丈夫でした。
今この大きさの魔獣、牙鼠がこの世界に出てこれる状態ではありませんでした。
それを私が手を加えて、一時的に網を広げたのです。
あまりに強大な魔獣がでてこないように、慎重に場所とタイミングを計って、牙鼠十頭だけをこの世界に放ったのです。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「魔獣だ!
魔獣がでたぞぉ!」
門番が慌てふためいています。
バルフォア侯爵家の陪臣徒士が、槍を振るって斃そうとしています。
ですが無理ですね。
あのようなへっぴり腰では、とても魔獣の堅い皮を貫く事はできません。
本当に武力で採用された、真の騎士や徒士以外では、最弱に近い牙鼠の皮すら突き破る事は不可能です。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!
悪かった!
俺が悪かった!
正す!
裁判をやり直すから許してくれ!
頼む、クラリス。
クラリス様!
ギャアギャア!
痛い!
俺の身体を食べさせるのは止めてくれ!
クラリスさまぁぁぁぁ!」
汚い男が牙鼠に喰い殺されるのを見ても、何も面白くないですね。
いい気味だとは思いますが、楽しいわけでも、うれしいわけでもありません。
牙鼠は、突き出たところ、柔らかいところから食べます。
耳や鼻、唇や指先から齧ります。
喉仏から喰い破ってくれれば、早めに窒息して死ねるでしょうが、腹を喰い破られ、生きたまま内臓を喰われるのはとても痛いでしょう。
まあ、これで王侯貴族も民も思い知った事でしょう。
もう眠いので眠りましょう。
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